チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar (ストーリー)

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'''チャンドラ・ナラー'''/''Chandra Nalaar''は[[ゼンディカー・ブロック]のキャラクター。[[カード]]としては[[ローウィン]][[チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar]]が初出。
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'''チャンドラ・ナラー'''/''Chandra Nalaar''は[[ローウィン]]で初めての[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー・カード]]として登場したキャラクター。ストーリーでは主人公を務めた小説[[The Purifying Fire]]とウェブコミックで初登場し、後の[[ゼンディカー・ブロック]]のストーリーにも関わった。さらに[[マジック・オリジン]]では主要プレインズウォーカーの1人として取り上げられた。
  
 
==解説==
 
==解説==
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日本では、[[電撃マ王]]にはチャンドラが主役の小説「[[The Purifying Fire]]」を原案とした漫画「[[燃え尽きぬ炎]]」が連載されていた。漫画における彼女は原作よりも日本の漫画的なかわいらしさを持つキャラクターに設定されている<ref>燃え尽きぬ炎(1) あとがき</ref>。
 
日本では、[[電撃マ王]]にはチャンドラが主役の小説「[[The Purifying Fire]]」を原案とした漫画「[[燃え尽きぬ炎]]」が連載されていた。漫画における彼女は原作よりも日本の漫画的なかわいらしさを持つキャラクターに設定されている<ref>燃え尽きぬ炎(1) あとがき</ref>。
  
冒頭の[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|青のプレインズウォーカー]]との戦闘は省略されて回想シーンのみとなっており、替わりに別の次元ではオリジナルキャラクターである青の女魔道士と対峙する。ブラノン/Brannon少年は登場せず、サミール・ミア・カウディ/Samir Mia Kauldiの村にオリジナルキャラクターの幼いドルイド姉妹が登場する。
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冒頭の[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|青のプレインズウォーカー]]との戦闘は省略されて回想シーンのみとなっており、その代わりかケファライ/Kephalaiで戦った青の女魔道士がオリジナルキャラクターとして取り上げられた。ブラノン/Brannon少年は登場せず、サミール・ミア・カウディ/Samir Mia Kauldiの村にオリジナルキャラクターの幼いドルイド姉妹が登場する。全体として描かれた事件と結末そのものは小説と共通しているが、チャンドラとケラル・キープの関係性に重点を置いてプロットが見直されており、ケラルの先輩に当たるシスター達もオリジナルキャラクターとして追加されている。
  
 
==経歴==
 
==経歴==
===The Purifying Fire(1)===
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===「オリジン」:炎の道理/Origin:Fire Logic===
チャンドラ・ナラーはカラデシュ次元の村で生まれた。やがて、成長した彼女はこの次元では禁じられていた炎の魔法を練習し始める。周囲の制止も聞かずに己の魔法をふるう彼女に、両親や周りの人々は手を焼き、地元の少年を夫としてあてがって落ち着きを持たせようと考えた。
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チャンドラ・ナラーはカラデシュのギラプール/Ghirapurで育った。ギラプールは精緻な[[アーティファクト|機械]]に満ちた都市で、彼女の家族も代々[[工匠]]だった。しかし短気で喧嘩っ早い彼女はその才能を欠いていた。11歳のある日、彼女は自身に炎の魔法の才能があることを発見した。カラデシュでは機械を用いずに魔法を使える者が非常に稀で迫害されており、その時に意図してではないが[[領事の鋳造所/Foundry of the Consuls|鋳造所]]を破壊したこともあって、彼女と父[[キラン・ナラー/Kiran Nalaar|キラン/Kiran]]、母[[ピア・ナラー/Pia Nalaar|ピア/Pia]]達は統治者である領事/Consulsに追われる身となった。
それを厭ったチャンドラは魔法で大爆発を引き起こし、その考えを改めさせようとするが…。
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チャンドラの[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]が点る際、彼女は大きな教訓を得ることとなった。
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チャンドラ達は郊外の小さな村を転々とし逃走を続けた。しかし彼女がバナラート/Bunarat村の近くで森の獣に炎を振るったことが村民の反感を買ったか、バラル/Baralが率いる追手に居場所を掴まれてしまった。バラル達はバナラートに火を放ち、キランをその場で殺害し、チャンドラを捕らえた。ピアも火災に巻き込まれた。茫然自失としたチャンドラはギラプールの広場に連れ戻され、バラルの手で処刑されそうになった。しかしその刃が振り下ろされる寸前、チャンドラは自身の内にある紅蓮術士の本質を見つけ出し、憤怒とともにそれを解き放った。その時彼女の[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]が点り、周囲を焼き払いながら彼女は[[レガーサ/Regatha]]にプレインズウォークした。
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レガーサで出会ったケラル僧院/Keralian Monasteryの修道士は彼女の紅蓮術の才能を賞賛し、彼女を受け入れた。彼女は故郷カラデシュと家族の記憶を封じて誰にも話さず、ケラルを本拠として自身の炎の魔法を磨いていった。だが、記憶の奥底にある罪悪感は悪夢となって彼女を苦しめ続けた。
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*以前、小説The Purifying Fireではこの過去が本人の告白として語られていたが、「出身地が兵士の占領下にある山村」「兄と妹がいた」「村で結婚を強いられそうになった」「その時引き起こした大爆発が兵士の目を引いた」など、事件の過程にかなりの差異がある。
  
 
===炎に注ぐ油/Fuel for the Fire===
 
===炎に注ぐ油/Fuel for the Fire===
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ブラノンの身柄と引き換えに巻物を要求され、チャンドラは従おうとする。しかし、彼女がブラノンに呼びかけると別の場所から少年が現れた。人質がジェイスによる幻影であることが発覚し、二人は再び闘いを繰り広げる。一度はジェイスを撃退してブラノンの安全を確保したと思ったチャンドラだったが、そのブラノンもジェイスの幻影であった。隙をつかれてジェイスに倒されたチャンドラは巻物を奪われ[[選り抜きの記憶/Selective Memory|その内容の記憶も消されてしまった]]<ref>[http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0310 Card of the Day] - Wednesday, March 10, 2010</ref>。しかし、彼女は既にケラル・キープの僧院に大量の巻物の複製を作らせていたのだった。
 
ブラノンの身柄と引き換えに巻物を要求され、チャンドラは従おうとする。しかし、彼女がブラノンに呼びかけると別の場所から少年が現れた。人質がジェイスによる幻影であることが発覚し、二人は再び闘いを繰り広げる。一度はジェイスを撃退してブラノンの安全を確保したと思ったチャンドラだったが、そのブラノンもジェイスの幻影であった。隙をつかれてジェイスに倒されたチャンドラは巻物を奪われ[[選り抜きの記憶/Selective Memory|その内容の記憶も消されてしまった]]<ref>[http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/cardoftheday/0310 Card of the Day] - Wednesday, March 10, 2010</ref>。しかし、彼女は既にケラル・キープの僧院に大量の巻物の複製を作らせていたのだった。
  
===The Purifying Fire(2)===
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===The Purifying Fire(燃え尽きぬ炎)===
レガーサではヘリウド騎士団/the Order of Heliudとそのリーダーであるウォルバート3世/Walbert IIIが世界を彼らの規律によって統べようとその勢力を伸ばしていた。そのことにより彼らと西の森の住人たちと軋轢が生じており、政治的に緊張した状態となっていた。ケラル・キープの僧院を治めるマザー・ルチ/Mother Lutiは、チャンドラの能力に目をつけたウォルバート3世を逸らすために、かつてジェイスに奪還された巻物の複製の解読が行き詰ってしまっていたのもあってチャンドラを再びケファライに赴かせる。
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レガーサではヘリウド騎士団/the Order of Heliudとそのリーダーであるウォルバート3世/Walbert IIIが世界を彼らの規律によって統べようとその勢力を伸ばしていた。そのことにより騎士団とケラル僧院および西のグレートウェスタンウッド/The Great Western Woodの森の住人たちとの間には軋轢が生じており、政治的に緊張した状態となっていた。そんな中、チャンドラは友人のサミール・ミア・カウディ/Samir Mia Kauldiを守るため、森に侵入した騎士団の手の者と衝突しその過程で森に火災を引き起こし、結果として森の[[アウフ]]の怒りを買ってしまう。ケラル僧院を治めるマザー・ルチ/Mother Lutiは、アウフ達の怒りのほとぼりを冷ますために、またチャンドラの引き渡しを要求したウォルバートから時間を稼ぐために、チャンドラを再びケファライに赴かせる。かつてジェイスに奪還された巻物の複製の解読は行き詰っており、完全な解読にはオリジナルの巻物が必要だと思われたのだ。
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ケファライではジェイスの警告により星の聖域が警備を強化していた。チャンドラは星の聖域の建物自体を吹き飛ばすほどの大爆発を放ち一旦は巻物を奪って逃れたが、[[ギデオン・ジュラ/Gideon Jura (ストーリー)|ギデオン・ジュラ/Gideon Jura]]と名乗る謎の男のせいで結局捕まり、巻物を奪われてしまう。彼女は牢獄からプレインズウォークすることで何とか難を逃れたが、体力の消耗と集中の不足のため意図せずして闇の次元[[ディラデン/Diraden]]にプレインズウォークしてしまう。そこで彼女はギデオンと再会した。彼もプレインズウォーカーだったのだ。
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ギデオンはチャンドラを「追ってきた」のだと告げた。彼女はジェイスと同じように星の聖域に雇われた追手か何かだろうと推測した。ディラデンでは黒以外のマナとの繋がりがほぼ絶たれており、2人とも魔法が使えず、プレインズウォークも出来なくなっていた。ギデオンは協力してこの次元を脱出することを提案し、彼女もしぶしぶこれを受け入れた。2人は旅の途上で互いがプレインズウォーカーとして目覚めた時のことを話した。双方が命の危機に陥りながらも、最終的に2人は次元の支配者ベルラブ/Velravを殺し、レガーサへとプレインズウォークした。
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サミールの村のそばに出現した2人はサミールに一旦匿われた。そこでギデオンは正体を明かした。彼はヘリウド騎士団に属しており、ウォルバートの命によりチャンドラをレガーサに連れ戻し捕らえるために彼女を追っていたのだ。チャンドラは激怒し彼を責めたが、ディラデンで互いの過去の一端を知り、互いの命を助け合った2人はもはや殺しあう事はできなかった。また、レガーサでのチャンドラの立場も悪化していた。森の部族会議は既に騎士団との取引に応じてチャンドラの確保に同意しており、騎士団はケラル僧院へも同じ要求を突きつけていた。ギデオンは騎士団の正義とチャンドラの行動の危険性を語り、彼女にレガーサを去るように求めたがチャンドラはそれを拒んだ。サミールの協力でチャンドラはケラルに、ギデオンはジナラ/Zinaraにそれぞれ帰還した。チャンドラが戻った後、騎士団はケラル僧院を包囲した。ウォルバートの意図についてルチと話しあったチャンドラは、再び故郷の仲間を自分のせいで死なせることはできないと思い、僧院に手を出さないことを条件として騎士団に投降した。
  
そして、チャンドラの次元を股にかけた冒険の旅が始まる…。
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チャンドラは遣わされたギデオンとともにジナラの寺院でウォルバートと面会した。ウォルバートは君がここに来ることは分かっていたと言った。自分の予見の通り、今日プレインズウォーカーの紅蓮術士は浄化の炎/The Purifying Fireに投じられ魔力を永遠に失い、これ以降混沌と災厄がレガーサを苛めることはなくなると。彼女は激怒したが、もはや抵抗は無力だった。その夜ギデオンは牢獄のチャンドラの元を訪れ浄化の炎について彼が知り得たことを教えた。浄化の炎は魂の罪を清める、もし穢れのない魂をもって浄化の炎の中に入るのならば、無事に出られるかもしれないと。ギデオンは彼女を苦しめる悪夢について話すように促した。チャンドラは過去、自分の炎のせいで家族と村の住民が目の前で焼け死んだことをギデオンに話した。話し終えた所で、彼女は心の重荷がずいぶん軽くなったことに驚いた。吹っ切れたチャンドラは寺院地下の洞窟へと下り、ウォルバートと側近の前で、躊躇わずに浄化の炎の中に入った。白マナの奔流が彼女を飲み込み、魂の罪を探り、そして彼女を暖かく包み込んだ。浄化の炎は彼女を許した。歩み出たチャンドラは彼女の憤怒を解き放ち、周囲の側近もろともウォルバートを灰になるまで焼き尽くし、洞窟と寺院の一部を破壊した。直後、現場に着いたギデオンはこの惨事に衝撃を受け彼女を責めた。チャンドラはウォルバートこそが予見の解釈を誤り、レガーサを誤った方向へ導こうとしていたのだと言ったが、ギデオンは認めなかった。別れを告げたチャンドラに、ギデオンはまた会おうと言った。そしてチャンドラは[[ゼンディカー/Zendikar]]へ向かうためプレインズウォークした。
  
 
===Journey to the Eye===
 
===Journey to the Eye===
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*[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/220 壁紙 (The Purifying Fire)] ([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/ Daily MTG])
 
*[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/220 壁紙 (The Purifying Fire)] ([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/ Daily MTG])
 
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/1263 壁紙 (Magic 2014 Keyvisual)](Daily MTG)
 
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/1263 壁紙 (Magic 2014 Keyvisual)](Daily MTG)
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*[https://www.youtube.com/watch?v=VtFLDnIIihI Inside R&D Magic Origins: Chandra](Youtube)
  
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
[[Category:プレインズウォーカー|ちゃんどら]]
 
[[Category:プレインズウォーカー|ちゃんどら]]

2015年8月3日 (月) 16:41時点における版

チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaarローウィンで初めてのプレインズウォーカー・カードとして登場したキャラクター。ストーリーでは主人公を務めた小説The Purifying Fireとウェブコミックで初登場し、後のゼンディカー・ブロックのストーリーにも関わった。さらにマジック・オリジンでは主要プレインズウォーカーの1人として取り上げられた。

目次

解説

カラデシュ/Kaladesh次元/Plane出身の人間女性のプレインズウォーカー/Planeswalkerレガーサ/Regathaを根城としている紅蓮術士/Pyromancer。コンピューターゲームデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013」によると年齢20歳、身長168cm、体重58kg。イラスト

彼女が紅蓮術を使う時、その赤毛は炎と化す。ラヴニカ/Ravnica産のマナ増幅装置を右腕に装備している。

情熱的かつ衝動的で短気な性格であり、自由と独立を愛する。権威や束縛を嫌っており、それらで彼女を縛ろうとすれば、後には荒々しい炎による破滅の光景のみが残るだろう。

ヤヤ・バラード/Jaya Ballard

ヤヤ・バラードを崇拝し、その知識と言葉を伝えるケラル・キープ/Keral Keepの僧院にチャンドラは滞在している。偉大なる紅蓮術士にして同じプレインズウォーカーのヤヤは、彼女にとっても心の指針になっている模様。

チャンドラの最後の手段/Chandra's Ultimate

ウェブコミック「チャンドラの最後の手段/Chandra's Ultimate[1]プレインズウォーカー・コミック一覧には現在載っておらず、アンソロジー「Path of the Planeswalker」にも収録されなかった。 後に加筆されて「炎に注ぐ油/Fuel for the Fire 第一部」としてリメイクされた。

燃え尽きぬ炎

日本では、電撃マ王にはチャンドラが主役の小説「The Purifying Fire」を原案とした漫画「燃え尽きぬ炎」が連載されていた。漫画における彼女は原作よりも日本の漫画的なかわいらしさを持つキャラクターに設定されている[2]

冒頭の青のプレインズウォーカーとの戦闘は省略されて回想シーンのみとなっており、その代わりかケファライ/Kephalaiで戦った青の女魔道士がオリジナルキャラクターとして取り上げられた。ブラノン/Brannon少年は登場せず、サミール・ミア・カウディ/Samir Mia Kauldiの村にオリジナルキャラクターの幼いドルイド姉妹が登場する。全体として描かれた事件と結末そのものは小説と共通しているが、チャンドラとケラル・キープの関係性に重点を置いてプロットが見直されており、ケラルの先輩に当たるシスター達もオリジナルキャラクターとして追加されている。

経歴

「オリジン」:炎の道理/Origin:Fire Logic

チャンドラ・ナラーはカラデシュのギラプール/Ghirapurで育った。ギラプールは精緻な機械に満ちた都市で、彼女の家族も代々工匠だった。しかし短気で喧嘩っ早い彼女はその才能を欠いていた。11歳のある日、彼女は自身に炎の魔法の才能があることを発見した。カラデシュでは機械を用いずに魔法を使える者が非常に稀で迫害されており、その時に意図してではないが鋳造所を破壊したこともあって、彼女と父キラン/Kiran、母ピア/Pia達は統治者である領事/Consulsに追われる身となった。

チャンドラ達は郊外の小さな村を転々とし逃走を続けた。しかし彼女がバナラート/Bunarat村の近くで森の獣に炎を振るったことが村民の反感を買ったか、バラル/Baralが率いる追手に居場所を掴まれてしまった。バラル達はバナラートに火を放ち、キランをその場で殺害し、チャンドラを捕らえた。ピアも火災に巻き込まれた。茫然自失としたチャンドラはギラプールの広場に連れ戻され、バラルの手で処刑されそうになった。しかしその刃が振り下ろされる寸前、チャンドラは自身の内にある紅蓮術士の本質を見つけ出し、憤怒とともにそれを解き放った。その時彼女のプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkが点り、周囲を焼き払いながら彼女はレガーサ/Regathaにプレインズウォークした。

レガーサで出会ったケラル僧院/Keralian Monasteryの修道士は彼女の紅蓮術の才能を賞賛し、彼女を受け入れた。彼女は故郷カラデシュと家族の記憶を封じて誰にも話さず、ケラルを本拠として自身の炎の魔法を磨いていった。だが、記憶の奥底にある罪悪感は悪夢となって彼女を苦しめ続けた。

  • 以前、小説The Purifying Fireではこの過去が本人の告白として語られていたが、「出身地が兵士の占領下にある山村」「兄と妹がいた」「村で結婚を強いられそうになった」「その時引き起こした大爆発が兵士の目を引いた」など、事件の過程にかなりの差異がある。

炎に注ぐ油/Fuel for the Fire

ケファライ/Kephalaiの博物館より、重要な炎の巻物を盗み出すチャンドラ。衛兵たちやガーゴイルに追われ、ついにガーゴイルに捕まってしまう。空高くから川に落とされてしまったチャンドラはヤヤ・バラードの教えを思い出し、炎の呪文による大爆発を引き起こす。川からは遺体が揚がらなかったために追跡は打ち切りになる所だったが、衛兵の指揮官はチャンドラはまだ生きていることに気が付いた。炎で追っ手の目を眩ませていた間にチャンドラはプレインズウォークしていたのだった。

レガーサに帰還したチャンドラは、世話人の女性二人とブラノン少年にケファライや巻物についての土産話をしていた。そこにケファライの星の聖域/The Sanctum of the Starsの僧院長/The Prelateに雇われたプレインズウォーカー、ジェイス・ベレレン/Jace Belerenが現れる。ブラノンたちに避難勧告をし、チャンドラはジェイスに立ち向かう。チャンドラはジェイスが彼女の精神を読もうとした隙に、炎の呪文による爆発を引き起こす。ジェイスを吹き飛ばして撃退したかと思ったチャンドラだが、彼は傷一つ負っておらず、逆にブラノンを人質に取られてしまった。

ブラノンの身柄と引き換えに巻物を要求され、チャンドラは従おうとする。しかし、彼女がブラノンに呼びかけると別の場所から少年が現れた。人質がジェイスによる幻影であることが発覚し、二人は再び闘いを繰り広げる。一度はジェイスを撃退してブラノンの安全を確保したと思ったチャンドラだったが、そのブラノンもジェイスの幻影であった。隙をつかれてジェイスに倒されたチャンドラは巻物を奪われその内容の記憶も消されてしまった[3]。しかし、彼女は既にケラル・キープの僧院に大量の巻物の複製を作らせていたのだった。

The Purifying Fire(燃え尽きぬ炎)

レガーサではヘリウド騎士団/the Order of Heliudとそのリーダーであるウォルバート3世/Walbert IIIが世界を彼らの規律によって統べようとその勢力を伸ばしていた。そのことにより騎士団とケラル僧院および西のグレートウェスタンウッド/The Great Western Woodの森の住人たちとの間には軋轢が生じており、政治的に緊張した状態となっていた。そんな中、チャンドラは友人のサミール・ミア・カウディ/Samir Mia Kauldiを守るため、森に侵入した騎士団の手の者と衝突しその過程で森に火災を引き起こし、結果として森のアウフの怒りを買ってしまう。ケラル僧院を治めるマザー・ルチ/Mother Lutiは、アウフ達の怒りのほとぼりを冷ますために、またチャンドラの引き渡しを要求したウォルバートから時間を稼ぐために、チャンドラを再びケファライに赴かせる。かつてジェイスに奪還された巻物の複製の解読は行き詰っており、完全な解読にはオリジナルの巻物が必要だと思われたのだ。

ケファライではジェイスの警告により星の聖域が警備を強化していた。チャンドラは星の聖域の建物自体を吹き飛ばすほどの大爆発を放ち一旦は巻物を奪って逃れたが、ギデオン・ジュラ/Gideon Juraと名乗る謎の男のせいで結局捕まり、巻物を奪われてしまう。彼女は牢獄からプレインズウォークすることで何とか難を逃れたが、体力の消耗と集中の不足のため意図せずして闇の次元ディラデン/Diradenにプレインズウォークしてしまう。そこで彼女はギデオンと再会した。彼もプレインズウォーカーだったのだ。

ギデオンはチャンドラを「追ってきた」のだと告げた。彼女はジェイスと同じように星の聖域に雇われた追手か何かだろうと推測した。ディラデンでは黒以外のマナとの繋がりがほぼ絶たれており、2人とも魔法が使えず、プレインズウォークも出来なくなっていた。ギデオンは協力してこの次元を脱出することを提案し、彼女もしぶしぶこれを受け入れた。2人は旅の途上で互いがプレインズウォーカーとして目覚めた時のことを話した。双方が命の危機に陥りながらも、最終的に2人は次元の支配者ベルラブ/Velravを殺し、レガーサへとプレインズウォークした。

サミールの村のそばに出現した2人はサミールに一旦匿われた。そこでギデオンは正体を明かした。彼はヘリウド騎士団に属しており、ウォルバートの命によりチャンドラをレガーサに連れ戻し捕らえるために彼女を追っていたのだ。チャンドラは激怒し彼を責めたが、ディラデンで互いの過去の一端を知り、互いの命を助け合った2人はもはや殺しあう事はできなかった。また、レガーサでのチャンドラの立場も悪化していた。森の部族会議は既に騎士団との取引に応じてチャンドラの確保に同意しており、騎士団はケラル僧院へも同じ要求を突きつけていた。ギデオンは騎士団の正義とチャンドラの行動の危険性を語り、彼女にレガーサを去るように求めたがチャンドラはそれを拒んだ。サミールの協力でチャンドラはケラルに、ギデオンはジナラ/Zinaraにそれぞれ帰還した。チャンドラが戻った後、騎士団はケラル僧院を包囲した。ウォルバートの意図についてルチと話しあったチャンドラは、再び故郷の仲間を自分のせいで死なせることはできないと思い、僧院に手を出さないことを条件として騎士団に投降した。

チャンドラは遣わされたギデオンとともにジナラの寺院でウォルバートと面会した。ウォルバートは君がここに来ることは分かっていたと言った。自分の予見の通り、今日プレインズウォーカーの紅蓮術士は浄化の炎/The Purifying Fireに投じられ魔力を永遠に失い、これ以降混沌と災厄がレガーサを苛めることはなくなると。彼女は激怒したが、もはや抵抗は無力だった。その夜ギデオンは牢獄のチャンドラの元を訪れ浄化の炎について彼が知り得たことを教えた。浄化の炎は魂の罪を清める、もし穢れのない魂をもって浄化の炎の中に入るのならば、無事に出られるかもしれないと。ギデオンは彼女を苦しめる悪夢について話すように促した。チャンドラは過去、自分の炎のせいで家族と村の住民が目の前で焼け死んだことをギデオンに話した。話し終えた所で、彼女は心の重荷がずいぶん軽くなったことに驚いた。吹っ切れたチャンドラは寺院地下の洞窟へと下り、ウォルバートと側近の前で、躊躇わずに浄化の炎の中に入った。白マナの奔流が彼女を飲み込み、魂の罪を探り、そして彼女を暖かく包み込んだ。浄化の炎は彼女を許した。歩み出たチャンドラは彼女の憤怒を解き放ち、周囲の側近もろともウォルバートを灰になるまで焼き尽くし、洞窟と寺院の一部を破壊した。直後、現場に着いたギデオンはこの惨事に衝撃を受け彼女を責めた。チャンドラはウォルバートこそが予見の解釈を誤り、レガーサを誤った方向へ導こうとしていたのだと言ったが、ギデオンは認めなかった。別れを告げたチャンドラに、ギデオンはまた会おうと言った。そしてチャンドラはゼンディカー/Zendikarへ向かうためプレインズウォークした。

Journey to the Eye

巻物の写しを持ってゼンディカー/Zendikarへと赴いたチャンドラ。アクーム/Akoum山脈のアーファ/Affaの町の探検協会の酒場において、主人にゼンディカーの現在の不安定な状況によって魔法は当てにならないという警告と、遺跡の賢者として名高いアノワン/Anowonについての情報を得る。アノワンのベースキャンプまでの案内者を雇うが何度も失敗してしまうが、多くの犠牲を出しつつ四度目の正直でようやく目的地にたどり着く。

チャンドラの協力要請を手厳しく断るアノワンだが、彼女がウギンの目/Eye of Uginへの地図を持っていることに言及すると態度を変えて案内を引き受ける。アノワンは案内のために地図を見せるように要求するが、チャンドラは今はそれを持っておらず暗記してあると嘘をつく。二人は谷でキャンプを張って一晩過ごすことにするが、地図を見ている所をアノワンに見られてしまうことによって彼女の嘘が露見した。それを奪おうとするアノワンに寝込みを襲われ、反撃するもチャンドラの炎の呪文は上手く発動しなかった。探検協会での警告を思い出すも時すでに遅く、アノワンに押さえ込まれてしまう。死を認識しかけたチャンドラの危機は、突然アノワンを後ろから殴り倒した人物によって救われる。その人物は意外にもサルカン・ヴォル/Sarkhan Volだった。

Awakenings

アノワンから救われたはずが、今度はサルカンに襲われるチャンドラ。サルカンに放った彼女の炎の呪文は上手く制御できずに途中で爆発してしまう。その炎に反応したサルカンは攻撃をやめ、ウギンの名を口にする。チャンドラはウギンの目への案内を頼むとサルカンは了承し、面晶体/Hedronの洞窟の中へ彼女を導いた。目的の場所にたどり着くと、彼女を目の生け贄に捧げるためにサルカンはドラゴン変化/Form of the Dragon[4]して再び襲い掛かる。

ドラゴンからの攻撃を必死に回避している最中、別の入り口からジェイスが目に到達する。呪文が面晶体に吸収されていることと巻物の暗号に気付いたジェイスの助言により、チャンドラは透明な炎(Sheer Fire)を使い、さらにジェイスの双つ術/Twincastによって二度目を放ちドラゴンを倒す。

巻物が示す場所を誰から聞いたのかの記憶をジェイスに読まれる前に、チャンドラはその人物に報復するために何処かへプレインズウォークした。

マジック2014―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ

チャンドラは協力者と共に、巻物について彼女を唆した男、ラマーズ/Ramazを追って次元を駆けまわった。イニストラード/Innistradではラマーズに渡されたアヴァシン/Avacynの聖印つきペンダントのせいでアヴァシン教会/The Church of Avacynの信徒たちに盗賊として襲われ、騎士シギスムンド/Sigismundを倒して彼の外套の留め具を得た。ゼンディカーでは情報を得ようとエルフの魔道士ギランダー/Girunderを痛めつけて壊れた杖を奪った。シャンダラー/Shandalar奇妙な生物の事をラマーズが語っていたことから掘り出し物を求めて向い、スリヴァーの群れのシャーマンであるエス・ニーレック/Ess-Nelekの手からスリヴァーの化石を奪いとった。かつてラマーズが語ったジャンド/Jundのゴブリン竜術師/dracomancerのクラファ/Krufaからサングライト/Sangriteの欠片を奪い、ラヴニカではラマーズの仲間であるディミーア家/House Dimirギルド魔道士のゾリスラヴ/Zorislavからディミーアの思考帯/the Dimir thought ribbonを得た。これらの手がかりによってラマーズの居場所をカルドハイム/Kaldheimだと特定したチャンドラと協力者は彼を倒すものの逃げられてしまった。

チャンドラは協力者に礼を言って何処かへとプレインズウォークした。

プレインズウォーカー達の現状

その後、チャンドラはラマーズの背後にいるのがニコル・ボーラス/Nicol Bolasであることを突き止めたものの、ボーラスを追跡するまでには至らず、現在はレガーサのケラル・キープの僧院に帰還しているようである。

登場

登場カード

デュエルデッキ

カード名に登場

アーチエネミー
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2011
チャンドラの吐火/Chandra's Spitfire、チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2012
チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix、チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2012 BOX特典カード
チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix
基本セット2013
チャンドラの憤怒/Chandra's Fury
基本セット2014
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage、チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix
マジック・オリジン
チャンドラの憤怒/Chandra's Fury、チャンドラの灯の目覚め/Chandra's Ignition

フレイバー・テキストに登場

アーチエネミー
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2010
業火の精霊/Inferno Elemental
ゼンディカー
地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder
ワールドウェイク
遺跡の賢者、アノワン/Anowon, the Ruin Sage轟く余震/Rumbling Aftershocks
基本セット2011
紅蓮地獄/Pyroclasm
基本セット2012
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage、炎の円/Circle of Flame火葬/Incinerate
基本セット2013
火口化/Craterize炬火の炎/Flames of the Firebrand
基本セット2014
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage、炬火の炎/Flames of the Firebrand
基本セット2015
炎の円/Circle of Flame
マジック・オリジン
チャンドラの憤怒/Chandra's Fury、チャンドラの灯の目覚め/Chandra's Ignition、極上の炎技/Exquisite Firecraft残虐無道の猛火/Ravaging Blaze紅蓮術師のゴーグル/Pyromancer's Goggles領事の鋳造所/Foundry of the Consuls

イラストに登場

ジェイスvsチャンドラ
火葬/Incinerate炎の印章/Seal of Fire
アーチエネミー
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
プレインチェイス2012
空間の接合/Spatial Merging
ゼンディカー
マグマの裂け目/Magma Rift
基本セット2011
チャンドラの吐火/Chandra's Spitfire、チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2012
チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix、チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage
基本セット2012 BOX特典カード
チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix
基本セット2013
チャンドラの憤怒/Chandra's Fury、炬火の炎/Flames of the Firebrand
基本セット2014
チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage、チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix、炬火の炎/Flames of the Firebrand
基本セット2015
衝動的な行動/Act on Impulse
マジック・オリジン
チャンドラの憤怒/Chandra's Fury、チャンドラの灯の目覚め/Chandra's Ignition、極上の炎技/Exquisite Firecraft、焦熱の衝動/Fiery Impulse、残虐無道の猛火/Ravaging Blaze

登場作品・登場記事

脚注

  1. 次元渡りの覗き見:モーニングタイドの風景(Internet Archive)
  2. 燃え尽きぬ炎(1) あとがき
  3. Card of the Day - Wednesday, March 10, 2010
  4. Card of the Day - Thursday, March 11, 2010

参考

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