フェアリー/Faerie

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フェアリー/Faerieは種族の一つ。様々な次元/Planeに棲息する。

目次

解説

妖精という言葉から来る一般的なイメージと同じく、昆虫の羽根を持つ小型の人型種族であることが多い。鮮やかな青や黄色など、人間/Humanとはかけ離れた肌の色を持つ傾向にある。

日本語版では「妖精」と訳されることもある。スプライト/Spriteやピクシー/Pixieの名を冠するものも多い。

自然豊かな場所だけでなく、ラヴニカ/Ravnicaニューカペナ/New Capennaといった都会にも棲息が確認されている。

ドミナリア

ドミナリア/Dominariaではアルゴス/Argothに羽根のないフェアリーが棲息している(イラスト)。その他、次元/Plane全体で見れば羽根を持つ一般的なフェアリーもいる。

重要人物

ウルグローサ

ウルグローサ/UlgrothaではThe Great Wood(大森林)にWillow Faerie(ウィロー・フェアリー)など多くのフェアリーが住んでいる(イラスト)。これらは大森林の化身オータム・ウィロウ/Autumn Willowにより創造されたものとされている。

ローウィン

ローウィン/Lorwynのフェアリーは、羽根だけでなく脚も昆虫を思わせるフォルムをしている。そのほとんどは身長1フィート(約30cm)ほどしかないが、高い機動力を持つ(イラスト)。妖精/Faeと表記されることもある。

この次元/Planeにおいて、フェアリーほど普遍的で神秘的な種族はいない。彼らはゴシップ、気晴らし、そして愉快な陰謀を追い求め、短く儚い命を謳歌している。小心で見栄っ張りなフェアリーは、まるで遊び好きの子供のようだ。彼らは楽しいことが大好きで、気の向くままに行動する。しかし彼らは無配慮な残虐性を持ち、気まぐれで、執念深いこともある。フェアリーを研究することは外の次元から来た者にとっては満足いくものになるだろうが、同時に苛立たしく危険なものにもなりうる。

フェアリーは徒党/Cliqueと呼ばれる、3~6人ほどのグループで旅をする。フェアリーの起源は不明だが、彼らは謎めいた妖精の女王、ウーナ/Oonaに仕えていると主張している。ウーナの姿を目撃したものはおらず、ほとんどの種族は彼女が神話上の存在であると考えている。

彼らは妖精の輪/Faerie Ringを使い、次元内を瞬間移動することが可能である(この特性は、ゲーム上では瞬速として表現されている)。

夢の収穫

フェアリーは夢を見ないと言われているが、それならば彼らが他人の夢を盗むことに時間を費やすのも説明がつく。フェアリーは盗んだ夢を精製し、輝くエネルギーにして持ち去る――まるでミツバチが花粉を運ぶように。

眠っている巨人/Giantから夢のエネルギーを刈り取る姿は、ローウィンを訪れたプレインズウォーカー/Planeswalkerができる最もユニークな体験の一つだ(イラスト)。巨人は巨大な夢を見るため、フェアリーのお気に入りの獲物である。巨人から取れた夢の物質を運ぶフェアリーは、独特のよろめいた飛行パターンを見せる。

フェアリーがどのような目的で夢を集めるのかは多くの者には知られていないが、実際は彼らの女王ウーナに献上され、新たなフェアリーを産むための糧とされていた。また、とあるプレインズウォーカーの調査によると、時間をかけて十分な量の夢を集めた場合、強力な魔法に匹敵する力を生み出せるとされる。

シャドウムーア

フェアリーはローウィンの夜の姿シャドウムーア/Shadowmoorであっても、大オーロラ/Great Auroraによる変質をほぼ受けていない唯一の種族だ。彼らは依然として気紛れで、いたずら好きで、時に残酷な存在であり、次元の住民からより闇に染まった夢を刈り集めている。

とはいえ、彼らも全く変化していないわけではなく、階級的で誉れある面を見せ始めている。この変化は、ウーナの力が次元の隅々まで行き渡るようになり、彼女が次元の主導者としての立場をより確固たるものにしたからである。ウーナは権力を守ろうとし、フェアリー達は彼女の動きを模倣する――結局のところ、この次元のフェアリーは、ウーナからアイデンティティを得ているのだ。

重要人物

エルドレイン

エルドレイン/Eldraineにおけるフェアリーはフェイ/Faeとも呼称される。

エルドレインのフェイは多元宇宙/Multiverseにおいて最も多様性に富むとされる。翼のある人型生物という点は共通しているが、形、大きさ、気質は多種多様である。現在のところ、属するマナの色により3つに分かれた下級のフェイと、上位種であるハイフェイ/High Faeの計4種が知られているが、未知の種の存在も示唆されている。

  • 僻境/The Wildsにおける魔法生物の総称もフェイ属/The fair folkであるが、そちらとは綴りが異なる。

白のフェイ

白マナに属するフェイ(おせっかいのフェイ)は大人の人間/Humanほどの大きさで、長くて流れるような白い衣服をまとい、不気味な天使のような輝きを放つ(イラスト)。中には蛾を思わせる装飾に身を包んだものもいる(イラスト)。

これらのフェイは人間の生活に首を突っ込むことを好む――手を貸すことと、ふさわしいと思ったものを害することの両方だ。彼らは気紛れで、ある日にあなたを助けたフェイが翌日には敵となることもある。時折、浮遊する光や魔法の幻影で誘い出して騎士の忠誠心を貶めようとすることもあるため、王国/The Realmからは忠誠の敵と認識されている。

彼らは「おとぎ話的論理」に支配された、おびただしい数の自主的な決まりを持っている。そのためか他のフェイと異なり、時として本当に善良であり、幼子を産まれた時の願いに基づいて守ったり、森を彷徨う孤児を光の道標や贈り物で手助けすることもある。それでもほとんどの人間は、自分の運命をフェイに委ねることを警戒する――どんな種類のフェイであってもだ。

青のフェイ

青マナに属するフェイ(泥棒のフェイ)は身長1フィート(約30cm)ほどで、スレンダーな身体つき、鋭く尖った青い翼と髪を持つ(イラスト)。僻境に住むものは髪型、武器、翅のような装飾などでハイフェイを模倣していることもある(イラスト)。

この種のフェイは手に持てるものを何でも盗み、行く先々に混乱と苛立ちを巻き起こそうとする。盗んだ鍵をヤスリで削って剣にし、人間の服から引き裂いたボロ布切れを身に纏っている。その大きさにも関わらず、彼らは生意気で自慢げであり、常に犯罪の痕跡を残していく。ゆえに、人間からすればどこへ向かえば彼らを懲らしめられるかはすぐわかる。

彼らは策略とペテンを楽しむ。あるフェイが言うことには、ヴァントレス/Vantressの魔道士に嘘を吹き込むことが一番の気晴らしになるらしい。王国で最もよく見られるフェイはこの種であり、人家や城に侵入して物をくすねるのを楽しんでいる。

黒のフェイ

黒マナに属するフェイ(悪戯のフェイ)は身長3フィート(約90cm)ほどで、不機嫌そうな黄色い目と、鳥の羽根のような黒い翼を持つ(イラスト)。僻境にあるものを武器にしており、特にガラス片がお気に入りとされる(イラスト)。

その「悪戯」は無邪気さからは程遠いものである。この種のフェイは、出会う者すべてに迷惑、怒り、そして苦痛を与えたがっている。彼らはおそらくフェイの中でも最も気紛れであり、執着という概念を嗤う。黒のフェイに関して一つだけ予測できることは、彼らは常に心変わりをする生き物であるということだ。

ファイレクシア戦争の終結後は、彼らが魔女/Witchの集会に姿を現すことが増えている。

ハイフェイ

ハイフェイ/High Faeは古えより生きる、下級のフェイとは比べ物にならない強大な種だ。彼らは3対のカラフルで半透明な翅を持ち、空洞の頭部からは魔力のエッセンスが光の粒子として漏れ出している(イラスト)。

彼らは普通の生物のようには年を取らず、何世紀以上にも渡って生きてきた。遠い昔、彼らはエルドレインから姿を消している。新ファイレクシア/New Phyrexia侵攻と前後して、タリオン王を筆頭にハイフェイ達が帰還したが、多くはチューインベイル/Tuinvale奥地に隠れ住み、強力な魔法を用いて自身の存在を隠蔽している。

ハイフェイにとって名は重要な要素であり、自身の力や地位に直結している。あらゆるハイフェイはタリオンの家臣であり、かの王は名前を与えることも奪うことも自由自在だ。タリオンに気に入られた者は3、4つもの名前を持つこともある。一方、軽蔑を受けて名前を失うものも存在する。

魔術

ハイフェイは僻境でよく見られる光の粒子(イラスト)から力を引き出し、幻影の魔術で武器を作成・強化する。彼らは自然界の物質を元に武器を作ることが多く、エノコログサから槍を、チューリップから剣を生み出すことすら可能である。タリオンの宮廷が神出鬼没なのも、この幻影魔術によるものである。

定命との関わり

彼らは十分に注意を惹かれるものが無い限り、定命の世界に介入しようとはしない。しかしタリオンと側近達が行動に駆り立てれば、彼らに達成できないことなどほとんどない。

永遠とも思われる長い年月を、ハイフェイ達は同族とのなぞかけ、誤魔化し、そのほか複雑な知的ゲームに費やしてきた。エルドレインの霧に包まれた過去には、特別賢い人間がこれらのゲームでハイフェイを破ったという伝説もあるが、そうした話は非常に少ない。

定命の栄誉や美徳や法はハイフェイには通用せず、ただ自分達の掟にのみ従う――贈り物は現物でなければならず、約束は守らねばならない。そして、誤った方向に誘導したり、謎めいたことを話すことはあっても、真っ赤な嘘をついてはならない(仮に嘘をついた場合、全身の血が凝固するとされる)。この掟はハイフェイの本質の根幹を成すものであり、彼らはこのように行動することを選んでいるのではなく、ただそうしなければならないだけなのだ。

ハイフェイの役職

ハイフェイの役職は主に貴族騎士、魔術師(ウィザードおよび邪術師)の三つに分けられる。

貴族のハイフェイの多くは、タリオンへの助言を行う廷臣たちだ。彼らは気の遠くなるほどの年月を複雑で、だが無意味な政治的駆け引きに費やす。同盟関係は流動的で、常に移り変わる。こうした策謀の中で慈愛の王の宮廷に仕える者達は地位を得るのだ。また、廷臣以外には自然界の様々な構成要素を「領地」として与えられている者も存在する。例えばDuke/Duchesses(公爵)であれば季節を司り、Treasurer(出納係)は大地に眠る宝石を管理し、Archivist(記録者)ならばエルドレイン中の破られた誓いを監視する。

騎士のハイフェイはタリオンの信頼篤く、四六時中王の脇を固めている。翅が他の者より大きく、刺々しい鎧や武器で武装している。彼らは何世紀もの間戦闘技術を磨いており、その素早さ、優雅さは定命の者の想像が及ぶところではない。

魔術師のハイフェイは天性の魔法使いたる同族の中でも特に才ある者たちだ。最も力のある者はエルドレインの精霊との絆を結び、東風や足元の石などからでさえ力を引き出すことができる。

重要人物

ハイフェイ
  • タリオン/Talion - ハイフェイの頂点に立つ慈愛の王。ノンバイナリー。気紛れで好奇心が強い。
  • オビラ/Obyra - タリオンの娘にしてハイフェイの姫君。白兵戦において圧倒的な実力を誇る。
その他のフェイ
  • アリーラ/Alela - フェイの邪術師。女性。小さないたずらより遠大な陰謀を好む。
  • ランクル/Rankle - 悪ふざけの名人。男性。同族の間でも悪名高い存在。
  • ケラン/Kellan - フェイの父と人間の母の間に産まれた子。男性。外見は普通の人間と大差ない。

参考文献

ローウィン
エルドレイン

参考

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