新ヒストリック
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*上記の通り、[[エイプリルフール]]・ジョークのイベントであるが、実際にこのフォーマットで丸一日遊ぶことが出来た。 | *上記の通り、[[エイプリルフール]]・ジョークのイベントであるが、実際にこのフォーマットで丸一日遊ぶことが出来た。 | ||
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− | * | + | *コレクションに所持していないカードも使用することができる。 |
+ | *デッキのカード上限は通常のMTGアリーナ同様、250枚となっている。 | ||
*残念?なことに、[[アンティ]]および[[フェイク・アンティ]]ルール、ならびに先攻1ターン目の[[ドロー]]は採用されていない。 | *残念?なことに、[[アンティ]]および[[フェイク・アンティ]]ルール、ならびに先攻1ターン目の[[ドロー]]は採用されていない。 | ||
+ | *さすがにMTGアリーナに実装されていないカードは使用できない。また、[[グリセルブランド/Griselbrand]]や[[Ancestral Recall|祖先の回想/Ancestral Recall]]などカードデータは存在するが入手手段のないカードも同様である。 | ||
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+ | :厳密には新ヒストリックではなく上記の「自宅でFNM:無制限」のデッキ。[[暗黒の儀式/Dark Ritual]]連打から[[深淵への覗き込み/Peer into the Abyss]]へ繋ぎ、大量[[引く|ドロー]]から再び暗黒の儀式を連打、十分な[[ストーム]]数が溜まったら[[苦悶の触手/Tendrils of Agony]]でフィニッシュする。[[悪魔の教示者/Demonic Tutor]]が使用できるため再現性も高い。 | ||
+ | :*このデッキの登場により[[神聖の力線/Leyline of Sanctity]]や[[耳の痛い静寂/Deafening Silence]]が重要視されるようになった。 | ||
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+ | これ以外にも白単[[幸運な野良猫/Charmed Stray]]、[[赤]]単[[熱烈な勇者/Fervent Champion]]など様々なデッキが存在している。[[メタゲーム]]の隙間をかいくぐれば、多少禁止カードを追加しただけの[[フェアデッキ]]で勝つことも不可能ではない。 | ||
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2022年2月12日 (土) 03:04時点における版
新ヒストリック/New HistoricはMTGアリーナのイベントで採用された非公式フォーマット。マジック:ザ・ギャザリングを現在のルールに至る前の原初の姿に戻すことをコンセプトにしており、40枚デッキ・4枚制限ルール撤廃・禁止カードなし・サイドボードなしのルールのもとでゲームを行う。なお、このフォーマットが採用されたイベントが開催されたのは、2021年4月1日(太平洋夏時間)である。
目次 |
解説
- 上記の通り、エイプリルフール・ジョークのイベントであるが、実際にこのフォーマットで丸一日遊ぶことが出来た。
- フォーマットのスタイルはMTGアリーナのクライアントに継続して残されている。
- コレクションに所持していないカードも使用することができる。
- デッキのカード上限は通常のMTGアリーナ同様、250枚となっている。
- 残念?なことに、アンティおよびフェイク・アンティルール、ならびに先攻1ターン目のドローは採用されていない。
- さすがにMTGアリーナに実装されていないカードは使用できない。また、グリセルブランド/Griselbrandや祖先の回想/Ancestral Recallなどカードデータは存在するが入手手段のないカードも同様である。
デッキの一例
言ってしまえばアリーナ版のタイプ0であるが、Rocket-Powered Turbo Slugやドロスの大長/Chancellor of the Drossのような確定0~1ターンキルを引き起こすカードがないためまだ"比較的"マジックの形を保っている。とはいえ同名カードの5枚以上搭載やヒストリックの禁止カードも許されるので、異様な外観のデッキが生み出される。以下はその例である。
- 「盗賊ギルドの処罰者/Thieves' Guild Enforcerの処罰者+沼/Swampのみ」を基本形とするライブラリーアウトデッキ。複数体の処罰者が並ぶことにより相互作用による大量ライブラリー破壊を狙う。ビートダウンも遂行可能なのが強み。
- ミラーマッチを想定し、軍団の最期/Legion's Endや失われた遺産/Lost Legacyなどが積まれることもある。
- このデッキや遺跡ガニ/Ruin Crabによる青単ライブラリーアウトの存在により、新ヒストリックではデッキを上限値(250枚)にする戦略が肯定される。
- 這い寄る恐怖
- 上記の各種ライブラリーアウトのアンチデッキ。這い寄る恐怖/Creeping Chillを7枚以上搭載し、ライブラリー破壊を逆利用してドレインで勝利する。相手がライブラリーアウトでなかった場合はマーフォークの秘守り/Merfolk Secretkeeperや縫い師への供給者/Stitcher's Supplierなどで切削を行う。
- その性質上、虚空の力線/Leyline of the Voidでほぼ詰む。
- 上記の"無制限/No Limits"ではミスティカルアーカイブが参入したことで、暗黒の儀式/Dark Ritual+破滅を囁くもの/Doom Whispererを誘発手段とする型も生まれた。こちらは運が良ければ1ターンキルが可能である。
- デッキ構成を「0マナカード一種類」「ティボルトの計略/Tibalt's Trickery」「アタリ枠(絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hungerなど)一種類」「土地」の4種のみにすることで、2ターン目にはほぼ確実にアタリを唱えることができる。
- 実際には、上記4種に加えガイアの祝福/Gaea's Blessingなどのメタカードが少数挿されることもある。
- 同名カードの枚数制限がないことを逆手に取り、ルーンの光輪/Runed Haloなどの宣言した名前を対策するカードを用いて相手の勝利手段を無くすコントロールデッキ。大量のルーンの光輪および類似カード+少数のフィニッシャー+ガイアの祝福+αといった構成が基本形である。
- 黒単ストーム
- 厳密には新ヒストリックではなく上記の「自宅でFNM:無制限」のデッキ。暗黒の儀式/Dark Ritual連打から深淵への覗き込み/Peer into the Abyssへ繋ぎ、大量ドローから再び暗黒の儀式を連打、十分なストーム数が溜まったら苦悶の触手/Tendrils of Agonyでフィニッシュする。悪魔の教示者/Demonic Tutorが使用できるため再現性も高い。
- このデッキの登場により神聖の力線/Leyline of Sanctityや耳の痛い静寂/Deafening Silenceが重要視されるようになった。
これ以外にも白単幸運な野良猫/Charmed Stray、赤単熱烈な勇者/Fervent Championなど様々なデッキが存在している。メタゲームの隙間をかいくぐれば、多少禁止カードを追加しただけのフェアデッキで勝つことも不可能ではない。
脚注
- ↑ MTG Arena Announcements, June 16, 2021/MTGアリーナニュース(2021年6月16日)(Magic Digital 2021年6月16日 Wizards of the Coast著)