リミテッド
提供:MTG Wiki
リミテッド/Limitedは、マジックのフォーマットの1つ。「限定戦」とも呼ばれる。
目次 |
解説
構築フォーマットがあらかじめ用意したカードから自由に選択してデッキを構築するのに対し、リミテッドは未開封のブースターパック(原則としてドラフト・ブースター)から出てきたカードと任意の枚数の基本土地カードのみを使ってその場でデッキを構築しゲームを行う。
自分が開封したパックのカードのみを使用する「シールド」、一定のルールに基づいてカードをやり取りして自分が使うカードを決定する「ブースター・ドラフト」「ロチェスター・ドラフト」が公式フォーマットとして認定されている。
多人数戦のリミテッドのトーナメントは、双頭巨人戦のみが2005年10月1日から認定されている。認定されている形式はシールドのみである。
認定大会での詳細な規則は、マジック・イベント規定を参照のこと。
- これら以外にも、非公式フォーマットではあるが「ソロモン・ドラフト」や「ウィンストン・ドラフト」などが存在する。詳細はそれぞれの項、およびドラフトを参照のこと。
- リミテッドでのプレミアイベントでは、まず予選をシールドで行い、成績上位者がブースター・ドラフトで決着をつける形式が多い。
リミテッドでの構築ルール
マジック・イベント規定「7. リミテッド・イベント規定」の「7.1 デッキ構築上の制限」や「7.2 リミテッドのイベントでのカードの使用」において、リミテッドデッキは以下の通り組み上げることが規定されている。
- デッキの最低枚数は40枚であり、上限はない[1]。
- 1つのデッキに基本土地でない同じ英語名のカードは4枚までという制限(いわゆる4枚制限ルール)は適用されない[1]。
- 平地/Plains、島/Island、沼/Swamp、山/Mountain、森/Forestという名前のカードは、自分のデッキやサイドボードに何枚でも加えてよい[1]。
また、カジュアル変種ルールや選択ルールによってはさらなるルールが定められていることもある(→コンスピラシー・ドラフト、統率者ドラフトなど)。
その他構築フォーマットと比較した場合、デッキ構成に以下のような差異がある。
- マジック・イベント規定と総合ルールの別途規定により使用できないカードを除く、禁止カード、制限カードは一切存在しない。
- 獲得したカードのうち、メインデッキに使われなかったカードは自動的にすべてサイドボードとなる。枚数も15枚である必要がない。必要であれば、サイドボードに基本土地を追加することができる。
- リミテッドのサイドボーディングはデッキの枚数が40枚以上という条件を満たしていれば制限はない。構築のサイドボーディングは2013年7月13日以前までは1対1の交換しかできなかったが、リミテッドではそれ以前から自由度の高いサイドボーディングが可能であった。
リミテッドで使用できるカード
リミテッドで使用できるカードは、開封するブースターパックのカードセットに属するカードに限られる。ブースターパックに含まれている、そのブースターパックの(基本氷雪土地、荒地/Wastes以外の)基本土地、そのブースターパックのカードセットに属さないカード、差し替えカード、トークン・カードなどは、そのカードを登録するプレイヤーが保持する。
ブースター・ドラフトでは、通常の基本土地のスロットから出た全てのカードはパックに残した状態でドラフトする。ただし、ドラフトしたカードの使用可否は上記のルールに従う。
- 例えば、ゼンディカーのブースターパックにヴィンテージ・カードとして陥没孔/Sinkholeが封入されていた場合、そのブースターパックを開封した(または陥没孔をドラフトした)プレイヤーが陥没孔を貰うことができる。しかし、それはゼンディカーのカードでないので、このイベントの間はデッキに入れることはできない。
また、一部のセットを用いるリミテッドイベントでは、該当カードセットに属さない一部カードも使用可能という特例がある。
- ドラゴンの迷路のブースターパックに含まれている、ラヴニカへの回帰やギルド門侵犯の基本でない土地カード(ショックランド)は、ドラゴンの迷路のカードを用いるリミテッドで使用可能である。
- 運命再編のブースターパックに含まれている、タルキール覇王譚の基本でない土地カード(友好色フェッチランド)は、運命再編のカードを用いるリミテッドで使用可能である。
- Masterpiece Seriesに含まれるカードは、該当カード群に含まれるセットを用いるリミテッドで使用可能である。
- 例:Zendikar Expeditionsに含まれるカードは、戦乱のゼンディカーとゲートウォッチの誓いのカードを用いるリミテッドで使用可能。
平地/Plains、島/Island、沼/Swamp、山/Mountain、森/Forestの5種の基本土地は、原則としてイベント主催者によって貸し出し、または提供される。そうでない場合、主催者はイベント参加登録前にその旨を告知しなければならない。基本土地が貸し出されていたなら、プレイヤーはイベント終了時(または棄権時)に、それらの基本土地を返却しなければならない。プレイヤーは自分の持参した基本土地を使用してもよい。
15枚未満のエラーパックや印刷ミス、初期傷のあるカード、不自然な稀少度や出現頻度でカードが出てきた場合など、トーナメントに不都合なパックやカードが手元に来てしまったときはジャッジに報告すること。その異常な製品を交換するか続行するかは、ヘッドジャッジとイベント主催者の決定による。
- もちろん1枚を隠し故意に交換などを行うのは重大な不正行為であり、「非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗」として処罰される。
特別的な扱い
一部のリミテッドイベントでは、さらなる例外規定が追加される場合がある。
プレリリース
ラヴニカへの回帰以降のプレリリース・トーナメントにおいては、(イベント主催者が別途宣言しない限り)プレリリース・パックに含まれるプレリリース・カードを使用することができる。
ニクスへの旅を用いるリミテッド
テーロス・ブロックの神カード全15種類が各1枚ずつ封入されているニクスへの旅ブースターパックを開封した場合、そのパックの全てのカードは開封したプレイヤーが保持し、新たなパックを受け取ってイベント続行が推奨される。ただし、主催者やヘッド・ジャッジの決定により、交換しないでもよい[2]。
- なお、上記のパックは「不都合なパック」とみなされるので、開封した際にジャッジに報告しなければならない[3]。
基本セット2019を用いるグランプリのブースター・ドラフト
15枚目に破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravagerの差し替えカード以外で通常の基本セット2019パックから出る確率に則ったカードが加えられてドラフトする(Magic Onlineと同じような仕様である)。
旧ルール
- かつてテーブルトップのブースター・ドラフトでは「基本土地スロットに基本でない土地かそのセットに属するカードが封入されていた場合のみ、そのカードをドラフト対象にする」というルールが存在した。エルドレインの王権よりMagic Onlineなどコンピューターゲームと同様の仕様である「全て残してドラフトする」というルールに変更された。
- Magic Onlineでは、スタンダード・セットの基本土地カードの現物化の関係上、当時のテーブルトップリミテッドと異なり、基本土地スロットから出た基本土地もドラフト対象となっていた。
脚注
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 マジック:ザ・ギャザリング イベント規定 2020年5月18日発効(mtg-jp.com)
- ↑ What to do if you open the “God Pack” in a limited tournament.(Magic Judge 2014年4月29日)
- ↑ A Divine Gift/神からの贈り物(Arcana 2014年4月28日 WotC著)