蒼ざめた月/Pale Moon
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インスタント
ターン終了時まで、プレイヤーがマナを引き出す目的で基本でない土地をタップした場合、それは他のいかなるタイプのマナの代わりに無色のマナを生み出す。
マジック史上最弱のカード。むしろ蒼ざめるのはブースターパックを開けた自分という、本当にどうしようもないカスレアカード。
なぜどうしようもないかというと、こういった効果は恒久的に効いてこそ意味があるものであり、一時的なものでは微々たる結果しか生みださないためである。さらにマナ能力はスタックに乗らないため「色マナを生み出そうとしたところに対応してこれを唱え、無色マナを生み出させる」という使い方は不可能。さらに蒼ざめた月を唱えても、その解決前に色マナを生み出すことも可能であるため対戦相手のアップキープに事前に唱えなければならず、しかもこの場合でもインスタントの妨害は不可。微々たる効果すら無駄に終わる可能性ばかりが高く確実性が低い。
また、対戦相手が色マナを出せる特殊地形をコントロールしていることが前提であるため、色マナの出る特殊地形を用いない単色デッキ相手では紙クズ同然。このカードが出た当時のスタンダードは単色全盛期であり、特にその紙クズさが際立っていた。
そしてトドメとばかりに、このような酷い性能にもかかわらずレアであることが嫌がられる理由の筆頭だろう。特にこのカードが収録されているネメシスは、同じマナ拘束カードでもトーナメントで活躍したほど強力なパララクスの潮流/Parallax Tideも収録されているなど比較的強力なエキスパンションだっただけに、このカードが出たときのショックは大きかった。
以上のように、本体の性能の悪さに加え、出た当時の環境、収録エキスパンションなど、あらゆる面でカスレアの名をほしいままにする状況がそろっていた。
- 特殊地形の妨害は血染めの月/Blood Moonや基本に帰れ/Back to Basics等があるが、それらは効果が恒久的な上にマナ能力以外の能力も封印できるので格が違いすぎる。
- 瞬間的にマナ拘束をしたいのならば、1マナコストが大きくても枯渇/Mana Shortの方がはるかに有力。
- エターナルの多色デッキなら基本地形がないことも多いので、等時の王笏/Isochron Scepterに刻印してやれば案外マナ拘束になるのかもしれない。対応して色マナを出されてインスタントが飛んでくる恐れはあるが、メイン・フェイズ以降の行動を抑制できるし、自分のターンには影響もない。もっともこの環境はアーティファクトとその対策カードが非常に多いので、あっさり抜けられることも十分あり得るが。
- 産卵池/Spawning Poolがクリーチャー化するのに対応して唱え、「クリーチャー化→ブロック→自分からマナを出して再生」というパターンを妨害することはできる。しかし、そんなのは土を食うもの/Terravore対策で泥穴/Mudholeを使うのと同レベルである。
- イラストがそれなりに美しいのが唯一の救い。
参考
- 18,000 Words: The 100 Worst Magic Cards of All Time 真の第1位(Braingeyser)
- カード個別評価:ネメシス - レア