デュアルランド
提供:MTG Wiki
デュアルランド/Dual Landとは、
- マジック創世紀の基本セットに収録されていた、2つの基本土地タイプを持つ特殊地形。本項で解説する。
- (特に英語圏において)2種類の色マナを出すことができる2色地形全般のことを指す言葉(例:タップインデュアルランド、デュアルミシュラランド)。詳細は2色地形を参照。
目次 |
デュアルランド一覧
以下の10種類がそれにあたる。
- Tundra 平地+島
- Underground Sea 島+沼
- Badlands 沼+山
- Taiga 山+森
- Savannah 森+平地
- Scrubland 平地+沼
- Volcanic Island 島+山
- Bayou 沼+森
- Plateau 山+平地
- Tropical Island 森+島
マジックにおける全ての「2色(+無色)のうちから任意の1色のマナを選んで生み出す土地」はこれを起源とし、ほとんどのものがこれの下位互換となる。
ラヴニカ・ブロックにも2つの基本土地タイプを持つ特殊地形(→ショックランド)が収録されているが、こちらは上記のものにデメリットが付けられたものとなっており、まったく同じものではない。総合ルールではこれらも「デュアル・ランド」と表現されていたが、単にデュアルランドと言う場合はリバイズドまでのそれを指すことが多い。
ちなみに、印刷時には「デュアルランドは基本土地ではないが、基本土地のタイプも持っている~」など非常に長いテキストで書かれている。サブタイプに関するルールが整備された現在は、「基本土地タイプを2つ持つ」の説明で足りる。
メリット
基本土地ではないが基本土地タイプは持っているという性質から、一部の土地サーチカードが利用できる。すなわち、それぞれ平地・島・沼・山・森を探す効果で探してくることができる。例えば、平地を探す税収/Tithe、森を探す土地譲渡/Land Grant、各種フェッチランドなど。
基本でない土地は普通、数少ない「土地全般を探してくるカード」でないと探してこられないので、この点だけでも大幅なメリットである。色マナを出すにあたってのデメリットもまったく無いことから、いかに強い土地であるかが分かると言うものだ。
デメリット
基本土地タイプを持っているがゆえに、「特定の基本土地タイプを狙い撃ちする効果」の巻き添えを受ける。
- 例1:沸騰/Boilが解決されると、アダーカー荒原/Adarkar Wastesは島ではないので破壊されないが、Tundraは島なので破壊される。
- 例2:基本土地タイプに対する土地渡りの影響を受ける。例えばレガシーのマーフォークの島渡り。
また、基本土地でないがゆえに、後述のとおり「特殊地形対策」の標的にもなる。基本土地に比べるとこれらのデメリットがあるため、マナが2色出るからといって基本土地の代わりに使わない色のデュアルランドを入れたり、むやみに多色化したりということはあまりされない。その辺りは、デッキを単色にするメリットとして機能しており、バランスが取れていると言えなくもない。
メタ
エターナルでは、デュアルランドへのメタカードをメインデッキから採用しているデッキも多い。それだけデュアルランドが環境を席巻しているということだろう。(→土地破壊カード)
- 土地 - 不毛の大地/Wasteland
- 赤 - 発展の代価/Price of Progress、血染めの月/Blood Moon、破滅/Ruination
- 青 - 基本に帰れ/Back to Basics
- その他 - Mishra's Workshopなどから高速召喚される隔離するタイタン/Sundering Titanもデュアルランドを破壊しやすい。
デュアルランドへの直接の対策ではないが、基本土地がデッキに少ないことを利用することもある。例えば、クリーチャー除去に剣を鍬に/Swords to Plowsharesではなく流刑への道/Path to Exileを採用し基本地形をサーチされるデメリットを実質無視する、というケースがある。
収録セットと使用環境
デュアルランドは、(基本土地でないという以外の)デメリットなしに2色のマナを出せることから、第4版以降再録はない。
エクステンデッドでは一時期(1999年10月1日から2002年10月31日まで)、使用可能セットの中にデュアルランドが含まれていないにもかかわらず、特別にデュアルランドが使用可能とされていたことがあった。そのため価値も上昇し、値段も高騰することになる。
現在、認定大会ではエターナル環境でしか使えないにも関わらず、いまだに人気の高いカードでもある。特に青と絡んだ土地は他のものより価値が高い。
その他
- 「基本土地タイプを持つこと」と「基本土地であること」は関係が無いことに注意。デュアルランドは「基本」という特殊タイプを持たないので、基本土地ではない。→ 基本でない土地
- アイスエイジにデュアルランドの再録が検討されていたというのは有名。結局却下され、ペインランドになった。これ以降、幾多のバランス調整版が製作されている。
- 『マルチランド/Multiland』と表現する人もいる。過去Stephen D'Angelo氏がまとめていたCard Rulings Summaryでは、Multilandと表現されており、Dual Landという用法は用いられていない。
- 上でも少し触れたように、カードの俗称としては珍しいことに、2009年7月の改定前までCR用語集に俗語として記載されていた。なお、そちらの英語表記も「Multiland」ではなく「Dual Land」である。
- 古いエキスパンションにのみ収録されていたカードだけに、当初の印刷技術の限界か、現在の複数色のマナを出せる土地のテキスト欄の様にグラデーションの掛かった色ではなく、囚人の服の様な「しましま模様」で2色出ることを表現していた。よって俗に「しましまランド」などと言ったりもする。
- 値段の高さも言うまでもないが、反面同じデュアルランドでも価値が大きく異なっている。特に青が含まれた上位とそうでない下位では4倍以上の差が出ている。同じシリーズで価値がここまでバラバラになっているのは珍しい。
- これだけの性能と知名度にもかかわらず、The Top 50 Nonbasic Landsではなんと2位。相手が悪過ぎたのだ。
参考
- The Top 50 Nonbasic Lands 第2位(全て同ランク)
- カードの俗称