新ファイレクシア/New Phyrexia
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プレインズウォーカーも再び新ファイレクシアへの攻撃を開始する。 | プレインズウォーカーも再び新ファイレクシアへの攻撃を開始する。 |
2023年4月28日 (金) 12:50時点における版
新ファイレクシア/New Phyrexiaは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeの一つ。新たなるファイレクシアの舞台であり、「完成/Compleation」したミラディン/Mirrodinのことである。
- 頭文字と陣営マークから、インターネットスラングでは「Φ」と表すことがある。
目次 |
概要
かつての脅威であるファイレクシア/Phyrexiaは一度は滅びた。しかし、ヨーグモス/Yawgmothとその配下は、侵略兵器ファイレクシアの油/Phyrexian oilを用意することで、滅亡後の復活をすら約束していた。この油は、あらゆる存在へとファイレクシアの情報を感染させるウイルス性の物質であり、宿主と適した次元さえあれば、その文明を再興させることが可能であった。
カーン/Karn。ミラディンの前身たるアージェンタム/Argentumの創造主にして、ファイレクシア人ザンチャ/Xantchaのハートストーンを埋め込まれてウルザに創造されたゴーレムは、体内にファイレクシアの油も内包していた。それを知らぬ彼は、己が創造した次元も含め、訪れた次元という次元に油を残してしまった。金属次元アージェンタムという最高の土壌を得た油は、長い年月をかけて世界を徐々に侵食し、ファイレクシアを再生させていった。その過程で、アージェンタムの管理人メムナーク/Memnarchが油に感染し、次元のミラディンへの改造や、その後の混乱と動乱を招いたこともあった。
やがて、油はついにミラディンの核/Mirrodin's Coreを汚染し、ファイレクシアの核/Phyrexia's Coreへと変貌せしめた。核からは、支配者層も含めた多くのファイレクシア人が生まれたが、彼らは性急に侵略戦争を仕掛けず、時期が満ちるまで核内に潜むことを選んだ。
その後、新ファイレクシアの勃興はメフィドロスの中心、囁きの大霊堂/Vault of Whispers(イシュ・サー/Ish Sah)を中核とし、いくつかの地域から始まった。特に水銀海/Quicksilver Seaは莫大な量の油を流しこまれることで、加速度的に汚染が進んだ。(イラスト)(※また、この様子はミラディンの傷跡発売時に公表された公式プロモーションムービー『All Will Be One -- Magic: The Gathering -- Scars of Mirrodin』の動画中にも描かれている。)
ミラディン人はファイレクシアの脅威を徐々に知り、これまでの対立を忘れて一致団結し、ファイレクシアに対して生存をかけた大戦争を挑んだ。しかし敵を殺すだけでなく、捕獲し、改造し、また油によって汚染することで取り込むファイレクシアの勢いは加速し、その抵抗をも飲み込んだ。いまやミラディン人は、僅かな抵抗勢力が残されるのみとなっている。
こうして、かつてアージェンタムと呼ばれ、ミラディンとして知られた世界は今、三番目の名前を持つに至った。
かつての記憶
新ファイレクシア人の一部には油によって過去のファイレクシアについての微かな記憶を持つものもいる。彼らは過去をあまり重視してはいない様だがそれによって多元宇宙/Multiverseの認識を得ている者もおり、全ての次元/Planeにその手を延べようと考えている。
多元宇宙への進出
大修復/The Mendingによって旧来のポータル/Portalは機能を失い、新ファイレクシアは外の次元へ出ていくことは無いはずだった……。
次元橋/Planar Bridgeの力を手に入れたテゼレット/Tezzeretは何らかの目的をもって新ファイレクシアに接触。法務官を外の次元へと送り込んだ。
カルドハイム/Kaldheim渡ったヴォリンクレックス/Vorinclex。世界樹/The World Treeの精髄を採取し、エリシュ・ノーン/Elesh Nornの手によって侵略の樹「次元壊し/Realmbreaker」へと成長していく。
神河/Kamigawaに渡ったジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxiasの手によってプレインズウォーカー/Planeswalkerをファイレクシアンへと完成化する技術を手にした。どの次元もファイレクシアの脅威から逃れるすべはないのだ。
ドミナリア/Dominariaへの大規模な侵略を行ったシェオルドレッド/Sheoldred。彼の地は幾度も旧ファイレクシアの侵略を退けてきたが、かつての遺産は新ファイレクシアにとって好都合。カーン/Karn誘拐し、彼の発掘した酒杯/Sylexを破壊した。
機械兵団の進軍
時は満ちた。次元壊しは多元宇宙へと枝を伸ばし、新ファイレクシアと他の次元/Planeを接続した。機械兵団が送りこまれ、人々が完成化される中、次元の住人達は故郷を守るため敵味方の垣根を越えて戦いに臨む。
プレインズウォーカーも再び新ファイレクシアへの攻撃を開始する。 レン/Wrennは侵略の樹を乗っ取り無力化。さらにエルズペスが大天使エルズペス/Archangel Elspethとして覚醒し、エリシュ・ノーンを討つ。ここからファイレクシアの軍勢は崩壊していった。
テフェリー/Teferiとレンの協力で、多元宇宙の果てを彷徨うザルファー/Zhalfirは本来の位置に戻し、入れ替わりに新ファイレクシアは彼方へと封印された。
組織
機械の始祖
かつてはヨーグモスが、絶対的な支配者として機械の始祖/Father of Machinesの地位についていた。新ファイレクシアでは、油によって肉体と精神を蝕まれたカーンがその座に祀りあげられようとしている。
5つの派閥
かつてのファイレクシアは、黒マナにのみ深く関係していた。しかし、常に周囲の環境へと適合するファイレクシアは、マナに満ちたミラディンの5つの太陽に触れることで、すべての色に広がった。この変化は、かつてのファイレクシアにない多様性と融通性をもたらす一方で、以前の確固たる統一性を失わせ、不和を生んだ。
現在、新ファイレクシアは異なる哲学を持った5つの派閥に分かれ、それぞれ指導者たる法務官/Praetorに率いられている。
色 | 派閥名 | 哲学 | 法務官 | 主な支配地 主要都市・構造物 |
機械の始祖への対応 |
---|---|---|---|---|---|
白 | 機械正典/Machine Orthodoxy | 信仰・結束 | エリシュ・ノーン/Elesh Norn | 剃刀ヶ原/Razor Fields 美麗聖堂/The Fair Basilica 別館/Annexes |
支持:傀儡として利用 |
青 | 発展の動力源/Progress Engine | 科学・実験 | ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias | 水銀海/Quicksilver Sea 外科区画/The Surgical Bay ルーメングリッド/Lumengrid |
不信:他者への移行希望 |
黒 | 七人の鋼の族長/Seven Steel Thanes | 隷属・奉仕 | シェオルドレッド/Sheoldred | メフィドロス/Mephidross ドロス窟/The Dross Pits 囁きの大霊堂/Vault of Whispers |
不信:抹殺し自分が成り代わる |
赤 | 静かなる焼炉/Quiet Furnace | 産業化 | ウラブラスク/Urabrask | 溶鉱炉階層/Furnace Layer カルドーサ/Kuldotha 自律焼炉/The Autonomous Furnace |
傍観:不干渉 |
緑 | 悪意の大群/Vicious Swarm | 弱肉強食 | ヴォリンクレックス/Vorinclex | 絡み森/The Tangle 狩猟迷宮/The Hunter Maze テル=ジラード/Tel-Jilad |
軽視:単独固定の指導者を持つという社会的構造自体に不賛成 |
その後、対抗戦力は全滅。法務官同士の抗争ではエリシュ・ノーン(白)が勝利し、事実上の実権を持つに至っている。シェオルドレッド(黒)とウラブラスク(赤)の派閥は壊滅し、領土と戦力が奪われている。
なお、他のプレインズウォーカーの中には新ファイレクシアの噂を知っている者も出始め、噂を聞いたアジャニ/Ajaniも「触れてはならない世界」と警戒している。一方、テーロス/Therosの死の国/The Underworldにてエルズペス・ティレル/Elspeth Tirelの悪夢を覗き見たアショク/Ashiokは、その存在に感動を覚えプレインズウォークしている。
地理
新ファイレクシアは対抗勢力を排除したのち、ミラディンをさらに作り変えてしまった。ファイレクシア:完全なる統一の時点での新ファイレクシアは、かつてのファイレクシアと同じく9つの球層/Sphereによって構成されている(イラスト)。ファストランドサイクルのイラストを見る限り、各球層は完全に隔離されているわけではなく、重なり合っている場所や飛び地が存在するようだ。
- 第1層:記念ファサード/The Monumental Facade
- 第2層:ミレックス/Mirrex
- 第3層:自律焼炉/The Autonomous Furnace
- 第4層:狩猟迷宮/The Hunter Maze
- 第5層:外科区画/The Surgical Bay
- 第6層:ドロス窟/The Dross Pits
- 第7層:美麗聖堂/The Fair Basilica
- 第8層:マイコシンスの庭/The Mycosynth Gardens
- 第9層:種子中枢/The Seedcore
訳語
「New Phyrexia」は、ミラディンの傷跡ブロック2つ目の小型エキスパンションの名に冠され、「新たなるファイレクシア」と訳された。
ただしストーリー用語としては、フレイバー・テキストにおいて「新ファイレクシア」と訳されている。(参考:ウラブラスクの僧侶/Priest of Urabrask、憤怒の抽出機/Rage Extractor、生命の接合者/Vital Splicer、マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring)
キャラクター
- 他次元からの訪問者
- カーン/Karn - 機械の始祖になるはずだった存在。プレインズウォーカーの灯を取り戻した後、新ファイレクシアの破壊を企てている。
- エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel - ミラディン人と共に戦っていたが、新ファイレクシアが完成した時に逃げ去っていった。
- アショク/Ashiok - エルズペスの悪夢の中で見たファイレクシアに興味を持ち、新ファイレクシアに訪れた。
- テゼレット/Tezzeret - 次元橋/Planar Bridgeによって非生物を別次元へ運ぶ力を持つ。未知の目的があり新ファイレクシアに協力している。
- タミヨウ/Tamiyo - 神河/Kamigawaでの研究によって完成化した最初のファイレクシアン・プレインズウォーカー。
- ファイレクシアン化した旧ミラディン人
- その他のファイレクシアン
登場
登場カード
本来はミラディンと同じ次元であるが、次元名の異なる時期の場面であるために新ファイレクシア(New Phyrexia)の次元タイプをもつ。
- エリシュ・ノーン/Elesh Nornの支配領。
- ウラブラスク/Urabraskの支配領。ミラディン人の生き残りが隠れ潜んでいる。
登場記事
- ミラディンの傷跡ブロック キャンペーンサイト
- Phyrexia and the Vaultlord / ファイレクシアと大霊堂の王(Internet Archive)(Savor The Flavor 2010年9月8日 Doug Beyer著)
- The Terms of Engagement / 約束の時(Internet Archive) (Savor the Flavor 2010年9月22日 Doug Beyer著)
- Corrupted Conscience / 堕落した良心(2011年1月21日 Jenna Helland著)
- Phyrexia: The Strong and the Scattered / ファイレクシア、強くそして分かたれたもの(公式サイト、Doug Beyer著)
- A Planeswalker's Guide to New Phyrexia(The Machine Orthodoxy、The Steel Thanes、The Progress Engine、The Vicious Swarm、The Quiet Furnace)(公式サイト、Magic Creative Team著)
- Getting to Know the Praetors / 法務官と知り合おう(Internet Archive)(公式サイト、Doug Beyer著)
- Ajani, Mentor of Heroes / 英雄の導師、アジャニ(Magic Story 2014年4月9日 Kelly Digges著・若月繭子訳)-言及のみ
- 背景世界のアイコニック 第2回:新ファイレクシアと五人の法務官(2017年11月23日 若月繭子著)
- MIRRODIN BESIEGED PLAYER'S GUIDE(ミラディン包囲戦 ファットパック付属)
- NEW PHYREXIA PLAYER'S GUIDE(新たなるファイレクシア ファットパック付属)
- A Garden of Flesh / 肉の庭(Magic Story 2022年5月3日 Lora Gray著・若月繭子訳)