ケアヴェク/Kaervek
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ケアヴェク/Kaervekはミラージュ・ブロック初出のキャラクター。カードとしては時のらせんの無慈悲なる者ケアヴェク/Kaervek the Mercilessが初出。
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人物
ドミナリア/Dominariaは炎熱の島々/The Burning Isles出身の人間/Humanで、邪悪な魔術師。男性。(イラスト1/2)
弱者に対して無慈悲で、非常に支配欲が強く、若いころから国を征服する野心を抱く。いつも威圧的にしゃべり、傲慢な口調になることも多い。また、ユーモアのセンスは皆無。和訳での一人称は「わし」。まるで血に飢えた野獣のような印象の人物。
- ケアヴェクの外見はカード化の際に、ケアヴェクの放逐術/Kaervek's Purgeのイラストの人物を元に設定された(The Legends of Time Spiral参照)。
生まれながら魔法の才能に恵まれた強力な魔術師で、赤と黒の魔法を得意とする。強力な存在が居並ぶ炎熱の島々でなければ、支配者に足る実力は十分。また、戦略家・謀略家としての技量は確かなもの。ボガーダン/Bogardanとアーボーグ/Urborg中の悪意持つスピリット(主に夜魔)や豹族と同盟を結んでいることで有名(ケアヴェクにとって豹族は御しやすい同盟者だという)。ジョルレイル/Jolraelと巧みに同盟を結んで勢力を増大させ、陰謀を巡らせるとジャムーラ/Jamuraa北西地域で戦争を始める。テフェリー/Teferiに横槍を入れられるまでは、ザルファー/Zhalfir、スークアタ/Suq'Ata、フェメレフ/Femerefの三国を相手に終始優勢に戦いを展開した。
経歴
ミラージュ
冷酷非道が処世術の全てといわれる、過酷な環境の炎熱の島々に生まれ、強力な魔術師へと成長する。アンデッド、スピリット/Spirit、夜魔、豹族からなる軍勢を率いるまでになるが、群雄割拠の炎熱の島々では支配者となる野望は叶わない。
ジャムーラで戦争を起こす2世紀ほど前、テフェリーが時間実験で自身の島ごと姿を消した際、時間流の乱れを観測したケアヴェクは不毛な岩山となった島へ調査に訪れる。そこで同じく調査に来ていた2人の魔術師マンガラとジョルレイルと出会うが、誰も島の謎を解明できず、このままジャムーラに留まり島を監視することにする。
この新天地でも征服の野望に燃えるケアヴェクだが、彼に先んじてマンガラはジャムーラ三大国に和平協定を締結させ、強固な政治的基盤を築いてしまう。ライバルの成功を妬むケアヴェクは、平和を呼びかけるマンガラの本当の目的が各国の支配である、としか考えられない。そこでこの邪魔者を排除するため、一計を案じる。
まず、世捨て人暮らしのジョルレイルに接近し、マンガラに侵略の下心があると信じ込ませて味方につけると、密かにジャムーラ中にスピリットと獣からなる軍団を編成する。次に、ザルファーと隣国の国境問題やザルファー貴族間の争いに度々干渉を行って、次第に争いを激化させていき、流血沙汰へと発展させる。ザルファーに内戦の危機が迫り、これこそが待っていた好機と、十を越える数の邪悪なスピリットを国境へと差し向け、昔からの争いの炎を更に煽り立てる。こうした中、内戦を未然に防ごうと躍起になるマンガラが手一杯になったところへ「支援」を提供する旨の伝言を送り、ムウォンヴーリー・ジャングル/Mwonvuli Jungleに誘き出す。そこでジョルレイルと共に待ち伏せし、まんまとマンガラを琥珀の牢/Amber Prisonへと閉じ込める。琥珀の牢はジョルレイルの宮殿に保管されたが、他人を信用しないケアヴェクはジョルレイルにも内緒で牢に秘宝の護法印/Relic Wardをかけてセキュリティを強化する。
邪魔者マンガラが居なくなったこの時に至って、各地の配下や同盟者の活動を活発化させ、各国を恐怖と混乱に陥れる。不気味な事件が相次ぎ、三国は大評議会(great council)を設け、事件の報告会を開いて問題解決に向けた協力体制を結ぼうとする。この機会にケアヴェクはいよいよ姿を現し三国に降伏勧告を行う。しかし三国は勧告を受け入れず、本格的な戦争状態に突入する。
この開戦初期の数ヶ月に、農村はドラゴンの火に焼かれ、ウーザーク/Uuserkの路は斥候隊の全滅後に通行禁止となり、フェメレフのあまたの声の評議会/Council of Voicesは夜のスピリット/Spirit of the Nightに全滅させられる。今やケアヴェク軍は、ジョルレイルの配下も完全に支配下に置いた、スピリット、動物、オーク、ゴブリン/Gobilin、猫族、ヴィーアシーノそしてドラゴンから構成される大軍団となっていた。
ビジョンズ
開戦から1年以上が経過、フェメレフは侵略され、スークアタは国境を閉ざした。ザルファー中心部へと歩を進めるケアヴェク軍は国境都市Ufunguo(アーファングォウ)を攻め落とし、更に都市テフェムブルー/Tefemburuに進軍する。敵将ジャバーリー/Jabari率いる防衛軍は手強いものの陥落は時間の問題。そして来る日の夕刻、ついにテフェムブルーの市壁内に突入成功、しかし奇妙なことに街には人の気配が感じられない。とその時、都市はケアヴェク軍諸共に爆発で吹き飛ばされた。
これからの征服計画に備えて、1週間の遠隔地探査の占術を行っていたケアヴェクは、自軍兵士の末期の叫びの精神波によって目覚める。ケアヴェクは困惑し、残っている力で援軍を招集して軍を立て直す。テフェムブルーの住民が爆発から無事に脱出したことを知るも、どうやってその様なことができたのか解らない。そこでジャムーラを魔法探査すると、プレインズウォーカー/Planeswalker・テフェリーの干渉に気付く。
報復を決意したケアヴェクは、ムウォンヴーリーの護りをプーラージ/Purrajと下僕共に任せ、自ら大艦隊を率いてテフェリーの島を攻める。だが、テフェリーの攻撃で艦隊の大部分はあっという間に海底に沈められてしまう。この戦闘中、同伴してきたジョルレイルが離反、ケアヴェクはこの裏切り者との白熱した秘術合戦で重傷を負う。ケアヴェクの船も巨大な波に呑まれ沈没する。
生き残ったケアヴェクは岸に辿り着き、程近くにあるウーザークの沼地の豊富なマナを利用して再起を図ろうとする。だがその地に隠されたアクー/Akuの浮遊都市と遭遇、続けて琥珀の牢から解放されたマンガラの奇襲を受ける。この対決では、周囲を黒マナの豊かな沼に囲まれ有利な状況で戦うが、マンガラだけでなくアクーの魔道士たちも敵となってジンをけしかけてくる。そこでジンのコントロールを奪取して、自分の手先と変えて反撃する。ところがこのジンは敵に力を与える特性を持っているため、逆に劣勢に立たされる。最後には、マンガラの呼び出したエルフ/Elfの放つ矢に体勢を崩した隙をつかれ、ケアヴェクは今度は反対にマンガラによって琥珀の牢に封印されてしまった。
主を失ったケアヴェク軍は崩壊。同盟者のヴィーアシーノ族も故郷へ軍を引いた。終戦後もケアヴェクの爪痕はジャムーラ北西三国に様々な影響を残している。
時のらせん
時の裂け目/RiftからAR46世紀に再登場。同様に、仇敵マンガラ/Mangaraと裏切り者ジョルレイル/Jolraelの2人もこの未来に出現している。
ファイレクシア:完全なる統一
テフェリーの手によりザルファーが多元宇宙/Multiverseから隔離されて3世紀後、時間の流れから取り残されたこの地でケアヴェクは生き続けていた。
時空錨/The Temporal Anchorの事故でテフェリーがザルファーへと流れついてから数か月後、ケアヴェクは突如として琥珀の牢を破壊。警備にあたっていたマギータ/Magetaに重傷を負わせ、どこかへ行方を晦ました。
- サンダー・ジャンクションの無法者:史上最大の強奪作戦に挑む伝説たちや日本公式サイトの2024年版エイプリルフール(Internet Archive)ではファイレクシア戦争後に脱獄したかのように書かれており、ストーリーとの齟齬が生じている。
サンダー・ジャンクションの無法者
ファイレクシア戦争の影響でザルファーが独立した次元として多元宇宙へ復帰すると、ケアヴェクは新たに生まれた領界路/Omenpathを通り他の次元へと逃れた。その後オーコ/Okoと取引を交わし、サンダー・ジャンクション/Thunder Junctionに眠る古代の宝物庫マーグ・タラナウ/Maag Taranauを開くため協力体制を取ることとなる。
オーコが作戦を本格始動させる少し前、ケアヴェクと梅澤悟/Satoru Umezawaは何らかの騒動を起こしスターリング社/The Sterling Companyに逮捕されていた。救出に送りこまれたアニー・フラッシュ/Annie Flash達を尻目に、二人は捕まった責任を押し付けあう。エリエット/Erietteの魔法により二人の拘束が解かれると、悟はオーコの援護に向かい、ケアヴェクはアニー達と共に速やかにその場を離れた。
オーコ達の元に合流したケアヴェクは、宝物庫の鍵/The Key to the Vaultが単なる鍵ではなく未知の遺物であり、第二のファイレクシア/Phyrexiaを解き放ちかねないような危険な代物であると分析する。かつての失敗から、彼は手に負えない力を扱うことに対して用心深くなっていた。それでもオーコに協力することを辞めはしなかった。
長い旅路と戦いの末、ついにオーコ一味はマーグ・タラナウに辿り着く。一味が襲い来る地獄拍車団/The Hellspursの相手をする中、彼は宝物庫の護法を解呪すべく専念し、ついに閉ざされた扉を開くことに成功する。だがその直後、地獄拍車団の攻撃を受け昏倒してしまう。
目を覚ますと宝物庫はもぬけの殻になっており、一味は何も得るものがないままサルーンへ帰還することとなった。オーコの雇い主であるアショク/Ashiokには、最初から約束を守る気などなかったのだ。ケアヴェクは、この失敗はオーコの監督能力の不足にあると責め、いずれこの借りを返すよう吐き捨てると何処かへ去っていった。
登場
登場カード
- 無慈悲なる者ケアヴェク/Kaervek the Merciless
- 悪意に満ちた者、ケアヴェク/Kaervek, the Spiteful
- 懲罰者、ケアヴェク/Kaervek, the Punisher
カード名に登場
- ミラージュ
- ケアヴェクの呪詛/Kaervek's Hex、ケアヴェクの火吹き/Kaervek's Torch、ケアヴェクの放逐術/Kaervek's Purge
- ビジョンズ
- ケアヴェクの悪意/Kaervek's Spite
フレイバー・テキストに登場
- ミラージュ
- 力の消滅/Disempower、神への捧げ物/Divine Offering、祖先の記憶/Ancestral Memories、生命転移/Psychic Transfer、死灰の秘粉/Ashen Powder、骨の収穫/Bone Harvest、弱体化/Enfeeblement、残忍な影/Feral Shadow、ケアヴェクの呪詛/Kaervek's Hex、霊魂奪取/Soul Rend、死体の壁/Wall of Corpses、混沌の支配/Reign of Chaos、ファイレクシアの蔵/Phyrexian Vault、テフェリーの島/Teferi's Isle(日本語版に名前登場)
- ビジョンズ
- 金切り声のドレイク/Shrieking Drake、アクーのジン/Aku Djinn、夜のとばり/Blanket of Night、土地の荒廃/Desolation、ケアヴェクの悪意/Kaervek's Spite、ネクラタル/Nekrataal、アーボーグの吸心鬼/Urborg Mindsucker、血塗られた報奨/Wicked Reward、嵐のドレイク/Tempest Drake
イラストに登場
登場作品・記事
- Mirage Character Profiles (Internet Archive)(公式記事)
- The Story of Jamuraa (Internet Archive)(公式記事)
- Visions: The Backstory (Internet Archive)(公式記事)
- Dying Breath、Scalebane's Elite(Encyclopedia Dominiaの掌編)
- Asmira, Holy Avenger、Kaervek、Mangara(Encyclopedia Dominiaの見出し語)
- Teferi: Behind the Magic/テフェリー:ビハインド・ザ・マジック(Card Preview 2020年6月12日 Magic Creative Team著)
- Phyrexia: All Will Be One | Alone/サイドストーリー第5話:孤独(Magic Story 2023年1月17日 Miguel Lopez著、名前のみ)
- Episode 2: The Jailbreak/第2話 脱獄作戦(Magic Story 2024年3月13日 Akemi Dawn Bowman著)
- Episode 3: A Train to Prosperity/第3話 プロスペリティ行き列車にて(Magic Story 2024年3月18日 Akemi Dawn Bowman著)
- Episode 4: Finding Tarnation/第4話 ターネイション発見(Magic Story 2024年3月20日 Akemi Dawn Bowman著)
- Episode 6: The Ballad of Thieves and Thunderslingers/第6話 盗人と雷撃ちのバラッド(Magic Story 2024年3月25日 Akemi Dawn Bowman著)
- Story Spotlight Cards for Outlaws of Thunder Junction/『サンダー・ジャンクションの無法者』注目のストーリー・カード(Card Preview 2024年3月29日 Natalie Kreider著)
- A Legendary Crew for an Unbelievable Heist: Outlaws of Thunder Junction/サンダー・ジャンクションの無法者:史上最大の強奪作戦に挑む伝説たち(Feature 2024年4月11日 Magic Creative Team著)