マナ・バーン
提供:MTG Wiki
マナ・バーン/Mana Burnは、フェイズの終了時にマナが残っていたことによって発生するライフの損失を意味するルール用語。基本セット2010導入時のルール変更により廃止され、現在は廃語である。
目次 |
[編集] 解説
[編集] 定義(廃止直前のルール)
フェイズの終了時に、各プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。この方法で失われたマナ1点ごとに、そのプレイヤーは1点のライフを失う。このライフの損失を「マナ・バーン」と呼ぶ。これはダメージではないので軽減はできない。また、マナ・バーンは自動的に適用されるが、これはゲームの行動(現在のターン起因処理)であり、状況起因処理ではない。
[編集] 備考
- 当時のルールでは、ステップの終了時にはマナは失われず、その消失によるマナ・バーンは発生しなかった。例えば、アップキープ・ステップにマナを出して、ドロー・ステップにそれを使うのは適正なプレイであった。リシャーダの港/Rishadan Portがある時期によく行われていた。(現在はステップ終了時にも失われる。)
- ミラージュ以降ではライフロスとして扱われていたが、それ以前はダメージとして扱われていた。この変更前では「わざとマナ・バーンを起こしてダメージ反転/Reverse Damageでライフを回復する」というようなことが可能だった。
- かつては「ターンを他のプレイヤーにコントロールされている場合、そのプレイヤーはマナ・バーンでライフを失わない」という精神隷属器/Mindslaverのための特別ルールが存在していた。
- 湧出/Upwellingはマナの損失を防ぎ、その結果、このルールを回避することができた。また、神河謀叛にマナ・バーンしないマナを発生させるカードも複数存在していた(現在ではその記述は削除されている)。
[編集] マナ・バーンに関する状況・戦術
対戦中、ウルザランドや印鑑のような、一度に複数のマナを生み出すカードを使った場合、余った分を使い切れずマナ・バーンすることはよくあった。まれに、計算違いや間抜けな行動の結果、起こしてしまうことも。日本選手権00では、小宮忠義が防御の光網/Defense Gridによる追加コストを(2)と勘違いしたためにマナ・バーンを起こした。しかし、The Finals98の準決勝最終戦では対戦相手である藤野公裕がマナ・バーンで敗北し、決勝へ駒を進めることができた。
また、対戦相手のマナ・プールにマナを加えることのできるエラダムリーのぶどう園/Eladamri's Vineyardや幽体の照明灯/Spectral Searchlightなどのカードで、積極的に相手のマナ・バーンを狙うこともできた。
- 溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forgeや原野の脈動/Pulse of the Fieldsの登場により、戦略的なマナ・バーンも見られるようになった。この場合、マナ・バーンはフェイズの終了時にしか起こらないということに特に注意が必要であった。
- 碑出告の第二の儀式/Hidetsugu's Second Riteに対処するため、意図的にマナ・バーンを発生させることもあった。
[編集] マナ・バーン廃止によって性能が変わるカード
- 陰極器/Cathodionやトレイリアのアカデミー/Tolarian Academy、マナ吸収/Mana Drainなどは、発生したマナによってライフを失わなくなったので強化された。
- 炎の編み込み/Braid of Fireのデメリットが無くなり、大幅に強化された。
- 幽体の照明灯/Spectral Searchlightや谷刻み/Valleymakerなどは、積極的に対戦相手をマナ・バーンを引き起こすことができなくなり弱体化された。エラダムリーのぶどう園/Eladamri's Vineyardも同様だが、自分へのマナ・バーンが発生しなくなる点では安定性が増えている。
- 航跡の打破者/Wake Thrasherや山脈の闘獣/Spur Grapplerなどは、マナ・バーンを気にせず土地をタップできるようになったことで強化された。
- 魔力の奔流/Power Surgeや苦痛の城塞/Citadel of Painなどは、マナ・バーンを気にせず土地をタップできるようになったことで弱体化された。
- 碑出告の第二の儀式/Hidetsugu's Second Riteは、相手がマナ・バーンで意図的にライフを調整できなくなったため強化された。
- 鏡の大魔術師/Magus of the Mirrorや溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forgeなどは、マナ・バーンで意図的に自分のライフを調整できなくなったため弱体化された。
[編集] その他
- マナ・バーンが無くなったことで、マナ基盤への除去に対応して、そのマナ基盤から(使う当てが無くても)マナを出しておくことがノーリスクのブラフとなるため、当然のプレイングになった。
- 投了の代わりにわざとマナ・バーンを起こし、自殺するプレイヤーがよくいた。マナーに厳しいプレイヤーの一部には「対戦相手に失礼だ」という意見があった。
- 漫画『デュエルファイター刃』には、コストの計算違いによってマナが残り、マナ・バーンによってライフ0となり敗北するシーンがある。
- 同名のマジックの情報誌がホビージャパンから出版されている(→マナバーン)。
- マナ・バーンの影響で堕落した魔術師の成れの果てが堕ちたる者/The Fallenである。
- 焦熱団のユルロック/Yurlok of Scorch Thrashは、マナ・バーンのルールを疑似的に復活させる能力を持つ。
- Middle School MagicやOld School Magicなど、現在でもこのルールを適用する非公式フォーマットが少数存在する。