死の国/The Underworld
提供:MTG Wiki
死の国/The Underworldはテーロス/Therosの死者が住まう領域。
目次 |
解説
知覚力のある定命の生命がテーロスで死んだなら、その者は世界を取り巻く大河/The Rivers That Ring the Worldを渡り、死の国へと行き着く。そこは死者の神エレボス/Erebosが統べる、昼も夜もない永遠の灰色の領域だ。
死の国でも永遠の生が得られるわけではない。死者は記憶と自我を蝕まれ、やがて肉体をも蝕まれる。そして最後にはミゼラ/Miseraと呼ばれる崩れやすい像と化す(イラスト)。
死の国には死者だけでなく、エレボスがこの領域を守るために創り出した怪物、生者の領域から追放された怪物(イラスト)、自らの運命を憎むあまり、恐ろしい怪物に姿を変えた死者(イラスト)も住まう。中でも、タイタンは神々以前にテーロスを支配していた強大な存在であり、看守を務める運命の神クローティス/Klothysの下、死の国に永遠に封印されている。
ニクス/Nyxで死んだ者は死の国に行くことはない[1]。またテーロス出身者であっても、テーロス以外の次元/Planeで死んだならば死の国に行くことはない[2]。
領域
死の国は複数の領域に分かれており、生前の行いによって行き先が決まる。
- イリーシア/Ilysia - 英雄として死んだ者が行く領域。他の場所と比べ穏やかで明るい(イラスト)。
- ピュリアス/Phylias - つまらない一生を送った者が行く領域。惨めな退屈を味わい続ける(イラスト)。
- アゴナス/Agonas - 不名誉な戦いを行った者が行く領域。闘技場で永遠に戦うことになる(イラスト)。
- ネロノ/Nerono - 海の領域(イラスト)。
- ティゼルス/Tizerus - エレボスの宮殿を擁する荒涼とした領域(イラスト)。
脱出
何世紀にもわたり、多くの死者が死の国から脱出し、生者の世界に戻ってきた。彼らは蘇りし者/The Returnedと呼ばれる。
死の国からの最初の脱出者はフィナックス/Phenaxである。かつてヘリオッド/Heliodによって死の国に幽閉された彼は、エイスリオス/Athreosの外套に乗って共に世界を取り巻く大河を渡り、脱出を果たした。幻影で姿を隠していたため、エイスリオスもエレボスも彼を見つけることはできなかった――しかし、死者たちは彼の脱出劇を見ていた。こうして、「Path of Phenax(フィナックスの道)」と呼ばれる彼の脱出路を辿り、死の国から逃亡する者が現れるようになった。これが蘇りし者の起源である。
死の国からの脱出は、当然ながらエレボスやクローティスにとっては許されない行為である。フィラスキヤ/Phylaskiaと呼ばれる不死の兵が死の国の境界を守っており(イラスト)、クローティスの創造物である運命の工作員/Agents of Fateや、エイスリオスの番犬クノロス/Kunorosもまた脱出を阻止する役割を果たす。死の国を脱出しようとして捕らえられた者たちは、残された時間を懲罰のぬかるみ/The Mire of Punishmentの中で過ごすことになる(イラスト)。
しかし亜神を用いた神々の戦の結果、死の国と生者の領域との間に裂け目が開き、多くの死者や怪物が脱出を果たした。エルズペス・ティレル/Elspeth Tirelもこのときに脱出を目指した者の一人であり、最終的にエレボスの特別な計らいにより現世に帰還した。
登場
登場カード
カード名に登場
- テーロス
- 死の国からの救出/Rescue from the Underworld、死の国の歩哨/Sentry of the Underworld、死の国のケルベロス/Underworld Cerberus
- 神々の軍勢
- 死の国の重み/Weight of the Underworld
- ニクスへの旅
- 死の国の造幣工/Underworld Coinsmith
- テーロス還魂記
- 死の国への引き込み/Drag to the Underworld、死の国の突撃馬/Underworld Charger、死の国からの脱出/Underworld Breach、地獄界の夢/Underworld Dreams(地獄界として)、死の国の火/Underworld Fires、死の国の憤怒犬/Underworld Rage-Hound、死の国の衛兵/Underworld Sentinel
- モダンホライゾン2
- 死の国の隠遁者/Underworld Hermit
フレイバー・テキストに登場
- テーロス
- ヘリオッドの槍/Spear of Heliod、蘇りし者の行進/March of the Returned、殺人王、ティマレット/Tymaret, the Murder King
- 神々の軍勢
- 見捨てられし流れ者/Forsaken Drifters、湿原霧のタイタン/Marshmist Titan、金箔付け/Gild
- ニクスへの旅
- 死の国の造幣工/Underworld Coinsmith
- マジック・オリジン
- トゲイノシシ/Prickleboar
- 統率者2015
- ダクソスの苦悩/Daxos's Torment
- テーロス還魂記
- 失われた群れのレオニン/Leonin of the Lost Pride、高波の神秘家/Towering-Wave Mystic、最後の死/Final Death、葬儀/Funeral Rites、下僕の復活/Minion's Return、ぬかるみの捕縛/Mire's Grasp、サテュロスの悪知恵/Satyr's Cunning、死の国の火/Underworld Fires、終わりなき巣網のアラスタ/Arasta of the Endless Web、イリーシアの女像樹/Ilysian Caryatid、大食のテュポーン/Voracious Typhon、エイスリオスの番犬、クノロス/Kunoros, Hound of Athreos、死の国の衛兵/Underworld Sentinel
登場作品・登場記事
- Planeswalker's Guide to Theros, Part 1/プレインズウォーカーのための「テーロス」案内 その1(Feature Article 2013年8月21日 The Magic Creative Team著)
- Planeswalker's Guide to Theros, Part 3/プレインズウォーカーのための「テーロス」案内 その3(Feature Article 2013年9月4日 The Magic Creative Team著)
- Tragedy/悲劇(Uncharted Realms 2013年10月23日 Jennifer Clarke Wilkes著)
- The Theros Beyond Death Story on Cards/『テーロス還魂記』ストーリーカード(Feature 2019年12月16日 Wizards of the Coast著)
- Theros Beyond Death Story Summary/『テーロス還魂記』物語概要(Feature 2020年1月10日 Wizards of the Coast著)
その他
- テーロス・ブロックでは将来の再訪に備え、意図的に死の国の描写を控えていた。その再訪となるテーロス還魂記では、エルズペスの死の国からの脱出に焦点が当たることから、死の国を描いたカードが多数登場した[3]。
- モチーフはギリシャ神話における冥府(underworld)。文字通り、地下深くにあると考えられていた。冥府の神ハーデースが統べている。
- イリーシアのモチーフはエーリュシオンだろう。神々に愛された英雄の魂が暮らす、死後の楽園である。
脚注
- ↑ Where It's At/それは「どこ」にある(Making Magic 2019年3月11日 Mark Rosewater著)
- ↑ So what's the story with Gideon? He's from Theros...(Blogatog 2020年1月7日)
- ↑ At Death's Door, Part 1/死の扉にて その1(Making Magic 2020年1月2日 Mark Rosewater著)