知りたがる人形/Inquisitive Puppet
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好奇心に任せてライブラリーの一番上を知りたがり、最後には人間に生まれ変わる人形。
カード1枚で2体分のクリーチャーとして働けるという点では宿命の旅人/Doomed Traveler系列に近いが、こちらは起動型能力で自発的に追放して任意のタイミングでトークンを生成できることが特徴。色拘束がない1マナなので唱えやすく、タフネス2のブロッカーとして使って必要なければ追放してパワー1のクロック要員になる占術持ちとして序盤の潤滑油になる。しかし、単独ではカードパワーが頼りないのでETBに反応する誘発型能力持ちと組み合わせるとなお良い。
スタンダードでは1マナのアーティファクト・クリーチャーを重視したアゾリウス・アーティファクトに採用される。
リミテッドでは序盤の立ち上がりを助けてくれるものの、中盤以降に引いた場合はチャンプブロッカーにしかならないのが難点。主に白青で、アーティファクトをコントロールしていると強化されるカード群の布石として採用することになるだろう。
- 生け贄に捧げるのではなく追放なのは、再利用を難しくして悪用を防ぐと共に「人形自身が生まれ変わる」というフレイバーを重視する意味もあるのだろう。フレイバーは台無しになるが、大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creatorなど再利用する方法も一定数存在する。
- エルドレインの王権の人間のトークン・カードのイラストは女性であり[1]、フレイバーを正確には表現できないのが惜しいところ。これは恋煩いの野獣/Lovestruck Beastのフレイバーを優先したためと思われる。
開発秘話
モチーフは、コッローディの童話『ピノッキオの冒険』の主人公ピノッキオ(ピノキオ)[2]。最初は木製の人形だが、様々な冒険を経て人間の少年になる。
最初のデザインでは、神秘的/Mysticalな呪文を唱えるたび、ターン終了時まで人間・クリーチャーになるアーティファクトだった。神秘的は歴史的と同じ概念(包括/Batching)で、「アーティファクトかエンチャントかフェアリー」を意味する(エルドレインの王権の白青に存在する「アーティファクトとエンチャントのテーマ」はこの名残である)。だがクリーチャーでないアーティファクトは動く人形であるピノッキオを再現できているとは言えず、最終的なデザインでは「人間になることができるアーティファクト・クリーチャー」になった[3]。
- イラストの背景には人形を見守る妖精が描かれている。こちらはピノッキオを戒めつつも助け、最後には人間に変える存在、ブルー・フェアリー(ターコイズの髪の妖精)がモチーフだろう。ディズニー映画版『ピノキオ』では、彼女が人形に命を吹き込んだ設定になっている。
- 木の上に座っている人形とそれを見守る妖精という構図は、悪者によってピノッキオが木に吊された場面でブルー・フェアリーが登場し彼を助けるという、原典の物語を想起させるものとなっている。
「糸はなくなったが、まだ見えない力に心が引っ張られているように感じていた。」― グレートヘンジを超えて
脚注
- ↑ The Tokens of Throne of Eldraine/『エルドレインの王権』のトークン(Card Preview 2019年9月19日 Chris Gleeson著)
- ↑ Worldbuilding Eldraine/エルドレインの世界構築(Card Preview 2019年9月11日 Cynthia Sheppard著)
- ↑ Eldraine Check, Part 2/エルドレイン・チェック その2(Making Magic 2019年9月30日 Mark Rosewater著)