エキスパンション
提供:MTG Wiki
細 |
|||
(5人の利用者による、間の18版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | + | '''エキスパンション'''/''Expansion''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[カード・セット]]で[[スタンダード]][[フォーマット]]用に発売される[[本流のセット]]のうち[[基本セット]]以外のものの呼称。 | |
− | '''エキスパンション'''/''Expansion''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]] | + | |
==解説== | ==解説== | ||
− | + | 「拡張」が示すとおり、元来は基本セットを強化するためのセットである。基本セットと違い、ほぼ新録カードで構成され、そのセット独自のメカニズムを多数持ち、背景ストーリーが設定される。[[基本土地]]を含む250~280前後のカードが収録され、単独で[[リミテッド]]で遊ぶことができる。現在は春、秋、冬にそれぞれ発売され、秋のセットが発売すると同時に一昨年の夏までに発売されたセットが[[ローテーション]]によりスタンダードで使用不能になる。 | |
− | + | ==一覧== | |
+ | [[カードセット一覧#エキスパンション]]を参照。 | ||
− | + | ==エキスパンションの変遷== | |
+ | ===[[1993年]]~[[1994年]]・エキスパンションの誕生=== | ||
+ | 黎明期のエキスパンションは基本土地は収録されず、カード数も[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]を除き100枚程度で拡張の名の通り基本セットを強化する目的で作られていた。販売形態も[[ブースターパック]]のみだった。 | ||
− | === | + | ===[[1995年]]~[[2003年]]・独立型エキスパンションと[[ブロック (総称)|ブロック]]=== |
− | + | [[アイスエイジ]]は、[[基本土地]]や各[[色]]の定番カードが[[再録]]され、[[トーナメントパック]]も販売されたマジック最初の単独で遊ぶことのできる'''独立型エキスパンション'''(後に'''大型エキスパンション'''という呼称が主流となった)であった。さらに[[ホームランド]]を挟んだ[[アライアンス]]はアイスエイジからの地続きのストーリーを描いたセットであった。ここから大型のエキスパンションをさらに拡張する2つの小型のエキスパンションの組み合わせというアイディアが生まれ、同時に開発していた[[ミラージュ]]、[[ビジョンズ]]に[[ウェザーライト]]が加えられ、秋の大型セットに冬、春の小型セットが加えられるというブロック構成が始まった。[[テンペスト・ブロック]]は、初めからブロックとしてデザインされた初のエキスパンション群となった。大型・小型の収録カード枚数は大型が約350枚、小型約140枚強となっている。 | |
− | + | スタンダードの[[メタゲーム]]を新鮮に保つ[[ローテーション]]も考案され、スタンダードは基本セットとブロック2つによって構成され、新しいブロックの大型エキスパンションが発売するごとに最も古いブロックがスタンダードから使用不能になった。 | |
− | === | + | ===2003年~[[2008年]]=== |
− | [[ | + | [[第8版]]でカードのレイアウトデザインが[[新枠]]に変わったのと同時期に、エキスパンションも変化を迎えた。[[ミラディン・ブロック]]からは収録枚数が大型セットの枚数が約300枚、小型セットが約160枚と変化し、それまで[[ドミナリア/Dominaria]]を中心としてきた背景ストーリーも[[ミラディン/Mirrodin]]、[[神河/Kamigawa]]など[[多元宇宙/Multiverse]]の個々の[[次元/Plane]]を印象付ける方向へ変化した。 |
− | [[ | + | 小型セット単独でのスタンダード参入となる[[コールドスナップ]]や、通常の収録カードとは別に[[タイムシフト]]枠が存在する[[時のらせん]]、大型と小型の2つの組み合わせをさらに組み合わせた4セット構成の[[ローウィン=シャドウムーア・ブロック]]など、変則的なエキスパンションが開発されるようになる。 |
− | + | ===2008年~[[2015年]]・変化の年=== | |
+ | 2008年からカード・セット全体に大きな変更が行われ、[[神話レア]]の導入や、基本セットの一新などが行われた<ref>[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AE%E5%B9%B4-2008-06-02 変化の年](Making Magic 2008年 6月 2日)</ref>。エキスパンションは[[アラーラの断片ブロック]]以降収録カード枚数が大きく削減され、大型セットは約250枚、小型セットは140~170枚となっている。[[トーナメントパック]]は[[アラーラの断片]]を最後に、[[ゼンディカー]]からは販売されないようになった。[[ミラディンの傷跡ブロック]]やラヴニカへの回帰ブロックなど、以前舞台として取り上げられた人気の次元に”回帰”するようになった。 | ||
− | + | 変則的なブロック構成は引き続き試されている。 | |
− | + | *[[ゼンディカー・ブロック]]、[[イニストラード・ブロック]]は第3セットが大型エキスパンションであり、リミテッドもこれ1つで行われるのが基本となっている。 | |
− | + | ||
− | + | ||
− | *[[ゼンディカー・ブロック]] | + | |
*[[ラヴニカへの回帰ブロック]]では、10の[[ギルド/Guild]]を最初2つのエキスパンションに5-5で割り振るために、第1・第2エキスパンションが大型、第3エキスパンションが小型となった。またリミテッドでは最初2つの大型エキスパンションがそれ単体で行われるのに対し、第3エキスパンション導入後は3エキスパンションを1-1-1([[ブースター・ドラフト]]時)、もしくは2-2-2([[シールド]]時)と、大型エキスパンションを同時に使うという変則的な割り振りが行われた。 | *[[ラヴニカへの回帰ブロック]]では、10の[[ギルド/Guild]]を最初2つのエキスパンションに5-5で割り振るために、第1・第2エキスパンションが大型、第3エキスパンションが小型となった。またリミテッドでは最初2つの大型エキスパンションがそれ単体で行われるのに対し、第3エキスパンション導入後は3エキスパンションを1-1-1([[ブースター・ドラフト]]時)、もしくは2-2-2([[シールド]]時)と、大型エキスパンションを同時に使うという変則的な割り振りが行われた。 | ||
*[[タルキール覇王譚ブロック]]では、次ブロック以降のブロック構成変更の影響に、第1・第3エキスパンションが大型、第2エキスパンションが小型となった。ブースター・ドラフトでは、第2エキスパンション導入時に「第2→第1→第1」、第3エキスパンション導入時に「第3→第3→第2」といる特殊な割り振りが行われた。また、このブロックの第3エキスパンションは、ローテーションにおいて第1・第2エキスパンションとは別ブロックとして扱われる。 | *[[タルキール覇王譚ブロック]]では、次ブロック以降のブロック構成変更の影響に、第1・第3エキスパンションが大型、第2エキスパンションが小型となった。ブースター・ドラフトでは、第2エキスパンション導入時に「第2→第1→第1」、第3エキスパンション導入時に「第3→第3→第2」といる特殊な割り振りが行われた。また、このブロックの第3エキスパンションは、ローテーションにおいて第1・第2エキスパンションとは別ブロックとして扱われる。 | ||
− | === | + | ===2015年~[[2018年]]・2セット1ブロック構成と基本セットの廃止=== |
+ | 1ブロック3セット制は3つのセットを繋がりを維持したまま新しいデザインを見せなければいけないことに問題があり、[[戦乱のゼンディカー・ブロック]]からは1ブロック2セットの構成となった。同時に基本セットの廃止、スタンダードの[[ローテーション]]を1年に一度から半年に一度にするなど大きな変更が加えられた<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0011148/ 変身](Making Magic 2014年8月25日)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | この変更により、スタンダードは3つのブロックで構成され、秋と春に大型エキスパンション、冬と夏に小型エキスパンションが発売され、大型エキスパンションの発売ごとに最も古いブロックがローテーション落ちするというスケジュールとなった。だがプレイヤーからの反響の結果、ローテーションは1年に一度に戻されたため<ref>[http://mtg-jp.com/publicity/0017853/ スタンダード・ローテーションの見直しについて](News 2016年10月19日)</ref>、スタンダードは3~4つのブロックで構成されるようになった。 | ||
+ | |||
+ | ===2018年~[[2021年]]・ブロック制の廃止と基本セットの復活=== | ||
+ | 2015年の大変化の後の試行錯誤を経て、小型セットそのものがデザインの弊害だったことや基本セットの欠如による問題点が見え、[[2018年]]4月発売の[[ドミナリア]]より、開発部はブロックという構成を止め今後はエキスパンションはそれまででいう大型エキスパンションのみとすることを発表した<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019021/ 変身2.0](Making Magic 2016年6月12日)</ref>。基本セットも復活し、エキスパンションがすべて大型となった以外は販売スケジュールやローテーションは2015年以前に戻ったといえる。セット毎のボリュームは番外カードを除けば260~280枚であり、さらに基本土地や[[変則的な稀少度]]のカードを除けば250枚前後である。 | ||
+ | |||
+ | [[2019年]]10月発売の[[エルドレインの王権]]から[[ショーケース・フレーム]]といった通常版とは別にイラストやカードのレイアウト([[枠]])が異なるカードの封入が標準的となり、リミテッドプレイ用のブースターパックとは別に[[コレクター・ブースター]]というイラスト違いや[[フォイル]]仕様のカードが確定で封入された高額パックが販売されるようになった。 | ||
+ | |||
+ | [[2020年]]9月発売の[[ゼンディカーの夜明け]]からは主に神話レアの収録数が増加し、基本土地や変則的な稀少度を除くセットのボリュームは260枚前後となった。ブースター製品としてレアが出やすい[[セット・ブースター]]が登場し、従来のブースターパックは[[ドラフト・ブースター]]として区別されるようになった。また、エキスパンションと同期して[[統率者戦用セット]]が販売されるようになった。 | ||
+ | |||
+ | ===2021年~[[2023年]]・発売スケジュール、ローテーションの変更=== | ||
+ | [[MTGアリーナ]]や[[統率者戦用セット]]など入門者の導線が変化してきたことを受け、基本セット2022は[[フォーゴトン・レルム探訪]]として発売され年4回の本流のセットがすべてエキスパンションとなった。また、後半発売するセットのスタンダードでの寿命を延ばすという方針から[[イニストラード:真夜中の狩り]]以降は発売間隔が従来の約3か月から約2か月になり、4月にはローテーションを同じくするセットが出そろうスケジュールになった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035554/ 『契り』から その1]([[Making Magic]] 2021年11月1日)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | 2023年には再度のスタンダードのローテーションの変更が行われ、セットの在籍期間が2年から3年になった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036904/ スタンダードに再び活気を]([[Daily MTG]] 2023年5月7日)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | *変則的なセットとして、[[2022年]]秋の[[団結のドミナリア]]からのローテーショングループには、5つ目のセットとして[[機械兵団の進軍:決戦の後に]]が発売した。これは[[リミテッド]]を考慮せず[[コモン]]が存在しない小型セットであった。 | ||
+ | |||
+ | ===[[2024年]]~現在・プレイ・ブースターの導入=== | ||
+ | ドラフト/セット/コレクターのブースター製品3種の販売は、プレイヤーや小売店に負担をかけている事が判明したため、[[2024年]]1月発売の[[カルロフ邸殺人事件]]より、ドラフト・ブースターとセット・ブースターを廃止し、リミテッドプレイと開封の楽しみの両立を目指した[[プレイ・ブースター]]が導入された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037320/ 「プレイ・ブースター」とは?]([[Making Magic]] [[2023年]]10月16日)</ref>。これにより30年継続されてきた15枚入りブースターという製品形態が一旦終了した事となる。プレイ・ブースターではコモンの[[スロット]]が減ったため、セットのボリュームは260枚前後とこれまでと変わらないが稀少度毎の枚数はコモンとアンコモンの比率が逆転している。 | ||
+ | |||
+ | ==その他== | ||
*'''エクスパンション'''、'''エキスパッション'''は誤表記である。 | *'''エクスパンション'''、'''エキスパッション'''は誤表記である。 | ||
− | * | + | *かつてはカード枚数の多い大型エキスパンションでは、ブースターパック以外に、基本土地や新ルール解説シートなどが含まれているトーナメントパックも発売されており、これを使用した[[リミテッド]]もあった。 |
− | * | + | *ブロック制だった当時、ローテーションは大型エキスパンションの発売時期にあわせて行われたため、後に発売される小型エキスパンションほどスタンダードなどで使用できる期間は短かった。そのため、ブロックの3つ目のエキスパンションはその分強力なカードが多く収録される、という説もある。実際にそんな方針で製作されているのかは全くの不明(→[[俗説#ブロックの最後のエキスパンションは強い]])。 |
− | + | ||
− | + | ||
− | == | + | ==脚注== |
<references /> | <references /> | ||
+ | |||
+ | ==参考== | ||
+ | *[[カード・セット]] | ||
+ | *[[本流のセット]] | ||
*[[基本セット]] | *[[基本セット]] | ||
+ | *[[ブロック (総称)]] | ||
*[[エキスパンション・シンボル]] | *[[エキスパンション・シンボル]] | ||
*[[カードセット一覧]] | *[[カードセット一覧]] |
2024年3月21日 (木) 10:50時点における最新版
エキスパンション/Expansionは、マジックのカード・セットでスタンダードフォーマット用に発売される本流のセットのうち基本セット以外のものの呼称。
目次 |
[編集] 解説
「拡張」が示すとおり、元来は基本セットを強化するためのセットである。基本セットと違い、ほぼ新録カードで構成され、そのセット独自のメカニズムを多数持ち、背景ストーリーが設定される。基本土地を含む250~280前後のカードが収録され、単独でリミテッドで遊ぶことができる。現在は春、秋、冬にそれぞれ発売され、秋のセットが発売すると同時に一昨年の夏までに発売されたセットがローテーションによりスタンダードで使用不能になる。
[編集] 一覧
[編集] エキスパンションの変遷
[編集] 1993年~1994年・エキスパンションの誕生
黎明期のエキスパンションは基本土地は収録されず、カード数もレジェンドを除き100枚程度で拡張の名の通り基本セットを強化する目的で作られていた。販売形態もブースターパックのみだった。
[編集] 1995年~2003年・独立型エキスパンションとブロック
アイスエイジは、基本土地や各色の定番カードが再録され、トーナメントパックも販売されたマジック最初の単独で遊ぶことのできる独立型エキスパンション(後に大型エキスパンションという呼称が主流となった)であった。さらにホームランドを挟んだアライアンスはアイスエイジからの地続きのストーリーを描いたセットであった。ここから大型のエキスパンションをさらに拡張する2つの小型のエキスパンションの組み合わせというアイディアが生まれ、同時に開発していたミラージュ、ビジョンズにウェザーライトが加えられ、秋の大型セットに冬、春の小型セットが加えられるというブロック構成が始まった。テンペスト・ブロックは、初めからブロックとしてデザインされた初のエキスパンション群となった。大型・小型の収録カード枚数は大型が約350枚、小型約140枚強となっている。
スタンダードのメタゲームを新鮮に保つローテーションも考案され、スタンダードは基本セットとブロック2つによって構成され、新しいブロックの大型エキスパンションが発売するごとに最も古いブロックがスタンダードから使用不能になった。
[編集] 2003年~2008年
第8版でカードのレイアウトデザインが新枠に変わったのと同時期に、エキスパンションも変化を迎えた。ミラディン・ブロックからは収録枚数が大型セットの枚数が約300枚、小型セットが約160枚と変化し、それまでドミナリア/Dominariaを中心としてきた背景ストーリーもミラディン/Mirrodin、神河/Kamigawaなど多元宇宙/Multiverseの個々の次元/Planeを印象付ける方向へ変化した。
小型セット単独でのスタンダード参入となるコールドスナップや、通常の収録カードとは別にタイムシフト枠が存在する時のらせん、大型と小型の2つの組み合わせをさらに組み合わせた4セット構成のローウィン=シャドウムーア・ブロックなど、変則的なエキスパンションが開発されるようになる。
[編集] 2008年~2015年・変化の年
2008年からカード・セット全体に大きな変更が行われ、神話レアの導入や、基本セットの一新などが行われた[1]。エキスパンションはアラーラの断片ブロック以降収録カード枚数が大きく削減され、大型セットは約250枚、小型セットは140~170枚となっている。トーナメントパックはアラーラの断片を最後に、ゼンディカーからは販売されないようになった。ミラディンの傷跡ブロックやラヴニカへの回帰ブロックなど、以前舞台として取り上げられた人気の次元に”回帰”するようになった。
変則的なブロック構成は引き続き試されている。
- ゼンディカー・ブロック、イニストラード・ブロックは第3セットが大型エキスパンションであり、リミテッドもこれ1つで行われるのが基本となっている。
- ラヴニカへの回帰ブロックでは、10のギルド/Guildを最初2つのエキスパンションに5-5で割り振るために、第1・第2エキスパンションが大型、第3エキスパンションが小型となった。またリミテッドでは最初2つの大型エキスパンションがそれ単体で行われるのに対し、第3エキスパンション導入後は3エキスパンションを1-1-1(ブースター・ドラフト時)、もしくは2-2-2(シールド時)と、大型エキスパンションを同時に使うという変則的な割り振りが行われた。
- タルキール覇王譚ブロックでは、次ブロック以降のブロック構成変更の影響に、第1・第3エキスパンションが大型、第2エキスパンションが小型となった。ブースター・ドラフトでは、第2エキスパンション導入時に「第2→第1→第1」、第3エキスパンション導入時に「第3→第3→第2」といる特殊な割り振りが行われた。また、このブロックの第3エキスパンションは、ローテーションにおいて第1・第2エキスパンションとは別ブロックとして扱われる。
[編集] 2015年~2018年・2セット1ブロック構成と基本セットの廃止
1ブロック3セット制は3つのセットを繋がりを維持したまま新しいデザインを見せなければいけないことに問題があり、戦乱のゼンディカー・ブロックからは1ブロック2セットの構成となった。同時に基本セットの廃止、スタンダードのローテーションを1年に一度から半年に一度にするなど大きな変更が加えられた[2]。
この変更により、スタンダードは3つのブロックで構成され、秋と春に大型エキスパンション、冬と夏に小型エキスパンションが発売され、大型エキスパンションの発売ごとに最も古いブロックがローテーション落ちするというスケジュールとなった。だがプレイヤーからの反響の結果、ローテーションは1年に一度に戻されたため[3]、スタンダードは3~4つのブロックで構成されるようになった。
[編集] 2018年~2021年・ブロック制の廃止と基本セットの復活
2015年の大変化の後の試行錯誤を経て、小型セットそのものがデザインの弊害だったことや基本セットの欠如による問題点が見え、2018年4月発売のドミナリアより、開発部はブロックという構成を止め今後はエキスパンションはそれまででいう大型エキスパンションのみとすることを発表した[4]。基本セットも復活し、エキスパンションがすべて大型となった以外は販売スケジュールやローテーションは2015年以前に戻ったといえる。セット毎のボリュームは番外カードを除けば260~280枚であり、さらに基本土地や変則的な稀少度のカードを除けば250枚前後である。
2019年10月発売のエルドレインの王権からショーケース・フレームといった通常版とは別にイラストやカードのレイアウト(枠)が異なるカードの封入が標準的となり、リミテッドプレイ用のブースターパックとは別にコレクター・ブースターというイラスト違いやフォイル仕様のカードが確定で封入された高額パックが販売されるようになった。
2020年9月発売のゼンディカーの夜明けからは主に神話レアの収録数が増加し、基本土地や変則的な稀少度を除くセットのボリュームは260枚前後となった。ブースター製品としてレアが出やすいセット・ブースターが登場し、従来のブースターパックはドラフト・ブースターとして区別されるようになった。また、エキスパンションと同期して統率者戦用セットが販売されるようになった。
[編集] 2021年~2023年・発売スケジュール、ローテーションの変更
MTGアリーナや統率者戦用セットなど入門者の導線が変化してきたことを受け、基本セット2022はフォーゴトン・レルム探訪として発売され年4回の本流のセットがすべてエキスパンションとなった。また、後半発売するセットのスタンダードでの寿命を延ばすという方針からイニストラード:真夜中の狩り以降は発売間隔が従来の約3か月から約2か月になり、4月にはローテーションを同じくするセットが出そろうスケジュールになった[5]。
2023年には再度のスタンダードのローテーションの変更が行われ、セットの在籍期間が2年から3年になった[6]。
- 変則的なセットとして、2022年秋の団結のドミナリアからのローテーショングループには、5つ目のセットとして機械兵団の進軍:決戦の後にが発売した。これはリミテッドを考慮せずコモンが存在しない小型セットであった。
[編集] 2024年~現在・プレイ・ブースターの導入
ドラフト/セット/コレクターのブースター製品3種の販売は、プレイヤーや小売店に負担をかけている事が判明したため、2024年1月発売のカルロフ邸殺人事件より、ドラフト・ブースターとセット・ブースターを廃止し、リミテッドプレイと開封の楽しみの両立を目指したプレイ・ブースターが導入された[7]。これにより30年継続されてきた15枚入りブースターという製品形態が一旦終了した事となる。プレイ・ブースターではコモンのスロットが減ったため、セットのボリュームは260枚前後とこれまでと変わらないが稀少度毎の枚数はコモンとアンコモンの比率が逆転している。
[編集] その他
- エクスパンション、エキスパッションは誤表記である。
- かつてはカード枚数の多い大型エキスパンションでは、ブースターパック以外に、基本土地や新ルール解説シートなどが含まれているトーナメントパックも発売されており、これを使用したリミテッドもあった。
- ブロック制だった当時、ローテーションは大型エキスパンションの発売時期にあわせて行われたため、後に発売される小型エキスパンションほどスタンダードなどで使用できる期間は短かった。そのため、ブロックの3つ目のエキスパンションはその分強力なカードが多く収録される、という説もある。実際にそんな方針で製作されているのかは全くの不明(→俗説#ブロックの最後のエキスパンションは強い)。
[編集] 脚注
- ↑ 変化の年(Making Magic 2008年 6月 2日)
- ↑ 変身(Making Magic 2014年8月25日)
- ↑ スタンダード・ローテーションの見直しについて(News 2016年10月19日)
- ↑ 変身2.0(Making Magic 2016年6月12日)
- ↑ 『契り』から その1(Making Magic 2021年11月1日)
- ↑ スタンダードに再び活気を(Daily MTG 2023年5月7日)
- ↑ 「プレイ・ブースター」とは?(Making Magic 2023年10月16日)