神/Kami
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神/Kamiはクリーチャーの種族の一つで、神河/Kamigawaの精霊(スピリット/Spirit)。
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解説
神河の精霊の世界である隠り世/Kakuriyoに棲み、もう一方の物質の世界である現し世/Utsushiyoの森羅万象に宿る。人間や大蛇人など現し世の定命の者から信仰、崇拝を受けている。神が現し世に姿を現した際は、その周囲に奇妙な浮遊物を飛ばすのが特徴(イラスト)。
特徴的な神
- 鬼(おに)/Oni - 血に飢えたデーモンの神。大峨たちに崇められている。
- 麒麟(きりん)/Kirin - さまざまな生物の姿が合わさった、異界の獣の神。吉兆と長寿をもたらすとされる一方、麒麟は定命の者に対してお節介と言えるほどに好奇心が強い。
- ずべら/Zubera - 顔のない神。隠り世に引きずりこまれた人間が神となったもので、旅人を襲って顔を奪ってしまうと言われている。
- 獏(ばく)/Baku - 夢を食べる神。奇妙な四足の姿をしている(イラスト)。
- 麻呂(まろ)/Maro - 初めて何かを成した人間が神となったもの。
- 明神(みょうじん)/Myojin - 神の中でも特に重要なもの。神河物語の5柱の明神はそれぞれの色を司る神であり、他の神々はその色の明神の一側面であるとされている[1]。
- 龍(りゅう)/Ryuu - 神聖なドラゴンの神。5体の龍それぞれが神河の平地、島、沼、山、森を守護する存在だったが、神の乱/The Kami Warにおいて大半が死亡した。戦乱時代/The Shattered States Eraに、龍の一体である珠眼/Juganにより新たな姿で蘇った後は、守護神としての役割はそれぞれが異なる方針を取っている。
定命の者との関わり
- 神の乱
- 本来は定命の者に敬われる神だったが、神の乱においては穏やかな神も定命の者を襲うことがあった。
- 啓蒙の時代/Era of Enlightenment
- 神の乱が終結した後、香醍/Kyodaiと皇国/The Imperial courtによる統治下では定命の者と神との関係は大きく改善した。一方で、大口縄/O-Kagachiが倒され、現し世と隠り世を隔てる境界が壊れたことで、神河では統合/Mergeと呼ばれる現象が散発的に起こり始めた。これによって神が現し世に危険を及ぼす可能性があったが、定命の者の組織である樹海の兵団/The Order of Jukai、皇国、水面院/Minamo Academyが協力して統合のゲート/Merge gatesを建設し、以来神は安全に現し世へ訪れることができるようになった。
- 当世/The Modern Age
- 霜剣山市/Sokenzanshiや大田原/Otawaraで起こった革新により、神との深い繋がりを持たずに隠り世の力を引き出す新技術が生まれた。これに抵抗感を持つ神もいる一方、変化を楽しみにしている神もいる。更に、技術に関連する新たな神も出現している。
キャラクター
主要な神
- 大口縄(おおかがち)/O-Kagachi - 巨大な八つ頭の龍の姿をした神。万物を司る最強の神で、現し世と隠り世を隔てる境界を監視していた。
- 香醍(きょうだい)/Kyodai - 大口縄の娘。今田魅知子/Michiko Kondaと協力し、神の乱を終結させた。当世まで神河の皇/The emperorと絆を結び、神河を守護し続けている。
神河ブロックの主な神
- 悪忌の守護神(あっきのしゅごしん)/Patron of the Akki - 悪忌を守護する神。
- 亜楡身(あゆみ)/Ayumi - 忠実な時代の書記の神。
- 否命(いなめ)/Iname - 生と死の神。
- 禍汰奇(かたき)/Kataki - 戦争の報いの神。
- 渇苛斬(かっかざん)/Kakkazan - 山の炎の神。
- 忌話図(いわず)/The Unspeakable[注 1] - 語られざるものの神。
- 崩老卑(ほろび)/Horobi - 死者の嘆きの神。
- 三日月の神(みかづきのかみ)/Kami of the Crescent Moon/望(もち)/Mochi
- 浄火明神(じょうかみょうじん)/Myojin of Cleansing Fire - 白の明神。正義を象徴する[2]。
- 風見明神(かざみ-)/Myojin of Seeing Winds - 青の明神。知識を象徴する。
- 夜陰明神(やいん-)/Myojin of Night's Reach - 黒の明神。力を象徴する。
- 激憤明神(げきふん-)/Myojin of Infinite Rage - 赤の明神。情念を象徴する。
- 生網明神(せいもう-)/Myojin of Life's Web - 緑の明神。創造を象徴する。
- 龍の神
- 陽星(ようせい)/Yosei - 神河の平地と永岩城/Eiganjoの守護龍。神の乱にて、大口縄と戦い死亡。
- 京河(けいが)/Keiga - 島々と水面院の守護龍。陽星同様に神の乱にて死亡。
- 黒瘴(こくしょう)/Kokusho - 竹沼/Takenuma Swampの守護龍。神の乱を生き延びたが、竹沼を襲った鬼との戦いで死亡。
- 流星(りゅうせい)/Ryusei - 霜剣山/The Sokenzan Mountainsの守護龍。龍たちの中で唯一、転生に至るまで死亡しなかった。
- 珠眼(じゅがん)/Jugan - 樹海/The Jukai Forestの守護龍。陽星、京河同様に神の乱にて死亡したが、戦乱時代に大蛇人が行った儀式により蘇生した。
神河:輝ける世界の主な神
- 暁冠の日向(あかつきかんむりのひなた)/Hinata, Dawn-Crowned - 麒麟の中でも特に好奇心旺盛でお節介な神。
- 痣矛奇(あざむき)/Azamuki[注 2] - 背信の化身の神。
- 怪磨(かいま)/Kaima - 母聖樹/Boseijuの根に棲む、森の意識の神。熊の鉤爪を持つ巨大な猪の姿を持つ。大蛇人のちし郎/Chishiroと友情を結んでいる。
- 西の樹の木霊(にしのきのこだま)/Kodama of the West Tree - 陰気にして危険かつ獰猛な神。都和市/Towashiの母聖樹地区/Boseiju Districtにて街と森の境界を徘徊し、神の祝福を受けずに森に侵入しようとする定命の者を追跡し、襲撃している。
- 灯元(ひもと)/Himoto - 灯/Sparkの神。空民のタメシ/Tameshiが作成した狸型のドローンに宿り、漆月魁渡/Kaito Shizukiと共に多元宇宙/Multiverseを旅する。
- 御神体の神
- 共同目的の神(きょうどうもくてき-)/Kami of Shared Purpose - 田園地帯の社に宿る神。定命の者の働きに感銘を受け、町へ魔力を与え続けている。
- 逸失叡智の神(いっしつえいち-)/Kami of Lost Wisdom - 水面院の師範によって召喚された、知識の神。定命の者をからかうような知識を与える。
- 隠避残虐の神(いんぴざんぎゃく-)/Kami of Hidden Cruelty - 大峨によって召喚された、怒りと復讐を囁く神。
- 古伝戦争の神(こでんせんそう-)/Kami of Ancient Wars - 霜剣山の社に宿る、戦いを渇望する神。
- 無尽活力の神(むじんかつりょく-)/Kami of Boundless Vigor - 樹海の壊された庭園から持ち出された種から生まれた神。森を再生させる力を持つ。
- 転生した龍の神
- 猗旺(あおう)/Ao - 陽星の転生体。転生前とは異なり定命の者の社会と距離を取っているが、永岩城の守護龍としての役割を放棄してはいない。
- 開璃(かいり)/Kairi - 京河の転生体。転生前同様に水面院を守護していたが、戦乱時代の後に学問の中心が大田原へと移ると、空民の意図を疑い、守護を拒むようになった。
- 殉至(じゅんじ)/Junji - 黒瘴の転生体。竹沼を見放し、都和市の下層街の運河に住み、勢団/The Reckonersの争いを見張っている。
- 軋賜(あつし)/Atsushi - 流星の転生体。転生前同様に霜剣山を守護している。
- 空羅(くうら)/Kura - 珠眼の転生体。転生前同様に樹海を守護している。
- 明神
- 花暁明神(かぎょう-)/Myojin of Blooming Dawn - 希望の力を体現する明神。
- 謎夢明神(めいむ-)/Myojin of Cryptic Dreams - 閃きの力を体現する明神。
- 酷叛明神(こくはん-)/Myojin of Grim Betrayal - 野心の力を体現する明神。戦乱時代の切欠となった将軍たちに戦いの技を与えた。
- 咆刃明神(ほうじん-)/Myojin of Roaring Blades - 不穏の力を体現する明神。
- 頂力明神(ちょうりき-)/Myojin of Towering Might - 進化の力を体現する明神。樹海の兵団が組織される直前に姿を現したとされる。
ゲームでの特徴
クリーチャー — スピリット(Spirit)
あなたがスピリット(Spirit)か秘儀(Arcane)呪文を唱えるたび、狩猟の神はターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
2/2クリーチャー — スピリット(Spirit)
転生3(このクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にあるマナ総量が3以下のスピリット(Spirit)・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻してもよい。)
4/1スピリットのクリーチャー・タイプを持つことで表現される。
神の乱を描いた神河ブロックにおいては、クリーチャー・カードの半数近くを神であるスピリットが占めている。緑にはやや多く赤には少ない傾向にあるが、どの色にも一定数存在している。スピリットクラフトや転生などのメカニズムにより、神同士にシナジーのあるデザインがされている。神を表すクリーチャー・トークンとして、無色の1/1のスピリット・クリーチャー・トークンを生成するカードも存在する。
神河謀叛では、スピリットでないクリーチャーがスピリットクラフトにより気カウンターを得て、反転して伝説のスピリットとなる反転カードのサイクルが作られた。これは、現し世の生物に宿っていた神が姿を現すというフレイバーを表している[3]。
神河:輝ける世界では、クリーチャー・カードとしては大きく割合を減らしている。黒や緑では比較的多く収録されており、エンチャントと関連付けられたメカニズムを持つものが多い。
その他
- 神道における神がモチーフ。
- 神/Godとは異なる。日本語および漢字としての「神(かみ)」は、超人的・超常的で信仰の対象となるような存在を意味する。一方でマジックのクリーチャー・タイプとして存在する神は英語"god"の訳語だが、これらの概念は必ずしも一致しているわけではない(参考:神 - Wikipedia)。マジックにおいては、神河の神/Kamiはアニミズム的な精霊に近く、その他の次元/Planeの神/Godは多神教における神と近しい概念として扱われている。大口縄や明神のように設定上は後者としても扱われうる神も存在しているが、神河の神としてスピリットと神の両方のクリーチャー・タイプを持つカードは2022年現在作られていない。
- 見た目の特徴である浮遊物は、浄火明神/Myojin of Cleansing Fireのスケッチが元になっている[4]。
- 神河の獏は、日本に伝わる伝説の生物としての獏と比較すると姿が大きく異なっている。実際、神河の獏のデザインはダンジョンズ&ドラゴンズのクリーチャーであるインテレクト・ディヴァウラーが元になっている[3]。それぞれのイラストを見比べるとよく似ているのが分かる(インテレクト・ディヴァウラー(画像左)、神河の獏)。
- 神河:輝ける世界では、現し世と隠り世の統合によって現れたクリーチャー・エンチャントや、神が宿り動き出した社である御神体、神を内蔵しているメカ(勝利械)が登場した。これらはクリーチャー・タイプとしてスピリットは持っていないが、イラストでは神と類似した浮遊物の描写がされているようだ(イラスト1、イラスト2、イラスト3)。
関連ページ
- 神河ブロック
- KAMIGAWA - PLANES/神河 - 次元(公式サイト)
- We Are the Champions, My Friend/mtgcom_feature_227(タイトル訳:我らがチャンピオンだ、我が友よ Feature 2004年8月30日 Rei Nakazawa著)
- Behind the Scenes: Creating the World of Kamigawa/舞台裏から:神河世界の創造(Feature 2004年9月6日 Jeremy Cranford著)
- A Kamigawa Glossary, Part 1(Arcana 2004年9月14日 Wizards of the Coast著)
- A Kamigawa Glossary, Part 2(Arcana 2005年1月24日 Wizards of the Coast著)
- A Kamigawa Glossary, Part 3(Arcana 2005年5月31日 Wizards of the Coast著)
- 神河:輝ける世界
- The Kami War/神河史譚:神の乱(Feature 2022年1月11日 Daniel Holt著)
- The Dragon-Kami Reborn/神河史譚:龍の神の再誕(Feature 2022年1月17日 Emily Teng著)
- Era of Enlightenment/神河史譚:啓蒙の時代(Feature 2022年1月19日 Grace Fong著)
- The Modern Age/神河史譚:当世(Feature 2022年1月21日 Emily Teng著)
- Planeswalkers Guide to Kamigawa: Neon Dynasty/プレインズウォーカーのための『神河:輝ける世界』案内(Feature 2022年2月3日 Grace Fong, Emily Mei, and Ari Zirulnik著)
- The Legends of Kamigawa: Neon Dynasty/『神河:輝ける世界』の伝説たち(Feature 2022年2月11日 Ari Zirulnik, Grace Fong, Emily Teng, and Gerritt Turner著)
脚注
注釈
出典
- ↑ Ask Wizards - April, 2005(Feature 2005年4月1日 Wizards of the Coast著)
- ↑ 『神河物語公式ハンドブック』(真木孝一郎著 ホビージャパン 2004年10月1日) p.10
- ↑ 3.0 3.1 The Creative Side of Kamigawa(News 2005年2月18日 Aaron Forsythe著)
- ↑ Ask Wizards - March, 2005(Feature 2005年3月1日 Wizards of the Coast著)