モード
提供:MTG Wiki
モード(Mode)とは、「以下からNつを選ぶ」などの表現で複数の選択肢を提示する呪文や能力における、箇条書きで示された1つ1つの選択肢のこと。
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) クレリック(Cleric)
審問官の総督が戦場に出たとき、以下から1つを選ぶ。
・あなたは2点のライフを得る。
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失う。
ソーサリー
以下から1つまたは複数を選ぶ。
・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
・エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
・土地1つを対象とし、それを破壊する。
インスタント
以下から3つを選ぶ。同じモードを2回以上選んでもよい。
・呪文1つを対象とする。それのコントローラーが(3)を支払わないかぎり、それを打ち消す。
・クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
・カードを1枚引く。
目次 |
解説
ルール文章で以下のような表現が使われている呪文や能力は「モードを持つ(Modal)」という。
- 「以下から1つを選ぶ ─/Choose one -」
- 「以下から2つを選ぶ ─/Choose two -」
- 「以下から1つまたは両方を選ぶ ─/Choose one or both -」
- 「以下から1つまたは複数を選ぶ ─/Choose one or more -」
- 「[特定のプレイヤー]は以下から1つを選ぶ ─ /[特定のプレイヤー] chooses one -」
ある呪文や能力がモードを持つ場合、それは唱える(あるいは誘発や起動)宣言をしてスタックに乗せた直後、コストの支払いよりも前(誘発型能力の場合はスタックに乗る際)に何らかのモードを選択しなければならず、あとからモードを変更することはできない。置換効果がモードを持つ場合、そのモードは置換されるときに選択する。「唱える」の記事も参照。
- あるモードが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。
- モードを持つ呪文をコピーした場合、その選択したモードもコピーされ、変更できない。詳細はコピー可能な値を参照のこと。
- 対戦相手にモードを選ばせる呪文も、アライアンスにのみ3枚存在する(→Fatal Lore、ラト・ナムの図書館/Library of Lat-Nam、Misfortune)。
- 対戦相手が選んだ場合でも、あくまでルール文章内の「あなた」はその呪文のコントローラーのことである。イメージからすると不思議に思えるかもしれないが注意。
- どの対戦相手に選ばせるかは、あなたが決める。対象とするわけではないので、象牙の仮面/Ivory Maskなどをコントロールしているプレイヤーを指定してもよい。
モードを持たない呪文との違い
帰化/Naturalizeはモードを持つ呪文ではない。ただ単に、アーティファクトとエンチャントのいずれも対象に取れるというだけである。モードを持つ呪文である外殻貫通/Hull Breachのテキストと比較すれば違いは明らか。
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。
・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
・エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
・アーティファクト1つとエンチャント1つを対象とし、それらを破壊する。
例えば、アーティファクトを対象にして帰化を唱えた場合、解決時までにそのアーティファクトが(アーティファクトでない)エンチャントに変化しても、対象の条件(「アーティファクトかエンチャントである」)に合致しているので、帰化はそれを破壊する。一方、「アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。」モードを選択した外殻貫通はエンチャントを対象とできないので、上記の場合は立ち消えになる。
同様に、対象を変更する呪文や能力において、前者の場合はアーティファクトからエンチャントへ(あるいはその逆へ)対象を変更できるのに対し、後者ではそれをさせることができない。
その他
- タルキール覇王譚から、モードを持つ呪文は各モードを箇条書きで表記するように変更された。既存のモードを持つカードもすべてオラクル変更により同様の変更を受けている。
- それ以前は『以下の2つから1つを選ぶ。「[モード1]」「[モード2]」』のように、鍵括弧を改行なく書き並べていた。
- タルキール覇王譚ブロックの運命再編では、「運命の選択」の表現としてモードがエキスパンションのテーマの1つになった。上述の表記変更もこれと無関係ではないだろう。
- モードに関連するキーワード能力として双呪、増呪がある。モードを持つカードのサイクルとして魔除け、命令、合流点がある。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 700 総則
- 700.2 「以下から1つを選ぶ/Choose one ―」などに続いて箇条書きで複数の選択肢が記されている呪文や能力のことを、モードを持つ、と言い、そのそれぞれの選択肢をモードと呼ぶ。『タルキール覇王譚』以前のモードを持つカードは箇条書きを用いていない。それらのカードはオラクルで訂正され、モードが箇条書きで表記されるようになっている。
- 700.2a モードを持つ呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文を唱えたり能力を起動したりする一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない(rule 601.2b 参照)。
- 700.2b モードを持つ誘発型能力のコントローラーは、その能力をスタックに積む一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。モードを選ばなかった場合、その能力はスタックから取り除かれる(rule 603.3c 参照)。
- 700.2c 呪文や能力が、特定のモードを選んだときにのみ対象を取る場合、そのコントローラーはそのモードを選んだときにのみ対象を選ぶ。そうでなければ、その呪文や能力は対象を取らないかのように扱う。(rule 601.2c 参照。)
- 700.2d モードを持つ呪文や能力で、プレイヤーが複数のモードを選ぶことができる場合、通常、同じモードを複数回選ぶことはできない。ただし、モードを持つ呪文の中には「同じモードを2回以上選んでもよい。/You may choose the same mode more than once.」と表記されているものもある。特定のモードを複数回選んだ場合、その呪文は、そのモードが続けてその回数だけ書かれているものとして扱う。そのモードが対象を取るものである場合、同一のプレイヤーやオブジェクトをそれぞれのモードごとに対象に取ることも、それぞれ異なる対象を取ることもできる。
- 700.2e コントローラー以外のプレイヤーにモードを選ばせる呪文や能力が存在する。その場合、そのプレイヤーは呪文や能力のコントローラーがモードの選択を通常行うタイミングでモードの選択を行う。そのような選択を行えるプレイヤーが複数いる場合、呪文や能力のコントローラーがどのプレイヤーが選択を行うかを決める。
- 700.2f モードを持つ呪文や能力がモードごとに異なる対象の条件を持つことがある。呪文や能力の対象を変更しても、モードは変更されない。
- 700.2g モードを持つ呪文や能力のコピーは、選ばれているモードをそのままコピーする。コピーのコントローラーが別のモードを選ぶことはできない。(rule 707.10 参照)
- 700.2 「以下から1つを選ぶ/Choose one ―」などに続いて箇条書きで複数の選択肢が記されている呪文や能力のことを、モードを持つ、と言い、そのそれぞれの選択肢をモードと呼ぶ。『タルキール覇王譚』以前のモードを持つカードは箇条書きを用いていない。それらのカードはオラクルで訂正され、モードが箇条書きで表記されるようになっている。
- 700 総則