シールド
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主な公式フォーマット
- リミテッド (Limited)
- シールド (Sealed Deck)
- ブースター・ドラフト (Booster Draft)
シールド/Sealed Deckとは、未開封のブースターパックをその場で開け、40枚以上のデッキを構築する対戦形式。リミテッドに分類され、認定大会でも多く行われている。
- シールドとは「盾/Shield」ではなく「封をされた/Sealed」という意味である。
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解説
ブースターパックから出てきたカードをそのままデッキ構築に用いるという性格上、すべてのフォーマットの中でもっとも運の要素が大きい。
各プレイヤーに同数同種の未開封のブースターパックが支給され、これを用いてデッキの構築を行う。
平地/Plains、島/Island、沼/Swamp、山/Mountain、森/Forestは好きなだけ支給される。デッキに使用しないカードはすべてサイドボードとなる。
ルール適用度において競技レベル以上の場合、シールド戦では専用のデッキ登録用紙へ開封したカードすべてを記入する(この後、不正防止のために登録用紙とカードをランダムで別の参加者と交換する場合もある)。時間内に間違いなくパックのカードを記入することが大切である。
用いるパックについて
シールドデッキの構成についてはイベント規定によって明記され、「7.2 リミテッドのイベントでのカードの使用」において2020年時点では個人戦は6パックの使用が推奨されている[1]。実際にシールドイベントを行う際のカード・セットとパック数についてはイベント主催者に一任されているが、最新カードセットの6パック構成で行われることがほとんどであり、公認・公式大会も同様に開催されてきている。
過去のセットに関する備考
- 小型エキスパンションを使用する場合、「大型エキスパンション×2、小型エキスパンション×4」の構成で行うのが主流である。
- タルキール覇王譚ブロック以前の1ブロック3エキスパンションの頃は、「大型エキスパンション×6」、「大型エキスパンション×3+小型エキスパンションA×3」、「大型エキスパンション×2+小型エキスパンションA×2+小型エキスパンションB×2」で行われるのが主流であった。
- トーナメントパックが発売されていた2009年2月(コンフラックスのプレリリース・トーナメント・発売記念パーティ)まではトーナメントパック×1、ブースターパック×2(トーナメントパックがない場合はブースターパック×5)で行われていた。カードのダブり方や、レアカードの強化などで戦術が違ってきている。
- 黎明期では、スターターデッキに土地が入っているので、基本土地は各人最大5枚までしか追加で支給されなかった(例:山/Mountain2枚+沼/Swamp3枚はOK、山2枚+沼4枚はダメ)。
- 当時のスターターデッキには基本土地が各4~5枚しか封入されていなかった。2色デッキにするには追加支給分の5枚を足しても対応する色の基本土地が足りず、やむなくタッチで3色目を入れる事が多かった。
- トーナメントパックに変更後は基本土地が各6枚封入されるようになり、追加支給分の5枚を足せば17枚まで満たせるため2色で組みやすくなっている。
デッキ構築の定石
運の要素が強いとされるシールドでも構築の定石が存在し、以下にそれを記す。もっとも、「セットごとに収録カードが大きく変わる」というマジックの性質上、これらはある程度の指針に過ぎない。同じカードでも収録セットによって大きく評価が変わり(ジェイムデー秘本/Jayemdae Tomeなどが一例)、それに伴って優先すべきカード、構築の際の目標はガラリと変わる。実際、トーナメントで勝利を追い求めるなら定石の遵守よりカードプールと環境への理解・研究の方が重要であり、以下の定石は「あくまで定石」であることを念頭に置いて頂きたい。
強いカードを使う
シールドでは配布された84枚(変則的な稀少度によって基本土地枠に他のカードが封入される場合は最大90枚)の中からデッキを構築するフォーマットである。勝利を引き寄せるエンドカードは必ず入れるべきである。
また、予言/Divinationといったエンドカードをたぐり寄せるドローカードや墓暴き/Disentombといった除去されても再利用できるカードも重要である。
除去カードは重要
クリーチャーとの戦闘がメインであるため除去は必須とされる。ただし、垂直落下/Plummetといった除去が限定されるカードはサイドボードにしまっておくのが無難である。
もし、除去が足りない場合は精神腐敗/Mind Rotといった手札破壊や本質の散乱/Essence Scatterといったカウンターで代用するとよい。
綺麗なマナカーブを
デッキ内のマナカーブを留意することも重要である。3マナを頂点とした放物線を描くようなマナカーブが理想的とされる。
低マナに寄り過ぎると息切れをしやすく、逆だと序盤に押される危険性がある。
できるだけ2色で
一般にほとんどのマナ基盤が基本土地であるリミテッドでは2色で組むのが望ましいとされる。
ただし、カードプールが貧弱だった場合、3色目をタッチする程度にとどめ、不屈の自然/Rampant Growthなどといった土地サーチやマナフィルターを活用するとよい。
また、多色推奨環境(インベイジョンやアラーラの断片やタルキール覇王譚など)の場合は3色が基準になり、4色や5色になることも珍しくない。特に、運命再編やラヴニカのギルドなど、変則的な稀少度の採用によって2色地形が容易に入手できるカード・セットを用いる場合は顕著。
土地の枚数
一般的には土地17枚、呪文23枚が適正とされる。
ただし、5マナ以上を多めに使って重くなってたり、パンプアップなど後半に余った分のマナを使えるカードが何枚か入っているなら土地18枚でも構わない。上記の土地サーチやマナフィルターは土地1枚分として数える。
先手を取るか、後手を取るか
カード・セットにもよるが、現在の基準では構築同様、先攻を取るのが無難である。
- 長年、シールドではテンポよりカードパワー1枚分の強さが重要視され、カード・アドバンテージを得られる後攻を取ることが有利とされてきた。しかし、ゼンディカー以降、低コストのカードであっても高いカードパワーを持つことが珍しくなくなっているため、後攻有利の理論が通用しにくくなっている。
- マナ基盤がタイトな4色以上のデッキを組んだ場合など、カード・アドバンテージが重要であれば後攻の選択も十分有効な戦術である。
さまざまなバリエーション
1パックシールド
ブースターパックを1つだけ使う、最もカードプールが狭いシールド。1パックシールドの項も参照。
3パックシールド
使用するブースターパックを3個で行うシールド。3パックシールドの項も参照。
4パックシールド
使用するブースターパックを4個で行うシールド。4パックシールドの項も参照。
8パックシールド
使用するブースターパックを8個で行うシールド。8パックシールドの項も参照。
スーパーシールド
使用するブースターパックを通常の倍の12パックで行うシールド。スーパーシールドの項も参照。
スタンダードシールド
現在スタンダードで使用できるエキスパンションから各1パックを使うシールド。グランプリ神戸12のサイドイベントで行われ、基本セット2012、ミラディンの傷跡、ミラディン包囲戦、新たなるファイレクシア、イニストラード、闇の隆盛が使われた。
デュプリケート・シールド
参加するプレイヤーが全員同じカードプールを使うシールド。デュプリケート・シールドの項も参照。
デカデント・シールド
各エキスパンションのブースターパックを1つずつ使うシールド。デカデント・シールドの項も参照。
チーム・シールド
チーム・シールドでは、ブースターパック12パックで3人分のデッキを(以前はトーナメントパック2つとブースターパック4つ、世界選手権98では、第5版のスターターデッキ4つとブースターパック4つで4人分)作ることになる。基本土地を除き1人辺り約50枚と少ないが、カードプールが広いので単色デッキや2色デッキが組みやすくなっている。
双頭巨人戦シールド
双頭巨人戦のシールドは、ブースターパック8つで2人分のデッキを作って行う。ただしバトルボンドの双頭巨人戦シールドに限り、ブースターパックを8つではなく6つの使用が推奨されている。
脚注
出典
- ↑ マジック:ザ・ギャザリング イベント規定 2020年5月18日発効(mtg-jp.com)
関連リンク
- はじめてのシールドデッキ (タカラトミー、文:真木孝一郎)
- 高橋 優太のリミテッドマニュアル:シールド構築編 (タカラトミー、文:高橋優太)
- 10項目で学ぶシールドデッキの作り方(文:Olivier Ruel)
- 第25回:シールドのメモ帳(渡辺雄也の「リミテッドのススメ」から)
- 藤田憲一の「スーパーシールド」も楽じゃない!?