ファイレクシアの油/Phyrexian oil
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'''ファイレクシアの油'''/''Phyrexian oil''とは[[ファイレクシア/Phyrexia]]によってもたらされる物質。 | '''ファイレクシアの油'''/''Phyrexian oil''とは[[ファイレクシア/Phyrexia]]によってもたらされる物質。 | ||
+ | ==解説== | ||
− | 「油」と呼ばれる通り、黒くぎらつく油状の液体。その正体は、[[ファイレクシアン|ファイレクシア人]]の体内から分泌される黒い膿漿(Ichor)である。 | + | 「油」と呼ばれる通り、黒くぎらつく油状の液体。その正体は、[[ファイレクシアン|ファイレクシア人/Phyrexian]]の体内から分泌される黒い膿漿(Ichor)である。 |
触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。 | 触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。 | ||
− | ''' | + | '''油'''/''oil''という名称ゆえか、[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]の力に対してはその侵食力が弱まり、”灯を持つ者”即ち[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]やその素質を持つ者たちは油に対して抵抗力を持つ。[[トレイリア/Tolaria]]に出来た[[時の裂け目/Time Rift]]の修復の際、プレインズウォーカーの灯を失ってしまった[[カーン/Karn]]が後に油に侵されてしまった事象や、油に侵されたカーンが[[ヴェンセール/Venser]]の灯の力をもって油の呪縛から[[解放された者、カーン/Karn Liberated|解放された]]のも、油の持つこの弱点が原因とされる。 |
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+ | 特に[[大修復/The Mending]]以前におけるプレインズウォーカーは[[多相の戦士/Shapeshifter_(ストーリー)|シェイプシフター/Shapeshifter]]の力を持つためファイレクシア化の影響を受けなかった。大修復によりプレインズウォーカーの在り方が変わって以降この法則は当てはまらなくなったが、それでも魂のないファイレクシア人は依然としてプレインズウォーカーになれず、プレインズウォーカーをファイレクシア化して魂を奪えばプレインズウォーカーとしての能力も失う……はずであった。 | ||
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+ | [[神河/Kamigawa]]で[[ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias]]が行った研究により、ついにファイレクシアはプレインズウォーカーをその灯を残したまま「[[完成化|完成/Complete]]」させる術を身に着けてしまった。もはやプレインズウォーカーですら、油の侵食から逃れることはできないのだ。 | ||
汚染・浸食の力を持つ油とは対照的に、退魔・浄化・加護・癒し等の聖なる力を持つ[[白マナ]]の力に対しては、その効力が弱まる。また、油を燃やす火の力を有した[[赤マナ]]の力に対しても、侵食・汚染の進行速度が減速する。[[白青黒赤緑|5色]]の太陽が輝く[[ミラディン/Mirrodin]][[次元/Plane]]に対するファイレクシアの侵略([[ミラディンの傷跡ブロック]])において、[[白]]と[[赤]]の2色に対するファイレクシア陣営の侵攻(※[[セット]]毎に増加していった[[Φ]]マークの[[透かし]]入り[[カード]]の増加枚数)が、他の[[青]][[黒]][[緑]]の3色と比較して遅いものであったのも、この性質の為である。 | 汚染・浸食の力を持つ油とは対照的に、退魔・浄化・加護・癒し等の聖なる力を持つ[[白マナ]]の力に対しては、その効力が弱まる。また、油を燃やす火の力を有した[[赤マナ]]の力に対しても、侵食・汚染の進行速度が減速する。[[白青黒赤緑|5色]]の太陽が輝く[[ミラディン/Mirrodin]][[次元/Plane]]に対するファイレクシアの侵略([[ミラディンの傷跡ブロック]])において、[[白]]と[[赤]]の2色に対するファイレクシア陣営の侵攻(※[[セット]]毎に増加していった[[Φ]]マークの[[透かし]]入り[[カード]]の増加枚数)が、他の[[青]][[黒]][[緑]]の3色と比較して遅いものであったのも、この性質の為である。 | ||
*[[Doug Beyer]]は、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。 | *[[Doug Beyer]]は、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。 | ||
− | **[[ヨーグモス/Yawgmoth]]のシンボルである「苦痛の仮面」([[アポカリプス]]の[[エキスパンション・シンボル]])にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する] | + | **[[ヨーグモス/Yawgmoth]]のシンボルである「苦痛の仮面」([[アポカリプス]]の[[エキスパンション・シンボル]])にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:[https://web.archive.org/web/20150611013113/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する] |
*[[ミラディン・ブロック]]において[[メムナーク/Memnarch#ストーリー|メムナーク/Memnarch]]が乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続く[[ミラディンの傷跡ブロック]]では、ファイレクシアの油により[[ミラディン/Mirrodin]]が侵食されゆく様が描かれている。 | *[[ミラディン・ブロック]]において[[メムナーク/Memnarch#ストーリー|メムナーク/Memnarch]]が乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続く[[ミラディンの傷跡ブロック]]では、ファイレクシアの油により[[ミラディン/Mirrodin]]が侵食されゆく様が描かれている。 | ||
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/terms-engagement-2010-09-22 The Terms of Engagement] / [http://web.archive.org/web/20160329135421/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010032/ 約束の時(Internet Archive)] (Savor the Flavor [[2010年]]9月22日 [[Doug Beyer]]著) | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/terms-engagement-2010-09-22 The Terms of Engagement] / [http://web.archive.org/web/20160329135421/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010032/ 約束の時(Internet Archive)] (Savor the Flavor [[2010年]]9月22日 [[Doug Beyer]]著) | ||
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/infectiously-phyrexian-art-2010-11-02 Infectiously Phyrexian Art]/[https://web.archive.org/web/20150611013113/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する(Internet Archive)](Savor The Flavor 2010年11月3日 Doug Beyer著) | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/infectiously-phyrexian-art-2010-11-02 Infectiously Phyrexian Art]/[https://web.archive.org/web/20150611013113/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する(Internet Archive)](Savor The Flavor 2010年11月3日 Doug Beyer著) | ||
+ | *[https://markrosewater.tumblr.com/post/674585507821404160/will-there-be-an-explanation-about-how-phyrexians Will there be an explanation about how Phyrexians]([[Blogatog]] [[2022年]]1月27日 [[Mark Rosewater]]著 プレインズウォーカーと油について) | ||
*[[ファイレクシア/Phyrexia]] | *[[ファイレクシア/Phyrexia]] | ||
*[[背景世界/ストーリー用語]] | *[[背景世界/ストーリー用語]] |
2022年4月4日 (月) 22:30時点における版
ファイレクシアの油/Phyrexian oilとはファイレクシア/Phyrexiaによってもたらされる物質。
目次 |
解説
「油」と呼ばれる通り、黒くぎらつく油状の液体。その正体は、ファイレクシア人/Phyrexianの体内から分泌される黒い膿漿(Ichor)である。
触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。
油/oilという名称ゆえか、プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkの力に対してはその侵食力が弱まり、”灯を持つ者”即ちプレインズウォーカー/Planeswalkerやその素質を持つ者たちは油に対して抵抗力を持つ。トレイリア/Tolariaに出来た時の裂け目/Time Riftの修復の際、プレインズウォーカーの灯を失ってしまったカーン/Karnが後に油に侵されてしまった事象や、油に侵されたカーンがヴェンセール/Venserの灯の力をもって油の呪縛から解放されたのも、油の持つこの弱点が原因とされる。
特に大修復/The Mending以前におけるプレインズウォーカーはシェイプシフター/Shapeshifterの力を持つためファイレクシア化の影響を受けなかった。大修復によりプレインズウォーカーの在り方が変わって以降この法則は当てはまらなくなったが、それでも魂のないファイレクシア人は依然としてプレインズウォーカーになれず、プレインズウォーカーをファイレクシア化して魂を奪えばプレインズウォーカーとしての能力も失う……はずであった。
神河/Kamigawaでジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxiasが行った研究により、ついにファイレクシアはプレインズウォーカーをその灯を残したまま「完成/Complete」させる術を身に着けてしまった。もはやプレインズウォーカーですら、油の侵食から逃れることはできないのだ。
汚染・浸食の力を持つ油とは対照的に、退魔・浄化・加護・癒し等の聖なる力を持つ白マナの力に対しては、その効力が弱まる。また、油を燃やす火の力を有した赤マナの力に対しても、侵食・汚染の進行速度が減速する。5色の太陽が輝くミラディン/Mirrodin次元/Planeに対するファイレクシアの侵略(ミラディンの傷跡ブロック)において、白と赤の2色に対するファイレクシア陣営の侵攻(※セット毎に増加していったΦマークの透かし入りカードの増加枚数)が、他の青黒緑の3色と比較して遅いものであったのも、この性質の為である。
- Doug Beyerは、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。
- ヨーグモス/Yawgmothのシンボルである「苦痛の仮面」(アポカリプスのエキスパンション・シンボル)にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:ファイレクシアのアートは感染する
- ミラディン・ブロックにおいてメムナーク/Memnarchが乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続くミラディンの傷跡ブロックでは、ファイレクシアの油によりミラディン/Mirrodinが侵食されゆく様が描かれている。
登場カード
イラスト
- ぎらつく油/Glistening Oil (イラスト)
- 汚れ/Befoul(ウルザズ・サーガ) (イラスト)
- 汚物の雨/Rain of Filth (イラスト)
- 汚染/Contamination (イラスト)
- 快活な守備兵/Sanguine Guard (目元から流れ落ちる黒い線)
- 汚れた一撃/Tainted Strike (イラスト)
- 着実な進歩/Steady Progress (イラスト)
- ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine (口元から飛ぶしぶき)
- 容赦無い潮流/Inexorable Tide (イラスト)
- 胆液の鼠/Ichor Rats (目から流れる黒い液体)
- モリオックの肉裂き/Moriok Reaver (目から流れる黒い液体)
- 嚢胞抱え/Cystbearer (口から滴る黒い液体)
- その他多数
フレイバー・テキスト
生暖かい油の雨が我が頬をつたう。もはや、ファイレクシアに入ったことは明白であろう。
― ジャーシルの日記(出典:Gate to Phyrexia)
雨が降ったと私は言ったが、小さな水の粒が落ちてきたという意味ではない。ベトベトに油っぽいよだれのようなものが、天から降り注いできたのだ。
― ウルザの日誌(出典:汚物の雨/Rain of Filth)
土地はそれに触れられるとたちまち腐り果てた。一瞬のうちに、油ぎった胆汁と化した。
― 大天使レイディアント
焚き火のそばへチータがくわえて運んできたギトギトした死骸を見て、スクイーは言った。「おいらたちに食べさせたいんじゃないかな」
(出典:有角チータ/Horned Cheetah)
その根は、清流の水を吸うのと同じように、ファイレクシア兵のどす黒い血を吸うことも好む。
油が一滴でもあるかぎり、喜びに満ちた業は続く。
ほんの一滴のぎらつく油は、ロクソドン並みの断固たる魂すら、救いようが無いほど汚してしまう。
「あの奇妙な油がまた……いや、何でもないな。」
遥か昔の侵略兵器であるぎらつく油は、数え切れない程の残虐行為の設計図を内に抱えている。
油はマイコシンスを生み出した。 マイコシンスは新ファイレクシアを生み出した。
「油と屍気の統合は数多くの喜ばしき反応を生み出している。」
― 囁く者、シェオルドレッド
オキシダ連峰がメフィドロスと混じりあう場所では、油の染みた金属が砕け、黒ずんだ壁の骨格だけを残す。
ヴォリンクレックスには大々的な計画など無かった。 生物を価値ある捕食者に進化させるのは、油がやってくれたことだ。
彼らがちらつき蛾から集めた血清は、魔女エンジンの継ぎ目の油になった。
(出典:血清掻き/Serum Raker)
ファイレクシアの油に耐えうるミラディンの生物にとっては、歯ごたえのある食べ物が大量に増えただけのことだ。
(出典:オオアゴザウルス/Gnathosaur)
参考
- The Terms of Engagement / 約束の時(Internet Archive) (Savor the Flavor 2010年9月22日 Doug Beyer著)
- Infectiously Phyrexian Art/ファイレクシアのアートは感染する(Internet Archive)(Savor The Flavor 2010年11月3日 Doug Beyer著)
- Will there be an explanation about how Phyrexians(Blogatog 2022年1月27日 Mark Rosewater著 プレインズウォーカーと油について)
- ファイレクシア/Phyrexia
- 背景世界/ストーリー用語