無限の精霊/Infinity Elemental
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遂に登場した神話レアのバニラ。パワーはなんと∞。Mox Lotusに続く、∞の値を使うアン・カードである。
「無限のパワー」という特性は非常にインパクトがあり、一見すると単純明快なようだが、ルール上はかなりややこしい部分も多い。処理については無限のページも参照。
さしあたり、単にクリーチャーとして使うことだけを考えると、有限のタフネスを持つクリーチャーはこれから戦闘ダメージを受けると破壊され、有限のライフを持つプレイヤーはこれに殴られると敗北する。単体のアタッカーとしての性能は、触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchableに近いと言えるだろう。
当然、対戦相手はチャンプブロックしてくるであろうし、タフネスは∞ではなく5なので、大型クリーチャーにブロックされればあっさり死亡する。純粋なアタッカーとして使うならば、トランプルを持たせてやると良い。
- カード画像を見ると、このクリーチャーが無限のパワーを持つことが注釈文で説明されている。無限のパワーの部分にイラストから飛び出したクリーチャーの体の一部がぶつかっており、芸が細かい。
- このせいで、バニラクリーチャーにしてDuhに引っかかってしまう。しかしその一方で、バニラの中で唯一老害な守護者/Old Guardの対象にならずに済むため一長一短(?)である。
無限コンボでの利用
クリーチャーのパワーを参照するカードの多くと相互作用を起こし、コンボによって無限のリソースを生み出すことができる。黒枠でよく言われるところの、無限トークン(欠片の双子など)や無限ライフ(プロジェクトXなど)というのは、「いくらでも望むだけ大きい有限の値にできる」という意味であり、実際に無限体のトークンを出したり無限点のライフを得たりはできないが、このカードを利用することで実際に無限であるリソースが得られるのである。
いくつかの例を挙げるならば、
- グール呼びのギサ/Ghoulcaller Gisa、安楽死/Mercy Killingなどで無限トークン。
- 剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどで無限ライフ。
- 肉体/Fleshで追放すれば、他のクリーチャーに無限の+1/+1カウンターを乗せて∞/∞にできる。
- ヴィリジアンの社交家/Viridian Joinerのパワーを∞にすれば無限マナ。
- 融合した肉体+血流/Flesh+Bloodを唱えると、無限ダメージでゲームエンド。
- ボーラスの信奉者/Disciple of Bolasで無限ライフと共に無限ドロー。
- 自分がコントロールしているこれに反発/Backlashを撃たれても即死である。
あなたが気合の入ったジョニーならば、是非とも様々なコンボを試してみるべきだろう。もっとも、実用性という観点では伏魔殿/Pandemoniumや投げ飛ばし/Flingなどとの2枚コンボで無限ダメージを生み出して勝利してしまうのが手っ取り早い、ということになってしまいそうであるが……。
- なお無限にリソースを生み出す際、処理の「回数」には注意が必要。上記のように「処理の回数は1回、効果の大きさは無限」ならば問題なくゲームを進行できるが、「処理の回数が無限」になってしまうと、無限に処理を続けなけらばならないため、脱出不可能なループとなってゲームは引き分けとなってしまう。
- 特に誘発型能力をコンボに組み込むとこうなりやすい。例えば、上記の無限トークンにさらに魂の管理人/Soul Wardenを組み合わせると無限ライフにはなるが、無限に誘発し続けるので解決し始められない。任意である魂の従者/Soul's Attendantの場合でも、誘発は止められないので同様。
- 省略する場合、あくまで「有限数」しか指定できない。例えば無限ドロー時に片意地な使い魔/Obstinate Familiarがいたとしても、「この先のドローを無限回飛ばします」ではなく「この先のドローをN回飛ばします」と指定しなければいけない。だが、無限から有限を引いても無限なので、どれだけ大量の数を指定して省略してもまだあと無限回残っていることになる。
その他
- Unstable現在、全カード中最大のマナレシオを有する。
- このカードの登場により、B.F.M. (Big Furry Monster)が19年間保ち続けたマジック最大のパワーの記録が、ついに塗り替えられることとなった。そして、もはや塗り替えられることはないだろう。
- Unstableが発表される3年も前に存在が仄めかされていたカード。Mark RosewaterがWeb上で「バニラの神話レアをファイルに入れた」とコメントした際、大きな反響があったそうだ[1]。
参考
- ↑ Unstable Scraps, Part 2/『Unstable』のスクラップ その2(Mark Rosewater Making Magic 2017年12月4日)