ヘイト
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ヘイト(Hate)とは、「憎しみ」「〜を憎む」といった意味の英単語。マジックにおいては以下のような意味で用いる。
- 「敵対行為」「妨害行為」の意味。名詞的に用いることもあれば、他の単語に接続して修飾語として用いることもある。
- 1から転じて、特定の要素へ対し、環境的に「風当たりが強い/弱い」ことを「ヘイトが高い/低い」と表現することがある。
- 上述の「メタる」に似ているが、こちらは意図された対策への表現としてではなく、主に結果論的な評価で用いられる。「ヘイト(憎しみ)」という字面とは裏腹に、特定デッキやカードへの直接の対策が向けられているわけではない。そのため厳密には誤用と言えるが、シンプルかつ「巻き添え被害」のようなニュアンスが伝わりやすいのでしばしば用いられている。
- 用例1:パララクスの波/Parallax Waveが隆盛していた当時のスタンダード環境は、キッカー持ちのクリーチャー(カヴーのタイタン/Kavu Titanなど)に対するヘイトが高かった。
- 用例2:アラビアンナイトは砂漠/Desertの封入率が高いため、同セットを用いたリミテッド環境はタフネス1へのヘイトが高い。
- 上述の「メタる」に似ているが、こちらは意図された対策への表現としてではなく、主に結果論的な評価で用いられる。「ヘイト(憎しみ)」という字面とは裏腹に、特定デッキやカードへの直接の対策が向けられているわけではない。そのため厳密には誤用と言えるが、シンプルかつ「巻き添え被害」のようなニュアンスが伝わりやすいのでしばしば用いられている。
- 多人数戦において、プレイヤーが狙っている/プレイヤーから狙われている度合いを表す用語。
本項では主に3について解説する。
解説
多人数戦において、あるプレイヤーから見てプレイヤーを狙うかを決める際の度合い、あるいはプレイヤー自身が他のプレイヤー全体からどれだけ狙われているかの度合いをヘイトまたはヘイト値と呼ぶ。
例えば、プレイヤーA、B、Cの3人がいて、プレイヤーAが他のプレイヤーに恨まれるような行動(プレイヤーAを狙いたくなる行動)をとった場合は「Aのヘイトが上がる」「Aにヘイトが集まる」などと表現する。また、狙われる側ではなく狙う側を指して「BやCのヘイトを上げる」と表現されることもある。
統率者戦などに代表される、複数の対戦相手が存在する無差別戦では特に重要となる概念。無差別戦では、序盤の間こそ文字通り「無差別」な戦いだが、ゲームが進んでいくにつれプレイヤー間のパワーバランスが崩れると、結果として「一対多」の戦いになることが珍しくない。早い段階から別の対戦相手同士で結託されると大きく不利になることは明白であるため、ヘイトを無闇に上げないように(それでいて勝者になれるよう虎視眈々と)行動することは重要なテクニックの一つである。
アドバンテージなどと異なり明確に数値化できる概念ではないため、ヘイト管理の手法も様々。無差別戦の醍醐味でもある政治的な駆け引きによって矛先をそらすのが常套手段だが、見かけの脅威度を低く保つ(あからさまに危険に見えるコンボパーツは先出しせず温存するなど)、対戦相手にも恩恵のあるカードを効果的に使う(秘儀の否定/Arcane Denialなど)といった、プレイングやデッキ構築の面でもやりくりすることが可能。逆に闇の腹心/Dark Confidantを出していたら即死コンボのパーツがめくれてしまったなど、意図せずにヘイト値が上がってしまうこともしばしば。
- これにより多人数戦では各プレイヤーが消極的になりすぎることがあるため、多人数戦向けセットコンスピラシーのシリーズでは廃位や統治者など積極的な攻撃の動機付けをするシステムを導入している。
- MMORPGなどにおける、敵NPCが狙うプレイヤーの優先順位を決める際に用いるパラメータ(たいてい非表示)が語源。基本的に対人戦であるマジックではこのパラメータを数値化できないものの、狙われている度合いを表すのにうってつけな表現であるため、日本のマジック界隈でも使われるようになった。
関連リンク
- 射場本正巳の「カジュアルマジックのススメ」 第2回:ヘイトが上がるとゲームが変わる? (ウィザーズ社日本公式ウェブサイト、文:射場本正巳)