コンボデッキ

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'''コンボデッキ'''(''Combo Deck'')は、[[デッキタイプ]]の1つ。[[コンボ]]によって[[勝利]]することを目的とした[[デッキ]]の総称。
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'''コンボデッキ'''(''Combo Deck'')は、[[コンボ]]によって[[勝利]]することを目的とした[[デッキ]]の総称。[[開発部]]による[[アーキタイプ]]6つの分類のうち1つを指す。その他との比較については[[アーキタイプ]]も参照。
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==概要==
 
==概要==
大量の[[アドバンテージ]]を得ることができるか、それ自体が勝利に直結するような強力なコンボを使用する。コンボに特化することによって成功率と速度は高まるが、そのようなデッキは往々にして偏った構成になっているため、一度失敗すると何もできずに[[敗北]]することが多い。
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コンボの定義は様々だが、コンボデッキという場合、中核となるコンボはそれ自体が勝利に直結するような瞬殺型コンボか、膨大な[[アドバンテージ]]を得てほぼ勝利に準ずるようなものを指すことがほとんどである。多くのコンボデッキはコンボに特化することによって成功率と速度を高めているが、そのようなデッキは往々にして偏った構成になっているため、一度失敗したり妨害が刺さってしまうと何もできずに[[敗北]]することが多い。そのようなコンボデッキは'''[[オールイン]]'''/''All In''や'''ガラスの大砲'''/''Glass Cannon''と呼ばれる<ref>[https://articles.starcitygames.com/articles/building-a-glass-cannon/ Building A Glass Cannon]([[StarCityGames.com]] [[2012年]]10月25日 [[Gerry Thompson]]著)</ref><ref>[https://mtg-jp.com/reading/pd/0030484/ 5-0モダン・デッキ・テク](マジック日本公式サイト [[2018年]]4月9日 [[Tom Ross]]著)</ref><ref>[https://article.hareruyamtg.com/article/47467/ モダンの最前線を追い続ける](Hareruya Pros Blog [[2021年]]1月13日 [[Piotr Głogowski]]著)</ref>。
  
コンボが"失敗しても"[[コンボパーツ]]自体が単体である程度戦えるような、安定感のあるデッキは強力である。しかし、コンボの成功率が高すぎて"失敗しない"デッキは、それ以上に脅威である。
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コンボデッキの強さを決める要素は、大きく分けて「コンボ達成の速度」と「安定性」である。安定性には序盤の攻めに耐えられる防御力やカウンターが効かないなどというコンボの達成に関わるものだけでなく、[[コンボパーツ]]自体が単体である程度戦えるなどコンボが妨害されたときのアフターケアも含まれる。ある程度の速度はコンボデッキを組む上での大前提になるとして、さらに速度を維持したまま上記のような安定性をいかに高められるかが、強いコンボデッキを作る上での鍵となる。
  
稀に、高確率かつ高速で、失敗しても立て直しが利く、爆発力と安定感を兼ね備えたコンボデッキが誕生する。このようなデッキは[[トーナメント]]を荒らす原因となるため、[[キーカード]][[禁止カード]]指定などで規制される。
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しかし最も凶悪なコンボデッキは、コンボ達成の速度が異常に速いデッキである。その場合はそもそもコンボ達成までに押し切ったり、コンボを妨害する手段も非常に限られてくるので、えてして安定性も非常に高いのである。極々稀にこういった超高速コンボデッキも誕生するが、このようなデッキは[[キーカード]]の[[禁止カード]]指定などで規制される。[[トーナメント]]を荒らす要因となるのが大きな理由だが、このようなデッキは大抵自分の[[手札]][[プレイング]]のみで[[ゲーム]]が決し、"[[対戦相手]]を無視している"ため、対戦ゲームの根幹を揺るがしてしまうこともその理由である。→[[ソリティア]]
  
瞬殺コンボデッキの場合、[[対戦相手|相手]]のデッキタイプにかかわらず戦えるが、"相手を無視している"ことでもあるため、対戦ゲームとして問題があるとされる。→[[ソリティア]]
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*[[ローテーション]]のない[[フォーマット]]では、[[カードプール]]が増えるたびに新旧のカードを組み合わせたコンボが模索され、時折[[メタゲーム]]に食い込んでくるものが出現する。強力なコンボデッキが[[環境]]を固定化させてしまうことを防ぐため、[[モダン]]では3[[ターン]]目に、[[レガシー]]では2[[ターン]]目に安定して勝負を決めてしまうコンボデッキに対してキーカードを禁止するという方針がある([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/161b 参考]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/002175/ 日本語訳])。
===コンボデッキの一例===
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*より稀なケースではあるが、ゲームバランスとしては問題ないが、コンボの時間があまりに長すぎるためトーナメント運営に支障が生じるとして、キーカードが禁止された事例もある。→[[サニー・サイド・アップ]]
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==他のデッキとの相性==
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基本的にはコンボに対する妨害手段を持たない[[ビートダウンデッキ]]全般に対して強く、よほど早さに特化したデッキでもない限りは[[ライフ]]を[[削る|削り]]切られる前にコンボを達成して逆転できることが多い。逆に妨害手段である[[打ち消す|カウンター]]や[[手札破壊]]にはめっぽう弱いことが多く、よって[[パーミッション]]や[[メガハンデス]]に弱いのだが、そこまでガチガチの[[コントロールデッキ]]でなければコンボパーツを引き直して再び仕掛けることも可能。妨害した上で復帰する時間も与えてくれない[[黒コントロール]]や[[クロックパーミッション]]にはかなり相性が悪い。
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==コンボデッキの一例==
 
*[[チャネルボール]]
 
*[[チャネルボール]]
 
*[[プロスブルーム]]
 
*[[プロスブルーム]]
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*[[ペブルス]]
 
*[[ペブルス]]
 
*[[タイムリープ]]
 
*[[タイムリープ]]
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*一部の[[ロック]]デッキ
  
==コンボデッキと禁止カードの関係==
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==ウルザ・ブロック期のコンボデッキ==
過去、[[スタンダード]]において、コンボデッキが原因で禁止カードを二度生み出している。
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[[ウルザ・ブロック]]を含む[[環境]]は、特に多様なコンボデッキが存在したことで有名。[[スタンダード]]においても禁止カードが出された。
 
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===テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期、ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期===
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1998年10月、[[ウルザズ・サーガ]]が発売され、数多くのコンボデッキを生み出した。特に、[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]で大量の[[マナ]]を生み出し、[[天才のひらめき/Stroke of Genius]]で撃ち込むコンボがあまりにも強力だったため、同年12月、トレイリアのアカデミーは禁止されてしまった。
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しかし、まだ多くのコンボデッキが猛威を振るっていたため、99年3月、マジックの歴史に於いてこれまでにない枚数のカードが禁止された。その中でも[[記憶の壺/Memory Jar]]は、[[DCI]]の緊急声明による決定で、スタンダードの最速記録である。ちなみに、記憶の壺が収録された[[ウルザズ・レガシー]]は、99年2月発売である。
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*'''[[ウルザ・ブロック]]が使用可能であった頃のスタンダードの主なコンボデッキ'''
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**[[MoMa]]
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**[[カニクラフト]]
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**[[波動機リアニメイト]]
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**[[メグリムジャー]]
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**[[フリー・ホエリイ]]
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**[[ダンシング・ドレイク]]
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**[[玉虫アルター]]
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===オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期、ミラディン・ブロック+神河ブロック期===
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それから5年後の2004年2月、[[ダークスティール]]が発売された。そこに収録された[[頭蓋骨絞め/Skullclamp]][[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]のコンボが当時の[[メタ]]デッキであった[[親和 (デッキ)|親和デッキ]]に組み込まれ、[[電結親和]]が誕生し、猛威を奮った。
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[[1998年]]10月、[[ウルザズ・サーガ]]が発売され、数多くのコンボデッキを生み出した。特に、[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]で大量の[[マナ]]を生み出し、[[天才のひらめき/Stroke of Genius]]で撃ち込むコンボがあまりにも強力だったため、同年12月、トレイリアのアカデミーは禁止されてしまった。しかしまだ多くのコンボデッキが猛威を振るっていたため、[[1999年]]3月、マジックの歴史に於いてこれまでにない枚数のカードが禁止された。その中でも[[記憶の壺/Memory Jar]][[ウルザズ・レガシー]]、1999年2月発売)は[[DCI]]の緊急声明による決定で、[[創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation]]の登場までスタンダードの最速記録であった。
  
{{#card:Skullclamp}}
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;ウルザ・ブロック期の主なコンボデッキ
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*[[MoMa]]
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*[[カニクラフト]]
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*[[波動機リアニメイト]]
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*[[メグリムジャー]]
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*[[フリー・ホエリイ]]
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*[[ダンシング・ドレイク]]
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*[[玉虫アルター]]
  
その後、同年6月に頭蓋骨絞め、05年3月に電結の荒廃者を含む8枚のカードと、1年以内に9枚のカードが禁止カードに指定された。
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==脚注==
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<references/>
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[アーキタイプ]]
 
*[[コンボ]]
 
*[[コンボ]]
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*[[無限コンボ]]
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*[[チェイン・コンボ]]
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*[[1ターンキル]]
 
*[[デッキ集]]
 
*[[デッキ集]]

2023年9月23日 (土) 06:22時点における最新版

コンボデッキ(Combo Deck)は、コンボによって勝利することを目的としたデッキの総称。開発部によるアーキタイプ6つの分類のうち1つを指す。その他との比較についてはアーキタイプも参照。

目次

[編集] 概要

コンボの定義は様々だが、コンボデッキという場合、中核となるコンボはそれ自体が勝利に直結するような瞬殺型コンボか、膨大なアドバンテージを得てほぼ勝利に準ずるようなものを指すことがほとんどである。多くのコンボデッキはコンボに特化することによって成功率と速度を高めているが、そのようなデッキは往々にして偏った構成になっているため、一度失敗したり妨害が刺さってしまうと何もできずに敗北することが多い。そのようなコンボデッキはオールイン/All Inガラスの大砲/Glass Cannonと呼ばれる[1][2][3]

コンボデッキの強さを決める要素は、大きく分けて「コンボ達成の速度」と「安定性」である。安定性には序盤の攻めに耐えられる防御力やカウンターが効かないなどというコンボの達成に関わるものだけでなく、コンボパーツ自体が単体である程度戦えるなどコンボが妨害されたときのアフターケアも含まれる。ある程度の速度はコンボデッキを組む上での大前提になるとして、さらに速度を維持したまま上記のような安定性をいかに高められるかが、強いコンボデッキを作る上での鍵となる。

しかし最も凶悪なコンボデッキは、コンボ達成の速度が異常に速いデッキである。その場合はそもそもコンボ達成までに押し切ったり、コンボを妨害する手段も非常に限られてくるので、えてして安定性も非常に高いのである。極々稀にこういった超高速コンボデッキも誕生するが、このようなデッキはキーカード禁止カード指定などで規制される。トーナメントを荒らす要因となるのが大きな理由だが、このようなデッキは大抵自分の手札プレイングのみでゲームが決し、"対戦相手を無視している"ため、対戦ゲームの根幹を揺るがしてしまうこともその理由である。→ソリティア

[編集] 他のデッキとの相性

基本的にはコンボに対する妨害手段を持たないビートダウンデッキ全般に対して強く、よほど早さに特化したデッキでもない限りはライフ削り切られる前にコンボを達成して逆転できることが多い。逆に妨害手段であるカウンター手札破壊にはめっぽう弱いことが多く、よってパーミッションメガハンデスに弱いのだが、そこまでガチガチのコントロールデッキでなければコンボパーツを引き直して再び仕掛けることも可能。妨害した上で復帰する時間も与えてくれない黒コントロールクロックパーミッションにはかなり相性が悪い。

[編集] コンボデッキの一例

[編集] ウルザ・ブロック期のコンボデッキ

ウルザ・ブロックを含む環境は、特に多様なコンボデッキが存在したことで有名。スタンダードにおいても禁止カードが出された。

1998年10月、ウルザズ・サーガが発売され、数多くのコンボデッキを生み出した。特に、トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyで大量のマナを生み出し、天才のひらめき/Stroke of Geniusで撃ち込むコンボがあまりにも強力だったため、同年12月、トレイリアのアカデミーは禁止されてしまった。しかしまだ多くのコンボデッキが猛威を振るっていたため、1999年3月、マジックの歴史に於いてこれまでにない枚数のカードが禁止された。その中でも記憶の壺/Memory Jarウルザズ・レガシー、1999年2月発売)はDCIの緊急声明による決定で、創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creationの登場までスタンダードの最速記録であった。

ウルザ・ブロック期の主なコンボデッキ

[編集] 脚注

  1. Building A Glass CannonStarCityGames.com 2012年10月25日 Gerry Thompson著)
  2. 5-0モダン・デッキ・テク(マジック日本公式サイト 2018年4月9日 Tom Ross著)
  3. モダンの最前線を追い続ける(Hareruya Pros Blog 2021年1月13日 Piotr Głogowski著)

[編集] 参考

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