リム=ドゥール/Lim-Dul

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1970年1月1日 (木) 09:00時点における (トーク)による版
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リム=ドゥール/Lim-Dul

屍術師リム=ドゥール/Lim-Dul, the Necromancer

「The Great Necromancer(大屍術師)」とも名乗った。 正確にはLim-Dûl。 (uに曲折アクセント記号がつく。このため、Lim-DulではOrb of Insightでヒットしないなどということもある)

キイェルドー/KjeldorMarton Stromgald(マートン・ストロームガルド)軍の一兵士。ゴブリンの宿営地の襲撃部隊の一員だったが、斥候の報告以上の大部隊を前に、仲間を見捨てて逃走。吹雪を避けるために入った洞窟でメアシル/Mairsilの遺骸と指輪を発見、両者の記憶・能力・人格が融合して生まれ変わる。元々メアシルは5色の魔法を操れたが、の傾向が強いリム=ドゥールの性格が作用したため屍術師/Necromancerとなった。

Citadel of the Conclave of Mages(魔道士議事会の城塞)の跡地であるトレッサーホーン/Tresserhornを居城に定め、アンデッドの大軍団を編成してテリシア/Terisiare大陸征服を夢見る。副官はChaeska(チェスカ)

狐のような細面、茶色の髪に濃い顎鬚、痩せ気味だが筋肉質。暗い色のローブを着込み、右手には5色の指輪(内1つはメアシルの指輪)をはめる。 執念深く陰湿な性格で、非常に手の込んだ復讐を計画する。 例えばキイェルドー人リム=ドゥールとしては、無謀な襲撃任務を命令したマートン将軍をアンデッドの傀儡にして、反逆軍ストロームガルド騎士団/The Knights of Stromgaldを結成する。他方、メアシルとしては、仇敵ジョダー/Jodahティタニアシッペガエシで欺き、プレインズウォーカーの殺害法を研究させる。

プレインズウォーカーのレシュラック/Leshracを後援者としているが、絶対服従の奴隷同然の扱いを受け、freshworm(肉蛆)、toy(玩具)、beast(ケダモノ)などの蔑称で呼ばれている。密かにレシュラック殺害を企むが露見、その罰に人あらざる姿へ変貌させられる。

巧みな戦略でキイェルドーとバルデュヴィア/Balduviaの対立を誘導するが、ヤヤ・バラード/Jaya Ballardに救出されたジョダーによって計画は阻まれ、逆に両国は同盟を結んでしまう。だがストロームガルド騎士団を傘下に置き、戦力を増強したアンデッド軍団はキイェルドーの戦い/The Battle of Kjeldorで同盟軍と対決。その戦いの中、リム=ドゥールは自軍本陣でジョダーと対峙、劣勢になると後援者に助力を請う。リム=ドゥールの意図とは裏腹に、戦場に出現したレシュラックは"ちっぽけな"テリシアの覇権などに興味を抱かず、真の征服目標シャンダラー/Shandalarへとリム=ドゥールと軍団を引き連れて去っていった。しかし、その場には引き千切られた右手とメアシルの指輪が残された・・・

レシュラックとテヴェシュ・ザット/Tevesh Szatの2人のプレインズウォーカーに従ってシャンダラーに攻め込むが、2人の主ともシャンダラーの守護者ケナン・サーマル/Kenan Sahrmalの手によって追放されてしまう。リム=ドゥールはその戦いの終わりの混乱に乗じて、疲弊したサーマルを襲って倒すが、すぐさまサーマルの従者達によって斬首された。

それから12年後、魂を別の肉体に移し変えることで生き延びていたリム=ドゥールは、アンデッドの大軍を引き連れて現れ、シャンダラー支配を企む。数年間の戦乱の後、シャンダラーの主要都市はアーデスタン/Ardestanただ1つを除いて壊滅、アンデッド軍団に包囲されたアーデスタンの陥落は目前であった。しかしこの時、サーマルの弟子の1人、アザー/Azarが立ちはだかる。 防御円で攻撃を凌ぐアザーに対し、リム=ドゥールは無駄な直接攻撃を仕掛けず、その時を待つ。最後の一瞬に、前回同様の方法でアザーの肉体に魂を移し変えてしまう腹積もりであった。アザーの準備する呪文は、対象の魂を肉体に封印し、力を奪うとともに、その力を利用しシャンダラーを外界から守る「大障壁」/the Great Barrierを構築するものだった。不幸なことにアザーの呪文はリム=ドゥールの魂自体を対象にしており、2人の魂はアザーの肉体に囚われてしまう。1人の肉体に2人のウィザードが閉じ込められた結果、予想以上の膨大なエネルギーが放出、プレインズウォーカーを全く受け付けない「大障壁」が張り巡らされた。 アーデスタンの廃墟に到着したサーマルはもはやアザーを助けられない事を悟り、その肉体を秘密の墓地に安置する。この動かぬ肉体の奥深く、その支配を争って2人のウィザードは長い戦いを続けることになった。 このシャンダラー全土を荒廃させた戦争は、後に「リム=ドゥール戦争」/Lim-Dul's Warと名付けられる。

時は流れ、サーマルの後継者ガーディアン/The Guardianの庇護の下、5つのギルドの指導によりシャンダラーは復興を遂げ、再び繁栄の時を謳歌していた。 その頃、遂に肉体の支配権を奪ったリム=ドゥールは墓地から抜け出し、再びシャンダラー制覇を試みる。だが今回はギルドに束ねられたシャンダラーの抵抗に遭い、この「ウィザード戦争」/The Wizards' Warにおいて、屍術師は完膚なきまで叩きのめされた。 アザーの肉体から取り出されたリム=ドゥールの魂は、あるアーティファクトへ移され、秘密の場所に隠された。リム=ドゥールの魂が封印されている限り「大障壁」は健在である。シャンダラーの安全はこのアーティファクトとともに常しえのものかと思われたが、それはアルザコン/Arzakonの出現までのことであった。

  • アイスエイジのプロモ映像では、血色の悪い痩身の魔術師として登場。

グスタ・エバスドッター/Gustha Ebbasdotterを対決で打ち負かすが、コールビーヨーン/Kolbjornと思われる老ドルイドに横槍を入れられ、退散する。

登場カード

以下はフレイバー・テキストにのみ登場。

関連カード

リム=ドゥールの変身

アメコミ版ではレシュラックからの恩恵として肉体を強化、小男から鹿の角を持つ筋骨隆々とした巨漢になる。巻末ではMaster of the Huntの呪文を直接かけたと説明され、確かに変身後はそのイラストに似た姿である。

小説版ではお仕置きとして徐々に怪物化されている。 まずは、雄羊のような角を生やされ、歯は鋭い牙のようになる。角は重く、支え続けるのはかなりの苦痛。その姿は、丁度アイスエイジ暗黒の儀式/Dark Ritualイラストのようだ。 次の変身は、レシュラック殺害計画の罰として、肩幅は広がり、首は太く、下顎はがっしりとしたものに変わった。角を支えられる身体をくれてやろう、というレシュラックの皮肉である。 翼こそ持たないものの、レシュラックの伝令/Herald of Leshracイラストは小説の描写によく似ている。レシュラックの伝令はリム=ドゥールのアバターなのだろうか。

アメコミ版と小説版

上記の変身の仕方も含めて、アメコミ版と小説版では色々と辻褄が合わない部分がある。

  • メアシルの指輪

>アメコミ版:指輪なし。メアシルと関係は無い。 >小説版:指輪あり。リム=ドゥールはメアシルと融合した人格。 これは指輪自体が小説版での追加設定のためだろう。

  • 時系列の矛盾

>アメコミ版:ダリアン/Darienが王子であった時代、リム=ドゥールはキイェルドー騎士たちに敗れて、氷の牢に閉じ込められる。復活は頂上会談の戦いの余波によって。つまり、ダリアンの王子時代から世界呪文の29日前まで行動不能。 >小説版:ダリアンが王になった後にも暗躍中。特に行動不能の描写は無い。

  • シャンダラーへ・・・

>アメコミ版:世界呪文の最中にテヴェシュ・ザット/Tevesh Szatに連れられてシャンダラーへ去る。変身後の姿のまま。 >小説版:世界呪文直前、レシュラックに連れられて行く。このときの状態は生きた肉塊状態。

以上の通り、その差異は大きく上手く説明をつけることはできそうにない(アメコミと小説でリム=ドゥールが別人だとでもしない限りは)。

時のらせんにて [#timespiral]

時の裂け目を通り抜け、時のらせんでついにカード化。 未来の大地を見て、この表面は白い塩に覆われているが、その下は赤い血で染まっている、屍術には豊穣の地と、幾多の悲劇が繰り返されてきた歴史を見抜く。 イラストは怪物への変身が進む前の状態のようにも見えるが、よく見ると額に角が生えている。

訳語の変遷 [#translate]

「Lim-Dul, the Necromancer」は、第5版キイェルドーの死者/Kjeldoran Deadレシュラックの秘儀/Leshrac's Rite死の接触/Touch of Deathで「ネクロマンサー、リム=ドゥール」と初めて和訳され、第6版のキイェルドーの死者とレシュラックの秘儀でも同様に翻訳された。 コールドスナップテーマデッキアイスエイジ版の暗黒の儀式/Dark Ritual死者の漂い/Drift of the Dead、キイェルドーの死者が日本語化された際に「屍術師リム=ドゥール」と改められた。 時のらせんでの訳語に変更はない。

参考

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