コレクション
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コレクション(Collection)は収集すること、またその収集物のことである。マジックにおいては主にカードの収集のことを指す。
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概要
マジックをはじめとするトレーディングカードゲームは、一般的に対戦を行う「カードゲーム」としての面が注目されがちであるが、それと同時に収集することを主眼に置いた「トレーディングカード」でもある。そのため、自分の求めるカードを収集することもマジックにおける醍醐味のひとつといえる。
マジックをカードゲームとしてのみ楽しむかぎりは、基本土地などの一部のカードを除いて、1種類のカードにつきひとつのデッキに入れることのできる限度である4枚を集めればそれで事足りるが、カードを収集することを主眼に置いている、いわゆるコレクターと呼ばれる人々には上限が存在しない場合も多い。
コレクションをしている人々のことをコレクターと呼ぶ。
マジックにおけるコレクションの種類
マジックに関するコレクションにも様々な種類が存在する。何をどのような基準で集めるかはほぼ無限の可能性があるため、代表的なもののみを以下に挙げる。
フルコンプリート
最も一般的なコレクションの形態。あるカード・セットに含まれるすべての種類のカードを最低1枚ずつ収集する。基本的にエラーカードは含まない。
- 4枚コンプリート - あるカード・セットに含まれるすべてのカードを4枚ずつ収集する。
- 全言語コンプリート - あるカード・セットに含まれるすべてのカードを、すべての言語について収集する。
- プレミアム・カード・コンプリート - あるカード・セットに含まれるすべてのカードのプレミアム・カードを収集する。
- 「フルコンプリートセット」という「すべてのカードを1枚ずつ」集めた商品もある
これを4つ揃えるとどんなデッキでも組める訳だ。執拗なネズミ/Relentless Ratsなどの例外はあるが。 - アラビアンナイトのコレクターには、色の濃い不特定マナ・シンボルのものとそうでないマナ・シンボルのものを別のカードとしてカウントする人もいる。
- アラビアンナイトは、カード総数が他のカード・セットに比べ少ないため、1BOXを購入すればほぼ確実にフルコンプリートできる。そのため、1BOXよりもフルコンプリートセットの方が格段に安い(といってもフルコンプリートで10万円以上するようだが。)
- もしかしたら夢見るかも知れないが、絶対に不可能なのが「このゲームに存在した全ての種類のカードを入手する」という文字通りの「フルコンプリート」である。
何故不可能かというと1996 World ChampionやShichifukujin Dragon、Heroes of the Realmなどといった一般に流通していないカードが存在するため。カードセット一覧#その他も参照。
無限収集
修羅の道への第一歩、とも呼べる。そのまんまの意味で、同じカードばかり延々集め続けること。
無限なのでコモン、アンコモンのコレクターもいる。こういう人は大抵英語・日本語以外のカードにも手を出して「○ヶ国語制覇!」などとやっていることが多い。
- 世の中には「○○コレクター」として有名になっている人が少なからずいる。例えばレベル2ジャッジのRon Foster氏は里子/Fosterのコレクターとして、カードショップ経営者の加藤英宝氏はセラの天使/Serra Angelのコレクターとして有名。
特殊なカード
以下では、上記の一般的な収集方法以外で、特にテーマ性を持っている物を挙げる。
プロモーション・カード
かなり多いタイプのコレクター。
アリーナ・リーグなどのイベント配布、会場販売限定などのカードを中心に集めるコレクター。アーティストを呼んでのサインイベントが併設されることが多いので、多くのカードがサインドだったりもする。「APACランド」「グルランド」などが有名。
プレミアム・カード
箔押しのプレミアム・カード、いわゆるFoilのコレクター。プレミアム・カードはブースターパックに一定確率でしか封入されてないため(封入率の詳細はプレミアム・カードの項を参照)、通常のカードの収集よりも難易度は高くなる。
- プレミアム・カードは、水分を吸うと反ってしまうため、デッキに入れるには少々不向きかもしれない。どちらかというと、コレクターズアイテムといえる。とはいえ、ハードスリーブなどをうまく使えば、気にはならないが。また、好きなカードや基本土地だけプレミアム・カードを使用してデッキを組む人もいる。デッキ全てをプレミアム・カードで組む人もいるようだ。
エラーカード
エラーカードばかり集めているコレクター。
エラーカードは、あまり出回らず、また価値も定めにくいため、エラーカードのみコレクションする人はまれである。だが、他のコレクションの片手間に集める人はそれなりにいるようだ。また、エラーカードにも非常に分かりやすく目を引くものもあれば、ごくわずかで分かりにくいものもある。普通は、分かりやすいもののみを集めるが、微少なものを好んで集める人もいる。いずれにしても、まとまった数を収集するのは困難だろう。
サード・パーティカード
非公式のカード・セットやトークンなどのコレクション。
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが販売を差し止めたものは特に人気がある。有名な例はMiddle AgesやCrazy Clownsのトークンなど。
また、日本製のオリジナルカードは人気が高く、中にはわざわざ海外からこれらのカードを求めてコミックマーケットに来る人もいるほど(もっとも、そういう人はそれだけが目的でなくコミックマーケットそのものを楽しみに来ている人がほとんどだが)。
特定のテーマ
カード・タイプや、カードの機能
世の中には「土地コレクター」とか「アーティファクト・コレクター」などが存在する。
目的のタイプなどで分類する場合もある。「手札破壊コレクション」「土地破壊コレクション」「火力コレクション」など。さながら「呪文変遷の歴史」である。
カスレア
プレイするうえでは、ほとんど使用されないようなレアカードのみを好んで収集するコレクターである。コレクションの目的の多くは「人に見せて驚いてもらうこと」なので、インパクトは抜群である。(あなたはカードケースにぎっしり満載された蒼ざめた月/Pale Moonやルビーのヒル/Ruby Leech(参考)、人さらい/Rag Manを見たことがあるか?)
また、カスレアは一般的に価値が低く見られることが多いため、集まりやすいということも後押しになっている。
- カスレアよりも「価値のないアンコモン」の方が集めにくい。
カスレアと言えども腐ってもレアな訳で、整理してしまっている人も多いが、アンコモンとなると「その他大勢」として他のカードと一緒くたにしてあったり、さらには捨ててしまってあったりするからである。
目的のあるコレクション
本人以外には理解のできない(こともある)分類で集め続けるコレクション。「干支に出てくる動物」とか「有名人に似ているクリーチャー」とか。
たとえばテンペスト・ブロックのカードを並べるとストーリーを形成できるのは有名だが、それとは関係のない勝手な解釈で「4コマ漫画」のように見せるテクニシャンもいる。また、チームのメンバーや、友人などに似ているカードを収集するという変り種も。絵やストーリーでも楽しめるマジックのおもしろさを利用したパロディといえる。
イラスト目的
特定の絵を目的にして、カードを収集する。天使やドラゴン、土地などの中の特定の絵柄を目的とする場合が一般的。第5版の高潔のあかし/Righteousness(Mike Dringenberg画)などの様に、明らかに一線級ではないカードを集める場合が特にそう呼ばれることもある。
特定種族
「天使」や「ドラゴン」など、特定のクリーチャー・タイプに絞ったコレクション。「コレクション」と言うからには過去に存在したカード・セット全ての同種族をバインダーに並べてみせるコレクターが多い。クリーチャー・タイプは頻繁に変更されるのでその意味では大変。
ストーリーの登場人物
もちろん、特定の人物(例えばウルザ/Urzaやジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashenなど)が登場する全てのカードを集めるような、背景世界から興味を持つコレクターも多い。(→ヴォーソス)
イラストレーター
かなり多い。そして、これも「コレクション」と名乗るからには全てのカード・セットにイベント配布のみのカードなどにも手を伸ばして「全て」集めなくてはならない。
中には「高いカード」ばかり描いているイラストレイターも多いので、Moxなどに手を出すと大変なことになる。
現役はいつまでも増え続けるので、既に引退気味の人を狙うのもあり。また、他のコレクターとの競合率の高い人(Rebecca GuayやJohn Avonなど)は、フルコンプリートがより難しくなる。
サインドカード
カードの上にそのイラストレーターのサインをしてもらったカードのコレクター。
プロツアーなどのイベントでアーティストがサインイベントに招待されるので、その時に貰うのが一般的だが、サインドカードとしてシングルカードショップで売っている場合もある。
有名プレイヤーなどに書いて貰ったサインドカードもある。こうなると「色紙代わり」ということだろう。カードそのものの価値は二の次と考える人も多く、基本土地カードであったり、カスレアであったりもそれほど珍しくはない。
アーティストプルーフ
裏面が無地の、アーティストプルーフのコレクター。同一種類のカードは、世界に50枚しか存在しないため、コレクターの収集欲を誘う。裏面にサインや、絵を描いたものもある。サイン会などで、イラストレーターからサインや絵を描いてもらったものは、実質的に世界に唯一無二のものであり、コレクターの思い入れもひとしおであろう。
その他
以下、「カードの収集」とは若干離れるが、その他グッズのコレクターについて言及する。
原画
イラストレーターが直接描いた、カードの元となった絵を収集する人たち。
「この世に一枚」しかないのでかなりの高額となるうえ、それなりの大きさになるため、まとまった数をコレクションするのは困難である。しかし、実際のカードよりも細部まで鑑賞できる利点があるため、気に入った絵のもののみ集める人もいる。実際は凄く大きな絵で、一部だけカードに採用されている例や、並べると各絵が繋がっている例などもある。
プレイヤーとしても有名な塚本俊樹氏は「原画コレクター」としても有名である。
- 原画の代わりに原画の原寸大プリントを集める人もいる。カードも原画の縮小版プリントであるわけで、微妙な色合いは無理だとしても、細部に描かれているものを拡大して楽しむには十分である。
Tシャツ
マジック関連のTシャツ。Mark Rosewaterが収集していることで有名。
各種サプライ品
スリーブ、ライフカウンター、ダイス、プレイマットなどのサプライ品。実用性を兼ねている点が特徴。
主に市販品であるため比較的集めやすいが、記念品として配布されたものや、プロツアー地域予選やゲームデーなどといったイベントの参加者・上位入賞者にのみ贈られたものも多数存在するため、それらを収集対象とすると難易度が上がる。
参考
- A Signed Beta Set (Arcana 2012年1月23日 Monty Ashley著) - ベータ版のサインドカードコレクション
- コレクター
- 用語集