Barry's Land (playtest)
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− | + | 6つ目の[[基本土地タイプ]]、'''Cloud'''を持つ第6の[[基本土地]]。[[Mystery Booster]]のルール内ではCloudを持つ[[土地]]は「(T):(◇)を加える。」を持ち、基本土地タイプを参照する[[効果]]ではCloudも含まれる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/mystery-booster-release-notes-2019-11-11 Mystery Booster Release Notes]([[Daily MTG]] 2019年11月11日)</ref>。 | |
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+ | 元々は[[インベイジョン]]期に[[版図]]([[所有地カード]])を支援するために考案された、歴史あるカード。基本土地タイプを「6つ」揃えることが可能になり、シンプルながら所有地カードとの[[シナジー]]が強力かつ面白いため幾つもの[[エキスパンション]]に入れることが検討されたが、そのたびに却下されてきた歴史を持つ。公式記事で何度も言及されていたため一部で実現を期待する声があったが、[[ゲートウォッチの誓い]]では基本土地タイプを取り除いた実質的な最終調整版とも言える[[荒地/Wastes]]が印刷された。その後、[[Mystery Booster]]の[[Mystery Booster#R&D Playtest cards|R&D Playtest cards]]にBarry's Landそのものも収録された。 | ||
− | *Barry's | + | *Barry's Landの名前は[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]創生期のテストプレイヤーである[[Barry Reich]]に由来する。[[Richard Garfield]]の依頼のもとセット開発を試みる過程で所有地カードのアイデアを思いついた人物であり、開発部では所有地カードを「Barry card」と呼んでいた。(→[[Spectral Chaos]]) |
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+ | [[多色]]をテーマとしたインベイジョンで所有地カードが検討される中、[[Mark Rosewater]]が冗談半分で上記のものをデザインした。[[R&D]]内での評価が高く一時はインベイジョンに入っていたが、[[ドメイン]]が強力になりすぎる危険性とルール上の問題が生じる可能性が指摘され、より時間をかけて考慮するため次の[[プレーンシフト]]に移された。最終的に、[[基本でない土地]]でありながら基本土地でもあるということは(当時の)ルール上機能しないと判断され、セットから除かれた。 | ||
− | + | *当時、「[[基本]]」という[[特殊タイプ]]はまだ存在していなかったことに留意。基本土地であるかどうかはルールによって定義されていた。 | |
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所有地カードが版図として復活するにあたってこのカードの復活も検討され、改められてデザインされた。 | 所有地カードが版図として復活するにあたってこのカードの復活も検討され、改められてデザインされた。 | ||
[[第8版]]で[[特殊タイプ]]として[[基本]]が設定されたことにより、以前のルール上の問題は解決されていると思われた。 | [[第8版]]で[[特殊タイプ]]として[[基本]]が設定されたことにより、以前のルール上の問題は解決されていると思われた。 | ||
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[[戦場に出る|戦場に出た]]時に基本土地に変わるという点が直感的でない上、ルール的にも不明瞭な点が多く修正されることになった。 | [[戦場に出る|戦場に出た]]時に基本土地に変わるという点が直感的でない上、ルール的にも不明瞭な点が多く修正されることになった。 | ||
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ルール上の問題は全くなくなったが、これを機能させるためには総合ルールに新たな基本土地タイプを加える必要があり、下記のものを始めとした非常に多くの[[カード]]、およびルール自体に大きな影響を与えることが明らかだった。 | ルール上の問題は全くなくなったが、これを機能させるためには総合ルールに新たな基本土地タイプを加える必要があり、下記のものを始めとした非常に多くの[[カード]]、およびルール自体に大きな影響を与えることが明らかだった。 | ||
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− | + | Barry's Landのコンセプトのうち「無色マナしか出せない基本土地」と言う要素は、ゲートウォッチの誓いに収録された[[荒地/Wastes]]によって実現した。 | |
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+ | ただし、荒地は基本土地タイプを持たないため、版図との相互作用は存在しない。 | ||
詳細は[[荒地/Wastes]]の項を参照。 | 詳細は[[荒地/Wastes]]の項を参照。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/story-barrys-land-2004-02-19 The story of "Barry's Land"](Daily MTG 2004年2月19日) |
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/whatever-happened-barrys-land-2009-02-09 Whatever Happened to Barry's Land?](Making Magic 2009年2月9日 [[Mark Rosewater]]著) |
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/land-lost-2009-10-26 Land of the Lost](Making Magic 2009年10月26日 Mark Rosewater著) |
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/solemn-oath-part-1-2015-12-28 A Solemn Oath, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016269/ 厳粛なる誓い その1](Making Magic 2015年12月28日 Mark Rosewater著) |
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/gatewatch-me-work-part-2-2016-01-18 Gatewatch Me Work, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016314/ 私の仕事をゲートウォッチ その2](Making Magic 2016年1月18日 Mark Rosewater著) | ||
+ | <references /> | ||
*[[カード個別評価:非流通カード]] | *[[カード個別評価:非流通カード]] | ||
+ | *[[カード個別評価:R&D Playtest card]] |
2024年8月9日 (金) 01:22時点における最新版
6つ目の基本土地タイプ、Cloudを持つ第6の基本土地。Mystery Boosterのルール内ではCloudを持つ土地は「(T):(◇)を加える。」を持ち、基本土地タイプを参照する効果ではCloudも含まれる[1]。
目次 |
[編集] 解説
元々はインベイジョン期に版図(所有地カード)を支援するために考案された、歴史あるカード。基本土地タイプを「6つ」揃えることが可能になり、シンプルながら所有地カードとのシナジーが強力かつ面白いため幾つものエキスパンションに入れることが検討されたが、そのたびに却下されてきた歴史を持つ。公式記事で何度も言及されていたため一部で実現を期待する声があったが、ゲートウォッチの誓いでは基本土地タイプを取り除いた実質的な最終調整版とも言える荒地/Wastesが印刷された。その後、Mystery BoosterのR&D Playtest cardsにBarry's Landそのものも収録された。
- Barry's Landの名前はマジック創生期のテストプレイヤーであるBarry Reichに由来する。Richard Garfieldの依頼のもとセット開発を試みる過程で所有地カードのアイデアを思いついた人物であり、開発部では所有地カードを「Barry card」と呼んでいた。(→Spectral Chaos)
[編集] 遍歴
[編集] インベイジョン・ブロック
非公式/非実在カード
Barry's Land土地
Barry's Landは基本土地として扱う。
(T):あなたのマナ・プールに無色マナ1点を加える。
多色をテーマとしたインベイジョンで所有地カードが検討される中、Mark Rosewaterが冗談半分で上記のものをデザインした。R&D内での評価が高く一時はインベイジョンに入っていたが、ドメインが強力になりすぎる危険性とルール上の問題が生じる可能性が指摘され、より時間をかけて考慮するため次のプレーンシフトに移された。最終的に、基本でない土地でありながら基本土地でもあるということは(当時の)ルール上機能しないと判断され、セットから除かれた。
[編集] コンフラックス
所有地カードが版図として復活するにあたってこのカードの復活も検討され、改められてデザインされた。 第8版で特殊タイプとして基本が設定されたことにより、以前のルール上の問題は解決されていると思われた。
[編集] 第一案
非公式/非実在カード
Barry's Land土地
Barry's Landは戦場にある限り基本土地タイプとして扱う。
戦場にあるときの常在型能力として基本土地タイプを得ていたため、不屈の自然/Rampant Growthによってサーチできないなどインベイジョンのものとは動作が変わっている。
戦場に出た時に基本土地に変わるという点が直感的でない上、ルール的にも不明瞭な点が多く修正されることになった。
[編集] 第二案
非公式/非実在カード
Cave基本土地 - Cave
(1)
他の基本土地と同様にルール文章がなく、ルールによってマナ能力を持たされている。極めてすっきりとしたデザインになった。
ルール上の問題は全くなくなったが、これを機能させるためには総合ルールに新たな基本土地タイプを加える必要があり、下記のものを始めとした非常に多くのカード、およびルール自体に大きな影響を与えることが明らかだった。
- 合同勝利/Coalition Victoryを唱えても、これを含めた6種類の基本土地タイプをコントロールしていない限り勝利できなくなる。
- 夢ツグミ/Dream Thrushの起動型能力でこの基本土地タイプを選択することによって、土地が無色マナしか生み出せないようにできる。
ゲーム全体への影響の大きさが懸念され、再びデザインされ直すことになった。
- Caveという土地タイプ名は後に洞窟として採用されているが、そちらは基本土地タイプではない。
[編集] 第三案
非公式/非実在カード
Incursion Zone土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
あなたのコントロールする基本土地タイプの数を数える場合、代わりにそれに1を加えた数として数える。
単純に所有地カードの効果を1増やす能力を持つことになった。効果は重複するので、例えばこれを3つコントロールしていれば部族の炎/Tribal Flamesで8点のダメージを与えることもできる。
しかしこれと相互作用するには、所有地カードのルール文章は(既にインベイジョン・ブロックで多数使われていた)「基本土地タイプ1つにつき/for each basic land type」ではなく「基本土地タイプの数/number of basic land type」という表現でなければならなかった。また、元々のBarry's Landが持っていた一見したときに感じるシンプルさが失われていると考えられたこともあり、結局収録は見送られた。
- このカードのためのイラストが完成した時にもまだ没にするかどうか決定していなかった。最終的にそのイラストは聖遺の塔/Reliquary Towerに転用された。
[編集] ゼンディカー
非公式/非実在カード
City基本土地 - City
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
ゼンディカーの開発段階では、「Manabond」と呼ばれる無色マナしか出せない土地・トークンを用いるメカニズムと共に、Barry's Landの復活が検討された。
スタンダードでの版図とのシナジーも期待されたが、肝心のManabondが没になり、またしても登場はならなかった。
[編集] ゲートウォッチの誓い
Barry's Landのコンセプトのうち「無色マナしか出せない基本土地」と言う要素は、ゲートウォッチの誓いに収録された荒地/Wastesによって実現した。
ただし、荒地は基本土地タイプを持たないため、版図との相互作用は存在しない。
詳細は荒地/Wastesの項を参照。
[編集] 参考
- The story of "Barry's Land"(Daily MTG 2004年2月19日)
- Whatever Happened to Barry's Land?(Making Magic 2009年2月9日 Mark Rosewater著)
- Land of the Lost(Making Magic 2009年10月26日 Mark Rosewater著)
- A Solemn Oath, Part 1/厳粛なる誓い その1(Making Magic 2015年12月28日 Mark Rosewater著)
- Gatewatch Me Work, Part 2/私の仕事をゲートウォッチ その2(Making Magic 2016年1月18日 Mark Rosewater著)
- ↑ Mystery Booster Release Notes(Daily MTG 2019年11月11日)