立ち消え

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'''立ち消え'''(''fizzle'')、もしくは'''立ち消えする'''とは、「[[対象]]をとっている[[呪文]]や[[能力]]は、[[解決]]時に全ての[[不正な対象|対象が不適正に]]なっていた場合、その呪文や能力は解決されない」というルールを示す俗語。
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'''立ち消え'''(''fizzle'')、もしくは'''立ち消えする'''とは、「[[対象]]をとっている[[呪文]]や[[能力]]は、[[解決]]時に全ての対象が[[不正な対象]]になっていた場合、その呪文や能力は解決されない」という[[ルール]]を示す俗語。
  
 
英語「fizzle」の読みから「'''フィズる'''」とも表現される。
 
英語「fizzle」の読みから「'''フィズる'''」とも表現される。
  
 
==解説==
 
==解説==
呪文や能力の対象の'''一部が'''不適正になっていた場合、その不適正な対象に対する処理のみが無視される。しかし呪文や能力の対象の'''全部が'''不適正になっていた場合、それは解決されず、一切の[[効果]]をなさなくなる。呪文ならば[[スタック]]から[[墓地]]に置かれ、能力ならばスタックから消滅する。
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呪文や能力の対象の'''一部が'''不適正になっていた場合、その不適正な対象に対する処理のみが無視される([[マジックの黄金律#実行不可能な指示は無視する|マジックの黄金律]])。しかし呪文や能力の対象の'''全部が'''不適正になっていた場合、それは解決されず、一切の[[効果]]をなさなくなる。呪文ならば[[スタック]]から[[墓地]]に置かれ、能力ならばスタックから消滅する。
  
 
ルールについての詳細は[[対象]]および[[不正な対象]]の項を参照。
 
ルールについての詳細は[[対象]]および[[不正な対象]]の項を参照。
  
 
==ルールの変遷==
 
==ルールの変遷==
[[第5版]]までのルールでは、対象をとっている呪文や能力は、解決時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。
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[[第5版]]までのルールでは、対象をとっている呪文や能力は、解決時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。この時のルールでは[[連鎖]]に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、打ち消しではなく消滅での処理となっていた。
  
 
[[第6版]]でルールが変わった際に「立ち消え」は[[廃語]]となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。また呪文や能力の対象の全てが不適正になっていた場合、それはルールにより[[打ち消す|打ち消される]]というルールに変更された。
 
[[第6版]]でルールが変わった際に「立ち消え」は[[廃語]]となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。また呪文や能力の対象の全てが不適正になっていた場合、それはルールにより[[打ち消す|打ち消される]]というルールに変更された。
*新旧のルール上の違いは、「打ち消される」かどうかという点にある。旧ルールでは[[連鎖]]に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、単に消滅するようになっていた。
 
**影響を受けた具体例としては[[ムルタニの存在/Multani's Presence]]がある。ルール変更の前後でカードを[[引く|引ける]]かどうかが変化している。
 
  
 
[[ドミナリア]]での[[総合ルール]]変更により、第5版と同じように打ち消すのではなく単に解決されないルールに変更された<ref name="UB1">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/dominaria-update-bulletin-2018-04-13 Dominaria Update Bulletin](News 2018年4月13日)</ref>。
 
[[ドミナリア]]での[[総合ルール]]変更により、第5版と同じように打ち消すのではなく単に解決されないルールに変更された<ref name="UB1">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/dominaria-update-bulletin-2018-04-13 Dominaria Update Bulletin](News 2018年4月13日)</ref>。
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*これらのルール上の違いは「打ち消される」かどうかという点にある。影響を受けた具体例としては[[ムルタニの存在/Multani's Presence]]があり、各ルール変更の前後でカードを[[引く|引ける]]かどうかが変化している。
  
 
==その他==
 
==その他==
 
*第5版のルールブックでは、[[灰は灰に/Ashes to Ashes]]がこのルールの説明に引用されている。対象になったクリーチャーについて、片方が不正な対象になった場合と2体ともの場合での挙動の違いを解説していた。
 
*第5版のルールブックでは、[[灰は灰に/Ashes to Ashes]]がこのルールの説明に引用されている。対象になったクリーチャーについて、片方が不正な対象になった場合と2体ともの場合での挙動の違いを解説していた。
 
*前述の通り正式なルール用語では無くなったが、[[不正な対象]]のルールを一言で表せるため広く使われており、かつては総合ルールの用語集にも俗語として記載されていた。公式もリリース・ノートなどのルール的な書面以外では、これを使うことを認めている<ref name="UB1" />。
 
*前述の通り正式なルール用語では無くなったが、[[不正な対象]]のルールを一言で表せるため広く使われており、かつては総合ルールの用語集にも俗語として記載されていた。公式もリリース・ノートなどのルール的な書面以外では、これを使うことを認めている<ref name="UB1" />。
*第6版でのルール改訂後、[[打ち消されない]]という能力を持っている[[カード]]のうち、対象を取るものは「呪文や能力によって打ち消されない」となっていた。
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*対象を取る能力ではあるものの、立ち消えはしない(対象が不正になっても解決される)という例が存在する。
**上記の慣例を破っていたのは[[金粉のドレイク/Gilded Drake]]の能力のみである。[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]を[[交換する]]という効果の都合上、解決時に全ての対象が不正になっていても、この能力は「立ち消え」にはならないようになっていた(詳細は[[金粉のドレイク/Gilded Drake]]の項目を参照)。
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**現在これに該当するのは[[金粉のドレイク/Gilded Drake]]の[[ETB]]能力のみである。[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]を[[交換する]]という効果の都合上、解決時に全ての対象が不正になっていてもこの能力は立ち消えしないようにする必要があった(詳細は[[金粉のドレイク/Gilded Drake]]の項目を参照)。
**[[樹根スリヴァー/Root Sliver]]も一時期この慣例を破っていた。これは[[部族]]呪文の登場によって生じたもので、本来想定された挙動ではなかった。2008年1月18日の[[オラクル]]更新により解消された。
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**[[樹根スリヴァー/Root Sliver]]も一時期これに該当していた。これは当時の「すべての対象が不正になった呪文は打ち消される」というルールならびに、部族(現在の[[同族]])・呪文の登場によって生じたもので、本来想定された挙動ではなかった。2008年1月18日の[[オラクル]]更新により解消された。
**ドミナリアでのルール変更時に、これらは一律「打ち消されない」に[[オラクル]]が変更され簡素化された。
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*第6版でのルール改訂からドミナリアでのルール改訂までは、[[打ち消されない]]という能力を持っている[[カード]]のうち、対象を取るものは「呪文や能力によって打ち消されない」と記述されていた。
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**ドミナリアでのルール変更以後は、これらの例に該当する場合でも「打ち消されない」と記述され簡素化された(過去のカードもオラクルが変更されている)。
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**上記の金粉のドレイクについては、ドミナリアでのルール変更以前は「呪文や能力''以外に''よっては打ち消されない」というオラクルが定められていた。
  
 
==参考==
 
==参考==

2024年6月14日 (金) 07:57時点における最新版

立ち消え(fizzle)、もしくは立ち消えするとは、「対象をとっている呪文能力は、解決時に全ての対象が不正な対象になっていた場合、その呪文や能力は解決されない」というルールを示す俗語。

英語「fizzle」の読みから「フィズる」とも表現される。

目次

[編集] 解説

呪文や能力の対象の一部が不適正になっていた場合、その不適正な対象に対する処理のみが無視される(マジックの黄金律)。しかし呪文や能力の対象の全部が不適正になっていた場合、それは解決されず、一切の効果をなさなくなる。呪文ならばスタックから墓地に置かれ、能力ならばスタックから消滅する。

ルールについての詳細は対象および不正な対象の項を参照。

[編集] ルールの変遷

第5版までのルールでは、対象をとっている呪文や能力は、解決時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。この時のルールでは連鎖に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、打ち消しではなく消滅での処理となっていた。

第6版でルールが変わった際に「立ち消え」は廃語となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。また呪文や能力の対象の全てが不適正になっていた場合、それはルールにより打ち消されるというルールに変更された。

ドミナリアでの総合ルール変更により、第5版と同じように打ち消すのではなく単に解決されないルールに変更された[1]

  • これらのルール上の違いは「打ち消される」かどうかという点にある。影響を受けた具体例としてはムルタニの存在/Multani's Presenceがあり、各ルール変更の前後でカードを引けるかどうかが変化している。

[編集] その他

  • 第5版のルールブックでは、灰は灰に/Ashes to Ashesがこのルールの説明に引用されている。対象になったクリーチャーについて、片方が不正な対象になった場合と2体ともの場合での挙動の違いを解説していた。
  • 前述の通り正式なルール用語では無くなったが、不正な対象のルールを一言で表せるため広く使われており、かつては総合ルールの用語集にも俗語として記載されていた。公式もリリース・ノートなどのルール的な書面以外では、これを使うことを認めている[1]
  • 対象を取る能力ではあるものの、立ち消えはしない(対象が不正になっても解決される)という例が存在する。
  • 第6版でのルール改訂からドミナリアでのルール改訂までは、打ち消されないという能力を持っているカードのうち、対象を取るものは「呪文や能力によって打ち消されない」と記述されていた。
    • ドミナリアでのルール変更以後は、これらの例に該当する場合でも「打ち消されない」と記述され簡素化された(過去のカードもオラクルが変更されている)。
    • 上記の金粉のドレイクについては、ドミナリアでのルール変更以前は「呪文や能力以外によっては打ち消されない」というオラクルが定められていた。

[編集] 参考

  1. 1.0 1.1 Dominaria Update Bulletin(News 2018年4月13日)

引用:総合ルール 20231117.0

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