トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach
提供:MTG Wiki
数ある手札破壊呪文の中でもトップクラスの性能を誇る凶悪なカード。複数捨てさせて確実にカード・アドバンテージとなり、しかも選択法が無作為であるため対戦相手の選択肢を大いに削ぐことができ、それでいて2マナと非常に軽い。
特に序盤戦での破壊力が凶悪。通常通り土地を並べて2ターン目に使用するのでも強いのに、当時の黒には暗黒の儀式/Dark Ritualがあったため1ターン目から即使用できるのが凶悪さに拍車をかけた。これで土地カードが落ちると対戦相手はそのままマナスクリューに陥ってまったく身動きできなくなるだろうし、そこまで劇的な抜き方にならなくとも序盤の展開は間違いなく大幅に圧迫され、その影響は終盤まで残り続ける。
強いて弱点を挙げるなら、無作為なので一定の確率で「落としたいカードを落とせない」という状況も発生しうる。そのため、これに加えて強迫/Duressなどを併用して弱点を補う構築がよく見られる。1マナの手札破壊ならば暗黒の儀式から一気に連続使用でき、対戦相手にとってはまさに悪夢と言えよう。なおその場合、強迫を先、こちらを後で使うのが効率がよいことを覚えておきたい(詳細は呆然/Stuporの解説を参照)。
どのようなアーキタイプでも採用しうる強力呪文であるが、現在のエターナルにおいてはアグロ系統の高速デッキのほうでの活躍が目立つ。コントロール・デッキではより確実性があり、かつ「対戦相手の手札を見る」という副次効果も期待できる思考囲い/Thoughtseizeなどの選択型手札破壊のほうが優先されるためである。特にヴィンテージでは、Moxが多用されているためダブルシンボルの捻出が確実ではないこともあって、その傾向が顕著。
レガシーではフォーマット設立当初からピキュラ黒や黒ウィニーといった黒主体の速攻デッキでよく使用され、特にローウィンで思考囲いが追加されたことで強迫との8デュレス体制が可能になって以降は、黒絡みのビート・コントロール型デッキではほとんどのケースで採用されていた。使うと必然的に墓地が肥えることからタルモゴイフ/Tarmogoyfとの相性も凶悪。しかしタルキール覇王譚以降、再登場した探査はいくらかの逆風で、特に宝船の巡航/Treasure Cruiseの禁止以前は敬遠されることが多かった。
- 対象が対戦相手ではなくプレイヤーなので、誤った指図/Misdirectionなどの対象変更呪文には注意。
- 発売当初は精神錯乱/Mind Twistの影に隠れて、あまり注目されていなかった。
- 修正版は呆然/Stuporなど。呆然は色拘束が弱くなったものの、マナ・コストは増え効果が弱体化している。
- ディセンションで土地が管轄外である下落/fallが登場した。
- 非常に強力なカードだが、フォールン・エンパイアではコモンの上にイラスト違いで4種類(ver.1、ver.2、ver.3、ver.4)もあったため、あまりパックを剥かなくても4枚揃えることができた。
- 後にFrom the Vault:Twentyに1995年を代表する1枚として収録され、5種類目の新たなイラストが与えられた。
- 「Hymn」は「ヒム」と読む。名前に「Hymn」を持つカードはいくつか存在するが(カード名を「Hymn」で検索)、単に「ヒム」と言う場合はこのカードを指していると思ってよい。
1996年10月1日より、スタンダードで制限カードに指定されている。
参考
- 手札破壊カード
- カード個別評価:フォールン・エンパイア - コモン1(4種類)
- カード個別評価:Vintage Masters - アンコモン
- カード個別評価:Masters Edition - アンコモン
- From the Vault:Twenty