実存
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実存/Substanceは、かつて存在した、ミラージュがMagic Onlineでリリースされる際に制定されたキーワード能力。現在は廃語である。
旧オラクル
Soar / 飛翔 (1)(青)エンチャント — オーラ(Aura)
あなたは飛翔を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。あなたがソーサリーをプレイできないときにそれをプレイした場合、それはターン終了時まで実存を得るとともに、それが実存を失ったときにそれを生け贄に捧げる。
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+0/+1の修整を受けるとともに飛行を持つ。
旧オラクル
Waylay / 要撃 (2)(白)インスタント
白の2/2の騎士(Knight)クリーチャー・トークンを3体場に出す。それらはターン終了時まで実存を得る。それらが実存を失ったとき、それらをゲームから取り除く。
解説
ミラージュ・ブロックのインスタントメントなど、一部のカードの処理のために作られた、単なるマーカーとしての能力であり、実存自体は一切効果を持たない。実存を与えるカードは、いずれも「ターン終了時まで」の期間が設けられており、実存を失ったとき(クリンナップ・ステップ時)に誘発する誘発型能力を併せ持っていた。
ミラージュがMagic Onlineでリリースされるによるルール改正で、2005年10月より採用された。その後2006年10月のエラッタで、いわゆるホワイト・ライトニングの問題を解決するために2枚のカードのオラクルが実存を用いた文章となった。
基本セット2010発売に伴うオラクル・総合ルールの更新によって、実存は廃止され、実存を用いていたカードは「次のクリンナップ・ステップの開始時」に誘発する誘発型能力を含むように変更された。
なお、印刷されたカードに実存と表記されているものは存在しない。
実存の問題点
インスタントメントの実存は常在型能力によってスタック上で得る能力だが、ここに問題があった。CR:400.7aにはスタックに置かれている間に変更された特性がパーマネントにも適用されるのは「呪文や起動型能力や誘発型能力の効果」と書かれており、効果の種類について限定していないCR:112.4と矛盾が生じていた。
導入の経緯
この能力が導入された理由は、ミラージュ時代の第5版ルールと、第6版以降のルールとで、「ターンの最後に(ターン終了時に)」と「ターン終了時まで」との処理タイミングが異なっているためである。
- 2005年10月オラクル更新
- 第5版以前では「ターン終了時まで」を処理してから「ターンの最後に」、という流れであったため、例えば上記の飛翔/Soarのような「タフネス修整のインスタントメントで、ターンの最後に生け贄に捧げられるもの」を使った場合でも、ちゃんとエンチャントされたクリーチャーからダメージが取り除かれてからインスタントメントが外れるようになっていた。
- しかし第6版ルールになるとこれが逆転し、「ターン終了時に」を処理してから「ターン終了まで」の処理に移るようになる。これだと、ダメージが取り除かれる前にインスタントメントが外れてしまい、結局クリーチャーが死んでしまって守ったことにならない、という事態が発生するようになる。
- この修正はまさにこの問題点を解決し、第5版以前の時と同様の働きをさせるようにするためのものであり、実に6年ぶりの「第5版ルールの後始末」と言える。
- しかし、同様の問題を抱えていた狡猾/Cunningについては実存が導入されず、問題が残ったままとなっていた(上述の基本セット2010発売に伴うオラクル改訂で解消)。
- 2006年10月オラクル更新
- パーマネントを「ターン終了時に」戦場から離れさせる場合、その離れさせる能力が与えられたのが終了ステップ中であれば、そのパーマネントは2ターンにまたがって戦場にいられることになるが、それでは不都合である(想定以上に強力になる)ものについて「実存を失ったときに戦場から離れさせる」というオラクルを定めることで、そのターン内で確実に戦場を離れさせられるようにした。
- 実存の導入以前は、当初のカードテキストの挙動から変更するようなオラクルを定めることで想定以上に強力な使い方ができないようにされていたが、実存の導入により当初のカードテキストの挙動を保ちつつ上記の問題も回避できるようになった。
- ホワイト・ライトニングの記事も参照。
かつて実存を持っていたカード一覧
2005年10月オラクル更新で実存を用いるようになったカード
2006年10月オラクル更新で実存を用いるようになったカード
類似の問題を抱えていたものの、実存は用いられなかったカード
詳細は各カードの記事を参照。