立ち消え
提供:MTG Wiki
13行: | 13行: | ||
[[第5版]]までのルールでは、[[対象]]をとっている[[呪文]]や[[能力]]は、[[解決]]時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。 | [[第5版]]までのルールでは、[[対象]]をとっている[[呪文]]や[[能力]]は、[[解決]]時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。 | ||
*新旧のルール上の違いは、「打ち消される」かどうかという点にある。旧ルールでは[[連鎖]]に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、単に消滅するようになっていた。 | *新旧のルール上の違いは、「打ち消される」かどうかという点にある。旧ルールでは[[連鎖]]に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、単に消滅するようになっていた。 | ||
+ | **影響受けた具体例としては[[ムルタニの存在/Multani's Presence]]がある。ルール変更の前後でカードを引けるかどうかが変化している。 | ||
[[第6版]]でルールが変わった際に「立ち消え」は[[廃語]]となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。しかし、「呪文や能力でなく、ルールにより打ち消されることを区別する必要がある場合がある」「[[不正な対象]]のルールの解説に便利である」などの理由により、現在でも俗語としてまだ広く使われており、かつては[[総合ルール]]の用語集にも俗語として記載されていた。当Wikiでもこのように表現している箇所がある。 | [[第6版]]でルールが変わった際に「立ち消え」は[[廃語]]となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。しかし、「呪文や能力でなく、ルールにより打ち消されることを区別する必要がある場合がある」「[[不正な対象]]のルールの解説に便利である」などの理由により、現在でも俗語としてまだ広く使われており、かつては[[総合ルール]]の用語集にも俗語として記載されていた。当Wikiでもこのように表現している箇所がある。 |
2015年6月8日 (月) 18:45時点における版
立ち消え(fizzle)、もしくは立ち消えするとは、「対象をとっている呪文や能力は、解決時に全ての対象が不正になっていた場合、消滅する」という旧ルール、およびそれにより実際に消滅すること。第6版登場時のルール改定により、解決時に対象全てが不正である呪文や能力は、単純にルールによって打ち消されるものとされた。
英語「fizzle」の読みから「フィズる」とも表現される。
本記事はこの改定前と改定後で共通のルール、ならびにその差異について説明する。
目次 |
解説
呪文や能力の対象の一部が不正になっていた場合、マジックの黄金律「実行不可能な指示は無視する」により、その不正な対象に対する処理のみが無視される。しかし呪文や能力の対象の全部が不正になっていた場合、上記の通り呪文そのものが打ち消され(旧ルールでは消滅し)、呪文全体が効果をなさなくなる。
これが問題になるのは、呪文や能力が対象となったオブジェクト以外にも影響を及ぼす場合である。例えば灰は灰に/Ashes to Ashesはクリーチャーを2体対象に取るため、1体のみが片方が不正な対象になった場合は「あなたに5点のダメージを与える」の部分が実行される一方、2体とも不正な対象となった場合はそれも実行されなくなる。(第5版のルールブックでもこれが例として挙げられていた。)
新旧ルールの差異
第5版までのルールでは、対象をとっている呪文や能力は、解決時に全ての対象が不正になっていた場合、それは解決されることなく消滅する(なにもしない)ことになっていた。
- 新旧のルール上の違いは、「打ち消される」かどうかという点にある。旧ルールでは連鎖に組み込まれる前でしか打ち消されるタイミングが存在しないことになっていたため、単に消滅するようになっていた。
- 影響受けた具体例としてはムルタニの存在/Multani's Presenceがある。ルール変更の前後でカードを引けるかどうかが変化している。
第6版でルールが変わった際に「立ち消え」は廃語となり、ルール上は正式な表現ではなくなった。しかし、「呪文や能力でなく、ルールにより打ち消されることを区別する必要がある場合がある」「不正な対象のルールの解説に便利である」などの理由により、現在でも俗語としてまだ広く使われており、かつては総合ルールの用語集にも俗語として記載されていた。当Wikiでもこのように表現している箇所がある。
その他
- 打ち消されないという能力を持っているカードのうち、対象を取るものは「呪文や能力によって打ち消されない」となっており、対象が不正であることによる打ち消し(立ち消え)は防がないようになっている。
- 上記の慣例を破っているのは金粉のドレイク/Gilded Drakeの能力のみである。解決時に全ての対象が不正になっていても、この能力は「立ち消え」にはならない(詳細は金粉のドレイク/Gilded Drakeの項目を参照)。これ以外の打ち消されない呪文・能力は、対象をとっていないか、もしくはルールによって打ち消されることを防いでいない。
- 樹根スリヴァー/Root Sliverも一時期この慣例を破っていた。これは部族呪文の登場によって生じたもので、本来想定された挙動ではなかった。2008年1月18日のオラクル更新により解消された。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 608 呪文や能力の解決
- 608.2 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2k で記された手順を適切な順で行う。その後、最後に rule 608.2m と rule 608.2n に記された手順を行う。
- 608.2b 呪文や能力が対象を取る場合、その対象がこの時点でも適正かどうかを確認する。対象となったときにあった領域に存在しなくなっている対象は、適正ではない。たとえば、その特性が変わっていたり、効果によって呪文の文章が変わっていたりするなど、ゲームの状況の変化によって適正でなくなっていることもある。能力の発生源が元あった領域から移動していた場合、この手順において最後の情報が用いられる。すべての対象が、すべての対象群において、不適正になっていた場合、その呪文や能力は解決されない。それはスタックから取り除かれ、呪文であればオーナーの墓地に置かれる。そうでなければ、その呪文や能力は通常通り解決される。不適正な対象が存在する場合、それらはその呪文の効果のうちでその対象が不適正である部分には影響されない。効果のうち、それらの対象が不適正でない部分には影響されうる。呪文や能力がゲームのルールを変更する継続的効果を作る場合(rule 613.11 参照)、その効果は不適正な対象には適用されない。効果の一部が不正な対象についての情報を必要とする場合、その情報を決定することは失敗し、その情報を必要とする部分の効果は発生しない。
- 608.2 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2k で記された手順を適切な順で行う。その後、最後に rule 608.2m と rule 608.2n に記された手順を行う。
- 608 呪文や能力の解決