情報アドバンテージ
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'''情報アドバンテージ'''(''Information Advantage'')<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/july-2-2018-banned-and-restricted-update-2018-07-02 JULY 2, 2018 BANNED AND RESTRICTED UPDATE]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0030750/ 2018年7月2日 禁止制限告知]([[2018年]]7月2日 [[Ian Duke]]著)</ref>とは、把握している[[秘匿情報]]に関連した優位性([[アドバンテージ]])のこと。 | '''情報アドバンテージ'''(''Information Advantage'')<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/july-2-2018-banned-and-restricted-update-2018-07-02 JULY 2, 2018 BANNED AND RESTRICTED UPDATE]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0030750/ 2018年7月2日 禁止制限告知]([[2018年]]7月2日 [[Ian Duke]]著)</ref>とは、把握している[[秘匿情報]]に関連した優位性([[アドバンテージ]])のこと。 | ||
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+ | *[[変異]]や[[予顕]]などが存在する[[環境]]では、秘匿情報が増えるため情報アドバンテージがより重要となってくる。 | ||
+ | *[[ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe]]が多くの[[フォーマット]]で[[禁止カード]]に指定された理由のひとつに、[[オールイン]]系の[[コンボデッキ]]が安すぎる[[コスト]]で安全確認できてしまう点が挙げられている。情報アドバンテージの重要性を物語っていると言えよう。 | ||
+ | *情報アドバンテージは非公開情報が多く存在するからこそ成立する概念であり、あまりにも情報がたやすく[[公開]]されすぎるとこの概念が消滅しマジックの面白みがひとつ失われてしまう<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/nature-secrecy-2013-03-22 The Nature of Secrecy]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0004130/ 秘密の性質](Latest Development [[2013年]]3月22日 [[Sam Stoddard]]著)</ref>。実際、かつての[[スタンダード]]で[[クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix]]が流行した際にはデベロッパーがこのことを問題視しており<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/ld/hidden-information-2014-10-24 Hidden Information]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0011439/ 隠された情報]([[Latest Developments]] [[2014年]]10月24日 [[Sam Stoddard]]著)</ref>、以降に登場した[[未来予知/Future Sight]]系カードのほとんどはこの反省を活かしてか常時公開ではなく[[あなた|自分]]だけ[[ライブラリーの一番上]]を見られるようになっている。 | ||
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情報アドバンテージは唯一ゲームが始まる前から確保できる(可能性がある)アドバンテージである。 | 情報アドバンテージは唯一ゲームが始まる前から確保できる(可能性がある)アドバンテージである。 | ||
− | [[トーナメント]]においては次戦以降の対戦相手の[[デッキ]]や[[プレイング]]の癖を確認しておくことで、優位に立つことができる。[[ドラフト]]戦においては流れてくるカードから同卓の[[色]]傾向や[[アーキタイプ]]を推定することができる。[[マッチ]]初戦で複数回の[[マリガン]]をしてしまい勝ち目が薄い時には、「即投了」や「徹底抗戦」だけではなく、こちらの手の内を見せずに対戦相手のデッキ内容を見抜いたところで[[投了]] | + | [[トーナメント]]においては次戦以降の対戦相手の[[デッキ]]や[[プレイング]]の癖を確認しておくことで、優位に立つことができる。[[ドラフト]]戦においては流れてくるカードから同卓の[[色]]傾向や[[アーキタイプ]]を推定することができる。[[マッチ]]初戦で複数回の[[マリガン]]をしてしまい勝ち目が薄い時には、「即投了」や「徹底抗戦」だけではなく、こちらの手の内を見せずに対戦相手のデッキ内容を見抜いたところで[[投了]]するのも一つの手である<ref>[http://mtg-jp.com/reading/katerumagic/0016967/ 金子と塚本の「勝てる!マジック」 第33回:プレイング編 情報の公開](WotC日本公式サイト)</ref>。 |
また、時には対戦相手が誰であるかからデッキの傾向を類推できることがある([[対人メタ]])。 | また、時には対戦相手が誰であるかからデッキの傾向を類推できることがある([[対人メタ]])。 | ||
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+ | *試合が始まる前に小物でバレることもあった。例えば、色違いの[[ダイス]]が複数ある⇒(どの色のマナがどれだけあるか判別するため)[[プロスブルーム]]の可能性大といったように。 | ||
+ | *[[アジア太平洋選手権00]]以降、決勝ラウンドにおいて事前にデッキリストを公開されるようになった。対戦結果の時差による情報格差の発生を防ぐことが目的で、これにより[[地雷デッキ]]が勝ち上がりにくくなった(⇒[[グランプリ北九州05]])。 | ||
+ | *[[ミシックチャンピオンシップロンドン19]]<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/competitive-gaming/modern-mythic-championship-ii-2019-04-23 Modern at Mythic Championship II](Competitive Gaming [[2019年]]4月23日 [[Simon Görtzen]]著)</ref>以降、[[フィーチャー・マッチ]]でなくても事前に[[デッキリスト]]を公開するトーナメントが増加している。理由は明言されていないが、情報格差の発生を防ぐことが目的のひとつと言われている。 | ||
+ | **デッキリストを交換して完全に格差をなくす場合もあれば、カード名のみを公開して投入枚数は伏せられている場合もある。 | ||
+ | *[[相棒]]は通常のルールにおいては数少ないゲーム開始前に公開されるゲーム内要素である。相手を事前に知るすべの無い[[Magic: The Gathering Arena]]のランク戦では特に、相手の[[アーキタイプ]]を推測する重要な要素(あるいは相棒を使う側のリスク)となっていた。 | ||
+ | **Arenaの大会ではこれを逆手に取ったブラフが披露された事例もある(→[[空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad|赤単ヨーリオン]])。<ref>[https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0034014/ 相棒で撹乱作戦?(スタンダード)](マジック日本公式サイト 2020年5月25日)</ref><ref>[https://twitter.com/malseman/status/1261735131720507393 @malseman](Twitter 2020年5月17日)</ref> | ||
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2022年5月13日 (金) 16:07時点における最新版
情報アドバンテージ(Information Advantage)[1]とは、把握している秘匿情報に関連した優位性(アドバンテージ)のこと。
ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中からクリーチャーでも土地でもないカード1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
アーティファクト
(T),ミシュラのガラクタを生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを1枚見る。次のターンのアップキープの開始時にカードを1枚引く。
マジックでは手札を始めとした非公開領域が存在し、対戦相手の手の内を類推しながら戦う必要がある。一方的に相手の手の内を知ることができれば効率の良いプレイングができるようになり、のちのちカード・アドバンテージやテンポ・アドバンテージでも優位に立てる可能性が高くなる。この優位を情報アドバンテージと呼ぶ。
通常、秘匿情報として最も重要なのは手札の内容であり、特に全体除去、カウンター、コンバット・トリックを行えるインスタント等の有無を知ることができればその優位は大きい。このアドバンテージはプレイングによって変動する部分も大きく、たとえば手札にあるのが基本土地1枚であっても無闇にプレイせず手札に隠しておけば、対戦相手はその秘密の1枚を考慮したプレイを行わざるを得ないだろう(ブラフ)。他のアドバンテージに比べて定量化することが難しい概念であるが、重要性は決して小さくない。
情報は非物質的で精神に関連しているため、色の役割としては青および黒にこのアドバンテージを得られるカードが多い。
- 変異や予顕などが存在する環境では、秘匿情報が増えるため情報アドバンテージがより重要となってくる。
- ギタクシア派の調査/Gitaxian Probeが多くのフォーマットで禁止カードに指定された理由のひとつに、オールイン系のコンボデッキが安すぎるコストで安全確認できてしまう点が挙げられている。情報アドバンテージの重要性を物語っていると言えよう。
- 情報アドバンテージは非公開情報が多く存在するからこそ成立する概念であり、あまりにも情報がたやすく公開されすぎるとこの概念が消滅しマジックの面白みがひとつ失われてしまう[2]。実際、かつてのスタンダードでクルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphixが流行した際にはデベロッパーがこのことを問題視しており[3]、以降に登場した未来予知/Future Sight系カードのほとんどはこの反省を活かしてか常時公開ではなく自分だけライブラリーの一番上を見られるようになっている。
[編集] 盤外の情報アドバンテージ
情報アドバンテージは唯一ゲームが始まる前から確保できる(可能性がある)アドバンテージである。
トーナメントにおいては次戦以降の対戦相手のデッキやプレイングの癖を確認しておくことで、優位に立つことができる。ドラフト戦においては流れてくるカードから同卓の色傾向やアーキタイプを推定することができる。マッチ初戦で複数回のマリガンをしてしまい勝ち目が薄い時には、「即投了」や「徹底抗戦」だけではなく、こちらの手の内を見せずに対戦相手のデッキ内容を見抜いたところで投了するのも一つの手である[4]。
また、時には対戦相手が誰であるかからデッキの傾向を類推できることがある(対人メタ)。
- 試合が始まる前に小物でバレることもあった。例えば、色違いのダイスが複数ある⇒(どの色のマナがどれだけあるか判別するため)プロスブルームの可能性大といったように。
- アジア太平洋選手権00以降、決勝ラウンドにおいて事前にデッキリストを公開されるようになった。対戦結果の時差による情報格差の発生を防ぐことが目的で、これにより地雷デッキが勝ち上がりにくくなった(⇒グランプリ北九州05)。
- ミシックチャンピオンシップロンドン19[5]以降、フィーチャー・マッチでなくても事前にデッキリストを公開するトーナメントが増加している。理由は明言されていないが、情報格差の発生を防ぐことが目的のひとつと言われている。
- デッキリストを交換して完全に格差をなくす場合もあれば、カード名のみを公開して投入枚数は伏せられている場合もある。
- 相棒は通常のルールにおいては数少ないゲーム開始前に公開されるゲーム内要素である。相手を事前に知るすべの無いMagic: The Gathering Arenaのランク戦では特に、相手のアーキタイプを推測する重要な要素(あるいは相棒を使う側のリスク)となっていた。
[編集] 脚注
- ↑ JULY 2, 2018 BANNED AND RESTRICTED UPDATE/2018年7月2日 禁止制限告知(2018年7月2日 Ian Duke著)
- ↑ The Nature of Secrecy/秘密の性質(Latest Development 2013年3月22日 Sam Stoddard著)
- ↑ Hidden Information/隠された情報(Latest Developments 2014年10月24日 Sam Stoddard著)
- ↑ 金子と塚本の「勝てる!マジック」 第33回:プレイング編 情報の公開(WotC日本公式サイト)
- ↑ Modern at Mythic Championship II(Competitive Gaming 2019年4月23日 Simon Görtzen著)
- ↑ 相棒で撹乱作戦?(スタンダード)(マジック日本公式サイト 2020年5月25日)
- ↑ @malseman(Twitter 2020年5月17日)