0ターンキル
提供:MTG Wiki
0ターンキル(Turn Zero Kill)とは、ゲーム開始後、自分のターンが来る前に対戦相手を倒すこと。
インスタント・タイミングで全ての作業を終わらせるため、言い換えれば先攻のアップキープ・ステップ中に対戦相手を倒すことである。この定義から、自分が後攻でなくては成立しない。もっとも、自分が先攻であるなら普通に土地をプレイしてコンボを決めて1ターンキルすればいいだけの話。自分のターンが始まった直後に相手から0ターンキルが仕掛けられて、それに対応してこちらからもやり返せば0ターンキルと言えるだろうか。
そもそも先攻アップキープ中に望む色のマナ、特に暗黒の儀式/Dark Ritualを擁する黒マナを出す方法が非常に限られるため、長らく存在しなかった概念である。エルフの指導霊/Elvish Spirit Guide4枚から召喚の調べ/Chord of Calling経由でクローサの旅人/Krosan Wayfarerやブラッド・ペット/Blood Petなどを用いれば可能ではあるが、手札の枚数が不足するためそこで打ち止めであった。しかし、時のらせんにおいて宝石の洞窟/Gemstone Cavernsが登場し、エターナル環境において理論上可能になった。また2007年4月、閃光/Flashのオラクル改定により、ヴィンテージやレガシーで現実的な確率の0ターンキルが行えるようになった。
- 0ターンキルが可能な手札である場合、例えば1ターンキルとすれば宝石の洞窟を基本土地に置き換えても可能であり、タイミングの制限や戦闘不可ということもあって、一般に1ターンキルよりも0ターンキルの方が難しいと言える。
- 基本セット2011以降では、予期の力線/Leyline of Anticipationでインスタント以外のカードをコンボに組み込めるので、無数の0ターンキル手順が考えられる。
0ターンキルの例
魂の撃ち込み/Soul Spikeを使用した例
- 初期手札7枚中4枚が、宝石の洞窟/Gemstone Caverns、暗黒の儀式/Dark Ritual、納墓/Entomb、浅すぎる墓穴/Shallow Grave。そして、さらに1枚が0マナで撃てる除去(闇の旋動/Spinning Darkness、不快な群れ/Sickening Shoalなど)。
- 上記以外のカードを追放し、ゲーム開始時に宝石の洞窟をセットランド。
- 宝石の洞窟から(黒)を出し、それを暗黒の儀式で(黒)(黒)(黒)に増やす。
- そのマナで納墓と浅すぎる墓穴を唱え、ライブラリーのアカデミーの学長/Academy Rectorを戦場に出す。
- 除去呪文でアカデミーの学長を破壊し、ライブラリーのヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargainを戦場に出す。
- ヨーグモスの取り引きの能力で魂の撃ち込み/Soul Spike×4、エルフの指導霊/Elvish Spirit Guide、回収/Reclaim、黒のカード10枚を引く。
- 魂の撃ち込みを4回と、回収とヨーグモスの取り引きの能力で手札に戻した魂の撃ち込みをさらにもう1回唱え、計20点ドレイン。
あくまで「理論上」であり、手札どころかライブラリーから適切なカードを引かなければ成功しない。手札の情報だけで勝利が確定しないので、実際に試みるのはお勧めしない(初期手札が完成することもかなり無理な確率だが)。
閃光/Flashを使用した例
- 初期手札7枚中に宝石の洞窟/Gemstone Caverns、閃光/Flash、さらにもう1マナ出せるカード(エルフの指導霊/Elvish Spirit Guideか猿人の指導霊/Simian Spirit Guide)、変幻の大男/Protean Hulkの4枚がある。クリーチャー部分を召喚士の契約/Summoner's Pactで補ってもよい。
- 上記以外のカードを追放し、ゲーム開始時に宝石の洞窟をセットランド。
- 宝石の洞窟から(青)を出し、どちらかのSpirit Guideからもう1マナを供給。閃光を唱える。
- 手札から変幻の大男が戦場に出るが、マナ・コストが支払えないため生け贄に捧げられる。
- 変幻の大男のPIG能力が誘発、ライブラリーから大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault3~4体、X=0のファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauderと変容する壁/Shifting Wallが最大4体ずつ戦場に出る。
- 大霊堂の信奉者の能力が大量に誘発し、対戦相手は30点前後のライフを失う。
たった4枚でコンボが完成する上、コンボパーツを代用できるカードが存在するため、成功率はこれまでのものとは比較にならない。1ターンキル率になるとさらに跳ね上がり、2~3ターン目にはほぼ確実に決まってしまう。(→ハルクフラッシュ)
- 0ターンキルの確率は約3%、限界までマリガンすれば5%にまで上昇する(パリ・マリガンルール時)。
- グランプリコロンバス07で猛威を振るったため、閃光/Flashはレガシーで禁止されることになった。
その他、初期手札が猿人の指導霊/Simian Spirit Guide3枚、煮えたぎる歌/Seething Song2枚、うねる炎/Surging Flame、稲妻の謎/Riddle of Lightningの7枚の状態でスタート、うねる炎を波及含め3枚唱えて6点のダメージを与え、さらに稲妻の謎で土着のワーム/Autochthon Wurmをめくって15点ダメージを与えて勝利する方法などもある。この方法は第9版が落ちる前のラヴニカ・ブロック~時のらせんブロック期のスタンダードで理論上実現できた。