ゼンディカー/Zendikar
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− | + | ==世界観== | |
+ | 秘密と危険に満ちた次元。ゼンディカーの土地に満ちる[[マナ]]は激しく、力強く、それ自体が呪文のような効果を弾けさせながら脈動している。それはプレインズウォーカー達にとって魅力的な力であり、彼らをゼンディカーへ引き寄せている。都市はほとんど存在せず、そこに住む人々は小さな部族集団や探検仲間で寄り集まって生活している。そこでは、科学技術や魔法体系はあまり発展していないが、遺跡発掘のための探検技術は多く伝承されている。 | ||
− | + | [[プレインズウォーカー/Planeswalker]]の[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]、[[キオーラ/Kiora]]、[[ナヒリ/Nahiri]]らの出身地。また、[[オブ・ニクシリス/Ob Nixilis]]はゼンディカーで[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]を失い、この次元に囚われた。 | |
− | + | *形容詞系、および「ゼンディカー人」を表す英語表記は"Zendikari"。 | |
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− | == | + | ===[[面晶体/Hedron]]=== |
− | + | ゼンディカー全域に存在する石柱。重力を固定し、周囲の地形を意のままに変えるほどの力を持つ。古代文明の遺跡だと噂されているが、真実はプレインズウォーカー達が[[エルドラージ/Eldrazi]]封印のために建造したアーティファクトである。 | |
− | + | ===[[乱動/The Roil]]=== | |
+ | ゼンディカーの独特なマナ、面晶体、その獰猛な生態系が相まり、地表に突然暴力的な変化を引き起こされる。地形の変動、異常気象、突発的な破壊、それらはゼンディカーの住民にとってはただの自然現象に過ぎないが、プレインズウォーカー達にとってはゼンディカーを荒々しく文明が興らない次元にしている原因である。 | ||
− | [[ | + | ==種族== |
+ | 主な種族は[[人間/Human#ゼンディカー|人間/Human]]、[[コー/Kor#ゼンディカー|コー/Kor]]、[[マーフォーク/Merfolk#ゼンディカー|マーフォーク/Merfolk]]、[[吸血鬼/Vampire#ゼンディカー|吸血鬼/Vampire]]、[[ゴブリン/Goblin#ゼンディカー|ゴブリン/Goblin]]、[[エルフ/Elf#ゼンディカー|エルフ/Elf]]、[[天使/Angel#ゼンディカー|天使/Angel]]など。また、乱動によって土地そのものが[[エレメンタル|エレメンタル/Elemental]]として動き出す。 | ||
− | + | ゼンディカーの特徴的なクリーチャーとして、[[サラカー#ストーリー|サラカー/Surrakar]]、[[ハルダ/Hurda]]、[[フェリダー/Felidar]]、[[ナーリッド/Gnarlid]]などがいる。 | |
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− | ==登場カード== | + | ==ストーリー== |
+ | ===コーの帝国=== | ||
+ | 遠い昔、ゼンディカーにエルドラージが到来する何世紀も前に、[[コー/Kor#ゼンディカー|コー/Kor]]は帝国を築いた。もともとは、平和と調和で結ばれた世界を目にしたいという欲求に衝き動かされたものだったが、この帝国は瞬く間に権威主義的な国家へと成長し、コーは自らが理想とする法と機構を、それらを望まない他大陸の民に課すようになった。この押しつけは民の中に抵抗勢力を生み、そして帝国の支配に対する抵抗勢力が増大するにつれ、帝国はますます圧政的で専制的になっていった。 | ||
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+ | この帝国そのものと名を同じくする大首都マキンディ/Makindiは、[[オンドゥ/Ondu]]大陸にあった(現在その地域はマキンディ溝/The Makindi Trenchesと呼ばれている)。だが世界全土にわたる帝国の支配を維持するため、コーの石鍛冶たちは七つの大陸にそれぞれ空中都市[[スカイクレイブ/Skyclave]]を建造した。 | ||
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+ | やがて帝国は反抗と内乱によって崩壊し、スカイクレイブも破壊され地に落ちるか、残骸が空中に浮かぶだけとなった。 | ||
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+ | ===牢獄の次元=== | ||
+ | 3人のプレインズウォーカー、[[ウギン/Ugin]]と[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)|ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]、[[ナヒリ/Nahiri]]は[[エルドラージ/Eldrazi]]から多元宇宙を守るため、その3体の巨人をゼンディカーへ封じ込める罠を仕掛けた。ナヒリの石術にウギンのルーンを刻んだ面晶体を次元全体に配置し、ソリンがエルドラージをゼンディカーにおびき寄せたところで面晶体のネットワークにより巨人達を封じ込めた。これにより、エルドラージの存在にゼンディカーそのものが苦しみ震えるように[[乱動/The Roil]]が起こるようになった。 | ||
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+ | ネットワークの結節点である[[アクーム/Akoum#ウギンの目/Eye of Ugin|ウギンの目/Eye of Ugin]]にプレインズウォーカー3人の[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark|灯]]と、ウギンの無色透明な炎の息が揃わない限りは封印が解かれないよう設定し、そして封印が解けた際は次元を超えた魔法によって再びゼンディカーに集まることを約束し、ウギンとソリンはゼンディカーを去った。ナヒリはエルドラージの危険性を伝えるそれらを「神」として語り、滅びの神が復活せぬよう伝承を残し、数世紀後に定命の者達と生きることに倦んで石の中で眠りについた。 | ||
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+ | ===まどろみから目醒めて=== | ||
+ | 封印されていてもエルドラージの力はゼンディカーやその生命に影響を及ぼし、本来ゼンディカーに存在していなかった吸血鬼を隷属種族として生み出していた。吸血鬼達は面晶体のネットワークを乱し、エルドラージを解放してしまった。世界の異変に目覚めたナヒリはウギンとソリンに召集をかけたが、2人は来ることは無かった。ナヒリは単独で40年をかけて面晶体のネットワークを復元し、エルドラージを再び封印した。そして、2人のプレインズウォーカーの消息を探すためゼンディカーを去った。 | ||
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+ | ===[[ゼンディカー・ブロック]]=== | ||
+ | [[アノワン/Anowon]]と何人かのプレインズウォーカーが交錯し、ついにエルドラージが解き放たれる。 | ||
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+ | ===[[戦乱のゼンディカー・ブロック]]=== | ||
+ | 3体の巨人の内[[エムラクール/Emrakul]]は[[久遠の闇/Blind Eternities]]の何処かに去ったが、[[ウラモグ/Ulamog]]と[[コジレック/Kozilek]]、その血族たちによってゼンディカーは壊滅の危機に瀕していた。[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]、[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]、[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]、ニッサはプレインズウォーカーの同盟、[[ゲートウォッチ/The Gatewatch]]を結成し、多元宇宙全体の脅威に立ち向かった。彼らの奮闘により、ウラモグとコジレックは滅ぼされ、ゼンディカーはエルドラージの脅威から開放された。 | ||
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+ | ===[[ゼンディカーの夜明け]]=== | ||
+ | エルドラージが滅びた後も、その傷が痛むように乱動は続き、人々は復興し移り変わるゼンディカーの探検へ再び繰り出していた。 | ||
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+ | 突如として7つの大陸に出現した空中遺跡、[[スカイクレイブ/Skyclave]]は冒険者協会に大騒ぎをもたらし、多くの探検家が宝を求めてその探索へと乗り出している。 | ||
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+ | ゼンディカーには既知の7つの大陸が存在する。 | ||
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+ | 熱帯林に覆われた低地の大陸。 | ||
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+ | ゼンディカー最大の都市である[[海門/Sea Gate (ストーリー)|海門/Sea Gate]]や、宙に浮く巨大な面晶体の遺跡を擁する大陸。 | ||
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+ | ==キャラクター== | ||
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+ | *他次元からの訪問者 | ||
+ | **[[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)|チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]] | ||
+ | **[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]] | ||
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+ | **[[オブ・ニクシリス/Ob Nixilis]] | ||
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+ | **[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)|ソリン・マルコフ/Sorin Markov]] | ||
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+ | *[[ウラモグ/Ulamog]] | ||
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+ | ;ゼンディカーの住人 | ||
+ | *人型種族 | ||
+ | **[[アキリ/Akiri]] | ||
+ | **[[アノワン/Anowon]] | ||
+ | **[[剛胆な考古学者、アーデン/Ardenn, Intrepid Archaeologist#ストーリー|アーデン/Ardenn]] | ||
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+ | **[[ドラーナ/Drana]] | ||
+ | **[[ジョリー・エン/Jori En]] | ||
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+ | **[[カーザ/Kaza]] | ||
+ | **[[カズール/Kazuul]] | ||
+ | **[[ケセンヤ/Kesenya]] | ||
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+ | **[[アクームの怒り、モラウグ/Moraug, Fury of Akoum#ストーリー|モラウグ/Moraug]] | ||
+ | **[[ムンダ/Munda]] | ||
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+ | **[[ヌーマ/Numa]] | ||
+ | **[[オブーン/Obuun]] | ||
+ | **[[オラー/Orah]] | ||
+ | **[[最初に堕ちし者、ラヤミ/Rayami, First of the Fallen#ストーリー|ラヤミ/Rayami]] | ||
+ | **[[タズリ/Tazri]] | ||
+ | **[[奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor|サーダ・アデール/Thada Adel]] | ||
+ | **[[タクタク/Tuktuk]] | ||
+ | **[[ヴォリク/Vorik]] | ||
+ | **[[ザダ/Zada]] | ||
+ | **[[鼓動盗み、ザグラス/Zagras, Thief of Heartbeats#ストーリー|ザグラス/Zagras]] | ||
+ | **[[ザレス・サン/Zareth San]] | ||
+ | *天使・悪魔 | ||
+ | **[[イオナ/Iona]] | ||
+ | **[[リンヴァーラ/Linvala]] | ||
+ | **[[希望の死、タボラックス/Taborax, Hope's Demise#ストーリー|タボラックス/Taborax]] | ||
+ | *エレメンタル | ||
+ | **[[アシャヤ/Ashaya]] | ||
+ | **[[オムナス/Omnath]] | ||
+ | **[[世界を彫る者、ファイラス/Phylath, World Sculptor#ストーリー|ファイラス/Phylath]] | ||
+ | **[[冒涜されたもの、ヤロク/Yarok, the Desecrated#ストーリー|ヤロク/Yarok]] | ||
+ | **[[鎮まらぬ大地、ヤシャーン/Yasharn, Implacable Earth#ストーリー|ヤシャーン/Yasharn]] | ||
+ | *怪物 | ||
+ | **[[ブリネリン/Brinelin]] | ||
+ | **[[怒り狂う島嶼、キャリクス/Charix, the Raging Isle#ストーリー|キャリクス/Charix]] | ||
+ | **[[グラークマウ/Grakmaw]] | ||
+ | **[[ロートス/Lorthos]] | ||
+ | **[[ヴェラゾール/Verazol]] | ||
+ | **[[目覚めし深海、レクシャル/Wrexial, the Risen Deep#ストーリー|レクシャル/Wrexial]] | ||
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+ | ==登場== | ||
+ | ===登場カード=== | ||
*[[アクーム/Akoum (次元カード)]] | *[[アクーム/Akoum (次元カード)]] | ||
*[[アガディームの面晶体原/Hedron Fields of Agadeem (次元カード)]] | *[[アガディームの面晶体原/Hedron Fields of Agadeem (次元カード)]] | ||
*[[ムラーサ/Murasa (次元カード)]] | *[[ムラーサ/Murasa (次元カード)]] | ||
*[[タジーム/Tazeem (次元カード)]] | *[[タジーム/Tazeem (次元カード)]] | ||
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+ | ===登場作品・登場記事=== | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/story/planes/zendikar ZENDIKAR]/[https://mtg-jp.com/world/planes/0016/ ゼンディカー](公式サイト) | ||
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+ | ;[[ゼンディカー・ブロック]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/planeswalkers-guide-zendikar-2009-09-09 A Planeswalker's Guide to Zendikar]/[https://web.archive.org/web/20100618011222/http://mtg-jp.com/reading/translated/001067/ ゼンディカーの次元渡り方(Internet Archive)](Savor the Flavor [[2009年]]9月9日 [[クリエイティブ・チーム|Magic Creative Team]]著) | ||
+ | *その他の作品・記事については[[背景世界/読み物/ゼンディカー・ブロック]]を参照。 | ||
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+ | ;[[戦乱のゼンディカー・ブロック]] | ||
+ | *[[背景世界/読み物/戦乱のゼンディカー・ブロック]]を参照。 | ||
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+ | ;[[ゼンディカーの夜明け]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/zendikar-things-have-changed-2020-09-01 Zendikar: Things Have Changed]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0034299/ ゼンディカー:変化した物事](Feature [[2020年]]9月1日 [[Ari Zirulnik]] and [[James Wyatt]]著) | ||
+ | *その他の作品・記事については[[背景世界/読み物/ゼンディカーの夜明け]]を参照。 | ||
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+ | ;[[機械兵団の進軍]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/magic-story/battles-in-the-field-and-in-the-mind March of the Machine | Zendikar: Battles in the Field and in the Mind]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MOM/0036924/ サイドストーリー・ゼンディカー編 戦場での闘争、心での闘争]([[Daily MTG]] [[2023年]]3月27日) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/feature/planeswalkers-guide-to-march-of-the-machine Planeswalker's Guide to March of the Machine: The Phyrexian Invasion of the Multiverse]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036877/ プレインズウォーカーのための『機械兵団の進軍』案内:ファイレクシアによる多元宇宙侵略]([[Daily MTG]] [[2023年]]4月11日) | ||
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*[[次元一覧]] | *[[次元一覧]] | ||
*[[背景世界/ストーリー用語]] | *[[背景世界/ストーリー用語]] | ||
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2023年8月12日 (土) 10:45時点における最新版
ゼンディカー/Zendikarは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeのひとつ。ゼンディカー・ブロックおよび戦乱のゼンディカー・ブロック、ゼンディカーの夜明けの舞台となった。
目次 |
[編集] 世界観
秘密と危険に満ちた次元。ゼンディカーの土地に満ちるマナは激しく、力強く、それ自体が呪文のような効果を弾けさせながら脈動している。それはプレインズウォーカー達にとって魅力的な力であり、彼らをゼンディカーへ引き寄せている。都市はほとんど存在せず、そこに住む人々は小さな部族集団や探検仲間で寄り集まって生活している。そこでは、科学技術や魔法体系はあまり発展していないが、遺跡発掘のための探検技術は多く伝承されている。
プレインズウォーカー/Planeswalkerのニッサ・レヴェイン/Nissa Revane、キオーラ/Kiora、ナヒリ/Nahiriらの出身地。また、オブ・ニクシリス/Ob Nixilisはゼンディカーでプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを失い、この次元に囚われた。
- 形容詞系、および「ゼンディカー人」を表す英語表記は"Zendikari"。
[編集] 面晶体/Hedron
ゼンディカー全域に存在する石柱。重力を固定し、周囲の地形を意のままに変えるほどの力を持つ。古代文明の遺跡だと噂されているが、真実はプレインズウォーカー達がエルドラージ/Eldrazi封印のために建造したアーティファクトである。
[編集] 乱動/The Roil
ゼンディカーの独特なマナ、面晶体、その獰猛な生態系が相まり、地表に突然暴力的な変化を引き起こされる。地形の変動、異常気象、突発的な破壊、それらはゼンディカーの住民にとってはただの自然現象に過ぎないが、プレインズウォーカー達にとってはゼンディカーを荒々しく文明が興らない次元にしている原因である。
[編集] 種族
主な種族は人間/Human、コー/Kor、マーフォーク/Merfolk、吸血鬼/Vampire、ゴブリン/Goblin、エルフ/Elf、天使/Angelなど。また、乱動によって土地そのものがエレメンタル/Elementalとして動き出す。
ゼンディカーの特徴的なクリーチャーとして、サラカー/Surrakar、ハルダ/Hurda、フェリダー/Felidar、ナーリッド/Gnarlidなどがいる。
[編集] ストーリー
[編集] コーの帝国
遠い昔、ゼンディカーにエルドラージが到来する何世紀も前に、コー/Korは帝国を築いた。もともとは、平和と調和で結ばれた世界を目にしたいという欲求に衝き動かされたものだったが、この帝国は瞬く間に権威主義的な国家へと成長し、コーは自らが理想とする法と機構を、それらを望まない他大陸の民に課すようになった。この押しつけは民の中に抵抗勢力を生み、そして帝国の支配に対する抵抗勢力が増大するにつれ、帝国はますます圧政的で専制的になっていった。
この帝国そのものと名を同じくする大首都マキンディ/Makindiは、オンドゥ/Ondu大陸にあった(現在その地域はマキンディ溝/The Makindi Trenchesと呼ばれている)。だが世界全土にわたる帝国の支配を維持するため、コーの石鍛冶たちは七つの大陸にそれぞれ空中都市スカイクレイブ/Skyclaveを建造した。
やがて帝国は反抗と内乱によって崩壊し、スカイクレイブも破壊され地に落ちるか、残骸が空中に浮かぶだけとなった。
[編集] 牢獄の次元
3人のプレインズウォーカー、ウギン/Uginとソリン・マルコフ/Sorin Markov、ナヒリ/Nahiriはエルドラージ/Eldraziから多元宇宙を守るため、その3体の巨人をゼンディカーへ封じ込める罠を仕掛けた。ナヒリの石術にウギンのルーンを刻んだ面晶体を次元全体に配置し、ソリンがエルドラージをゼンディカーにおびき寄せたところで面晶体のネットワークにより巨人達を封じ込めた。これにより、エルドラージの存在にゼンディカーそのものが苦しみ震えるように乱動/The Roilが起こるようになった。
ネットワークの結節点であるウギンの目/Eye of Uginにプレインズウォーカー3人の灯と、ウギンの無色透明な炎の息が揃わない限りは封印が解かれないよう設定し、そして封印が解けた際は次元を超えた魔法によって再びゼンディカーに集まることを約束し、ウギンとソリンはゼンディカーを去った。ナヒリはエルドラージの危険性を伝えるそれらを「神」として語り、滅びの神が復活せぬよう伝承を残し、数世紀後に定命の者達と生きることに倦んで石の中で眠りについた。
[編集] まどろみから目醒めて
封印されていてもエルドラージの力はゼンディカーやその生命に影響を及ぼし、本来ゼンディカーに存在していなかった吸血鬼を隷属種族として生み出していた。吸血鬼達は面晶体のネットワークを乱し、エルドラージを解放してしまった。世界の異変に目覚めたナヒリはウギンとソリンに召集をかけたが、2人は来ることは無かった。ナヒリは単独で40年をかけて面晶体のネットワークを復元し、エルドラージを再び封印した。そして、2人のプレインズウォーカーの消息を探すためゼンディカーを去った。
[編集] ゼンディカー・ブロック
アノワン/Anowonと何人かのプレインズウォーカーが交錯し、ついにエルドラージが解き放たれる。
[編集] 戦乱のゼンディカー・ブロック
3体の巨人の内エムラクール/Emrakulは久遠の闇/Blind Eternitiesの何処かに去ったが、ウラモグ/Ulamogとコジレック/Kozilek、その血族たちによってゼンディカーは壊滅の危機に瀕していた。チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar、ギデオン・ジュラ/Gideon Jura、ジェイス・ベレレン/Jace Beleren、ニッサはプレインズウォーカーの同盟、ゲートウォッチ/The Gatewatchを結成し、多元宇宙全体の脅威に立ち向かった。彼らの奮闘により、ウラモグとコジレックは滅ぼされ、ゼンディカーはエルドラージの脅威から開放された。
[編集] ゼンディカーの夜明け
エルドラージが滅びた後も、その傷が痛むように乱動は続き、人々は復興し移り変わるゼンディカーの探検へ再び繰り出していた。
突如として7つの大陸に出現した空中遺跡、スカイクレイブ/Skyclaveは冒険者協会に大騒ぎをもたらし、多くの探検家が宝を求めてその探索へと乗り出している。
[編集] 地理
[編集] 7つの大陸
ゼンディカーには既知の7つの大陸が存在する。
[編集] アクーム/Akoum
溶岩活動が活発な山脈が多い大陸。
[編集] バーラ・ゲド/Bala Ged
熱帯林に覆われた低地の大陸。
[編集] グール・ドラズ/Guul Draz
吸血鬼の本拠地として知られる、豊かな潟と悪臭を放つ沼地の大陸。
[編集] ムラーサ/Murasa
切り立った崖とジャングルの大陸。
[編集] タジーム/Tazeem
ゼンディカー最大の都市である海門/Sea Gateや、宙に浮く巨大な面晶体の遺跡を擁する大陸。
[編集] オンドゥ/Ondu
広大な平地の大陸。
[編集] セジーリ/Sejiri
極地の台地の大陸。
[編集] その他の地理
[編集] スカイクレイブ/Skyclave
エルドラージが滅ぼされた後のゼンディカーに突如として現れた、空に浮かぶ太古の遺跡群。七つの大陸すべてに存在する。
[編集] キャラクター
- ゼンディカー出身者
- 他次元からの訪問者
- ゼンディカーの住人
- 人型種族
- アキリ/Akiri
- アノワン/Anowon
- アーデン/Ardenn
- アイリ/Ayli
- ブルース・タール/Bruse Tarl
- デーン/Denn
- ドラーナ/Drana
- ジョリー・エン/Jori En
- カリタス/Kalitas
- カーザ/Kaza
- カズール/Kazuul
- ケセンヤ/Kesenya
- ミーナ/Mina
- モラウグ/Moraug
- ムンダ/Munda
- ノヤン・ダール/Noyan Dar
- ヌーマ/Numa
- オブーン/Obuun
- オラー/Orah
- ラヤミ/Rayami
- タズリ/Tazri
- サーダ・アデール/Thada Adel
- タクタク/Tuktuk
- ヴォリク/Vorik
- ザダ/Zada
- ザグラス/Zagras
- ザレス・サン/Zareth San
- 天使・悪魔
- エレメンタル
- 怪物
[編集] 登場
[編集] 登場カード
- アクーム/Akoum (次元カード)
- アガディームの面晶体原/Hedron Fields of Agadeem (次元カード)
- ムラーサ/Murasa (次元カード)
- タジーム/Tazeem (次元カード)
[編集] 登場作品・登場記事
- A Planeswalker's Guide to Zendikar/ゼンディカーの次元渡り方(Internet Archive)(Savor the Flavor 2009年9月9日 Magic Creative Team著)
- その他の作品・記事については背景世界/読み物/ゼンディカー・ブロックを参照。
- Zendikar: Things Have Changed/ゼンディカー:変化した物事(Feature 2020年9月1日 Ari Zirulnik and James Wyatt著)
- その他の作品・記事については背景世界/読み物/ゼンディカーの夜明けを参照。
- March of the Machine | Zendikar: Battles in the Field and in the Mind/サイドストーリー・ゼンディカー編 戦場での闘争、心での闘争(Daily MTG 2023年3月27日)
- Planeswalker's Guide to March of the Machine: The Phyrexian Invasion of the Multiverse/プレインズウォーカーのための『機械兵団の進軍』案内:ファイレクシアによる多元宇宙侵略(Daily MTG 2023年4月11日)