こじ開け/Break Open
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対戦相手の裏向きのクリーチャーを強制的に表向きにするインスタント。
変異クリーチャーの中には表向きが2/2よりパワーやタフネスが低い場合もあるし、そもそも表向きはクリーチャーでないものもいる。また裏向きのクリーチャーが変異誘発型能力持ちだったり焦熱の火猫/Blistering Firecatのような特殊な性質を持っていたりする場合なら、予期しないタイミングで表にすることで相手の計算を狂わせることができるかもしれない。
だがたいていの変異クリーチャーは表向きの方が強いし、変異誘発型能力が有効に働かない場面もそう多くはない。何よりも、相手がどのクリーチャーを裏向きにして出してきたのかわからない以上、狙ってそういう使い方をすることが不可能というのが致命的である。また対戦相手が変異クリーチャーを一切使っていなければほぼ完全に腐る点も、このカードの価値を下げていると言える。
構築・リミテッドを問わずとても使用する気にはならないカードだろう。これを使うぐらいならショック/Shockを使って、裏向きのまま死亡するか変異コストを支払って表向きになるかを対戦相手に選ばせるほうがよっぽどマシと言わざるを得ない。
- 対戦相手の裏向きのクリーチャーの正体を確認できるカード(鮮明のレンズ/Lens of Clarityなどのような直接確認できるカードや脅しつけ/Threatenなどのような裏向きのクリーチャーのコントロールを一時的に奪うカード等)との相性は良い。とはいえ上手く使える場面があるかどうかは疑問だが。無論単純に裏向きのクリーチャーの正体を確認したいだけならそれらのカードだけを使うべき。
- 蒼ざめた月/Pale MoonやDeep Waterなど、18,000 Words: The 100 Worst Magic Cards of All Time の上位カード(特に20位以内)には事実上「何もしない」というカードが多く選出されているが、これはSorrow's Pathなどと共に使った方が不利になるカードでのランクインである。
- 蒼ざめた月がそうであるように、「対戦相手に依存しすぎている」点が酷評の一因となったのかもしれない。
- 「自分のクリーチャーを対象にできればよかったのに」とよく言われる(下記コラムも参照)。
- 後に時のらせんブロックで変異が再登場した際に一瞬の瞬き/Momentary Blinkがそういう使われ方で活躍したことを思えば、自分のクリーチャーをこじ開けられてもよさそうに見えるが、オンスロート当時のパワーバランスでは危険と判断されたのだろうか。
- 予示の登場により、裏向きのクリーチャーの正体が土地、という状況が増えた。現実変容/Reality Shiftのように対戦相手に強制的に予示させるカードもあるので、このカードの存在価値も以前と比べれば幾分か増したと言える。とはいえちらつき/Flickerやその亜種などのように相手の予示クリーチャーを表向きにするのにこれより使い勝手の良いカードはいくらでもあるのだが。
関連カード
裏向きのクリーチャーを表向きにするカード
- 現実を彫る者イクシドール/Ixidor, Reality Sculptor – 起動型能力
- スカークの騒ぎ屋/Skirk Alarmist – 自分のクリーチャーのみ。起動型能力。
ストーリー
こじ開け/Break Openのイラストは、オタリア/Otariaの蛮族が変異クリーチャー/Morph Creatureを大剣で割って中からセファリッドが顔を出した場面。フレイバー・テキストによると、面倒事の解決法には熟考と力ずくがあるが、蛮族は熟考した後、大抵は力ずくを選ぶという。
中身にセファリッドが詰め込まれているかのようなイラストは、変異クリーチャーの設定に矛盾している。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはその矛盾を認めた上で、呪文の効果を比喩的に表現したものと説明した。[1]
脚注
参考
- 18,000 Words: The 100 Worst Magic Cards of All Time 第19位(Braingeyser)
- カード個別評価:オンスロート - コモン