死の国からの脱出/Underworld Breach
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エンチャント
あなたの墓地にあり土地でない各カードはそれぞれ脱出を持つ。脱出コストは、そのカードのマナ・コストに「あなたの墓地から他のカード3枚を追放する。」を追加したものに等しい。(あなたはあなたの墓地から、カードをそれの脱出コストで唱えてもよい。)
終了ステップの開始時に、死の国からの脱出を生け贄に捧げる。
1ターン限定で自分の墓地の土地でないカードに脱出を持たせるエンチャント。
そのターンに限り墓地の全てのカードを無制限に再利用できる様は往年のパワーカードであるヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willを彷彿とさせる。とは言え無制限であっても無条件ではなく、脱出のためには他の墓地のカードの3枚追放という追加のコストが発生する。墓地を利用するためのリソースとして墓地のカードが必要というややもすると矛盾になりかねない構造を抱えており、十全に使いこなそうとするとデッキ構築には工夫を要する。
ヨーグモスの意志と異なり墓地に向かうカードが追放されることがなくさらにソーサリーではなくエンチャントが持つ常在型能力であるため、「再利用したカードをさらに再利用することが可能」「墓地を肥やすギミックを搭載すれば脱出コストの種と新たなカードの供給を同時にこなせる」といった差別化点が存在する。以上の点から、スタンダードからヴィンテージに至るまであらゆるループコンボ・ギミックが考えられる。
基本的には、「複数マナが出る土地やマナ・アーティファクト」「それらをアンタップできる呪文やパーマネント」「自分のライブラリーを削る手段」「勝ち手段」辺りを組み合わせるコンボとなるであろう。このうち「ライブラリーを削る手段」は同時にサーチ手段にもなりえるため、実質的には死の国からの脱出+2~3枚でコンボが始動することになる。
- 同次元/Planeを舞台にした前作であるテーロスにおいて死の国からの救出/Rescue from the Underworldという日本語名が良く似たカードが存在する。両方が同時に使えるフォーマットにおいてはデッキリストの書き間違いに注意。
ルール
- 分割カードや当事者カードを脱出で唱える場合、あなたはそれをどちらの側で唱えるのかを選び、その側が持つマナ・コストに墓地からカード3枚を追放することを加えたコストを支払う。
- マナ・コストの無いカードは、脱出コストも「支払うことはできないコスト」となるため唱えられない(CR:118.6a)。
ストーリー
神々の戦が勃発し、それは思わぬ結果を生んだ。死の国/The Underworldと生者の領域との間に裂け目が開いてしまったのだ。これにより死者のみならず、死の国の怪物たちが生者の領域になだれ込み、世界は混沌に包まれた[1][2]。
- カード名のbreachは、イラスト通り「裂け目」の意味だろう。日本語版のカード名は「突破する」などの意味を酌んだものと思われるが、かなりの意訳と言える。
- 結果として日本語名は「脱出」という動作動詞になっており、エンチャントというよりはインスタントかソーサリーかという名前になってしまった。
脚注
- ↑ The Theros Beyond Death Story on Cards/『テーロス還魂記』ストーリーカード(Feature 2019年12月16日 Wizards of the Coast著)
- ↑ Theros Beyond Death Story Summary/『テーロス還魂記』物語概要(Feature 2020年1月10日 Wizards of the Coast著)