ギルド門
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ギルド門/Guildgateは2色土地のサイクル。ラヴニカへの回帰およびギルド門侵犯で初登場した。
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[編集] 概要
門の土地タイプを持つタップインデュアルランド。単体ではタップインデュアルランドのほぼ同型再版だが、ラヴニカの献身現在では、門に対して不利な影響を与えるカードは旅人の外套/Traveler's Cloak(「門渡り」される)など極僅かしか存在せず、門を持つことが利益になる方が多いため(→門#関連カード)、それらのほぼ上位互換と言える。
- ショックランドの下位互換にならないコモンの2色土地として、バウンスランドに代わって作られたサイクルである[1]。
- 当時のコモンとしてはかなり強力な部類の2色土地であり、パウパーで多色デッキが非常に組みやすくなった。その後はゲインランドや橋といったより強力な2色土地が登場したことで数を減らしている。
- ドラゴンの迷路では構図が遠景になった新規イラストでサイクル10種全てが再録され、基本土地の代わりにブースターパックに封入された[2](→変則的な稀少度)。
- ラヴニカのギルドおよびラヴニカの献身でも、2種類の新規イラストで再録。一方は表に開かれた一般的なイメージの門であり、もう一方は裏通りにある秘密の入り口で取引と陰謀にあふれた場所として描かれている[3][4]。こちらでもブースターパックには基本土地の枠に封入されている。
- 統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いで登場した興隆ランドの門5種は、対応する色を含むギルド門の実質的上位互換である。
- 血染めの月/Blood Moonなどで色を選べない状態で戦場に出た場合は血染めの月を除去しても1色しか出せないままであるなど、限られた状況下では劣る。
[編集] 該当カード
ラヴニカへの回帰ブロック初出のギルド門サイクル。各ギルド/Guildに対応した色マナを生み出すマナ能力を持った、タップインの2色土地。門の土地タイプを持つ。稀少度はコモン。
- アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate(白青)
- ディミーアのギルド門/Dimir Guildgate(青黒)
- ラクドスのギルド門/Rakdos Guildgate(黒赤)
- グルールのギルド門/Gruul Guildgate(赤緑)
- セレズニアのギルド門/Selesnya Guildgate(緑白)
- オルゾフのギルド門/Orzhov Guildgate(白黒)
- イゼットのギルド門/Izzet Guildgate(青赤)
- ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate(黒緑)
- ボロスのギルド門/Boros Guildgate(赤白)
- シミックのギルド門/Simic Guildgate(緑青)
[編集] フレイバー・テキスト
ラヴニカへの回帰ブロックに収録されているギルド門サイクルの各フレイバー・テキストをよく見てみると、文字の下端が統一されておらず、いくつかの文字の位置が上にずれて印刷されていることが見て取れる。これは誤植や印刷ミスではなく、意図的に組み込まれた隠しメッセージである。
ずれている文字を抜き出し、各エキスパンションごとにギルドのタブレット/Tablet of the Guilds(イラスト)の登場順に並べると、
ラヴニカへの回帰のカード | ずれている文字 | ||||
---|---|---|---|---|---|
アゾリウスのギルド門 | t | i | f | i | |
イゼットのギルド門 | h | l | r | c | |
ラクドスのギルド門 | e | d | a | a | |
ゴルガリのギルド門 | g | s | v | ||
セレズニアのギルド門 | u | o | n | ||
ギルド門侵犯のカード | ずれている文字 | ||||
オルゾフのギルド門 | w | e | y | o | |
ディミーアのギルド門 | i | s | e | t | |
グルールのギルド門 | l | t | a | h | |
ボロスのギルド門 | l | r | c | e | |
シミックのギルド門 | d | o | h | r | |
ドラゴンの迷路のカード | ずれている文字 | ||||
アゾリウスのギルド門 | u | a | d | l | r |
オルゾフのギルド門 | n | z | a | d | n |
ディミーアのギルド門 | l | e | n | p | |
イゼットのギルド門 | e | i | d | a | |
ラクドスのギルド門 | s | s | t | c | |
ゴルガリのギルド門 | s | s | h | t | |
グルールのギルド門 | t | o | e | r | |
ボロスのギルド門 | h | l | g | e | |
セレズニアのギルド門 | e | v | u | b | |
シミックのギルド門 | m | e | i | o |
このようになり、これを左上から縦に読むと、"The guilds of Ravnica / will destroy each other / unless the maze is solved and the Guildpact reborn(ラヴニカのギルドは/互いに滅ぼし合うだろう/迷路が解かれてギルドパクトが蘇らない限り)"となる。ラヴニカへの回帰ブロックのストーリーの中心となる暗黙の迷路/The Implicit Mazeに言及した文章が隠されていたのだ。
- この隠しメッセージを語る上で、文節の区切り方と公開順の妙は外せない要素であろう。全体を通して読むと背景ストーリーに言及した文章であることが分かるが、当時のプレイヤーは(当然ながら)エキスパンションの発売ごとに一節ずつしかこの内容を知ることができなかった。ラヴニカへの回帰でこの隠しメッセージが発見された際は大きな話題にこそなったが、この時点では別段意味のある文ではなかったため、単なる開発部のユーモアか、あるいは当時名称未発表だった第3エキスパンションの名称なのではないか、などの予想が挙げられる程度だった。しかし、続くギルド門侵犯で10種のギルド門が出揃うと、「ラヴニカのギルドは互いに滅ぼし合うだろう」という不穏な文章が完成した(かに見えた)ため、背景ストーリーへと大きな関心が集まり、結末はバッドエンドで終わるのではないかという予想が各所で囁かれた。
[編集] 日本語版
これは日本語版のフレイバー・テキストにも反映されており、位置のずれた文字を同様に並べて読むと、
ラヴニカへの回帰のカード | ずれている文字 | ||
---|---|---|---|
アゾリウスのギルド門 | 義 | や | こ |
イゼットのギルド門 | る | こ | の |
ラクドスのギルド門 | ど | の | ぎ |
ゴルガリのギルド門 | の | じ | る |
セレズニアのギルド門 | み | っ | ど |
ギルド門侵犯のカード | ずれている文字 | ||
オルゾフのギルド門 | そ | た | ろ |
ディミーアのギルド門 | れ | が | ぼ |
グルールのギルド門 | ぞ | い | し |
ボロスのギルド門 | れ | を | あ |
シミックのギルド門 | が | ほ | う |
ドラゴンの迷路のカード | ずれている文字 | ||
アゾリウスのギルド門 | め | る | よ |
ボロスのギルド門 | い | ど | み |
ディミーアのギルド門 | ろ | ぱ | が |
ゴルガリのギルド門 | が | く | え |
グルールのギルド門 | や | と | ら |
イゼットのギルド門 | ぶ | が | な |
オルゾフのギルド門 | ら | フ | イ |
ラクドスのギルド門 | れ | た | か |
セレズニアのギルド門 | て | た | ギ |
シミックのギルド門 | ギ | び | り |
「義るどのみやこのじっこのぎるど/それぞれがたがいをほろぼしあう/めいろがやぶられてギるどぱくとがフたたびよみがえらなイかギり(ギルドの都の十個のギルド、それぞれが互いを滅ぼし合う。迷路が破られてギルドパクトが再び蘇らない限り。)」となる。
- 不自然なひらがな表記などはあるものの、表向きの文と隠された文の両方の意味を保ったままこの言葉遊びを取り入れることに成功しているのは、まさに名訳と言う他ないだろう。
- ただし、ドラゴンの迷路のギルド門は英語版と並び順が異なってしまっている。さすがに順序まで合わせるのは難しかったか。
- 日本語版のGathererでは、上にずれている文字は「_」で囲まれて表示されている。
- ラヴニカへの回帰版のアゾリウスのギルド門では一箇所のみ間違った箇所が「_」で囲まれている。
- この隠しメッセージの翻訳は日本語版に限らず、各言語で対応されている模様[5]。
[編集] 脚注
- ↑ on Investment, Part 3/あの世界への回帰 その3(Making Magic 2012年9月17日 Mark Rosewater著)
- ↑ Zoomed Guildgates(Feature 2013年4月17日 Trick Jarrett著)
- ↑ Opening the Guildgates/ギルド門の開放(Card Preview 2018年9月11日 Andrew Brown著)
- ↑ Ravnica Guildgate Art Descriptions(Feature 2018年9月26日 Chris Gleeson著)
- ↑ 個人サイト「Out of the Blue」(コメント欄)
[編集] 参考
- Embedding Puzzle(Making Magic 2013年5月24日 Trick Jarrett著)
- Gates Foundation/「ギルド門」のおはなし (Making Magic 2013年5月20日 Mark Rosewater著)
- 2色土地
- カードの俗称