聖句札の死者/Phylactery Lich
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戦場に出る際に、魂をアーティファクトに隠して不死身(破壊不能)となるゾンビ。そのため普通には破壊されないが、魂を隠した(聖句カウンターを置いた)アーティファクトと命運を共にすることになる。
除去耐性を備えた大型クリーチャーであり、コスト・パフォーマンスは良好。先置きしやすい1~2マナのアーティファクトを共に使えばテンポよく展開でき、序盤から強力なクロックとなる。色拘束の強さを補えるマナ・アーティファクトと併用するとより扱いやすくなるだろう。
しかし破壊不能だけでは、バウンスや追放、あるいは平和な心/Pacifismやタッパーなどの擬似除去などに対して耐性はないので、過信は禁物。またアーティファクトを狙われると道連れに生け贄に捧げることになるため、「普通のクリーチャーよりも除去されやすく、しかもカード・アドバンテージ損までしてしまう」という側面も否めない。
利点も欠点も極端な性能であるため、無計画に採用とはいかないが、メタゲーム次第では十分に活躍の余地があるだろう。手札破壊で安全を確保してやったり、相性によってサイドボードから投入してやったりと、ケアをして使いたい。
- 環境が許すならダークスティールのペンダント/Darksteel Pendantなどの破壊不能アーティファクトや、宝物の地図/Treasure Mapのような別のカード・タイプ(特に土地)に変身するアーティファクトを利用する手がある。通常のアーティファクト破壊では対処されにくくなるが、そちらもやはり同じくバウンス・追放・押収/Confiscateなどのコントロール奪取に耐性がないため、やはり過信はできない点に注意。
[編集] 誤植
基本セット2011の日本語版では、2つ目の能力が「聖句札の死者が戦場に出たとき」と誘発型能力になっているが、正しくは「聖句札の死者が戦場に出るに際し」で常在型能力(置換効果)である。(公式記事「《聖句札の死者》日本語版の異状について」参照のこと。)
- 仮にこれが誘発型能力であったとすると、戦場に出た直後、2つ目の能力と同時に3つ目の能力が誘発し、即墓地送りになる(→状況誘発)。その際、3つ目→2つ目の順番でスタックに置けば、3つ目の能力の解決前に聖句カウンターを用意できるが、3つ目の能力はif節ルールの制約下にないため解決時に再チェックすることはないので意味がない。
[編集] ルール
- 「戦場に出るに際し」なので、聖句札の死者と同時に戦場に出るアーティファクトに聖句カウンターを置くことはできない。
- 同様に、マイコシンスの格子/Mycosynth Latticeが戦場に出ている状態で自身の上に聖句カウンターを置くことも、やはりできない。
- 聖句カウンターは何によって置かれたかを問わない。例えば聖句札の死者を2体戦場に出して2つのアーティファクトに聖句カウンターを置いた場合、片方のアーティファクトが除去されたとしても、両方の聖句札の死者を生かすことができる。
- 聖句カウンターを置く能力は対象を取らないので、墨溜まりのリバイアサン/Inkwell Leviathanのような被覆を持つアーティファクトやプロテクション(黒)持ちのアーティファクトの上にも聖句カウンターを置くことができる。
[編集] その他
- ダンジョンズ&ドラゴンズにおける「リッチ」を再現したカード。リッチは「聖句札/Phylactery」(ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版では「経箱」と訳されている)に自分の魂を移すことによって、Phylacteryが破壊されない限り不滅の存在となっている。
[編集] 参考
- The Lich Get Licher/死者がさらに死者となる(WotC、Savor The Flavor 2010年6月30日 文:Doug Beyer)
- カード個別評価:基本セット2019 - レア
- カード個別評価:基本セット2013 - レア
- カード個別評価:基本セット2011 - レア