次元切開/Planar Incision
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インスタント
アーティファクトやクリーチャーのうち1つを対象とする。それを追放し、その後、それをオーナーのコントロール下で+1/+1カウンター1個が置かれた状態で戦場に戻す。
アーティファクトかクリーチャーを一瞬だけ追放し、+1/+1カウンターを1つ置いて戻す明滅呪文。かつての神河物語における来世への旅/Otherworldly Journeyと似た呪文。
対戦相手がコントロールするパーマネントも対象に取れる明滅は、実は意外と珍しい。ただし相手パーマネントの強化呪文やオーラを剥がす目的で使うと、最終的に+1/+1されて戻ってくるのでノーリスクとは言い難い。一方でトークンならば戦場を離れた時点で消滅し、戻ってこないので確定除去として機能させることができる。
神河:輝ける世界のリミテッドではコモンのバウンスが月罠の専門家/Moonsnare Specialistと月罠の試作品/Moonsnare Prototype(アンコモンに目を向けても巨大な空亀/Colossal Skyturtle)しかなく、インスタントかつ軽いこれは貴重。英雄譚から変身したクリーチャーを第1面に戻す使い方であれば+1/+1カウンターを(III章能力で再び追放されるため)持ち越させずに済むなど、できることは多い。
他の明滅同様に自身のパーマネントを単体除去から守る目的で使う場合も強化のおまけがついてくるのは嬉しい。単なる1:1交換で終わらない分、アドバンテージの確保に繋がる。
構築レベルだと、使い捨てかつ単独でアドバンテージを取れないカードは少々扱いづらいか。青であれば厄介な呪文は素直に打ち消してしまった方が早く、汎用性も高い。
一方、「打ち消しではない除去からの回避」として見ると溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drownedを採用したデッキであれば仕込む価値はある。他には明滅の常としてETBの再利用、アンタップされることを活用して突如ブロッカーを立てたり、登場時のスタンダードでは護法を有効化できる砂漠滅ぼし、イムリス/Iymrith, Desert Doomとも相性は良好。明滅としては環境に存在するフィニッシャーと合致しており、ニッチながら需要そのものは存在しているといえる。
ストーリー
皇/The emperorの失踪から十年。彼女の捜索に人生を捧げてきた魁渡/Kaitoは、思いもかけぬ情報を得た。皇の失踪に関わったと思しき「金属の腕の男」と会うタメシ/Tameshiの姿が目撃されたというのだ。タメシは魁渡の友だった。
魁渡は数週間をかけて友を調査し、彼が下層街/The Undercityで誰かと会うことを突き止め、そこへ向かった。波止場の倉庫で魁渡が目にしたのは、外科手術じみた奇妙な実験の痕跡と、見たこともない金属の怪物――後に知るその名はジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias――だった(イラスト)。怪物の手下たちが荷を積み込んだコンテナからは、神/Kamiの声のような悲鳴が上がった。
そして呻き声に振り返ると、そこには金属の鉤爪に切り裂かれて倒れるタメシの姿があった。魁渡は血を流すタメシに駆け寄り、だがもう手遅れだった。タメシはかすかな声で、友を騙し続けてきたことを悔いた。「テゼレット/Tezzeret」――最後にそう口にし、タメシは息絶えた[1]。
ジン=ギタクシアスは昔からプレインズウォークの秘密の解明を切望していた。世界から世界へ移動できる神々は恰好の実験体であった。
脚注
- ↑ Episode 2: Lies, Promises, and Neon Flames/メインストーリー第2話:嘘と約束とネオンの輝き(Magic Story 2022年1月24日 Akemi Dawn Bowman著)