表現の反復/Expressive Iteration
提供:MTG Wiki
(序盤から2ドローとして働きやすいのが特徴なので変更) |
細 |
||
(12人の利用者による、間の21版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
{{#card:Expressive Iteration}} | {{#card:Expressive Iteration}} | ||
− | [[カード]][[濾過]]と[[衝動的ドロー]]が組み合わさった[[ソーサリー]]。 | + | [[カード]][[濾過]]と[[衝動的ドロー]]が組み合わさった[[ソーサリー]]。[[青]]が加わったことで、衝動的に[[ライブラリーの一番上]]を[[追放]]するのではなく、追放するカードや[[手札に加える]]カードを3枚の中から選べることが大きな利点。 |
− | [[ | + | 追放したカードをその[[ターン]]中に[[プレイ]]すれば2[[マナ]]で2枚のカードを得ることができるうえ、3枚見て選べるためカードの質も高い。[[土地]]をプレイできるのも重要で、3枚も見れば1枚くらいは土地なので、土地を置く前に唱えればこのターンにプレイできるカードがないということも起きにくい。序盤は土地を置く前に[[唱える|唱え]]て土地を追放、中盤以降はそのターンに使える[[呪文]]を追放できる。2ターン目には唱えられないものの、土地を伸ばすことについては[[探検/Explore]]にも劣らない。 |
+ | |||
+ | [[フォーマット]]を問わず使われるパワーカードである点、[[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]に強力な[[レア]]カードがそれほど収録されなかった点から、[[アンコモン]]でありながら([[ミスティカルアーカイブ]]を除き)[[トップレア]]を凌ぐ価格で取引されることも多い。 | ||
+ | |||
+ | *[[時間の把握/Telling Time]]の亜種と言える。[[赤]]が加わったことで、ライブラリーの一番上に置く変わりに追放することで即効性が増した反面、[[インスタント]]でなくなった。 | ||
+ | |||
+ | ==活躍== | ||
+ | わずか2マナで2枚のカードを使用可能になるという[[カード・アドバンテージ]]性能の高さにより、様々な[[フォーマット]]で[[青赤]]系デッキのメタゲーム上のポジションを押し上げた。その結果、これが使用可能な非[[ローテーション]]の[[テーブルトップ]]公式フォーマットは[[モダン]]、[[ヴィンテージ]]、[[統率者戦]]だけとなってしまった。 | ||
+ | |||
+ | スタンダードでは[[青赤ビートダウン#エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期|イゼット・ドラゴン]]や[[ジェスカイ変容]]などをメタゲーム上位に押し上げる原動力となった。[[ローテーション]]後も[[青赤コントロール#ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期|イゼット・ドラゴン]]や[[イゼット天啓]]、[[ジェスカイ日向]]といった青赤系[[コントロールデッキ|コントロール]]の定番カードとなっている。 | ||
+ | |||
+ | [[パイオニア]]や[[ヒストリック]]では[[イゼット・フェニックス]]に採用されている(いた)。最速3ターン目[[弧光のフェニックス/Arclight Phoenix]]には貢献しないが、手札を稼ぐ手段に乏しいデッキにおいて貴重な[[アドバンテージ]]獲得手段であり、4枚投入されることも多い。 | ||
+ | |||
+ | [[モダン]]では[[青赤]]系の[[クロック・パーミッション]][[デッキ]]全般に広く採用される。 | ||
+ | |||
+ | [[レガシー]]でも[[青赤デルバー]]や[[トリコロール]]など、多くの青赤を含むデッキで使用されていた。 | ||
+ | |||
+ | ==禁止指定== | ||
+ | [[2022年]]6月7日より、[[パイオニア]]で[[禁止カード]]に指定される<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/june-7-2022-banned-and-restricted-announcement-2022-06-07 June 7, 2022 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036103/ 2022年6月7日 禁止制限告知](News 2022年6月7日 [[Michael Majors]] and [[Ian Duke]]著)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | 非常に効率よくカードにアクセスし[[アドバンテージ]]を得られるため、消耗戦において[[青赤]]とそうでない[[デッキ]]に大きな格差が生まれていたため。また、パイオニアで禁止カードになったことに伴い[[MTGアリーナ]]の[[エクスプローラー]]でも同日に禁止指定された。 | ||
+ | |||
+ | *[[イゼット・フェニックス/Izzet Phoenix (パイオニア・チャレンジャーデッキ2022)]]に封入されているが、この場合はデッキを一切変更しなければ例外として使用できる。 | ||
+ | |||
+ | [[2023年]]3月6日より、[[レガシー]]で[[禁止カード]]に指定される<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/announcements/march-6-2023-banned-and-restricted-announcement March 6, 2023 Banned and Restricted Announcement ]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036753/ 2023年3月6日 禁止制限告知](Announcement [[2023年]]3月6日 [[Ian Duke]]著)</ref>。 | ||
+ | |||
+ | 禁止指定直前、[[青赤デルバー]]は[[白単イニシアチブ]]と並んで[[メタゲーム]]の大部分を占めていた。これらの[[デッキ]]はメタゲームに存在する他のデッキを抑圧すると同時に互いを牽制しあってもいたため、双方に弱体化が必要となった。青赤デルバーからは、効率的に[[カード・アドバンテージ]]を供給することでメタゲームへの対応力を高めていた表現の反復を禁止することになった。 | ||
+ | |||
+ | このカードの禁止は、単純に強力なカードを取り除くというだけでなく、「効果的な1:1[[カード・アドバンテージ#交換|交換]]が行えるが、カード・アドバンテージを稼ぐ手段が少ない」という青赤デルバーの特性を強調し、メタゲーム上においてより脆弱なデッキにする狙いがある。 | ||
+ | |||
+ | ==フレイバー・テキスト== | ||
+ | 英語版の[[フレイバー・テキスト]]はtension, passion, perfectionで韻を踏んでおり、なかなかに軽快。残念ながら、日本語訳では意識されなかった。 | ||
+ | {{フレイバーテキスト|Prismari students dance in the tension between passion and perfection.}} | ||
+ | {{フレイバーテキスト|[[プリズマリ大学/Prismari College|プリズマリ]]の学生たちは情熱と完璧の葛藤の中で踊る。}} | ||
+ | |||
+ | ==脚注== | ||
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
*[[カード個別評価:ストリクスヘイヴン:魔法学院]] - [[アンコモン]] | *[[カード個別評価:ストリクスヘイヴン:魔法学院]] - [[アンコモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:スペシャルゲスト (モダンホライゾン3)]] - [[神話レア]] | ||
+ | __NOTOC__ |
2024年5月23日 (木) 10:43時点における最新版
ソーサリー
あなたのライブラリーの一番上からカード3枚を見る。それらのうち1枚をあなたの手札に加え、それらのうち1枚をあなたのライブラリーの一番下に置き、それらのうち1枚を追放する。このターン、あなたはその追放されたカードをプレイしてもよい。
カード濾過と衝動的ドローが組み合わさったソーサリー。青が加わったことで、衝動的にライブラリーの一番上を追放するのではなく、追放するカードや手札に加えるカードを3枚の中から選べることが大きな利点。
追放したカードをそのターン中にプレイすれば2マナで2枚のカードを得ることができるうえ、3枚見て選べるためカードの質も高い。土地をプレイできるのも重要で、3枚も見れば1枚くらいは土地なので、土地を置く前に唱えればこのターンにプレイできるカードがないということも起きにくい。序盤は土地を置く前に唱えて土地を追放、中盤以降はそのターンに使える呪文を追放できる。2ターン目には唱えられないものの、土地を伸ばすことについては探検/Exploreにも劣らない。
フォーマットを問わず使われるパワーカードである点、ストリクスヘイヴン:魔法学院に強力なレアカードがそれほど収録されなかった点から、アンコモンでありながら(ミスティカルアーカイブを除き)トップレアを凌ぐ価格で取引されることも多い。
- 時間の把握/Telling Timeの亜種と言える。赤が加わったことで、ライブラリーの一番上に置く変わりに追放することで即効性が増した反面、インスタントでなくなった。
[編集] 活躍
わずか2マナで2枚のカードを使用可能になるというカード・アドバンテージ性能の高さにより、様々なフォーマットで青赤系デッキのメタゲーム上のポジションを押し上げた。その結果、これが使用可能な非ローテーションのテーブルトップ公式フォーマットはモダン、ヴィンテージ、統率者戦だけとなってしまった。
スタンダードではイゼット・ドラゴンやジェスカイ変容などをメタゲーム上位に押し上げる原動力となった。ローテーション後もイゼット・ドラゴンやイゼット天啓、ジェスカイ日向といった青赤系コントロールの定番カードとなっている。
パイオニアやヒストリックではイゼット・フェニックスに採用されている(いた)。最速3ターン目弧光のフェニックス/Arclight Phoenixには貢献しないが、手札を稼ぐ手段に乏しいデッキにおいて貴重なアドバンテージ獲得手段であり、4枚投入されることも多い。
モダンでは青赤系のクロック・パーミッションデッキ全般に広く採用される。
レガシーでも青赤デルバーやトリコロールなど、多くの青赤を含むデッキで使用されていた。
[編集] 禁止指定
2022年6月7日より、パイオニアで禁止カードに指定される[1]。
非常に効率よくカードにアクセスしアドバンテージを得られるため、消耗戦において青赤とそうでないデッキに大きな格差が生まれていたため。また、パイオニアで禁止カードになったことに伴いMTGアリーナのエクスプローラーでも同日に禁止指定された。
- イゼット・フェニックス/Izzet Phoenix (パイオニア・チャレンジャーデッキ2022)に封入されているが、この場合はデッキを一切変更しなければ例外として使用できる。
2023年3月6日より、レガシーで禁止カードに指定される[2]。
禁止指定直前、青赤デルバーは白単イニシアチブと並んでメタゲームの大部分を占めていた。これらのデッキはメタゲームに存在する他のデッキを抑圧すると同時に互いを牽制しあってもいたため、双方に弱体化が必要となった。青赤デルバーからは、効率的にカード・アドバンテージを供給することでメタゲームへの対応力を高めていた表現の反復を禁止することになった。
このカードの禁止は、単純に強力なカードを取り除くというだけでなく、「効果的な1:1交換が行えるが、カード・アドバンテージを稼ぐ手段が少ない」という青赤デルバーの特性を強調し、メタゲーム上においてより脆弱なデッキにする狙いがある。
[編集] フレイバー・テキスト
英語版のフレイバー・テキストはtension, passion, perfectionで韻を踏んでおり、なかなかに軽快。残念ながら、日本語訳では意識されなかった。
Prismari students dance in the tension between passion and perfection.
プリズマリの学生たちは情熱と完璧の葛藤の中で踊る。
[編集] 脚注
- ↑ June 7, 2022 Banned and Restricted Announcement/2022年6月7日 禁止制限告知(News 2022年6月7日 Michael Majors and Ian Duke著)
- ↑ March 6, 2023 Banned and Restricted Announcement /2023年3月6日 禁止制限告知(Announcement 2023年3月6日 Ian Duke著)