カカシ
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カカシ/Scarecrowとは、クリーチャー・タイプの1つ。鳥や獣よけに畑に置く人形の一種だが、マジックでは自律して動くクリーチャーである。
アーティファクト クリーチャー — カカシ(Scarecrow)
絵描きの召使いが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
戦場に出ていないすべてのカード、呪文、パーマネントはそれの他の色に加えて選ばれた色である。
伝説のアーティファクト クリーチャー — カカシ(Scarecrow)
((2/白)は任意の2マナか(白)で支払うことができる。このカードのマナ総量は10である。)
あなたがコントロールする他のカカシ(Scarecrow)・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
他のカカシがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
クリーチャー・タイプ大再編で新設されたクリーチャー・タイプ。Scarecrowとわら人形の兵士/Straw Soldiersがこのタイプとなり、その後シャドウムーア・ブロックで大々的に数を増やした。ゴシック・ホラーの世界観を持つ次元/Plane・イニストラード/Innistradを扱ったイニストラードおよびイニストラードを覆う影ブロックでも登場したほか、以降も時折新種が追加されている。モダンホラーをテーマとしたダスクモーン:戦慄の館でも数を増やした。
多くが無色のアーティファクト・クリーチャー。ただし刈り取りの王/Reaper Kingは5色クリーチャーでもあり、有色アーティファクトが常盤木扱いになったダスクモーン:戦慄の館では有色のアーティファクト・クリーチャーとして登場する。初期のわら人形の兵士/Straw Soldiersのみ非アーティファクト・クリーチャーである。
Scarecrowや片目のカカシ/One-Eyed Scarecrowはフレーバーに沿ったアンチ飛行の能力を持つ。シャドウムーア・ブロックに登場するカカシはブロックのテーマにそって色を参照する能力を持ったものが多い。ダスクモーン:戦慄の館及びダスクモーン:戦慄の館統率者デッキでは昂揚をテーマとしている。
タイプ的カードとして、ロード的存在の刈り取りの王/Reaper King、カカシをコストにドローする婆カカシ/Scarecrone、対策カードのボガートの放火魔/Boggart Arsonistsが存在する。
カカシ・トークンを生成するカードは、ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキの計略で無色の4/4のアーティファクト・クリーチャー・トークンを生成するカードが幾つか存在する。
伝説のカカシは刈り取りの王、群れの巣人/The Swarmweaver、軋む巣、引き裂き口/Rendmaw, Creaking Nestの3体。
- シャドウムーアの開発段階にて、カカシを登場させるアイディアは早い段階から出ていたが、初めはカカシだけでなくゴーレムや構築物など他のアーティファクト・クリーチャーもある程度登場させるという案もあった[1]。ちなみにシャドウムーア・ブロックのカカシでないアーティファクト・クリーチャーは祭壇のゴーレム/Altar Golemだけである。
- イニストラード・ブロックでは主要クリーチャー・タイプの1つにする事も計画されていたが、最終的に片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow1枚のみの収録となった[2]。イニストラードを覆う影ブロックではより多くのカカシが登場しているが、タイプ的カードなどが作られるまでには至っていない。
ストーリー
カカシとは作物を荒らす動物を追い払うために、田畑に置く仕掛けのこと。漢字で書くと「案山子」。人型のイメージが強いが、それ以外にも巨大な目玉の形をしたものなどがある。その起源は、獣の肉や人間の毛髪を焼き、その悪臭で動物を追い払う「かがせ」であると言われている。カカシという名前もかがせが転じたものと考えられている。
日本ではのどかな田舎の風景や久延毘古神信仰等の民間習俗からカカシには明るいイメージが伴う傾向があるが、英語のScarecrowは、そのまま「Scare(恐怖させる)」+「crow(カラス)」であり、「カラスを恐怖させる者」という意味。その言葉通り、欧米圏では不気味でおどろおどろしいデザインのカカシが作られることも多い。フィクションにおいても、DCユニバース・マーヴルユニバース共々に「スケアクロウ」という名前のヴィランが登場する(それぞれ別個の存在)、スティーブン・キングの怪奇小説「トウモロコシ畑の子どもたち」にはカカシをモデルとした邪神が登場するなど、『恐怖の象徴』として扱われる場合がある。一方で、「カカシはお金を呼び寄せる」という民間通念や、民話や「オズの魔法使い」等で培われた『幸運の象徴』というイメージも混在している模様である。
- シャドウムーア/Shadowmoor
- シャドウムーアのカカシの大部分は、キスキン/Kithkinの纏め鍛治によって単純な農作業を行わせるために作られたものである。纏め鍛治はその材料を骨と木材の切れ端だけに惜しみ、それが理由で彼らは不恰好な動きしかできない。最初のカカシ職人はツリーフォークの死骸をその材料に使い、それに込められた怒りが彼らの動きを歪ませているとも云う者もいる。
- 時が経ち農夫が立ち去るかいなくなった後もカカシ達は残された。彼らの幾つかは意図された仕事を続けているが、受け取る者のいない彼らの行動は奇怪で不穏なものに映るだろう。穀物を刈り取るために作られたカカシが闇の中から表れ、鎌の腕を振り上げがらんどうの目であなたが収穫時期かどうか見定めている姿は脅威にしかならない。
- そして、彼らの主は、「Reaper King」。この言葉は欧米圏では「死神」と同義となっており、クリエイティブ・チームがシャドウムーアのカカシたちに込めたかったイメージを極めて端的に表していると言える。
- ダスクモーン/Duskmourn
- ダスクモーンのカカシは元は人型種族だった者が姿を変えた木人/Wickerfolkである。
関連リンク
- You Can't Handle the Reaper King(Savor The Flavor 2008年4月16日 Doug Beyer著)
- Tales Grim and Ghostly (Internet Archive)/物語は陰鬱に始まる (Internet Archive)(シャドウムーア特設ミニサイト)
- The Deepening Shadowmoor(Feature 2008年3月31日 Rei Nakazawa著)
- 深まるシャドウムーア (Internet Archive) (タカラトミー、The Deepening Shadowmoorの日本語訳)
- こぼれ話:『イニストラードを覆う影』 その2/Odds & Ends: Shadows over Innistrad, Part 2(Making Magic 2016年4月18日 Mark Rosewater著)
脚注
- ↑ You Can't Handle the Reaper King(Feature 2008年4月16日 Doug Beyer著)
- ↑ こぼれ話:『イニストラードを覆う影』 その2/Odds & Ends: Shadows over Innistrad, Part 2(Making Magic 2016年4月18日 Mark Rosewater著)