アヴァシン/Avacyn

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(イニストラードを覆う影)
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しかしある時、ある人間の熱心な祈りに答えて迷子を助けた直後、彼女を奇妙な感覚が襲った。周囲に敵は見当たらなかったが、それは祈りの声々を遮り、今までにない思考を紡がせた。「人の種は腐っている。」彼女はその場を離れたが、この思考をとめる事ができなかった。むしろ、全ての人間が混沌とした矛盾まみれの醜い存在であることを理解し、その思考が真実の声であると認識した。世界を浄化しなければならない。配下の天使に村を焼き払わせ、アヴァシンは大声で笑うのだった。
 
しかしある時、ある人間の熱心な祈りに答えて迷子を助けた直後、彼女を奇妙な感覚が襲った。周囲に敵は見当たらなかったが、それは祈りの声々を遮り、今までにない思考を紡がせた。「人の種は腐っている。」彼女はその場を離れたが、この思考をとめる事ができなかった。むしろ、全ての人間が混沌とした矛盾まみれの醜い存在であることを理解し、その思考が真実の声であると認識した。世界を浄化しなければならない。配下の天使に村を焼き払わせ、アヴァシンは大声で笑うのだった。
  
それからのイニストラードは大きく変化した。天使が村々を襲い、狼男の呪い黙らせは効力を失い、悪魔たちが暗躍した。しかし、狂乱しながらもアヴァシンはイニストラードの守護者であることに変わりはなかった。アヴァシンはイニストラードへの侵入者の気配を感じ取り、スレイベン大聖堂にて2人のプレインズウォーカー([[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス]]と[[タミヨウ/Tamiyo|タミヨウ]])と対決する。プレインズウォーカーたちに圧倒的な力の差を見せ付け、止めを刺す寸前、ソリンが乱入した。造物主を認識することで、アヴァシンの思考は正常化したが、同時に自身の過去の悪行に気づくこととなった。ソリンはアヴァシンを正常に戻そうとするが、彼女はソリンが「自身(アヴァシン)を守護者として完璧に造れなかった悪」と断じて襲い掛かる。
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それからのイニストラードは大きく変化した。天使が村々を襲い、狼男の呪い黙らせは効力を失い、悪魔たちが暗躍した。しかし、狂乱しながらもアヴァシンがイニストラードの守護者であることに変わりはなかった。アヴァシンはイニストラードへの侵入者の気配を感じ取り、スレイベン大聖堂にて2人のプレインズウォーカー([[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren (ストーリー)|ジェイス]]と[[タミヨウ/Tamiyo|タミヨウ]])と対決する。プレインズウォーカーたちに圧倒的な力の差を見せ付け、止めを刺す寸前、ソリンが乱入した。造物主を認識することで、アヴァシンの思考は一時的に正常化したが、同時に自身の過去の悪行に気づくこととなった。アヴァシンを正常に戻そうとするソリンに対し、彼女は「自身(アヴァシン)を守護者として完璧に造れなかったソリンこそが世界最大の悪」と断じて襲い掛かる。
  
激しい戦いの末、[[苦渋の破棄/Anguished Unmaking|アヴァシンはソリンに破壊された]]。その胸に守護者としての使命を抱きながら。
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造物主に攻撃できない制約をも狂気で塗りつぶし、激しい攻撃を仕掛けるアヴァシンであったが、ソリンとは大きな力の隔たりがあった。しかし、世界の庇護を自身の使命とするアヴァシンは、劣勢に陥ってなお、世界最大の悪たる造物主に対して徹底的な反抗を宣言する。[[獄庫/Helvault|失われた銀の牢獄]]にでも封じられない限りは全力で殺しにかかる、自身を破壊できるものなどない、と。
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それに対する答えを聞いた直後、[[苦渋の破棄/Anguished Unmaking|彼女の体は灰となっていった]]。その胸に守護者としての使命だけを残して。
  
 
==登場==
 
==登場==

2019年4月3日 (水) 23:53時点における版

アヴァシン/Avacynイニストラード・ブロックおよびイニストラードを覆う影ブロックのキャラクター。カードとしてはアヴァシンの帰還希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hopeが初出。

目次

解説

プレインズウォーカー/Planeswalkerソリン・マルコフ/Sorin Marcovによって創造された天使。女性。彼女を創り出すに際し、ソリンは自らのプレインズウォーカーとしての「大事なもの」を代償とした、と言われており、そのためか次元/Plane全体に影響を与えるほどの強大な力と、創造主のソリンを彷彿とさせる白髪黒衣の外見を持つ(イラスト1イラスト2)。

イニストラード/Innistrad人間たちを守護することが最大にして唯一の目的である。アヴァシン自身はソリンの被造物であることを理解しているが、創造目的に忠実である。ただし、仮に必要になればソリンは彼女に元の目的から外れた命令をも下せると思われる[1]

経歴

アヴァシンの誕生

数世紀もの昔、イニストラードの闇の勢力と人間勢力の均衡が崩れた。吸血鬼/Vampireたちは勢いを増して人間を食い荒らし、人類は滅亡への途を辿った。人類の絶滅はその血を糧とする吸血鬼の破滅をも意味する。この事態を憂えたソリンは次元の守護者としてのアヴァシンとその宗教を造り出した。

アヴァシンは天使たちを率いるようになった。ある日、とある大天使が悪魔の王と盟約を結ぼうとしたため、それを異端として殺害した。彼女の妹であるシガルダ/Sigardaブルーナ/Brunaギセラ/Giselaの三大天使はアヴァシンに従い、イニストラード全土の天使たちを従えたアヴァシンは、闇の勢力との戦いを加速させた。

彼女たちは吸血鬼を討ち取り、狼男/Werewolf吠え群れ/Howlpackを狩り、霊/Geistグール/Ghoulを浄化していった。やがて人類は再び繁栄し、彼女を崇めるアヴァシン教会/The Church of Avacynへの信仰はいや増していった。アヴァシンが何人もの吸血鬼を討伐したことで、その創造主であるソリンは吸血鬼の社会から忌み嫌われるようになったが、プレインズウォーカーである彼は気にも留めなかった。

デーモンの台頭とアヴァシンの消失

イニストラードにおける闇の勢力の後退は、そこに悪魔小悪魔の大軍が入り込む隙間を与えた。アヴァシンはそれぞれのデーモンを一騎打ちで討ち取ったが、やがていくら倒してもすぐに新たなデーモンが顕れることに気がついた。彼らを完全に滅ぼすことはできないと悟ったアヴァシンは「破壊し得ぬ物は縛られるであろう」というアヴァシンの誓約/Oath of Avacynと呼ばれる命を発し、デーモンを束縛する銀の首輪を作成し、彼らを教会の大聖堂の中庭にある獄庫/The Helvaultに封印した。その首輪はアヴァシンのシンボルとなり、聖職者たちや聖戦士/Catharによって広められた。

殆どのデーモンや小悪魔たちが獄庫に封印された後、かつて一度も捕らわれることのない最強のデーモンと謳われるグリセルブランド/Griselbrandが獄庫に降り立ちアヴァシンへと挑戦した。月皇/Lunarchミケウス・セカーニ/Mikaeus Cecaniや数人の側近が見守る中、その戦いは数日に及んだが、ついにアヴァシンは決死でグリセルブランドを獄庫へと追い込み、死にもの狂いのグリセルブランドの槍はアヴァシンの心臓を貫いた。跳ね返った束縛の呪文はアヴァシン自身をも捉え、両者とも獄庫に吸い込まれていった。

獄庫から大天使を解放すると心臓への傷が元で彼女が死ぬかもしれないと危惧したミケウスは、アヴァシンの幽閉の事実をこのまま機密としてとどめた。しかし時が経つにつれ、聖なる防護魔法は弱まり、天使たちは姿を見せなくなり、アヴァシンへの祈りは応えられず、人々の間にはアヴァシンが世界を見捨てたという噂が囁かれるようになっていった。

アヴァシンの帰還

グリセルブランドを追ってイニストラードを訪れたプレインズウォーカー、リリアナ・ヴェス/Liliana Vessの策略によって獄庫は破られ、多くのデーモンと共にアヴァシンは帰還した。貫かれたはずの心臓には傷ひとつなかった。彼女の天使たちは再び姿を顕し、教区の護法や僧侶たちの祝福、大魔導士たちの神聖魔法は力を取り戻した。

狼男の呪いは人間と野生の魂が余りにも強固に結びついているために、アヴァシン自身の力を持ってしても解くことはできなかったが、彼女は改心して人類の守り手となることを誓った狼男たちの呪いを組み替え、獣性と人間性を統合された高貴なるクリーチャーであるウルフィー/Wolfirへと変身させた。後に「呪い黙らせ/Cursemute」として知られるこの強力な魔法の波は、狼男だけではなくイニストラードの次元全てに及び、世界のあらゆる呪いを変化させた。

  • リリアナからの鎖のヴェール/The Chain Veilの呪いによって死に瀕していたガラク/Garrukを一時的に正気に戻し窮地を救ったのも、呪い黙らせである。
  • 呪いに関する造詣が深く、鎖のヴェールの全容を知っていた――ヴェールの持ち主にその代償として恐ろしい災いを齎すことも[2]

マジック2015―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ

ソリンの依頼でイニストラードを訪れたとあるプレインズウォーカー多元宇宙/Multiverseの各所で「プレインズウォーカー狩り」を始めたガラクを追っている彼(あるいは彼女)は、アヴァシンに情報提供を乞うた。アヴァシンはそのプレインズウォーカーに試練を課し、その力を認めた上でガラクの行方についての手がかりを与えた。

イニストラードを覆う影

アヴァシンの帰還により人間は繁栄と平和を手に入れたが、アヴァシンは変わらず人間の守護者であった。人間たちの祈りを聞き届け、必要とあらば事象に介入し、邪悪と戦う。これまでと変わらぬ日々であったが、彼女は満足していた。

しかしある時、ある人間の熱心な祈りに答えて迷子を助けた直後、彼女を奇妙な感覚が襲った。周囲に敵は見当たらなかったが、それは祈りの声々を遮り、今までにない思考を紡がせた。「人の種は腐っている。」彼女はその場を離れたが、この思考をとめる事ができなかった。むしろ、全ての人間が混沌とした矛盾まみれの醜い存在であることを理解し、その思考が真実の声であると認識した。世界を浄化しなければならない。配下の天使に村を焼き払わせ、アヴァシンは大声で笑うのだった。

それからのイニストラードは大きく変化した。天使が村々を襲い、狼男の呪い黙らせは効力を失い、悪魔たちが暗躍した。しかし、狂乱しながらもアヴァシンがイニストラードの守護者であることに変わりはなかった。アヴァシンはイニストラードへの侵入者の気配を感じ取り、スレイベン大聖堂にて2人のプレインズウォーカー(ジェイスタミヨウ)と対決する。プレインズウォーカーたちに圧倒的な力の差を見せ付け、止めを刺す寸前、ソリンが乱入した。造物主を認識することで、アヴァシンの思考は一時的に正常化したが、同時に自身の過去の悪行に気づくこととなった。アヴァシンを正常に戻そうとするソリンに対し、彼女は「自身(アヴァシン)を守護者として完璧に造れなかったソリンこそが世界最大の悪」と断じて襲い掛かる。

造物主に攻撃できない制約をも狂気で塗りつぶし、激しい攻撃を仕掛けるアヴァシンであったが、ソリンとは大きな力の隔たりがあった。しかし、世界の庇護を自身の使命とするアヴァシンは、劣勢に陥ってなお、世界最大の悪たる造物主に対して徹底的な反抗を宣言する。失われた銀の牢獄にでも封じられない限りは全力で殺しにかかる、自身を破壊できるものなどない、と。

それに対する答えを聞いた直後、彼女の体は灰となっていった。その胸に守護者としての使命だけを残して。

登場

登場カード

カード名に登場

イニストラード
アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrimアヴァシン教の僧侶/Avacynian Priestアヴァシンの仮面/Mask of Avacyn
闇の隆盛
アヴァシンの首飾り/Avacyn's Collar
アヴァシンの帰還
アヴァシンの巻物/Scroll of Avacyn
イニストラードを覆う影
アヴァシン教の宣教師/Avacynian Missionariesアヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment

フレイバー・テキストに登場

イニストラード
古えの遺恨/Ancient Grudge空翔ける雪花石の天使/Angel of Flight Alabaster、アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim、信仰の縛め/Bonds of Faithグリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand月鷺/Moon Heron金輪際/Nevermoreレインジャーの悪知恵/Ranger's Guile深淵からの魂刈り/Reaper from the Abyss大物潰し/Smite the Monstrous
闇の隆盛
大天使の光/Archangel's Light予言/Divination信仰無き物あさり/Faithless Looting 森林の好意/Favor of the Woods不浄の聖戦士/Unhallowed Cathar息吹のニブリス/Niblis of the Breath
アヴァシンの帰還
希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope、木陰の小道/Bower Passage聖戦士の進軍/Cathars' Crusade雲隠れ/Cloudshift敬虔な司祭/Devout Chaplain順風/Favorable Winds黄金夜の救い手/Goldnight Redeemerグリセルブランド/Griselbrand連携攻撃/Joint Assault真夜中の決闘者/Midnight Duelistミッドヴァストの守護者/Midvast Protector原初のうねり/Primal Surge魂の再鍛/Reforge the Soul 破滅の儀式/Rite of Ruin
イニストラードを覆う影
永遠の見守り/Always Watching、アヴァシン教の宣教師/Avacynian Missionaries、死中に活/Hope Against Hope戦闘的な審問官/Militant Inquisitor武器庫の開放/Open the Armory腕っぷし/Strength of Arms吠え群れの復活/Howlpack Resurgence苦渋の破棄/Anguished Unmakingタミヨウの日誌/Tamiyo's Journal
異界月
シガルダ教の僧侶/Sigardian Priest

イラストに登場

イニストラード
終わり無き死者の列/Endless Ranks of the Dead(ステンドグラス)
闇の隆盛
高まる献身/Increasing Devotion(石像)、鎮魂歌の天使/Requiem Angel(石像)
アヴァシンの帰還
奉仕へのいざない/Call to Serve雲隠れ/Cloudshift熾天使の聖域/Seraph Sanctuary(石像)
アヴァシンの帰還 プレリリース・カード
月銀の槍/Moonsilver Spear
イニストラードを覆う影
罪人への急襲/Descend upon the Sinful無情な死者/Relentless Dead(ステンドグラス)、アヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment、癇しゃく/Fiery Temper、苦渋の破棄/Anguished Unmaking、手掛かりトークンコレクター番号16、ステンドグラス)

登場作品・登場記事

脚注

  1. Ask Brady posted by Brady Dommermuth May 06, 2012 - 6:29PM
  2. The Hunter Cannot Pity/狩人は憐れむなかれDaily MTG、Uncharted Realms、文:Jennifer Clarke Wilkes、訳:若月繭子

参考

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