西風のスピリット/Zephyr Spirit
提供:MTG Wiki
総合的なカードパワーが非常に低いクリーチャー(→#ラヴニカ:ギルドの都の最低カード参照)。
能力を見ると、ブロックに参加するたびに手札に戻る誘発型能力を持つ。戦闘ダメージを受ける前に戻るので戦闘では破壊されにくく、タフネスは6と高いため火力でも焼かれにくい。その上、パワーが0と攻撃には不向きなことから、いわゆる壁役に適している。つまり、手札に戻っても再び戦場に出すことで、死ににくいブロッカー1体を毎ターン確保できるカードということになる。
ただし、6点というマナ・コストの重さが大きな問題。マナが揃う中盤まで役立たずで、継続的にブロックに使うには毎ターン6マナも支払う必要があり、それほどマナに余裕があるなら普通は他にやれることは多い。更には、飛行などの回避能力持ちを止められない、トランプル持ちをブロックしても戦闘ダメージは防げない、複数の攻撃クリーチャーには対応できない、などデメリットばかりが目立つ。
似たような能力を持つガラクタの壁/Wall of Junkと比較するとカードパワーの低さが顕著になる。そちらはサイズが0/7とほぼ同じにも関わらず2マナと非常に軽い。その軽さから、ゲーム序盤から守りに使え、再び唱えてもマナを圧迫しない、戦闘ダメージを受けた後に手札に戻るためトランプルも防げる、など使い道がある。防衛を持つため攻撃に参加できないにしても、西風のスピリットの方もパワー初期値は0のため大差はない。
- クリーチャー・タイプがスピリットである特性を生かすスピリットクラフトと相性は悪くはない。1回につき6マナかかるためコスト・パフォーマンス面で難があるものの、点数で見たマナ・コストを参照するカード(神河救済の麒麟サイクルなど)との併用時には逆に利点となる。
- これによってブロックされたクリーチャーは、トランプルなどが無い限り戦闘ダメージをどこにも与えることができない。そのため、梅澤の十手/Umezawa's Jitteのカウンターを乗せる能力や、魂の絆/Spirit Linkなどの能力誘発を阻止することができる。(トランプルを持っていた場合はその戦闘ダメージが全てプレイヤーに通ることになるので意味は無い。)
ラヴニカ:ギルドの都の最低カード
重さの割りに能力の旨味が少ないことから、しばしば最低のコスト・パフォーマンスといわれるカードであり、公式サイトにおいても話題になったことがある。
Chris MillarはMedium Double-Doubleでラヴニカ:ギルドの都最低のカードとして議事会の祝福/Conclave's Blessingを挙げたが、ユーザーから抗議の声や反対意見が多く寄せられたことにより3週間後にZephyr Say Zephyr Againで最低カードを再考しなくてはならなくなった。そこで最低カード候補とされたのがこの西風のスピリットである。
その記事では、本頁上述のようにスピリットクラフトとの利用や梅澤の十手/Umezawa's Jitteのカウンター増加を防ぎうる点、点数で見たマナ・コストを参照するスカージのカード群(ドラゴンエンチャントなど)との相性の良さ、更にはNow I Know My ABC'sでは議事会の祝福よりアルファベットが多いこちらが有利であること、西風のスピリットを撹乱する群れ/Disrupting Shoalの代替コストにして潮の星、京河/Keiga, the Tide Starを打ち消してやったときの対戦相手の顔が見もの、など様々な長所を(いささか無理矢理に)挙げ、実際にデッキ構築を行った。
一方、海外に限らず日本の掲示板の議論などでも、ラヴニカ・ブロック期(あるいはマジック史上)最低のカードの1つとみなされることが多々あった。青のクリーチャーの分野では、これとサプラーツォの略奪者/Saprazzan Raiderのどちらがより酷いか、と議論が交わされてもいた。しかし、総合的にはマジック史上ワーストワンクリーチャーの座はWood Elementalに譲らざるをえないようである。