運命のきずな/Nexus of Fate
提供:MTG Wiki
インスタント
このターンに続いて追加の1ターンを行う。
運命のきずながいずれかの領域から墓地に置かれるなら、代わりに運命のきずなを公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。
基本セット2019のBOX特典カードである、追加ターン獲得インスタント。墓地に置かれる際にライブラリーに戻る常在型能力も持つ。
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解説
時間のねじれ/Time Warpの亜種だが、このカードならではの特徴として「墓地の代わりにライブラリーに戻ること」「インスタントであること」が挙げられる。
前者は墓地からの再利用ができないというデメリットでもあるが、青の得意なドローや衝動系サーチを連打して再び手札に加えられる点ではメリットになる。打ち消し、手札破壊、ライブラリー破壊など、基本的な妨害をものともせず確実にライブラリーに戻ってくれるため、「使い回せる追加ターン呪文」としての価値は非常に高い。大げさに言えば、これ1枚でエターナルブルーを体現しているようなものである。
追加ターン系呪文にとっては(隙を作りづらいという長所こそあるものの)インスタントであるメリットは薄いと思われたが、ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaとの組み合わせで土地5枚から唱えられるのは大きな利点。荒野の再生/Wilderness Reclamationの登場後は土地4枚から唱えることも可能になった。
スタンダードではこのカードを4枚採用したデッキ、ターボネクサスが登場。マジック25周年記念プロツアーでは強豪プレイヤーも持ち込み話題となった。
- 過去のカードで言えば明日の標/Beacon of Tomorrowsに似ている。マナ・コストの軽さやインスタントである点で優れており、単純な使い勝手で言えばそちらの強化版である。
ルール
- 2番目の効果は置換効果である。基本的なルールや相互作用などに関してはダークスティールの巨像/Darksteel Colossusや置換効果の項を参照。
- スタンダードでは特に中略/Syncopateで打ち消されたときの挙動に注意。この場合、中略の自己置換効果が先に適用されるため、ライブラリーには戻らず追放される。
禁止指定
本来の改訂時期ではない2019年2月14日より、Magic: The Gathering Arenaにおけるアリーナ・スタンダード(1本先取ルール)において禁止カードに指定された[1]。2本先取ルールや、紙およびMagic Onlineのスタンダードでは通常通り使用可能である。
運命のきずなをキーカードとするターボネクサスはトーナメントで実績を残してはいたものの、使用率は決して高くはなく、ローテーションを経てもスタンダードのメタゲームを支配しているわけでもなかった。つまり、パワーレベルとしては適切である。問題となったのは、Magic: The Gathering Arena(以下MTGアリーナ)上で繰り返しループ処理を行えてしまう性質にある。紙のカードでは合意による省略や、意図的な遅延行為であればジャッジの介入により対処可能なループであっても、処理をプログラムに頼ったコンピューターゲーム上では対応できず、意味のあるループとただの遅延行為の判別もできない。そのため、「通常のプレイを妨げるもの」として1本先取ルールのみで禁止措置が取られるに至った。
- MTGアリーナでは1ターンごとの制限時間こそ存在するものの、Magic Onlineのような「プレイヤーごとの持ち時間制」は導入されていない。そのため、ターボネクサスのようなターンをまたぐループ(無限ターン)であれば、システム上での時間切れになることなく遅延行為を行えてしまう。記事中で直接言及はされていないが、MTGアリーナ上で発生した以下の事件も少なからず影響していると考えられる。
- Shahar Shenhar氏がTwitch上でMTGアリーナのプレイを動画配信した際、ターボネクサスとの対戦になった。あと一歩でShenhar氏が勝利するというところで、対戦相手が運命のきずなによる意味のないと思われるループを開始し、延々と許可ボタンの連打を強いながらShenhar氏が飽きて投了するのを待つという悪質なプレイが行われた(当時の仕様では優先権をオートパスモードにしていても、公開されたカードを確認したことにOKを出さなければならなかった)。その長時間の攻防の様子が注目されて拡散された結果、多数の視聴者が集まり、ついにはMTGアリーナのディレクターのChris Clay氏まで視聴に加わる。メンテナンス開始時間まで続くと思われたループは、最終的に試合開始から2時間近くが経過したところでClay氏がループを引き起こしていたプレイヤーのアカウントを2時間の利用停止(BAN)にするという異例の措置で終幕した。
- 本来の改訂時期以外に緊急で禁止されたカードは守護フェリダー/Felidar Guardian(スタンダード)以来、アリーナ・スタンダードの禁止措置もアリーナ初。
- ただしこれは「アリーナ初の禁止措置」ではなく、暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidonなどはスタンダード実装当初から禁止カードである。
スタンダードにおいては、「プレイヤーが好きなデッキを組むために必要なカードを集める努力を尊重し、軽々しくその過程を邪魔することはない」というスタンスであり、また、前述の通りパワーレベル的にも問題はないため、入手難易度の理由では禁止されていない[2]。
BOX特典限定であることによる問題点
- BOX特典限定であるにも関わらず、トーナメントシーンで通用するカードパワーを有していたため、極端な供給不足に陥ってしまった。
- Magic Onlineでもブースターパックには封入されず、Treasure Chestで低確率で入手できるだけだったが、想定よりも多く使われるようになってしまったため、2週間限定でTreasure Chestからの排出率が上がる措置が取られた[3]。
- BOX特典限定であるため、プレミアム・カードしか存在しない。
- このカードに限ったことではないが、認定大会においてプレミアム・カードしか存在しないカードを用いる際、それがプレミアム・カード特有の吸湿による反りによってマークドと判断された場合、ジャッジによるプロキシの発行が認められている(マジック・イベント規定3.4)。詳細はプロキシの項を参照。
- スタンダードにおいて禁止されない理由の一つにも、このルールが挙げられている。
- マジック25周年記念プロツアーでは、実際にプロキシとして山/Mountainと差し替えられる試合もあった[4]。
- このカードに限ったことではないが、認定大会においてプレミアム・カードしか存在しないカードを用いる際、それがプレミアム・カード特有の吸湿による反りによってマークドと判断された場合、ジャッジによるプロキシの発行が認められている(マジック・イベント規定3.4)。詳細はプロキシの項を参照。
ストーリー
このカードは、タルキール/Tarkirにて精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragonへと辿り着いたサルカン・ヴォル/Sarkhan Volが、ウギンのきずな/Ugin's Nexusに現れた時の扉をくぐり1280年前のタルキールへと旅立つシーンを描いたものである(イラスト)。
サルカンは墓へと迷い込み、時をさかのぼった。
脚注
- ↑ February 14, 2019 MTG Arena Banned and Restricted Announcement/2019年2月14日 「MTGアリーナ」禁止制限告知(News 2019年2月14日 WotC著)
- ↑ March 11, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年3月11日 禁止制限告知(News 2019年3月11日 WotC著)
- ↑ Update: Nexus of Fate
- ↑ Pro Tour 25th Anniversary Round 12: Sajgalik, Huang, Yam vs. Wilson, Rizzi, Shenhar(Youtube マジック英語公式チャンネル)
- ↑ BIG MAGIC公式Twitter