コンボデッキ
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コンボデッキ(Combo Deck)は、コンボによって勝利することを目的としたデッキの総称。開発部によるアーキタイプ6つの分類のうち1つを指す。その他との比較についてはアーキタイプも参照。
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概要
コンボの定義は様々だが、コンボデッキという場合、中核となるコンボはそれ自体が勝利に直結するような瞬殺型コンボか、膨大なアドバンテージを得てほぼ勝利に準ずるようなものを指すことがほとんどである。多くのコンボデッキはコンボに特化することによって成功率と速度を高めているが、そのようなデッキは往々にして偏った構成になっているため、一度失敗したり妨害が刺さってしまうと何もできずに敗北することが多い。そのようなコンボデッキはオールイン/All Inやガラスの大砲/Glass Cannonと呼ばれる[1][2][3]。
コンボデッキの強さを決める要素は、大きく分けて「コンボ達成の速度」と「安定性」である。安定性には序盤の攻めに耐えられる防御力やカウンターが効かないなどというコンボの達成に関わるものだけでなく、コンボパーツ自体が単体である程度戦えるなどコンボが妨害されたときのアフターケアも含まれる。ある程度の速度はコンボデッキを組む上での大前提になるとして、さらに速度を維持したまま上記のような安定性をいかに高められるかが、強いコンボデッキを作る上での鍵となる。
しかし最も凶悪なコンボデッキは、コンボ達成の速度が異常に速いデッキである。その場合はそもそもコンボ達成までに押し切ったり、コンボを妨害する手段も非常に限られてくるので、えてして安定性も非常に高いのである。極々稀にこういった超高速コンボデッキも誕生するが、このようなデッキはキーカードの禁止カード指定などで規制される。トーナメントを荒らす要因となるのが大きな理由だが、このようなデッキは大抵自分の手札とプレイングのみでゲームが決し、"対戦相手を無視している"ため、対戦ゲームの根幹を揺るがしてしまうこともその理由である。→ソリティア
- ローテーションのないフォーマットでは、カードプールが増えるたびに新旧のカードを組み合わせたコンボが模索され、時折メタゲームに食い込んでくるものが出現する。強力なコンボデッキが環境を固定化させてしまうことを防ぐため、モダンでは3ターン目に、レガシーでは2ターン目に安定して勝負を決めてしまうコンボデッキに対してキーカードを禁止するという方針がある(参考/日本語訳)。
- より稀なケースではあるが、ゲームバランスとしては問題ないが、コンボの時間があまりに長すぎるためトーナメント運営に支障が生じるとして、キーカードが禁止された事例もある。→サニー・サイド・アップ
他のデッキとの相性
基本的にはコンボに対する妨害手段を持たないビートダウンデッキ全般に対して強く、よほど早さに特化したデッキでもない限りはライフを削り切られる前にコンボを達成して逆転できることが多い。逆に妨害手段であるカウンターや手札破壊にはめっぽう弱いことが多く、よってパーミッションやメガハンデスに弱いのだが、そこまでガチガチのコントロールデッキでなければコンボパーツを引き直して再び仕掛けることも可能。妨害した上で復帰する時間も与えてくれない黒コントロールやクロックパーミッションにはかなり相性が悪い。
コンボデッキの一例
ウルザ・ブロック期のコンボデッキ
ウルザ・ブロックを含む環境は、特に多様なコンボデッキが存在したことで有名。スタンダードにおいても禁止カードが出された。
1998年10月、ウルザズ・サーガが発売され、数多くのコンボデッキを生み出した。特に、トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyで大量のマナを生み出し、天才のひらめき/Stroke of Geniusで撃ち込むコンボがあまりにも強力だったため、同年12月、トレイリアのアカデミーは禁止されてしまった。しかしまだ多くのコンボデッキが猛威を振るっていたため、1999年3月、マジックの歴史に於いてこれまでにない枚数のカードが禁止された。その中でも記憶の壺/Memory Jar(ウルザズ・レガシー、1999年2月発売)はDCIの緊急声明による決定で、創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creationの登場までスタンダードの最速記録であった。
- ウルザ・ブロック期の主なコンボデッキ
脚注
- ↑ Building A Glass Cannon(StarCityGames.com 2012年10月25日 Gerry Thompson著)
- ↑ 5-0モダン・デッキ・テク(マジック日本公式サイト 2018年4月9日 Tom Ross著)
- ↑ モダンの最前線を追い続ける(Hareruya Pros Blog 2021年1月13日 Piotr Głogowski著)