エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel (ストーリー)

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2011年5月13日 (金) 04:26時点におけるさまようひつじ (トーク | 投稿記録)による版
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遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errantことエルズペス・ティレル/Elspeth Tirelアラーラの断片ブロックおよびミラディンの傷跡ブロックのキャラクター。

目次

解説

バント/Bantヴァレロン/Valeron国の騎士・勇者(champion)。人間女性。イラスト

圧倒的な戦闘技術と高潔な人柄で知られ、所属する騎士団で最も多くの印章/Sigilを有している。自己に厳しく公平であり、判断力に優れた指導者に相応しい人物ではあるのだが、国を守るのに地位は関係ないと考えており、自分は他者の上に立つ器ではないと謙虚な態度を崩さない。その誉れ高き心と実力は天使に匹敵するといわれることもある。しかし、生まれは謎に包まれており、彼女が自分の出自について語ることは無く、過去に関する質問をかわすのが常である。

エルズペスの下には、人間のアラン/Aran不屈のロウクス兵など忠実な従者やMardis(マーディス)らの騎士が連なっている。

プレインズウォーカー

騎士エルズペスの正体は、別の次元/Plane出身のプレインズウォーカー/Planeswalkerである。

10代でプレインズウォーカーとなった彼女は、ファイレクシア/Phyrexiaによる暗黒(dark)と争い(strife)、非道(oppressive)、恐怖(horror)が支配する故郷の次元を捨てて、理想の世界を求め多元宇宙/Multiverseを放浪、最後にバントへ辿り着いた。バントには故郷で既に失われた「平和と愛と共存(peace, love, and community)」があり、彼女はこの断片を真の理想郷と考え、第二の故郷と定めた。

エルズペスはバントを心の底から慈しみ、この地に骨を埋める覚悟である。法と秩序を尊び、国民を愛し、天使を敬い、この楽園の平和を乱す害悪には断固容赦はしない。ただし、あくまで「普通の人間」としてバントの一部になろうと心に決めているため、特別な力を無闇に振るわないよう自己を抑制している。次元渡りも二度と試みるつもりは無く、この点が他のプレインズウォーカーとは違う大きな特徴である。

その一方で、自分に厳格すぎる生真面目さが災いしてか、素性を偽り真の能力を隠した超人であるという事実が彼女には常に付きまとい、負い目を感じ悩み続けてしまう原因となっている(ときには人々の崇敬の眼差しすら彼女には非難の裏返しと見えてしまうようだ)。もし理想郷バントが変わってしまったら、もし異邦人であることが―普通の人間ですらないことが―知られてしまったら、やっとの思いで見つけた故郷を失うことになるだろう。恐れと不安がエルズペスの表情を曇らせる。

魔法の実力

騎士としての戦闘能力に加え、マナによる強力な集団(community)と防衛(fortification)の魔法を操ることができ、強靭な軍隊を作り、兵を励まし、被害から守る。コミックや小説では、自身のカードの能力同様に兵士を呼び出したり、仲間を強化して空を飛ばすなどといった魔法の描写が見られる。その他には、訓練中の仲間を防御魔法で怪我から守る、力場で悪魔を絡めとって動きを封じる、エスパー/Esper軍のドレイクと衝突する自軍のエイヴン/Aven部隊の戦闘力を高める、更には死者を蘇生したり、忌まわしき者の軍隊を消し去る光を全身から放射する、という離れ業も行っている。

強大な魔力を内に秘めているとはいえ、(時のらせん以降の新時代のプレインズウォーカーに限った話ではないが)予期せぬ危険に対しては不死身とは言えず、普通の人間と同じように負傷したり昏倒してしまう。

上述のように「普通の人間」であろうとするエルズペスは自身の魔術の能力を周囲に隠し、滅多なことでは用いない(使っても自分の行いとばれないようにする)。身近に仕える従者のアランには魔道士の力を持つと明かしてはいるものの、それも真の力のほんの一端に過ぎない。

経歴

名誉にかけて (1)

ファイレクシアに支配された争いと闇の次元に誕生する。

13歳の時、影のような人ならざる者によって生命の危機にさらされたことでプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkに火が入り、故郷の次元を旅立った(以後、戻ったことは無い)。

多元宇宙をさまよった後、17歳でヴァレロン騎士の従者となり、20歳で騎士と認められる。

アランの両親が亡くなった直後の夏、騎士エルズペスと従者になったばかりのアランは海岸を馬で駆けているときに、青空に姿を現した天使の大聖堂/Angels' Cathedralを見る。畏敬の念に打たれたエルズペスはアランとバント、自分自身への責任感を心に強く刻みつけた。

Alara Unbroken (1)

エルズペスは自分の素性や魔術の才能を隠したままヴァレロン国の騎士長の任に就いていた。任地である城の近くに、異邦人アジャニ/Ajaniが満身創痍の姿で現れる。得体の知れない獅子人間に騎士たちは警戒するが、エルズペスは僧侶に治療をさせる。彼女はアジャニの正体が自分と同じプレインズウォーカーであると勘付いていた。

手厚い看護の下でアジャニの傷は回復し、エルズペスはバントを新たな故郷として留まるよう説得するのだが、アジャニは申し出を断り兄の仇を追ってナヤ/Nayaへ帰ってしまう。しかし、エルズペスはアジャニから、5つの世界が一つにまとまりつつあるようだと警告を受けるのだった。

名誉にかけて (2)

エルズペスは村や隊商で広まる恐ろしい噂を確かめるため、従者アランを連れてヴァレロンからアクラサ/Akrasaは暁の光の砦/Fort Dawnway方面へと調査に向かう。そして見捨てられたロウクスの修道院(Rhox Monastery。作中では「ロックス修道院」と誤訳)において、グリクシス/Grixisへ繋がった扉と不浄なるアンデッドを発見する。エルズペスはアジャニの言葉が本当であったことを知る。

旧き邪悪の権化の爪

バントが他の断片と繋がった衝合/Confluxの時代、隣接するエスパーとナヤ/Nayaを相手取った戦争がバントで始まる。エルズペスはこのまま世界が破壊されるのを戦わずに見過ごす訳にはいかないと考えている。

Alara Unbroken (2)

バント境界地域ではエスパーとの戦争が勃発していた。騎士将軍ラフィーク/Rafiqアーシャ軍(Asha's Army)と共に侵略者を迎え撃つエルズペスは、突如戦場で味方のロウクス/Rhox騎士Mubin(ムビン)に襲われ、頭に傷を負って意識不明に陥いる。

ベッドの上で意識を取り戻したエルズペスは一刻も早い戦線復帰を申し出るのだが、ラフィークに回復するまで出陣を禁じられ、敵軍の精神操作呪文の影響を受けて襲い掛かったロウクスは彼の友人ムビンだと謝罪される。ラフィークからバント内部に裏切りの嫌疑のかかった逮捕者がいることを聞き出すと、エルズペスはグヮファ・ハジード/Gwafa Hazidの尋問を行い、ハジードを影で操る「ドラゴン」が存在することを探り出す。

アラーラ再誕

アラーラ再誕では、バントの戦争はこれまでのエスパーとナヤに加えて、グリクシスとジャンド/Jundをも敵に迎えることになる。これは小説Alara Unbrokenでも同様で、バントが戦争する相手はエスパーからグリクシスの軍へと変遷する。同時代を扱っているエルズペスの関連する掌編やコミックでも戦争の相手はグリクシスである。

名誉にかけて (3)

エルズペスはアランと共にバント軍の戦列に加わり、迫りくる悪魔の軍勢と戦うことになる。激戦の中、同僚の騎士団は次々と倒れ、天使は羽をもぎとられ地に落ち、ついには従者アランも敵の刃に命を落とすのだった。

1人の人間としての人生を望んでいたエルズペスであったが、アランの死に直面したことでプレインズウォーカーの真の力を解放し、忌まわしき者の軍隊を消滅させ、更にはアランを復活させる。しかし、エルズペスを見る周囲の目はがらりと変わってしまい、アランにも皆の希望の星であると告げられる。彼女の表情はなぜか悲しげであった。

目前に迫る戦争

他断片との戦争が激化する中、エルズペスはバントの希望の象徴となっていた。この頃にはナヤのエルフレオニン/Leoninの軍勢すらも従えているようである。

スラクジムンダール/Thraximundarの軍団がバントを恐怖と混乱に陥れていた頃、石碑塔の戦い(The battle of Tower Stele)で戦果を上げたエルズペスに対して、民衆からスラクジムンダール討伐の期待が集まる。しかし、石碑塔から来たという少年が語るところでは、その戦いでエルズペスは罪を犯し、名誉を守るために火炎の中に身を投じて自らの生命を絶ったという。これは少年の嘘偽りであったが戦乱の難民に不安と動揺が広まっていった。

Alara Unbroken (3)

バントとグリクシスとの決戦の地は黄金塔/Giltspireの廃墟。先発していたエルズペスの軍はアーシャ軍総大将ラフィークを迎え入れ戦闘態勢を整える。方やグリクシス率いるは悪魔将軍マルフェゴール/Malfegor、その忌まわしき大軍団が猛攻を仕掛けてきた。混沌とする戦場、そこに祝福階級のアーシル/Aarsilが伝説の聖剣アーシャの剣を自ら携えて駆けつける。エルズペスはラフィークに剣を届ける任を負い、窮地に陥っていたラフィークの手についに聖剣が握られる。エルズペスの魔力の後押しを受け、アーシャの再来と自覚したラフィークは宙に舞い上がり、大悪魔マルフェゴールを十文字に切り捨てるのだった。

指揮官を失ったグリクシス軍は敗走し、アラーラの大戦乱を仕組んだ黒幕ニコル・ボーラス/Nicol Bolasもアジャニの活躍でこの次元から姿を消した。しかし、けがれなき楽園バントの姿は失われてしまった。失意のエルズペスは部下マーディスに別れを告げて、独りアラーラをプレインズウォークで立ち去った。

Gathering Forces、エルズペスvsテゼレット

エルズペスはドミナリア/Dominariaを訪れた。剣闘士(Gladiator)として戦いを続ける中、対戦相手の腕に忌まわしきファイレクシアのシンボルを見つける。その人物は故郷ミラディン/Mirrodinへのファイレクシアの侵攻に立ち向かう勢力を募るためにやってきたコス/Kothであった。

コスと共に「肉の墳墓」(Tomb of Flesh)という場所を訪れたエルズペスは、そこでかつて自分が捨てた故郷の幻影を見る。その場から逃げ出し、放っておいてくれと頼むエルズペスだったが、コスに連れられアーボーグ/Urborgの「英雄達の記念碑」(Heros' Memorial)を訪れる。その地でコスは彼の呪文により情報を手に入れる。「ヴェンセール/Venserという名の男を見つけなければならない」と。

コスと共にヴェンセールの工房を訪れたエルズペス。ヴェンセールは2人を歓迎するが、ヴェンセールがファイレクシアの技術を使用していることに激昂したコスはエルズペスの制止も解さずヴェンセールを脅してミラディンへと渡る道を作らせる。エルズペスはコスに「ファイレクシアはあまりにも危険だ」と忠告するものの、コスは聞き入れずミラディンへと飛び立っていった。

Scarred

ミラディンへと辿りついたエルズペス一行。しかし、屍賊/Nimとの戦闘によってエルズペスの過去の悪夢が蘇り、先へは進めなくなってしまう。エルズペスは一時、ヴァルショクの集落に身を寄せ現地の女性のもてなしを受ける。彼女との対話により己の信念を取り戻したエルズペスは、ファイレクシアに囚われたコスとヴェンセールを救出する。人々と失われた故郷のために、彼女は自らの悪夢を克服したのだ。

登場

登場カード

デュエルデッキ

フレイバー・テキストに登場

エルズペスvsテゼレット
十字軍/Crusade
アラーラの断片
アクラサの守護者/Guardians of Akrasa
コンフラックス
聖遺の騎士/Knight of the Reliquary
アラーラ再誕
不屈の随員/Dauntless Escort
ミラディンの傷跡
魂の受け流し/Soul Parry
新たなるファイレクシア
清純のタリスマン/Pristine Talisman巻き戻しの時計/Unwinding Clock

イラストに登場

エルズペスvsテゼレット
十字軍/Crusade
アラーラの断片
朗々たる根本原理/Clarion Ultimatum
アラーラ再誕
献身的な嘆願/Ardent Plea不屈の随員/Dauntless Escort(盾にエルズペスの似姿)
ミラディンの傷跡
魂の受け流し/Soul Parry
新たなるファイレクシア
倒れし者の記憶/Remember the Fallen

登場作品・登場記事

参考

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