フリースペル
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フリースペル(Free Spell)とは、呪文の解決時に土地をアンタップする効果が含まれた呪文の俗称。事実上無料(フリー)で唱えられるためこう呼ばれる。
概要
ソーサリー
時のらせんを追放する。各プレイヤーは、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。
クリーチャー — イリュージョン(Illusion)
飛行
パリンクロンが戦場に出たとき、土地を最大7つまでアンタップする。
(2)(青)(青):パリンクロンをオーナーの手札に戻す。
ウルザズ・サーガで登場し、パリンクロン/Palinchronや時のらせん/Time Spiral、大あわての捜索/Frantic Searchなどがその代表。存在する9枚全てが何らかの形でトーナメントを駆け抜けたという恐るべきスペックを持つ。純粋なフリースペルはすべて青の呪文である。
もとの着想はキャントリップであった。キャントリップが手札を失わずにマナのみで唱えられるのに対して、フリースペルはマナを失わずに手札のみで唱えられる。しかし、マナで損をしないフリースペルは強烈なコンボが生まれやすく、凶悪なメカニズムとなってしまった。サファイアの大メダル/Sapphire Medallionなどのコスト軽減カードや、繁茂/Wild Growthなど1枚の土地から複数のマナを生成するカードと相性がよく、これらのせいで、多くの場合無料どころか呪文を使うとマナが増えるという不可解な現象を引き起こした。それゆえ、のちのちまで数々の凶悪なコンボデッキにおいて多用されるようになる。MoMa、ハイタイド、デザイアなどはその代表格である。
時のらせん/Time Spiralが「オリジナルのTimetwisterを超えた」とまで言われたほどの強力メカニズムである。Mark Rosewaterも失敗と挙げるように、フリースペルはマジック最悪のメカニズムの1つといえるだろう。
- これらのカードが作られた当時、リアニメイト系呪文との組み合わせにより爆発的にマナを増やすコンボデッキが作られたことがある(フリー・ホエリイ、ダンシング・ドレイクなど)。その危険性から、パーマネントになる呪文はすべて「手札から唱えたときのみ」効果があるようにエラッタが出されていた。
- エラッタから約8年後、2006年7月のオラクル更新でこの制限は削除され、カードの記述通りに戻されている。同時期にエラッタが出ていたギックスの僧侶/Priest of Gix、霊体の先達/Karmic Guide、玉虫色のドレイク/Iridescent Drakeも同様に修正。
- マナを支払わずに唱えられる呪文はピッチスペルといい、フリースペルとは区別される。
- アンタップする土地は、呪文のマナ・コストを支払うためにタップした土地以外でも問題ない。これを利用することで色事故を緩和したり、土地の能力を2回起動するなどのプレイングが可能。
- 焦熱の計画/Fiery Gambitは3回のコイン投げに成功すると、そのコントローラーの土地がすべてアンタップする。不確定フリースペルと言えるか。
- ギックスの僧侶/Priest of Gixや解体/Deconstructもこのカテゴリーと言えないことはない。広義ではこれらもフリースペルと呼ぶ。
- Jon Finkelはインビテーショナルカードとして、フリースペル版神の怒り/Wrath of Godを提案したが却下された。影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltratorを参照。
フリースペル一覧
- フェアリーの大群/Cloud of Faeries
- 大あわての捜索/Frantic Search
- 巨大鯨/Great Whale
- パリンクロン/Palinchron
- 流浪のドレイク/Peregrine Drake
- 巻き直し/Rewind
- 断絶/Snap
- 時のらせん/Time Spiral
- 不実/Treachery
参考
- ミスなんてもってのほか その3(米Wizards社)
- M:tGやっちまった小咄集(Braingeyser、上の記事の和訳)
- カードの俗称