嚥下
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===ルール=== | ===ルール=== | ||
*クリーチャーが複数の嚥下を持つならば、それぞれが個別に機能する。 | *クリーチャーが複数の嚥下を持つならば、それぞれが個別に機能する。 | ||
− | * | + | *カードは[[表向き]]に追放される。 |
*そのプレイヤーのライブラリーにカードがない場合、嚥下は何もしない。単にカードを追放するだけなので、その時点でそのプレイヤーが[[敗北]]([[ライブラリーアウト]])することもない。 | *そのプレイヤーのライブラリーにカードがない場合、嚥下は何もしない。単にカードを追放するだけなので、その時点でそのプレイヤーが[[敗北]]([[ライブラリーアウト]])することもない。 | ||
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− | このメカニズムは、[[昇華者]] | + | このメカニズムは、[[昇華者]]のメカニズム(追放領域にある対戦相手が[[オーナー]]であるカードをそのプレイヤーの[[墓地に置く]]ことで何らかの恩恵を得る)と強く関連しており、[[デザイン・チーム|デザイン]]・[[デベロップ・チーム|デベロップ]]段階でともに発展した経緯がある。([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/preparing-battle-part-2-2015-09-14 参考]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0015721/# 翻訳]) |
エルドラージの「世界を喰らう」性質を表現する[[滅殺]]の代わりになるメカニズムを作る必要があり、また別の方針としてエルドラージが異世界から来た計り知れない存在であると感じさせることも目指していた。そこで、これまではあまり触れられてこなかった追放領域を利用することが検討された。 | エルドラージの「世界を喰らう」性質を表現する[[滅殺]]の代わりになるメカニズムを作る必要があり、また別の方針としてエルドラージが異世界から来た計り知れない存在であると感じさせることも目指していた。そこで、これまではあまり触れられてこなかった追放領域を利用することが検討された。 | ||
− | 追放領域を扱うに際して、追放領域は([[ | + | 追放領域を扱うに際して、追放領域は([[払拭の光/Banishing Light]]のような一時的に追放する類のものを除けば)通常は戻ってくることがないはずの領域として設定されており、気軽にカードを再利用可能な「第2の[[墓地]]」化することは避ける必要があった。 |
デザイン初期の段階では、追放している対戦相手のカードの枚数などを参照するようなメカニズムだったが、そのカードを消費する(=「食べる」)形にすることが[[Erik Lauer]]より提案された。この方式を成立させるために、[[コスト]]として使える程度にカードを追放するメカニズムが必要となり、デザイン段階では1体のクリーチャーが持っているだけだった「戦闘ダメージを与えるたびにライブラリーの一番上からカードを追放する」能力が嚥下として確立することになった。 | デザイン初期の段階では、追放している対戦相手のカードの枚数などを参照するようなメカニズムだったが、そのカードを消費する(=「食べる」)形にすることが[[Erik Lauer]]より提案された。この方式を成立させるために、[[コスト]]として使える程度にカードを追放するメカニズムが必要となり、デザイン段階では1体のクリーチャーが持っているだけだった「戦闘ダメージを与えるたびにライブラリーの一番上からカードを追放する」能力が嚥下として確立することになった。 | ||
最後に、追放したカードを消費するメカニズムは、「食べた」カードをそのプレイヤーの墓地に置くことが提案された。一度追放したカードを[[ゲーム]]に戻すことに対する不安はあったものの、戻すカードは対戦相手のものなので再利用問題とは直接関係しないし、また追放したカードをさらに追放するようないわば「超追放」とでも言うべきものを作ると領域の管理が苦痛であり、さらにこの奇妙な動きはエルドラージの「強い奇妙さ」も表現できていると判断された。最終的に、このメカニズムは昇華者メカニズムとして確立された。 | 最後に、追放したカードを消費するメカニズムは、「食べた」カードをそのプレイヤーの墓地に置くことが提案された。一度追放したカードを[[ゲーム]]に戻すことに対する不安はあったものの、戻すカードは対戦相手のものなので再利用問題とは直接関係しないし、また追放したカードをさらに追放するようないわば「超追放」とでも言うべきものを作ると領域の管理が苦痛であり、さらにこの奇妙な動きはエルドラージの「強い奇妙さ」も表現できていると判断された。最終的に、このメカニズムは昇華者メカニズムとして確立された。 | ||
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+ | ===その他=== | ||
+ | *「嚥下」とは食べ物などを飲み込むこと(口腔から胃まで運ぶこと)。 | ||
==参考== | ==参考== |
2016年1月3日 (日) 14:23時点における最新版
嚥下/Ingest | |
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種別 | 誘発型能力 |
登場セット | 戦乱のゼンディカー |
CR | CR:702.115 |
嚥下(えんげ)/Ingestは、戦乱のゼンディカーで制定されたキーワード能力。クリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えたときに誘発する誘発型能力である。
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi) ドローン(Drone)
欠色(このカードは無色である。)
嚥下(このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを追放する。)
[編集] 定義
嚥下/Ingestは、「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを追放する。」を意味する。
[編集] 解説
プレイヤーに戦闘ダメージを与えることでライブラリーを削るキーワード能力。エルドラージ/Eldraziたちの「次元/Planeを喰らう」性質を表しており、これを持つクリーチャーはすべてエルドラージである。
ライブラリー破壊としてのスピードは遅く、大抵の場合はライブラリーよりも先にライフの方が尽きてしまうだろう。しかし戦乱のゼンディカーには対戦相手の追放領域を利用するカードが多数収録されており、それらのサポートとして役立つ(詳しくは後述)。また、ライブラリー操作の妨害としても使える。
[編集] ルール
- クリーチャーが複数の嚥下を持つならば、それぞれが個別に機能する。
- カードは表向きに追放される。
- そのプレイヤーのライブラリーにカードがない場合、嚥下は何もしない。単にカードを追放するだけなので、その時点でそのプレイヤーが敗北(ライブラリーアウト)することもない。
[編集] 開発秘話
このメカニズムは、昇華者のメカニズム(追放領域にある対戦相手がオーナーであるカードをそのプレイヤーの墓地に置くことで何らかの恩恵を得る)と強く関連しており、デザイン・デベロップ段階でともに発展した経緯がある。(参考/翻訳)
エルドラージの「世界を喰らう」性質を表現する滅殺の代わりになるメカニズムを作る必要があり、また別の方針としてエルドラージが異世界から来た計り知れない存在であると感じさせることも目指していた。そこで、これまではあまり触れられてこなかった追放領域を利用することが検討された。
追放領域を扱うに際して、追放領域は(払拭の光/Banishing Lightのような一時的に追放する類のものを除けば)通常は戻ってくることがないはずの領域として設定されており、気軽にカードを再利用可能な「第2の墓地」化することは避ける必要があった。
デザイン初期の段階では、追放している対戦相手のカードの枚数などを参照するようなメカニズムだったが、そのカードを消費する(=「食べる」)形にすることがErik Lauerより提案された。この方式を成立させるために、コストとして使える程度にカードを追放するメカニズムが必要となり、デザイン段階では1体のクリーチャーが持っているだけだった「戦闘ダメージを与えるたびにライブラリーの一番上からカードを追放する」能力が嚥下として確立することになった。
最後に、追放したカードを消費するメカニズムは、「食べた」カードをそのプレイヤーの墓地に置くことが提案された。一度追放したカードをゲームに戻すことに対する不安はあったものの、戻すカードは対戦相手のものなので再利用問題とは直接関係しないし、また追放したカードをさらに追放するようないわば「超追放」とでも言うべきものを作ると領域の管理が苦痛であり、さらにこの奇妙な動きはエルドラージの「強い奇妙さ」も表現できていると判断された。最終的に、このメカニズムは昇華者メカニズムとして確立された。
[編集] その他
- 「嚥下」とは食べ物などを飲み込むこと(口腔から胃まで運ぶこと)。
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール