マルドゥ族/The Mardu Horde

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マルドゥ族/The Mardu Hordeタルキール/Tarkirの5つの氏族/Clanの1つ。赤白黒で、中心色は

目次

解説

古のの「迅速/Speed[注釈 1]」の相を崇拝する氏族。龍翼/Wing of the Dragonを象徴とする(参考/翻訳)。

マルドゥは恐ろしい戦士の文化を持つ。名誉の掟が統べるマルドゥは常に戦争状態にあり、恐るべき戦略、弓術、戦魔術によって土地を征服する。彼らは征服した土地を統治する長い年月のためではなく、戦闘の熱い瞬間のために生きている。

インフラも農地も住まいもほとんど持たない彼らは、一年を通して常に生存の危機に晒されている。マルドゥは戦争なしには存続し得ない。彼らにとって、戦争は生きる手段の一つではなく、生きる手段そのものである。

  • マルドゥ/The Marduのほか、軍族/The Hordeと略されることもある。

イラグラの布告/The Edicts of Ilagra

マルドゥ社会の全員が戦地に赴くわけではないが、すべての氏族員がイラグラの布告/The Edicts of Ilagraと呼ばれる、龍の革の巻物に刻まれた戦士の掟に従って生きている。イラグラ/Ilagraとはマルドゥの最初のカン/Khanの名である。

  • 征服とは、食べること/To conquer is to eat - マルドゥの哲学の中心にあるのは、戦士は奪うことで生計を立てるという考えである。農耕による穀物だけではすべての人口を賄い切れず、したがってよく戦った者だけが食糧にありつけると彼らは考えている。
  • 統率とは、血を流すこと/To rule is to bleed - マルドゥは特定の場所の資源に頼ることは滅多にない。彼らは長期使用を前提としたインフラを建設したり、征服した人々を自分たちの文化に吸収したり、土地の所有権を主張したりといったことにほとんどエネルギーを費やさない。マルドゥの軍が領土を焼き払い、一週間分の穀物を奪い、居住地の類を一切設置せずに次の場所に移動するのはありふれたことである。
  • 勝利か死か/Victory or death - マルドゥの戦士は全速力で攻撃を行う。彼らは馬などの動物に騎乗して鐙の上に立ち、剣か弓を構えながら戦闘に突入する――これは身軽さと騎乗の技術の高さを、そして敵を倒すためにすべてを捧げる意志を示している。マルドゥの民は将来のための蓄えをすることはなく、失敗よりは死を選ぶ。

戦名/War names

青年に達したマルドゥの民は、冷酷な名誉の行いによって自分を証明する資格を得る。通常、これは戦いで敵を殺すことを意味する。それを達成した氏族員は戦名/War namesと呼ばれる新たな姓を授かる。戦名を持たない氏族員は、例え戦士であっても柔らかな踵/Soft heelと呼ばれる。

龍への態度

かつてマルドゥは最も有能な狩人であり、最も有能な龍殺しであった。彼らは早い時期から隠蔽の魔術を取り入れ、効率的で迅速な待ち伏せ攻撃を行った。今日、彼らは嘲笑と軽蔑をもって古の龍の記憶を扱い、龍の絶滅をマルドゥの価値を証明するものだと考えている。

戦旗と風

マルドゥは新たに征服した土地に彼らの戦旗を立てることを好む――例えそれが敵が追いつくまでの一日の間しか意味を成さないものであったとしても。タルキールのステップや高原に吹き荒ぶ強い風は、この戦旗を龍の翼の形にはためかせる。マルドゥの民の多くはこの風を、世界が次なる征服へと彼らの背中を押してくれているものだと信じている。

魔術

ダクラ式弓術/Dakla, the Way of the Bow

マルドゥは弓術を芸術の域にまで高めており、それを巫術と組み合わせてダクラ/Daklaと呼ばれる専門分野を作り上げた。彼らは儀式によって祝福された弓と、特別な魔法をかけた矢を使用する。マルドゥに「大魔導師」はいないが、代わりに優れた射手が強力な呪文魔術を仲間たちの弓術に織り込む。マルドゥの攻撃は多くの場合、風を切って唸りを上げる矢の雨が降り注ぐことを合図として始まる。

隠蔽の魔術

マルドゥは何世代にもわたって、古の時代の龍魔術の進化形である隠蔽の魔術を用いてきた。マルドゥはこれを戦いの際に支援魔術として使用する。主に戦士の力を偽装するために使われるが、油断している敵へ待ち伏せや挟み撃ちを行うために使われることもある。他の氏族もこの魔術を使用できるため、敵に同じ手を使わせないよう、マルドゥの射手はしばしば隠れた敵を狙う。

喊声

マルドゥの鬨の声はそれ自体が一種の魔術である。マルドゥの戦士と巫師は喊声を上げて敵を恐怖に陥れ、自軍の力と技を高める――もしくは音波で攻撃する。マルドゥの長たちが用いるこの技は、龍の息そのものを起源とする。

風呼び

マルドゥは、彼らが故郷と呼ぶステップや高原に吹き荒ぶ風を利用する。マルドゥの巫師は翼を模した大きな動きを用いて風を制御し、操り、敵に対する武器として使う――もしくは射手の放った矢を導き、その効果を高める。

種族

  • 人間/Human - マルドゥの中心種族。
  • オーク/Orc - 大型の人型種族。
  • オーガ/Ogre - 巨体の人型種族。オークよりも強いが、知性は野生の獣とほぼ同等で、抑え切れない凶暴性を持つ。普段は鎖に繋がれており、戦闘時に敵へと放たれる。オーガを繋ぎ止めるため、マルドゥはしばしば巨岩の近くに宿営する。
  • ゴブリン/Goblin - 小柄な人型種族。危険で頑強な戦士である。ゴブリン自身が馬を駆ることはあまりないが、騎乗した他の戦士の背に掴まり、馬から馬へ飛び移ることはできる。人間やオークからは半ば無視されており、これまでに戦名を授かったゴブリンはほとんどいない。
  • 軍馬/War horse - マルドゥの主要な騎乗動物。痩身で強く、駿足で名高い。幼い頃からの乗馬訓練、頑丈な鐙、そして馬自身の鋭い平衡感覚と滑らかな足取りにより、乗り手は走る馬の上に立ったり、騎乗しながら自由に弓を扱ったりすることができる。
  • /Falcon - 猟鳥あるいは乗騎として訓練された鳥。ロック/Rocを含む。ロックは龍の翼を模した戦旗で飾られ、恐ろしい四翼の外見を与えられることもある。

役割

戦士

マルドゥは専業の戦士が大きな人口比率を占める。

カン/Khan

マルドゥの指揮を執るカンは皆、強力で恐れを知らぬ戦士である。マルドゥにおいて、カンは絶対的な専制の暴君である――とはいえ、当然受けるべき尊敬を受けている。マルドゥの戦士の大部分は、ほとんど宗教的と言えるほどの畏怖を放つカンに狂信的に従っている。

多くのカンは、戦利品として先代のカンの骨を――戦場で死んだカンから奪うか、命を懸けた決闘において自力で勝ち取るかのどちらかで得た骨を――その身にまとう。

射手

マルドゥの戦士の多くが熟練の射手である。彼らの中には、タルキールのあちこちに散らばっている龍の骨から弓を彫り出す者もいる。

  • ダクラ式弓術の師/Practitioners of dakla - 射手たちの弓術に魔術を織り込む者。
  • 弓騎手/Bowriders - 騎乗状態で弓を射る射手。敵を仕留めながら危険極まる速度で馬を走らせることができる。
  • 心臓貫き/Heart-piercers - 遠距離の暗殺術に特化した射手。矢の射程と精度を魔術で強化する。
  • はらわた伸ばし/Gutstretchers - 巨人ほどの大きさの敵をも討ち倒す、巨大な重弓の使い手。オークやオーガがこの役に就くことも多い。

巫師

マルドゥには巫師の一団が存在する。彼らの魔術は知恵や儀式よりも、行動に寄ったものである。彼らは戦場にて試される。

  • 地割れ巫師/Chasm shamans - 大地そのものを動かす巫師。地割れを作り出して敵を閉じ込め、足止めをし、孤立させる。
  • 憤怒歌い/Ragesingers - 戦士を鼓舞し、乗騎の凶暴性を強化する呪文を用いる巫師。
  • 悲哀狩り/Woe reapers - 敵の断末魔に込められた苦痛と繋がりを結び、それを魔術の力とする巫師。

乗り手

動物に騎乗した戦士の伝統は、マルドゥの芸術である。

  • 谷を駆ける者/Valley dashers - 素早い乗り手。敵に駆け寄り、向こうが反応する前に押し潰す。
  • 鞍暴れ/Saddlebrutes - 大型動物に騎乗したオークやオーガの乗り手。
  • Solos - 単独で行動する熟練の乗り手、または暗殺者。隠密と魔術を用いて氏族の敵を狩り、滅ぼす。

指揮官

  • 軍族長/Hordechiefs - 戦場の将軍。カンに次ぐ地位である。
  • 世話人/Wranglers - 動物の世話係。馬や隼だけでなく、オーガや巨人さえも訓練し管理する。
  • 領土主/Feudmasters - 魔道士と戦略家から成る者たち。領土内の道の保全や軍の配備のため、あるいはマルドゥを侮辱した敵の名を挙げ、次に襲撃を行う相手を決定するためによく用いられる。

労働階級

マルドゥにも農業の担い手は存在する。彼らは主に家畜を世話し、戦闘用の乗騎を育てる。だがそれだけでは食欲旺盛なマルドゥの軍に十分な食糧を供給できず、あくまでも戦争による略奪で補われることが前提である。また、多くの職人たちが優秀な武器や防具を作り出す。

労働階級はそれなりの社会的自由を享受している。マルドゥの戦士は常に戦いの前線に赴くが、労働階級は一般に元いた場所に残り、他の氏族の下層階級と比べれば内政問題への発言権を持つ傾向にある。

重要人物

現在

  • サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol - かつてマルドゥの一員だったプレインズウォーカー/Planeswalker。戦闘中にプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkが点り、敵と味方を焼き払ってタルキールから姿を消した。
  • ズルゴ/Zurgo - マルドゥのカンであるオークの男性。戦名は兜砕き/Helmsmasher。サルカンの灯が点って敵味方が全滅した中、生き残った彼は自らの勝利を主張して英雄となり、カンの地位にのし上がった。
  • ヤシミン/Yasimin - 無謀で大胆不敵なゴブリンの女戦士。戦名は踝脛/Ankleshank。一つの武器を長く使い続けることはなく、今の武器を殺した相手の武器と次々取り替えることを好む。

1280年前

  • アリーシャ/Alesha - マルドゥのカンである人間。身体的な性は男性だが、性自認は女性。卓越した乗り手、優れた射手、剣の達人であり、弱冠19歳にしてカンになった。

重要地点

マルドゥが同じ土地を長期間保持することは滅多にない。それでも頻繁にマルドゥの領土となる地域、もしくは氏族にとって特別な意味を持つ場所は存在する。

  • 翼の玉座/Wingthrone - カンが座す玉座。崖に墜落した強大な龍の頭蓋骨でできている。マルドゥが戦争を遂行するための中枢であり、斥候と予見者が戦況を報告し、カンが指示を下す。
  • 黄金の墓所/Goldengrave - マルドゥの多くの戦いが行われた広大な草地。翼の玉座からそう遠くないところにある。地割れ巫師が侵略者を裂け目に落とすために――あるいは戦死者を、物資を剥いだ上で埋葬するために――この地を引き裂く。
  • 磨滅/The Scour - ティムール境/The Temur Frontierの領土にあるカル・シスマ山脈/The Qal Sisma mountainsから続く深い裂け目。黒い細砂とともに突き刺さる風によって常に侵食されている。この地に吹く干からびた風は、屍をたった一日で白骨に変えてしまう。
  • 叫び沼地/Screamreach - 翼の玉座近くの低地と砂草原の門/Sandsteppe Gatewayの向かいの草原の間にある、薄ら寒い一連の沼地。オークと沼オーガ/Swamp ogreが住んでおり、「叫び沼地」の名は彼らの犠牲となった者の悲鳴と、この地の樹洞に住まう鴉の甲高い鳴き声に由来する。

1280年前のマルドゥ

1280年前のマルドゥは龍との戦いの中にある。迅速を体現するコラガン/Kolaghanはマルドゥが唯一崇める龍であり、同時に彼らの最大の敵となっている。

多くの戦士たちが上を向いた刃や槍を肩に取り付け、上空の龍を牽制している。時折、龍の気を散らせて他の仲間を守るため、少数の戦士が鮮やかな長旗を掲げて馬を走らせることがある。これは極めて危険な任務だが、マルドゥの戦士は栄誉にあずかるため競ってこのような役に就こうとする。

戦いで敵を殺した者は戦名を授かる権利を得るが、特に向こう見ずな者は龍殺しの名声を求める。そのような狩人たちは高い崖から龍の背へと飛び移り、その首や翼を切り刻む。この技の成功には高い勇気と技術と幸運が必要であり、挑戦した者の大部分は死ぬ。

ゲームでの特徴

固有のメカニズムとして、能力語強襲タルキール覇王譚)とキーワード能力疾駆運命再編タルキール龍紀伝)を有する。これはどちらも前のめりに攻撃し続ける、マルドゥの迅速な側面を表している[1][2][3]。またそれ以外にも、攻撃時の誘発型能力攻撃強制ブロック制限など、攻撃を推奨するカードが多数存在している。

マルドゥの変異はその攻撃性を損ねないようになっており、変異コストは5氏族の中で最も軽い(とはいえ、タルキール覇王譚時点ではあまり大きな差ではない)[2]

その他

  • 定住地を持たないことと高い騎馬・騎射の技術を持つことから、モチーフは中央ユーラシアの遊牧騎馬民族(参考)だろう。

関連ページ

脚注

注釈

  1. 記事によっては「敏捷性」「素早さ」とも訳されている。

出典

  1. Mechanics of Khans of Tarkir/『タルキール覇王譚』のメカニズム(Feature、文:Matt Tabak
  2. 2.0 2.1 Khan Do Attitude, Part 2/カンの強い姿勢 その2Daily MTG、Making Magic、文:Mark Rosewater、訳:米村薫
  3. Mechanics of Fate Reforged/『運命再編』のメカニズム(Feature、文:Matt Tabak)

参考

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