敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary
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伝説のプレインズウォーカー — ニクシリス(Nixilis)
犠牲X。そのコピーは伝説でなく、初期忠誠度がXである。(これを唱えるに際し、あなたはパワーがX以上のクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたとき、これをコピーする。コピーはトークンになる。)
[+1]:各対戦相手はそれぞれ、カード1枚を捨てないかぎり2点のライフを失う。あなたがデーモン(Demon)やデビル(Devil)をコントロールしているなら、あなたは2点のライフを得る。
[-2]:「このクリーチャーが死亡したとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。これはそれに1点のダメージを与える。」を持つ赤の1/1のデビル・クリーチャー・トークン1体を生成する。
[-7]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード7枚を引き、7点のライフを失う。
ニューカペナの街角にて黒赤の多色で登場したニクシリス。犠牲Xを持ち、忠誠度能力は懲罰者式の手札破壊、デビル・トークンの生成、ライフロス付きドロー。
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解説
- 常在型能力(犠牲X)
- このカードの肝と言える、生け贄を捧げてパワー分の忠誠度を持ったコピーを作り出す能力。
- 単純に忠誠度能力を1ターンに二度使えるようになるというだけでも強力である。
- そのうえ単体除去では対処しきれず、唱えた段階でのコピーのため完全に打ち消すには2枚以上のカウンターが必要となる(かき消し/Make Disappear等の例外を除く)。
- さらに犠牲コストで死亡誘発を能動的に使うことができ、コピーは伝説でなくなるため2枚目以降を引いてもコピーだけは出すことができるなど、総合的に見て非常に優秀な能力。
- +1能力
- 手札破壊か2点ライフロスかを選ばせる。どちらを選んだにせよ、デーモンやデビルをコントロールしていれば2点のライフを得られる。
- 相手に選択権のある能力ではあるが、犠牲を用いた場合は1ターンにつき最大4点のライフロスとなるため相手はみるみるリソースが尽きていく。
- 回復条件を満たした場合は毎ターン8点ほどのライフ差がつくこととなり、相手が攻撃クリーチャーをニクシリスに割くことも考えると相当な延命効果を発揮する。
- -2能力
- ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist相当のデビル・トークンを生成する。
- ニクシリス達を守る壁にとどまらず、+1能力の回復条件を満たすこともできる。
- 犠牲を用いた場合は片方が壁を作り、もう片方がすぐさま+1能力を使うという1人連携プレーも可能になる。
- サクリファイスに寄せたデッキならば、死亡誘発を持つことも合わせ生け贄の供給手段としても便利。
- -7能力
- 好きなプレイヤーに7ドローと7点ライフロス。
- この能力を起動するまでに+1能力で対戦相手のライフはかなり削れているはずなので、トドメの一撃となりうる奥義。もちろん、互いのライフに余裕があれば自分に使ってもよい。
- パワー7以上のクリーチャーを犠牲にすれば即座に使用可能となるため、投げ飛ばし/Fling的な追撃手段と考えることもできる。
1枚で複数体のプレインズウォーカーに対処できるカードは稀少であり、軽量のものはなおの事乏しい。そのため、早い段階で犠牲を使われるとなかなか処理しきれない。こうした性質にを持つことから、手札破壊も相まってコントロールデッキに対しては非常に強く出られる。
ただし欠点もあり、相手のパーマネントに直接干渉できる能力を持たず、奥義以外ではハンド・アドバンテージを得られないので、十分にパーマネントが並んだ終盤戦で引いてもそこまで圧力が高くない。また、犠牲がなければ一つ一つの忠誠度能力自体は平凡レベルなので、使用する際は序盤から犠牲コストを賄えるようなデッキが望ましい。
MTGアリーナで行われた「『ニューカペナの街角』アーリーアクセスイベント」の時点で強さが世に知れ渡り、発売直後からエシカの戦車/Esika's Chariotでこれのコピーを量産するギミックを搭載したジャンド・ミッドレンジが活躍している。
- ニューカペナの街角現在、唯一のパーマネントでありながら犠牲を持つカード。
- ルール文章欄が被っているため分かりづらいが、通常版イラストではザンダー/Xanderが倒れている[1]。
- なお、蒐集家、ザンダー卿/Lord Xander, the Collectorを犠牲にしてもコピーの初期忠誠度は6であり、ギリギリ奥義に届かない。ザンダーの殺害/Murderまでは成功したが、結局光素/Haloの「源/The Font」を掌握する野望は叶わなかったという点ではストーリーの再現と言えるか。
ルール
- 犠牲X
- パーマネント呪文のコピーがトークンとして出ることは「生成」ではないため、ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ/Jinnie Fay, Jetmir's Secondのようなトークンの生成を参照するカードとの相互作用はない。
- ほとんど意味はないが、宣言したXの値よりも大きいパワーを持つクリーチャーを生け贄に捧げてもよい。その場合の初期忠誠度もパワーではなく宣言したXの値となる。
- レジェンド・ルールは同名の伝説のパーマネントを2つ以上コントロールしている際に機能するため、伝説でないニクシリスは何体でもコントロールできる。
- コピー・トークンの「伝説でないこと」「初期忠誠度がXであること」はコピー可能な値である。
関連カード
- 堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen
- 解き放たれし者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, Unshackled
- 黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath
- 灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited
- 憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Hate-Twisted
- 敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary
- 囚われの黒幕、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, Captive Kingpin
ストーリー
ニューカペナ/New Capennaで信奉者を集めて第六の勢力を築き、「敵対するもの/The Adversary」と呼ばれるようになったオブ・ニクシリス/Ob Nixilis。貴顕廊一家/The Maestrosの首領ザンダー/Xanderを殺害し、少女ジアーダ/Giadaを捕らえようとする。
詳細はオブ・ニクシリス/Ob Nixilisを参照。
- adversaryは「敵対者」の意味だが、「the Adversary」の形で「サタン」の意味にもなる。ニクシリスが悪魔であることから、意図した言葉選びだと思われる。
脚注
- ↑ MTG Arena Announcements, April 13, 2022(Magic Digital 2022年4月13日 Wizards of the Coast著)