マジックの黄金律

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'''マジックの黄金律'''/''The Magic Golden Rules''とは、[[総合ルール]] 101節に規定されている4つの基本的なルールのこと。
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'''マジックの黄金律'''/''The Magic Golden Rules''とは、[[総合ルール]] 101節に規定されている[[マジック:ザ・ギャザリング]]の4つの基本的な[[ルール]]のこと。
  
大雑把に言うと、
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大雑把に言うと、以下のようである。
#カードはルールに勝つ(例外として、[[投了]]は[[戦場]]の状況によらずいつでも可能)。
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#[[カード]]は[[ルール]]に勝つ
#「できる」「する」というルールや[[効果]]と「できない」という効果では「できない」が勝つ。
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#「できない」は「できる」に勝つ
#*これは「『できない』というルール」については適用外である。
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#実行不可能な指示は無視する
#*「できる」というルールより「できない」という効果が優先されることに関しては、「カードはルールに勝つ」というルールでも説明ができる。つまり「『できない』が勝つ」というのは効果同士のときのみ意味を持つルールであると思って差し支えない。
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#APNAP順ルール
#カードの一部が実行不可能な処理を指示していた場合、その部分は無視する。
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#[[アクティブ・プレイヤー]]が最初に選択を行い、その後[[ターン]]進行順に選択を行う(通称:'''アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール'''('''APNAP順ルール'''))。
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==解説==
#*呪文を[[唱える|唱えたり]]能力を[[起動]]したりする時に行う選択はこのルールの例外である。その場合はその呪文や能力の[[コントローラー]]から順に選択を行う({{CR|601.3b}}, {{CR|602.3b}})。
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===カードはルールに勝つ===
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[[カード]]の[[テキスト]]に書かれた内容と、[[ルール]]に記された内容が直接矛盾する場合、カードの内容が優先される。
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カードによってゲームを拡張していくという、[[マジック]]の多様性の根幹を成すルールである。
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このルールの例外として、[[プレイヤー]]はいつでも[[投了]]することができる。
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*例えば、通常は[[ライブラリー]]中のカードを[[見る]]ことはできない(→{{CR|401.2}})が、[[思案/Ponder]]の[[効果]]によって見ることができる。そういうルールである。
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*ただし、カードとルールが「直接矛盾」していない場合はこの限りではない。
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**[[土地]][[カード]]を[[プレイ]]することに関しては、いかなるカードによっても「自分の[[ターン]]にのみプレイできる」「プレイ可能な枚数の上限を超えられない」といった制限を破ることはできない。これは、そういうカードをケアしたルールが存在するためである(→{{CR|305.3}})。[[土地]]の項目も参照のこと。
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===「できない」は「できる」に勝つ===
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[[ルール]]や[[効果]]が何かについて「…する/してもよい/できる」としている場合でも、同じことについて「…できない」という効果があれば、それを行うことは'''できない'''。
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*これは「『できない』というルール」については適用外である。先述のように、「できる」とするカードがあれば、それは「できない」とするルールに勝つ。
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*「できる」というルールより「できない」という効果が優先されることに関しては、「カードはルールに勝つ」というルールでも説明ができる。つまり「『できない』が勝つ」というのは効果同士のときのみ意味を持つルールであると思って差し支えない。
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===実行不可能な指示は無視する===
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[[カード]]や[[ルール]]から指示された処理の一部が実行不可能だった場合、その部分は無視され、それ以外の実行可能な部分だけが実行される。
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無視された部分は、決して実行されたことにはならない。
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*例えば、[[手札]]にカードが1枚しかない[[プレイヤー]]に対して[[荒廃稲妻/Blightning]]を使用した場合、そのプレイヤーは3点の[[ダメージ]]を受け、カードを1枚だけ[[捨てる]]。手札にカードが無ければ、3点のダメージを受けるだけである。
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*例外として、[[ライブラリー]]が空であっても、「カードを[[引く]]」という指示は実行できる(→{{CR|119.3}})。もちろん、カードを引くことはできないのだが、これは「カードを引けない」という状態とは異なる(→[[朝の歌のマラレン/Maralen of the Mornsong]])。[[引く]]の項目も参照。
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**空のライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、[[状況起因処理]]で[[敗北]]する(→[[ライブラリーアウト]])。
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===APNAP順ルール===
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複数の[[プレイヤー]]が何かを同時に選択したり、選択が必要な処理を同時に行ったりする指示があった場合、まず[[アクティブ・プレイヤー]]が最初に選択を行い、その後[[ターン]]の進行順に各プレイヤーが選択をしていく。
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各プレイヤーは、自分より前のプレイヤーが何を選択したかを知った上で自身の選択を行える、という[[ルール]]である。
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すべてのプレイヤーの選択が終わった後に、同時に処理が行われる。
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このルールは、'''アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール'''('''APNAP順ルール''')とも呼ばれる。
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[[手札]]や[[ライブラリー]]にある[[カード]]など、[[非公開情報|非公開]]のカード群から選択をする場合、選んだ時点ではそのカードの表側は[[公開する|公開]]しない。
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[[裏向き]]のまま、どのカードを選んだかを示す。
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あるプレイヤーが複数の選択を同時に行える場合、指定がない限り、そのプレイヤーの望む順番で選択を行う。
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あるプレイヤーの選択によって、そのプレイヤーよりも前に選択を行った他のプレイヤーに新たな選択肢が生じた場合、現在のAPNAP順を完了した後にさらにAPNAP順での選択を行っていく。
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[[呪文]]を[[唱える|唱え]]たり[[起動型能力]]を[[起動]]したりする時に行う選択は、このルールの例外である。その場合はその呪文や能力の[[コントローラー]]から順に選択を行う({{CR|601.3b}}, {{CR|602.3b}})。
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[[双頭巨人戦]]では、プレイヤー単位ではなく、チーム単位で順番を組んで選択を行う(→{{CR|806.6d}})。
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*プレイヤーが2人いる[[ゲーム]]で[[狂乱病のもつれ/Delirium Skeins]]を使用した場合の例。
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*#まず、アクティブ・プレイヤーは手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
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*#次に、非アクティブ・プレイヤーが手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
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*#その後、両プレイヤーは選んだカードを同時に[[捨てる]]。
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*プレイヤーが3人いるゲームで、[[たわむか折れるか/Bend or Break]]を使用した場合の例。アクティブ・プレイヤーからターン進行順にプレイヤーA,B,Cと呼ぶ。
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*#まず、Aから順番に、自分が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している[[土地]]を2つの束に分けていく。
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*#次に、『各プレイヤーについて、[[対戦相手]]1人はどちらか1つの束を選ぶ。』という部分を処理する。
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*#最初にAが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Cを指名したとする。
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*#次にBが選択を行う。Bが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Aを指名したとする。
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*#次にCが選択を行う。Cが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」と「Aの束のどちらを[[破壊]]するか」である。Cは任意の順番で選択できる。ここでは、前者についてはBを指名したとする。
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*#APNAP順が一巡したが、一部のプレイヤーに新たな選択肢が生じたので、再度APNAP順で選択していく。
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*#この時点でAが選べるのは、「Bの束のどちらを破壊するか」なのでそれを選ぶ。
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*#続いてBが「Cの束のどちらを破壊するか」を選ぶ。
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*#これですべての選択が終わったので、『選ばれた束の土地をすべて破壊し、…』の処理に移る。
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**プレイヤーが2人の場合には、「自分の束を選ぶ対戦相手の指名」は行わないので注意。
  
 
==参考==
 
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*[[ルーリング]]
 
*[[用語集]]
 
*[[用語集]]
  
 
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2009年11月21日 (土) 17:31時点における版

マジックの黄金律/The Magic Golden Rulesとは、総合ルール 101節に規定されているマジック:ザ・ギャザリングの4つの基本的なルールのこと。

大雑把に言うと、以下のようである。

  1. カードルールに勝つ
  2. 「できない」は「できる」に勝つ
  3. 実行不可能な指示は無視する
  4. APNAP順ルール

解説

カードはルールに勝つ

カードテキストに書かれた内容と、ルールに記された内容が直接矛盾する場合、カードの内容が優先される。 カードによってゲームを拡張していくという、マジックの多様性の根幹を成すルールである。 このルールの例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる。

  • 例えば、通常はライブラリー中のカードを見ることはできない(→CR:401.2)が、思案/Ponder効果によって見ることができる。そういうルールである。
  • ただし、カードとルールが「直接矛盾」していない場合はこの限りではない。
    • 土地カードプレイすることに関しては、いかなるカードによっても「自分のターンにのみプレイできる」「プレイ可能な枚数の上限を超えられない」といった制限を破ることはできない。これは、そういうカードをケアしたルールが存在するためである(→CR:305.3)。土地の項目も参照のこと。

「できない」は「できる」に勝つ

ルール効果が何かについて「…する/してもよい/できる」としている場合でも、同じことについて「…できない」という効果があれば、それを行うことはできない

  • これは「『できない』というルール」については適用外である。先述のように、「できる」とするカードがあれば、それは「できない」とするルールに勝つ。
  • 「できる」というルールより「できない」という効果が優先されることに関しては、「カードはルールに勝つ」というルールでも説明ができる。つまり「『できない』が勝つ」というのは効果同士のときのみ意味を持つルールであると思って差し支えない。

実行不可能な指示は無視する

カードルールから指示された処理の一部が実行不可能だった場合、その部分は無視され、それ以外の実行可能な部分だけが実行される。 無視された部分は、決して実行されたことにはならない。

APNAP順ルール

複数のプレイヤーが何かを同時に選択したり、選択が必要な処理を同時に行ったりする指示があった場合、まずアクティブ・プレイヤーが最初に選択を行い、その後ターンの進行順に各プレイヤーが選択をしていく。 各プレイヤーは、自分より前のプレイヤーが何を選択したかを知った上で自身の選択を行える、というルールである。 すべてのプレイヤーの選択が終わった後に、同時に処理が行われる。

このルールは、アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルールAPNAP順ルール)とも呼ばれる。

手札ライブラリーにあるカードなど、非公開のカード群から選択をする場合、選んだ時点ではそのカードの表側は公開しない。 裏向きのまま、どのカードを選んだかを示す。

あるプレイヤーが複数の選択を同時に行える場合、指定がない限り、そのプレイヤーの望む順番で選択を行う。 あるプレイヤーの選択によって、そのプレイヤーよりも前に選択を行った他のプレイヤーに新たな選択肢が生じた場合、現在のAPNAP順を完了した後にさらにAPNAP順での選択を行っていく。

呪文唱えたり起動型能力起動したりする時に行う選択は、このルールの例外である。その場合はその呪文や能力のコントローラーから順に選択を行う(→CR:601.3b, CR:602.3b)。

双頭巨人戦では、プレイヤー単位ではなく、チーム単位で順番を組んで選択を行う(→CR:806.6d)。

  • プレイヤーが2人いるゲーム狂乱病のもつれ/Delirium Skeinsを使用した場合の例。
    1. まず、アクティブ・プレイヤーは手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
    2. 次に、非アクティブ・プレイヤーが手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
    3. その後、両プレイヤーは選んだカードを同時に捨てる
  • プレイヤーが3人いるゲームで、たわむか折れるか/Bend or Breakを使用した場合の例。アクティブ・プレイヤーからターン進行順にプレイヤーA,B,Cと呼ぶ。
    1. まず、Aから順番に、自分がコントロールしている土地を2つの束に分けていく。
    2. 次に、『各プレイヤーについて、対戦相手1人はどちらか1つの束を選ぶ。』という部分を処理する。
    3. 最初にAが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Cを指名したとする。
    4. 次にBが選択を行う。Bが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Aを指名したとする。
    5. 次にCが選択を行う。Cが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」と「Aの束のどちらを破壊するか」である。Cは任意の順番で選択できる。ここでは、前者についてはBを指名したとする。
    6. APNAP順が一巡したが、一部のプレイヤーに新たな選択肢が生じたので、再度APNAP順で選択していく。
    7. この時点でAが選べるのは、「Bの束のどちらを破壊するか」なのでそれを選ぶ。
    8. 続いてBが「Cの束のどちらを破壊するか」を選ぶ。
    9. これですべての選択が終わったので、『選ばれた束の土地をすべて破壊し、…』の処理に移る。
    • プレイヤーが2人の場合には、「自分の束を選ぶ対戦相手の指名」は行わないので注意。

参考

引用:総合ルール 20231117.0


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