領域変更誘発
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'''領域変更誘発'''/''Zone-Change Triggers''とは、[[オブジェクト]]が[[領域]]を移動することを含む[[誘発条件]]のこと。 | '''領域変更誘発'''/''Zone-Change Triggers''とは、[[オブジェクト]]が[[領域]]を移動することを含む[[誘発条件]]のこと。 | ||
− | 代表的なものには「[[ | + | 代表的なものには「[[戦場に出る|戦場に出た]]とき([[CIP]])」「[[戦場]]から[[墓地]]に置かれたとき([[PIG]])」「戦場を離れたとき」などがある。 |
この種の[[誘発型能力]]は、移動先の領域で移動したオブジェクトを「見つける」ことができる。これは「領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトとして扱われる。」というルールの例外である。ただし、これはそのオブジェクトが最初に移動した領域にのみ適用され、誘発型能力の[[解決]]前にさらに別の領域に移動した場合、誘発型能力はそのオブジェクトを「見失う」。また、オブジェクトが指定された領域と違う領域に行った場合や、移動先の領域が[[非公開情報]]であった場合も「見失う」。 | この種の[[誘発型能力]]は、移動先の領域で移動したオブジェクトを「見つける」ことができる。これは「領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトとして扱われる。」というルールの例外である。ただし、これはそのオブジェクトが最初に移動した領域にのみ適用され、誘発型能力の[[解決]]前にさらに別の領域に移動した場合、誘発型能力はそのオブジェクトを「見失う」。また、オブジェクトが指定された領域と違う領域に行った場合や、移動先の領域が[[非公開情報]]であった場合も「見失う」。 | ||
− | *例:[[怨恨/Rancor]] | + | *例:[[怨恨/Rancor]]が戦場から墓地に置かれたとき、自身の誘発型能力で墓地に行った怨恨を見つけて墓地から[[手札]]に[[戻す]]ことになる。この誘発型能力解決前に怨恨が墓地に無かった場合、怨恨を見失うため手札には戻せない。 |
**誘発型能力解決前に怨恨が一旦墓地を離れ、その後同じ[[カード]]が墓地に戻っていても、解決時には怨恨を発見できない。戻ってきた怨恨は新しいオブジェクトとして扱われるからである。 | **誘発型能力解決前に怨恨が一旦墓地を離れ、その後同じ[[カード]]が墓地に戻っていても、解決時には怨恨を発見できない。戻ってきた怨恨は新しいオブジェクトとして扱われるからである。 | ||
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− | *例:[[旅する疫病/Traveling Plague]]にエンチャントされている[[クリーチャー]] | + | *例:[[旅する疫病/Traveling Plague]]にエンチャントされている[[クリーチャー]]が戦場を離れたとき、旅する疫病は自身の誘発型能力によって墓地から戦場に戻る。 |
通常、[[イベント]]が誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。 | 通常、[[イベント]]が誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。 | ||
− | *例:[[魂の管理人/Soul Warden]] | + | *例:[[魂の管理人/Soul Warden]]とその他のクリーチャーが同時に戦場に出た場合、各クリーチャーについて魂の管理人の能力が誘発し、その分の[[ライフ]]を得られる。それぞれのクリーチャーが戦場に出た直後の状況を参照すると、魂の管理人が戦場に出ており、能力が有効になっているためである。 |
− | + | 領域変更誘発が「パーマネントが戦場を離れる」「すべての[[プレイヤー]]が見られるオブジェクトが手札や[[ライブラリー]]に移動する」「プレイヤーがオブジェクトの[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]を失う」「オブジェクトが[[はずす|はずれる]]」「パーマネントが[[フェイズ・アウト]]する」のいずれかに該当する場合、イベント後にはそのオブジェクトが存在していないため、特別に扱われる。この場合、誘発するかの判定はこれらが適用される直前の「過去の状況」を基に行われる。 | |
− | *例:[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]と[[アーティファクト]] | + | *例:[[大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault]]と[[アーティファクト]]が戦場にあり、それらが同時に[[破壊]]された場合、大霊堂の信奉者の能力は誘発する。アーティファクトが墓地に置かれる直前の状況で、大霊堂の信奉者の誘発型能力が有効であるからである。 |
− | *例:[[復活]] | + | *例:[[復活]]を持つクリーチャーが戦場から墓地に置かれても、自身の持つ復活は誘発しない。そのクリーチャーが墓地に置かれる直前の状況で、そのクリーチャーが墓地に存在しておらず、墓地で機能するこの能力は無効であるからである。クリーチャーと復活を持つパーマネントが同時に戦場から墓地に置かれても同様に誘発しない。 |
− | *例:[[清純/Purity]] | + | *例:[[清純/Purity]]のような「いずれかの領域から墓地に置かれたとき」に誘発する能力は、戦場領域に特定したものではないため、戦場から墓地に置かれたとしてもこれに該当しない。 |
==参考== | ==参考== |
2009年12月31日 (木) 15:35時点における版
領域変更誘発/Zone-Change Triggersとは、オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件のこと。
代表的なものには「戦場に出たとき(CIP)」「戦場から墓地に置かれたとき(PIG)」「戦場を離れたとき」などがある。
この種の誘発型能力は、移動先の領域で移動したオブジェクトを「見つける」ことができる。これは「領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトとして扱われる。」というルールの例外である。ただし、これはそのオブジェクトが最初に移動した領域にのみ適用され、誘発型能力の解決前にさらに別の領域に移動した場合、誘発型能力はそのオブジェクトを「見失う」。また、オブジェクトが指定された領域と違う領域に行った場合や、移動先の領域が非公開情報であった場合も「見失う」。
- 例:怨恨/Rancorが戦場から墓地に置かれたとき、自身の誘発型能力で墓地に行った怨恨を見つけて墓地から手札に戻すことになる。この誘発型能力解決前に怨恨が墓地に無かった場合、怨恨を見失うため手札には戻せない。
- 誘発型能力解決前に怨恨が一旦墓地を離れ、その後同じカードが墓地に戻っていても、解決時には怨恨を発見できない。戻ってきた怨恨は新しいオブジェクトとして扱われるからである。
エンチャントされているパーマネントが戦場を離れたことによって誘発するオーラの能力は、移動先ににあるそのパーマネントと、状況起因効果のチェック後にオーナーの墓地に置かれたそのオーラ自身を見つけることができる。これも「領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトとして扱われる。」というルールの例外である。
- 例:旅する疫病/Traveling Plagueにエンチャントされているクリーチャーが戦場を離れたとき、旅する疫病は自身の誘発型能力によって墓地から戦場に戻る。
通常、イベントが誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。
- 例:魂の管理人/Soul Wardenとその他のクリーチャーが同時に戦場に出た場合、各クリーチャーについて魂の管理人の能力が誘発し、その分のライフを得られる。それぞれのクリーチャーが戦場に出た直後の状況を参照すると、魂の管理人が戦場に出ており、能力が有効になっているためである。
領域変更誘発が「パーマネントが戦場を離れる」「すべてのプレイヤーが見られるオブジェクトが手札やライブラリーに移動する」「プレイヤーがオブジェクトのコントロールを失う」「オブジェクトがはずれる」「パーマネントがフェイズ・アウトする」のいずれかに該当する場合、イベント後にはそのオブジェクトが存在していないため、特別に扱われる。この場合、誘発するかの判定はこれらが適用される直前の「過去の状況」を基に行われる。
- 例:大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultとアーティファクトが戦場にあり、それらが同時に破壊された場合、大霊堂の信奉者の能力は誘発する。アーティファクトが墓地に置かれる直前の状況で、大霊堂の信奉者の誘発型能力が有効であるからである。
- 例:復活を持つクリーチャーが戦場から墓地に置かれても、自身の持つ復活は誘発しない。そのクリーチャーが墓地に置かれる直前の状況で、そのクリーチャーが墓地に存在しておらず、墓地で機能するこの能力は無効であるからである。クリーチャーと復活を持つパーマネントが同時に戦場から墓地に置かれても同様に誘発しない。
- 例:清純/Purityのような「いずれかの領域から墓地に置かれたとき」に誘発する能力は、戦場領域に特定したものではないため、戦場から墓地に置かれたとしてもこれに該当しない。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 603 誘発型能力の扱い
- 603.6 オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、効果のうちでそのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリーや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも同じである)。領域変更誘発の最も一般的な例には、戦場に出た時に誘発する能力と戦場を離れた時に誘発する能力とがある。
- 603.6a 戦場に出た時の能力は、パーマネントが戦場に出た時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場に出たとき、…/When [this object] enters the battlefield,」、あるいは「[[[タイプ]]]が戦場に出るたび、…/Whenever a [type] enters the battlefield,」と書かれている。1つ以上のパーマネントを戦場に出すイベントのたびに、戦場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、戦場に出た時の誘発条件をチェックする。
- 603.6b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが戦場に出る瞬間にすぐ適用され(それより前には適用されない)、そのパーマネントが本来の特性で戦場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが戦場に出る前には適用しない。rule 603.6d 参照。
- 603.6c 戦場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが戦場を離れた時、あるいはフェイズ・イン 位相のパーマネントがそのオーナーがゲームから離れたことによってゲームから離れた時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場を離れたとき、…/When [this object] leaves the battlefield,」、あるいは「[何か]が戦場から墓地へ置かれるたび、…/Whenever a [something] is put into a graveyard from the battlefield,」と書かれている(rule 603.10 も参照)。カードが戦場を離れた時に何かしようとする能力は、そのカードが最初に行った領域のみをチェックする。カードが特定の領域に「いずこかから/from anywhere」置かれたことによって誘発する能力は、そのオブジェクトが戦場から移動したとしても、戦場を離れた時の能力としては扱わない。
- 603.6d いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with」「[このパーマネント]が戦場に出るに際し…/As [this permanent] enters the battlefield」、「[このパーマネント]は…として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as」、「[このパーマネント]はタップ状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield tapped.」と書かれた文章を持つ。これらの文章は誘発型能力でなく常在型能力であり、その効果はそのパーマネントを戦場に出すイベントの一部として発生する。
- 603.6e オーラの中には、エンチャントしているパーマネントが戦場を離れたときに誘発する誘発型能力を持つものがある。これらの誘発型能力は、エンチャントされていたパーマネントが移動する先の領域でなるオブジェクトを見つけるだけでなく、そのオーラが状況起因処理がチェックされた後でオーナーの墓地に行った先でなるオブジェクトも見つける。rule 400.7 参照。
- 603.6 オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、効果のうちでそのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリーや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも同じである)。領域変更誘発の最も一般的な例には、戦場に出た時に誘発する能力と戦場を離れた時に誘発する能力とがある。
- 603 誘発型能力の扱い