ブラストダーム/Blastoderm
提供:MTG Wiki
クリーチャー — ビースト(Beast)
被覆(このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない。)
消散3(このクリーチャーは、その上に消散(fade)カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それから消散カウンターを1個取り除く。できない場合、それを生け贄に捧げる。)
ファイアーズをはじめとする、当時のスタンダードにおける緑系デッキの主力クリーチャーの1つ。
4マナ5/5で除去耐性持ちは当時としては破格の性能。被覆が逆に強化できないというデメリットになりうる、消散で基本的に3回しか殴れない、と言った欠点もあり、特に後者は大きなネックとされていたが、このサイズのクリーチャーともなればそう何度も殴らずとも勝利できるだろうし、さもなければすぐに除去なり強引な相討ちなりで墓地送りにされるため、生存期限は(もちろん欠点ではあるが)意外と気にならない。鶴田慶之は公式ハンドブックにて「では、全盛期のアーナム・ジン/Erhnam Djinnは何回攻撃したというのか?」と、過去の優秀クリーチャーを引き合いに出してその点を強調していた。
当時のスタンダード、エクステンデッドなどで、ビートダウン、コントロール問わず活躍していた。使い捨てクリーチャーと割り切ってそのまま使われることもあれば、限られた生存期間をフル活用できるように工夫して使う、あるいは何らかの形で再利用するギミックが組まれることも多い。
例としては、アングリーノンハーミットでは除去耐性のあるアタッカーとしてそのまま使われた一方、ファイアーズではヤヴィマヤの火/Fires of Yavimayaによる速攻付加や、シヴのワーム/Shivan Wurmなどの開門能力での回収、火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuによるブロッカーの排除など、デメリットを軽減するシナジーが多数盛り込まれた。またマスクス・ブロック構築では黒の各種除去を豊富に積んでブロッカーを徹底排除するスナフ・オ・ダームが成立した。
コモンであるため、リミテッドでの影響力も高い。チャンプブロックなどを強制させ、アドバンテージを得ることもできるだろう。パウパーでも初期は緑系ビートダウンやクロック・パーミッションにて、前者はそのまま使い捨てで、後者は夢で忍び寄るもの/Dream Stalkerや忍術によるバウンスで回収して使い回されて活躍していた。しかし新しいクリーチャーの参入や環境の変化により、現在のパウパーでは見かけることは少なくなっている。
- その活躍ぶりは、一時期のスタンダードにおいて「ダームを止められる」というのが大きなステータスになったほど。再生持ち、プロテクション(緑)持ち、タフネス6以上のクリーチャーなど、消散が切れるまで凌げるだけでも重宝された。
- また、当時の青使いには「ダームは1匹は通せ」という格言まで生まれた。消散のおかげで15ダメージで済んだためである。ただし前述のヤヴィマヤの火の登場によって1匹も通せなくなることもあった。
- 2005年4月のフライデー・ナイト・マジックで、プロモーション・カードになった。
- ガラクvsリリアナにNils Hammによる新規イラストで収録された。
- 次元の混乱にて、白のカルシダーム/Calcidermとしてタイムシフト。そちらはアンコモンになっており、パウパーで使用することはできない。
- Vintage Masters再録時にはカルシダームの後を追うように、自身もアンコモンに格上げされた。
ストーリー
ブラストダーム/Blastodermはラース/Rathに生息する体長10メートルを超える大型の獣(イラスト)。黄褐色の胴と尾を有し、群青色の四肢に、物を掴める指がそれぞれ3本、頭部・顔面は白く、突き出た下あごに発達した牙2本、後頭部は板状に張り出している。
背部一面や足の一部はパララクス/Parallaxの影響によりまるで泡立っているかのような状態(→パララクス/Parallax#パララクスと消散参照)。ただし、はじける子嚢/Saproling Burstのイラスト右下を考慮すると、背中の“泡立ち”は苗木の詰まった“嚢”との解釈も成り立つ。
一方、シャンダラー/Shandalarを舞台とした設定のデュエルデッキでも登場している。外見はラースのものより丸みを帯び、体色は緑がほぼ全体を占めている(イラスト)。
- 「Blastoderm」は「blast-(胚・卵子・芽、発芽する・芽生える)」と「-derm(皮膚)」による合成語。「(パララクス効果で泡立ち)胚のように分裂を繰り返しているような皮膚を持つ者」あるいは「苗木が芽生える皮膚を持つ者」くらいの意か。一方、「Blastoderm」は発生学では「胚盤葉」のことを指す。