フレイバー
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− | [[クリーチャー・タイプ]]もかつては一部を除いてフレイバーを表すことが主目的であったが、[[ | + | [[クリーチャー・タイプ]]もかつては一部を除いてフレイバーを表すことが主目的であったが、[[タイプ的]]としてゲーム的な意味を持たされることも次第に多くなっていった。それでも偏りすぎず多様な[[種族]]や[[職業]]が([[トークン]]を含め)セットを彩るように尽力されている。 |
上記および[[カード名]]や[[背景世界]]は現在、主に'''[[クリエイティブ・チーム]]'''によって担当されている。 | 上記および[[カード名]]や[[背景世界]]は現在、主に'''[[クリエイティブ・チーム]]'''によって担当されている。 | ||
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− | [[2005年]]の[[神河救済]]にて、[[キーワード能力]]とは違って似た種類の[[能力]]をひとまとめの[[メカニズム]]名でわかりやすく呼ぶために'''[[能力語]]''' | + | [[2005年]]の[[神河救済]]にて、[[キーワード能力]]とは違って似た種類の[[能力]]をひとまとめの[[メカニズム]]名でわかりやすく呼ぶために'''[[能力語]]'''という概念が登場。続く[[ラヴニカ・ブロック]]では[[本流のセット]]として初めてカードに'''[[透かし]]'''が印刷された。 |
− | 西洋ファンタジーへの原点回帰を目指した[[基本セット2010]]では[[場]]を「[[戦場]]」、[[ゲームから取り除く]]を「[[追放]]」と改めつつ、[[呪文]]の[[プレイ]]を本来の呼び方である「cast」へと逆行(日本語では「[[唱える]]」へと新訳)。[[基本セット2012]]では[[クリーチャー]]などが戦場から墓地へ[[置く|置かれる]]ことを「[[死亡]] | + | 西洋ファンタジーへの原点回帰を目指した[[基本セット2010]]では[[場]]を「[[戦場]]」、[[ゲームから取り除く]]を「[[追放]]」と改めつつ、[[呪文]]の[[プレイ]]を本来の呼び方である「cast」へと逆行(日本語では「[[唱える]]」へと新訳)。[[基本セット2012]]では[[クリーチャー]]などが戦場から墓地へ[[置く|置かれる]]ことを「[[死亡]]」と改めたりと、より戦いの雰囲気に即した用語が採用された。 |
− | また、フレイバーを始点としたカードデザインの手法として'''[[トップダウン・デザイン]]'''がある。個々のカードに適用されることもあれば、[[2011年]]以降の[[イニストラード・ブロック]]の成功を受けてからは[[次元/Plane]]や[[ | + | また、フレイバーを始点としたカードデザインの手法として'''[[トップダウン・デザイン]]'''がある。個々のカードに適用されることもあれば、[[2011年]]以降の[[イニストラード・ブロック]]の成功を受けてからは[[次元/Plane]]や[[カード・セット]]そのものをトップダウンで制作することも増えた。 |
− | 同2011年に[[開発部]]が公表した[[新世界秩序]]では、対処すべきことのひとつとして[[新世界秩序#理解上の複雑さ | + | 同2011年に[[開発部]]が公表した[[新世界秩序]]では、対処すべきことのひとつとして[[新世界秩序#理解上の複雑さ|理解上の複雑さ]]が挙げられていた。「そのカードが何を行うのか」をプレイヤーが理解する助けとしてフレイバーによるイメージが役に立つことから、[[基本セット2013]]ごろからは特に「resonant」であること(深い、共鳴する、呼び覚ますという意味。日本公式記事での訳は「'''芳醇'''」)を意識してデザインされている([https://mtg-jp.com/search/?q=%E8%8A%B3%E9%86%87 日本公式サイトを「芳醇」で検索])。 |
このように、フレイバーはゲームにおいて無意味なものではない。'''[[カラーパイ]]'''に基づく[[色の役割]]の研究が進み、「その色らしい」雰囲気の[[効果]]([[青]]は相手を凍らせる、など)が割り当てられているのも「フレイバーが地盤となってゲーム要素を規定している」ことの一例である。 | このように、フレイバーはゲームにおいて無意味なものではない。'''[[カラーパイ]]'''に基づく[[色の役割]]の研究が進み、「その色らしい」雰囲気の[[効果]]([[青]]は相手を凍らせる、など)が割り当てられているのも「フレイバーが地盤となってゲーム要素を規定している」ことの一例である。 | ||
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[[2019年]]発売の[[エルドレインの王権]]以降、「プロジェクト・ブースター・ファン」の一環として'''[[ショーケース・フレーム]]'''が登場。特殊なカード[[枠]]がそのセットの雰囲気を彩る。 | [[2019年]]発売の[[エルドレインの王権]]以降、「プロジェクト・ブースター・ファン」の一環として'''[[ショーケース・フレーム]]'''が登場。特殊なカード[[枠]]がそのセットの雰囲気を彩る。 | ||
− | [[2020年]]発売の[[イコリア:巨獣の棲処]]以降、他IPとの[[コラボ]]にあたって[[名前]] | + | [[2020年]]発売の[[イコリア:巨獣の棲処]]以降、他IPとの[[コラボ]]にあたって[[名前]]が2行に渡るカード群が現れるようになった。これらは2行目([[副題行]])に書かれたものが正式なカード名であり、1行目に書かれたコラボ用の名前は当初フレイバー・テキストとして扱われた(後に'''[[別名]]'''として[[ルール]]が整備された)。 |
− | [[2021年]]発売の[[フォーゴトン・レルム探訪]]では'''[[フレイバー語]]''' | + | [[2021年]]発売の[[フォーゴトン・レルム探訪]]では'''[[フレイバー語]]'''も登場した。また[[2022年]]には[[ユニバースビヨンド]]のための'''[[名前#互換の名前|互換の名前]]'''のルールも用意された。 |
==参考== | ==参考== | ||
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2024年8月19日 (月) 09:49時点における最新版
フレイバー(Flavor)とは、「風味」を意味する語。転じて、カードの雰囲気を表すために使用される開発部用語。「フレーバー」とも。
マジックの要素のうち、フレイバーを特に愛するプレイヤー群はヴォーソスという通称で呼ばれる。
[編集] 概要
マジック:ザ・ギャザリングはダンジョンズ&ドラゴンズのようなファンタジー世界に影響されたトレーディングカードゲームであり、その雰囲気に魅了されたプレイヤーやコレクターも大勢いる。マナ・シンボルからして、それぞれの色の雰囲気を表している。
[編集] カードやゲームの構成要素
最古のセットである1993年のリミテッド・エディションより、ルール的な意味を持たない絵およびフレイバー・テキストがカードに風味を添えてきた。お気に入りのアーティスト名を挙げているプレイヤーも多い。アン・ゲームではそれらがゲーム的な意味を持つこともある。
クリーチャー・タイプもかつては一部を除いてフレイバーを表すことが主目的であったが、タイプ的としてゲーム的な意味を持たされることも次第に多くなっていった。それでも偏りすぎず多様な種族や職業が(トークンを含め)セットを彩るように尽力されている。
上記およびカード名や背景世界は現在、主にクリエイティブ・チームによって担当されている。
エキスパンション・シンボルも、ささやかながらセットの雰囲気を伝えるのに一役買っている。
カードだけでなく領域についても、山札を「ライブラリー」、捨て札置き場を「墓地」と、プレインズウォーカー/Planeswalker同士の戦いをイメージするにふさわしい呼び名が使用されている。
- マジックはあくまでゲームのため、ゲーム・プレイのためにフレイバーを妥協することもある。装備品を実装する際、開発部は象が早足の長靴(後の稲妻のすね当て/Lightning Greaves)を装備できるかどうか一時間議論し、最終的にクリーチャーが装備できるかの制限を掛けないことに決めた。これにちなんでフレイバー的におかしくなるけれどもゲームは面白くなることを「長靴を履いた象問題」と呼んでいる[1]。
[編集] 芳醇なセット
2005年の神河救済にて、キーワード能力とは違って似た種類の能力をひとまとめのメカニズム名でわかりやすく呼ぶために能力語という概念が登場。続くラヴニカ・ブロックでは本流のセットとして初めてカードに透かしが印刷された。
西洋ファンタジーへの原点回帰を目指した基本セット2010では場を「戦場」、ゲームから取り除くを「追放」と改めつつ、呪文のプレイを本来の呼び方である「cast」へと逆行(日本語では「唱える」へと新訳)。基本セット2012ではクリーチャーなどが戦場から墓地へ置かれることを「死亡」と改めたりと、より戦いの雰囲気に即した用語が採用された。
また、フレイバーを始点としたカードデザインの手法としてトップダウン・デザインがある。個々のカードに適用されることもあれば、2011年以降のイニストラード・ブロックの成功を受けてからは次元/Planeやカード・セットそのものをトップダウンで制作することも増えた。
同2011年に開発部が公表した新世界秩序では、対処すべきことのひとつとして理解上の複雑さが挙げられていた。「そのカードが何を行うのか」をプレイヤーが理解する助けとしてフレイバーによるイメージが役に立つことから、基本セット2013ごろからは特に「resonant」であること(深い、共鳴する、呼び覚ますという意味。日本公式記事での訳は「芳醇」)を意識してデザインされている(日本公式サイトを「芳醇」で検索)。
このように、フレイバーはゲームにおいて無意味なものではない。カラーパイに基づく色の役割の研究が進み、「その色らしい」雰囲気の効果(青は相手を凍らせる、など)が割り当てられているのも「フレイバーが地盤となってゲーム要素を規定している」ことの一例である。
[編集] フレイバー表現の拡張
2019年発売のエルドレインの王権以降、「プロジェクト・ブースター・ファン」の一環としてショーケース・フレームが登場。特殊なカード枠がそのセットの雰囲気を彩る。
2020年発売のイコリア:巨獣の棲処以降、他IPとのコラボにあたって名前が2行に渡るカード群が現れるようになった。これらは2行目(副題行)に書かれたものが正式なカード名であり、1行目に書かれたコラボ用の名前は当初フレイバー・テキストとして扱われた(後に別名としてルールが整備された)。
2021年発売のフォーゴトン・レルム探訪ではフレイバー語も登場した。また2022年にはユニバースビヨンドのための互換の名前のルールも用意された。
[編集] 参考
- ↑ 開発部語辞典・増補版(Making Magic 2013年6月10日)