第5版
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第5版/Fifth Edition
5番目の基本セット。 基本土地の絵違いを含む、449枚のカードが収録された過去最大の基本セット。 この枚数になったのは、第4版とクロニクルの統合を意識したため。逆に言えば、第4版+クロニクルの枚数は503枚なので、スタンダードで使える基本セット環境という意味では、これでもカードの選択肢は減っている。
アンティに関するカードと、セラの天使/Serra Angelに代表される強力なカードが多数抜かれたが、それでもボール・ライトニング/Ball Lightning、ネクロポーテンス/Necropotence、悪疫/Poxといった有名カードが収録されており今でもファンが多い。
また従来からあったカードのいくつかについて、イラストが根本的に描き直された。 例えばラッキーチャーム類など、基本セットだけにしか存在しない/しなかったカードのイラストが変更されたのは初めてのこと。 一部背景・紋様を消すといった細かい変更は以前にもあったが、根本的な変更は初めてだった。
イラスト同様、フレイバー・テキストも多くが差し替えられた。 小説やアメコミ由来のキャラクターが登場し、現実の古典文学からの引用も積極的に行われているのが特徴。
このセットの導入時(実際は直前のミラージュ導入時)に大規模なルール改正が行われ、現在使われているルールの下地ができあがった。 旧ルール、古いルールというとこの第5版ルールを指すことが多い。
- マナを出す能力はインタラプトからマナ・ソースとなり他の能力や呪文に割り込まれなくなった。
- 戦闘ダメージが定義され他のダメージと明確に区別されるようになった。
- 連鎖の中で起こったダメージやクリーチャーの強化は連鎖の終了を待つことなく、呪文が解決された時点で適用されるようになった。
- マナ・バーンはダメージではなくライフを失うことと定義された。
- プレイという用語が採用されたり、テキストの表記が「コスト:効果」となったのもここからである(ただし、起動型能力だけでなく、その呪文をプレイするための追加コストもこのように記述されていた)。
英語版・日本語版などにおいて、この版までの基本セットにエキスパンション・シンボルは記されていなかった。
- 第5版では、中国語簡体字(いわゆる北京語)版にのみ、シンボルとしてローマ数字の5(V)が記されていた。
- 簡体字版の発売は他の版に比べて遅く、第6版の発売時期に近かったことが試験的にエキスパンション・シンボルを採用した理由と思われる。
- 基本セットにペインランドが初収録された。
まだまだ日本人のカード資産が少なかった時代なのでアイスエイジにしか存在していなかったこれらのカード目当てに箱買いするプレイヤーも多かったが、史上最大の基本セットたるこの枚数が大問題。 何しろ総枚数が猛烈に多いので、目当てのレアカードどころか、コモンですら4枚コンプも難しいという有様だった。1ボックス開封してもラノワールのエルフ/Llanowar Elvesを1枚しか引けない、生命吸収/Drain Lifeは1枚も引かなかった…などという事態も日常茶飯事だった。
- 入れ替わる様にスタンダード落ちしたアイスエイジが安値で叩き売られていたのだが、実はこちらの方が総枚数は少ないので、ペインランドや道化の帽子/Jester's Capを引きたければこちらを箱買いするのも手だった。
パッケージ・イラストは
1997年3月発売。